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1章
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この世界には主に3つの人型種族がいる。
人間族。
2番目に数が多く、選民思考を持っている。
魔族を嫌う傾向がある。
7割が戦う術を持たない一般市民。
個の力は弱いが物を扱う技術に長けている。
獣人族。
最も数が多い。
奴隷だった歴史をもつ。
強い力を持ち、各種特有の力を持つ。
獣、獣人、人の姿がある。
亜人族。
絶対数が少ない。
複数の種族をまとめた総称。
総じて長寿。
主だった種族は魔族、妖精族、巨人族。
魔族。
闇の力を多く持ち、その身に黒を纏う。
上位種は魔法攻撃無効の固有スキルを持つ。
身体的特徴での判断は可能。
ただし獣人族と重なる点が多いため非常に困難。
妖精族。
魔力の扱いに長けたエルフ。
製造業に長けたドワーフ。
小さな森の妖精フェイ。etc…
魔法の扱いが最も優れている種族。
巨人族。
海の向こう側で独自の国家を築いている。
最低身長8m、子どもでも5mある。
防御力が非常に高いが魔力は乏しい。
小人族もいたが滅んだとされている。
人型でない種族も当然いる。
それらの多くは魔物と呼ばれ、討つべき存在とされている。
魔物は他を攻撃する特性があり世界の闇であると言われている。
「魔族は身体の一部が黒いっていう特徴があって…ケイは嫌な思いをするかもしれない」
それは髪かもしれないし瞳かもしれない、あるいは皮膚かもしれない。
けれど黒を纏うということは魔族だということなのだそうだ。
少なくともこの国ではそう言われているらしい。
「選民思考を持っているのは貴族だけだけど、魔族や魔物を毛嫌いしているのはある種の国民性なんだ」
「大丈夫ですよ!俺が守りますから!」
「ありがとうございます。でも…魔族を毛嫌いするのが国民性ならどうして皆さんは普通だったんですか?」
国民性だというわりには最初からそんなことを感じたことはなかった。
教会でもギルドでもそうだった。
国民性というには微妙なような気がする。
「僕達は仕事柄魔族と関わることもあってね、それで他の人達よりは偏見がないんだ」
「偏見がないって言ってもある人はあるので1人で行動したら駄目ですよ!」
「気をつけます。それにシモンさんが守ってくれるんですよね?」
「はい!任せてください!」
「はい、お願いしますね」
そう言えばシモンは嬉しそうに破顔した。
まさしく忠犬。
大型犬飼いたい。
なんて考えていたら無意識に手を伸ばしていた。
「………」
「ケイ、何してるの」
「?」
「………………、」
なぜか呆然としているシモンからケイを引き剥がすカイ。
カイの眉間にはずいぶん皺が寄っている。
「カイさん?」
「はあ…食堂に行くよ」
「え?でもシモンさんは…」
「あれ見て行けると思う?」
シモンは顔を両手で覆ってぶつぶつと呟いている。
触るとか壊したいとか聞こえるけどよくわからない。
急にどうしたんだろうか。
「無理でしょ。だからさっさと行くよ」
それから元通りになったシモンが遅れて合流したのは食事が終わる頃だった。
人間族。
2番目に数が多く、選民思考を持っている。
魔族を嫌う傾向がある。
7割が戦う術を持たない一般市民。
個の力は弱いが物を扱う技術に長けている。
獣人族。
最も数が多い。
奴隷だった歴史をもつ。
強い力を持ち、各種特有の力を持つ。
獣、獣人、人の姿がある。
亜人族。
絶対数が少ない。
複数の種族をまとめた総称。
総じて長寿。
主だった種族は魔族、妖精族、巨人族。
魔族。
闇の力を多く持ち、その身に黒を纏う。
上位種は魔法攻撃無効の固有スキルを持つ。
身体的特徴での判断は可能。
ただし獣人族と重なる点が多いため非常に困難。
妖精族。
魔力の扱いに長けたエルフ。
製造業に長けたドワーフ。
小さな森の妖精フェイ。etc…
魔法の扱いが最も優れている種族。
巨人族。
海の向こう側で独自の国家を築いている。
最低身長8m、子どもでも5mある。
防御力が非常に高いが魔力は乏しい。
小人族もいたが滅んだとされている。
人型でない種族も当然いる。
それらの多くは魔物と呼ばれ、討つべき存在とされている。
魔物は他を攻撃する特性があり世界の闇であると言われている。
「魔族は身体の一部が黒いっていう特徴があって…ケイは嫌な思いをするかもしれない」
それは髪かもしれないし瞳かもしれない、あるいは皮膚かもしれない。
けれど黒を纏うということは魔族だということなのだそうだ。
少なくともこの国ではそう言われているらしい。
「選民思考を持っているのは貴族だけだけど、魔族や魔物を毛嫌いしているのはある種の国民性なんだ」
「大丈夫ですよ!俺が守りますから!」
「ありがとうございます。でも…魔族を毛嫌いするのが国民性ならどうして皆さんは普通だったんですか?」
国民性だというわりには最初からそんなことを感じたことはなかった。
教会でもギルドでもそうだった。
国民性というには微妙なような気がする。
「僕達は仕事柄魔族と関わることもあってね、それで他の人達よりは偏見がないんだ」
「偏見がないって言ってもある人はあるので1人で行動したら駄目ですよ!」
「気をつけます。それにシモンさんが守ってくれるんですよね?」
「はい!任せてください!」
「はい、お願いしますね」
そう言えばシモンは嬉しそうに破顔した。
まさしく忠犬。
大型犬飼いたい。
なんて考えていたら無意識に手を伸ばしていた。
「………」
「ケイ、何してるの」
「?」
「………………、」
なぜか呆然としているシモンからケイを引き剥がすカイ。
カイの眉間にはずいぶん皺が寄っている。
「カイさん?」
「はあ…食堂に行くよ」
「え?でもシモンさんは…」
「あれ見て行けると思う?」
シモンは顔を両手で覆ってぶつぶつと呟いている。
触るとか壊したいとか聞こえるけどよくわからない。
急にどうしたんだろうか。
「無理でしょ。だからさっさと行くよ」
それから元通りになったシモンが遅れて合流したのは食事が終わる頃だった。
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