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1章
8.5
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騎士団長執務室にて。
「で?お前どう思ったよ」
「やぁーっぱり不自然なのよね。でも悪い子ではないと思うわ。なんてったって可愛いもの!」
「へえ。まあ確かに可愛い顔してるよなぁ…」
ケイの顔を思い浮かべながらぽつりと言う。
確かにあれは可愛い。
大人に成り切れないあどけなさの中に独特の色香が混じったあれは正直ドストライクだ。
「というかアレはあんたの好みそのものでしょ」
「だからこそ余計に怪しく思えんだよなあ」
ここまで自分の好みに一致していると逆に怪しさしかない。
一見子どものようだったがあれで17だと言うし。
自分が誰かを特定させないための嘘かもしれない。
さっさとギルドカードでもなんでも出してくれれば話は早かったがそれを知らないと言う。
偽造のカードを出してくれれば1発で捕縛できるが偽造も本物も持っていないようだった。
ボディタッチで隠していないかエディが確認したそうだから持っていないのは確定だろう。
「…食事の時から観察していたけど所作はまるで貴族よ。それと食べる直前に料理を観察していたわ。この時計のことも知らなかったし…適応属性のことも知らなかったわ」
「ふぅん」
時計はこの国が作り出した技術だ。
朝が赤、昼は黄、夜は青とグラデーションのようにして時刻を表示する魔道具。
それをこの国で知らない者はいない。
むしろ他国にさえ知られているはずだ。
だが適応属性、というか魔法はあまり発展していない国があったはずだ。
そういった国から来たのだろうか。
だとしても相手のことをまるで調べていない。
そんな間者がいるだろうか。
「悪い子ではないんだけどねぇ…敵国の間者っていう線が1番濃厚かしら?」
「狙いは俺か?」
「あの子があんた好みなのはたぶん偶然よ。あの子、1度だってあんたのこと聞いてこなかったもの。聞いてきたのは視界に入ったもの、聞いて疑問に思ったものだけよ」
「…面倒だな」
こちらに取り入るような動きを見せればすぐに目的がわかるのに。
今のところ危険性があるとは思えないところも面倒だ。
「ああでも服の中に何か板のような形のものを隠していたわね。まあカイとシモンに回収するよう言っておいたけど」
カイとシモンは恐らく今ケイと一緒に大浴場へ放り込まれたのだろう。
まあそれも任務の1つだと思ってほしい。
「そうか。…そういえば回収した鞄なんだが」
「何よ、言いづらそうにして。さっさと言いなさいよ」
「見たことがないものばかりだった。本が入っていたが文字も異国のものでさっぱりだった」
「武器は入っていなかったのね」
その言葉に無言を返す。
そう、武器となるものはなかったのだ。
それに仮に間者だとして自分の荷物をそう簡単に手放すだろうか。
「なぁーんでこんな面倒なの拾ってくっかなぁー!」
がしがしと頭を掻く。
考えるのは面倒だ。
何度考え推測したとして実際はどうかわからない。
それならばいつものように相手をして証拠を掴んでやろう。
「うっし、直接聞く。ってことで風呂入って飯食ったらここに連れて来い」
「はいはい。…まあ確かに閨でなら口も軽くなるものねぇ…」
あの体格なら受け入れる側だろう。
ならたっぷり味わってから話を聞かせてもらおうか。
「で?お前どう思ったよ」
「やぁーっぱり不自然なのよね。でも悪い子ではないと思うわ。なんてったって可愛いもの!」
「へえ。まあ確かに可愛い顔してるよなぁ…」
ケイの顔を思い浮かべながらぽつりと言う。
確かにあれは可愛い。
大人に成り切れないあどけなさの中に独特の色香が混じったあれは正直ドストライクだ。
「というかアレはあんたの好みそのものでしょ」
「だからこそ余計に怪しく思えんだよなあ」
ここまで自分の好みに一致していると逆に怪しさしかない。
一見子どものようだったがあれで17だと言うし。
自分が誰かを特定させないための嘘かもしれない。
さっさとギルドカードでもなんでも出してくれれば話は早かったがそれを知らないと言う。
偽造のカードを出してくれれば1発で捕縛できるが偽造も本物も持っていないようだった。
ボディタッチで隠していないかエディが確認したそうだから持っていないのは確定だろう。
「…食事の時から観察していたけど所作はまるで貴族よ。それと食べる直前に料理を観察していたわ。この時計のことも知らなかったし…適応属性のことも知らなかったわ」
「ふぅん」
時計はこの国が作り出した技術だ。
朝が赤、昼は黄、夜は青とグラデーションのようにして時刻を表示する魔道具。
それをこの国で知らない者はいない。
むしろ他国にさえ知られているはずだ。
だが適応属性、というか魔法はあまり発展していない国があったはずだ。
そういった国から来たのだろうか。
だとしても相手のことをまるで調べていない。
そんな間者がいるだろうか。
「悪い子ではないんだけどねぇ…敵国の間者っていう線が1番濃厚かしら?」
「狙いは俺か?」
「あの子があんた好みなのはたぶん偶然よ。あの子、1度だってあんたのこと聞いてこなかったもの。聞いてきたのは視界に入ったもの、聞いて疑問に思ったものだけよ」
「…面倒だな」
こちらに取り入るような動きを見せればすぐに目的がわかるのに。
今のところ危険性があるとは思えないところも面倒だ。
「ああでも服の中に何か板のような形のものを隠していたわね。まあカイとシモンに回収するよう言っておいたけど」
カイとシモンは恐らく今ケイと一緒に大浴場へ放り込まれたのだろう。
まあそれも任務の1つだと思ってほしい。
「そうか。…そういえば回収した鞄なんだが」
「何よ、言いづらそうにして。さっさと言いなさいよ」
「見たことがないものばかりだった。本が入っていたが文字も異国のものでさっぱりだった」
「武器は入っていなかったのね」
その言葉に無言を返す。
そう、武器となるものはなかったのだ。
それに仮に間者だとして自分の荷物をそう簡単に手放すだろうか。
「なぁーんでこんな面倒なの拾ってくっかなぁー!」
がしがしと頭を掻く。
考えるのは面倒だ。
何度考え推測したとして実際はどうかわからない。
それならばいつものように相手をして証拠を掴んでやろう。
「うっし、直接聞く。ってことで風呂入って飯食ったらここに連れて来い」
「はいはい。…まあ確かに閨でなら口も軽くなるものねぇ…」
あの体格なら受け入れる側だろう。
ならたっぷり味わってから話を聞かせてもらおうか。
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