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第6章 黒い森の戦い
第6話 噂をすれば影射す
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二度目のファンファーレを聞き、森の中へ入場する一行。
「何度も聞いても慣れません。
とても間抜けに感じますわ。
お祖父様、戦いってこんなのばかりですの?」
こめかみを押さえつつ、深い薄暗い森の中へ入る。
彼女は愚痴りながら、経験豊富な祖父グレゴリーに質問してきた。
「戦の仕方か。
その都度違いはあるが、両軍馬で突っ込む時はこんな音を鳴らしたりする。
勝ったら雄叫びあげるし、賑やかでお祭りみたいだのう
ついて行く子分たちも初めての戦経験なので、親父様の経験話を興味深げに聞いていた。
「しかし、考えましたわね。
昨日行った場所まで、ロープを使ったり木に印をつける。
これなら、迷子にならない」
「こうでもしないと、またビクビクゆっくりと帰り歩かんとならん。
今日こそは、チューダー殿かマーシャルに出会いたいぞ!」
お祖父様のお年を考えたら、短期決戦で終わらせなくては。
それも国が出来るキッカケの争いからの遺恨なんて、長すぎでしょうが!
どんだけ、根暗な人種なんだよ!
彼女がグチグチ想像して歩いていたら、突然祖父グレゴリーが立ち止まった。
「うむっ、前から何かが来る!
敵か味方か!?」
プリムローズが祖父の前に出てきて、前に声をかける。
「ヒンメル~~!!」
「ぴ、ピィーちゃん…」
恥ずかしいのか、男性の声がどもっていた。
「お祖父様~、お仲間さんで味方ですわ。
合言葉は正解してますわ」
「そ、そうか…。
合言葉があったのう。
プリムは、ほんに賢いのう~。アーハハハ!」
敵に場所を突き止められそうな大声で笑う。
気にしない戦の神。
前から現れた御仁は、黒髪クルクルのチューダー将軍であった。
「おーぉ、チューダー将軍!!
ご無事でなりよりじゃあー!」
二日目でチューダー将軍と合流できたとは、お祖父様が朝に仰った通りにいい日になるかもね。
幸先よい出会いに喜ぶ、プリムローズたち。
「ヘイズ王が、後方でスクード公爵と陣を構えておる。
ヴェントも陛下のもとへ送られた。
残すは、マーシャルのみだ」
グレゴリーが彼に伝えると、先に森に入っていたチューダー将軍が戦況を説明する。
「マーシャルはこの奥にいる。
出口は、自分の南の領地に近い。
いつでも逃げ込めるようにして、最悪は領地内の決戦に持ち込む考えであろう」
だとしたら、私たちは不利だわ。
食料や物資は、運ぶのに時間がかかる。
相手は現地調達が可能、有利だわ。
彼は、仲間のヴェントが囚われたのを知っているのか?!
「心理作戦を使いませんか?
ヴェントは、すでに捕まっている。
ヘイズ王はお怒りになり、マーシャルを攻めにココに来ていると宣伝するのです」
「しかし、どうやってじゃあ?声を出しては、相手に居所を教えてるようなもんじゃ!」
彼女は考えてから、携帯用の紙とペンを出して書き始めた。
「一枚これを貼ってみます。
誰かが、読んで投降するかもしれません」
「いい案だと、私も思う。
一人逃げれば、後を追って混乱し規律が乱れる。
戦わなくても、兵が減るかもしれん」
チューダー将軍がそう話すと、紙を持っているだけ書くことにした。
マーシャルを探しながら、木に貼り付けていく。
「これだけ奥に行き、敵兵も10名しか出会わない。
相手は、戦う気がないのではないか?」
たらし込みをしては子分を増加させる、祖父が持論を語る。
「やる気がなくなったのかしら?
スクード公爵が前に話されてましたわ。
マーシャルは、争いを好まない。
引きこもり将軍と言っておりましたよ」
「誰が、引きこもりだと申すのかー!!」
茶色の髪に、茶色のおヒゲ。
体格のよい、人物が大きな声で答えてきた。
あれが、マーシャル!!
「マルクス・マーシャルだ!
なんと無礼な、小倅だ!
ずいぶんと舐めたマネする。
こんなガキを連れ参じるとは、ふざけんな~」
「おやっ、南の元将軍さまか!
【噂をすれば影が射す】じゃ。
これは、儂の孫だ。
初めましてじゃあ。
グレゴリー・ハーブモーネと申す者だ!
まぁ、宜しゅうな」
『お祖父様ったら、敵に向かって明るく挨拶しているのよ。
皆さん、呆れて引いてますわよ』
敵の親玉に会っても動じないグレゴリーに、驚く相手たち。
「しかし、噂していたら本人が現れるとは。
マーシャル、なぜに陛下を裏切ったのか!
言いたいことがあれば、ここで聞くぞ!」
『チューダー将軍も、なに呑気にワケ聞いたりしてんのよ』
戦いもしないで対話を始めた両者に悪態つく、プリムローズ。
「ふ~ん、余裕だな!
周りを敵兵たちに、囲まれているのが分からんとはな!」
いやだぁ、本当に取り囲まれてるじゃないの!
これこそ、四面楚歌ではない。
「お祖父様…。
まずいし、危機ですわ!
どうしましょう?!」
プリムローズが剣を抜く素振りをすると、グレゴリーが手でそれを静止した。
「もうすぐでアレが鳴るから、案ずるな。
プリムローズ!」
「えっ?!
お祖父様は何を仰っていますの?」
首を傾げそうになったら、あの哀愁が漂う曲が鳴り出す。
「誠に残念じゃのう~。
今日は、ここまでで終いとなってしまったようだな」
「そうですな、帰りますか。
おーい、撤収だ~!
暗くなる前に、戻るぞぉ~」
まさに、畑を耕す農民たちの終わりのようだわ。
何という、長閑な緊迫感なしの戦場なの?!
祖父とチューダー将軍の会話で、マーシャルは舌打ちをして怒鳴る。
「貴殿たちは運が良いな。
命拾いをしたようだ。
クソー、口惜しいが仕方ない。
皆、下がれー!!」
物わかりがいい方、私なら無視して戦いますのに。
「プリムローズ、そなたは卑怯ものだのう。
考えを、少しは改めよ。さぁさぁ、暗くなる前に森を出るぞ」
「あらっ、イヤですわ!
声に出てましたの?!
聞かなかった事にして下さませ」
やっぱマヌケとしか思えないと、またトボトボともと来た道を戻り始めるのであった。
「何度も聞いても慣れません。
とても間抜けに感じますわ。
お祖父様、戦いってこんなのばかりですの?」
こめかみを押さえつつ、深い薄暗い森の中へ入る。
彼女は愚痴りながら、経験豊富な祖父グレゴリーに質問してきた。
「戦の仕方か。
その都度違いはあるが、両軍馬で突っ込む時はこんな音を鳴らしたりする。
勝ったら雄叫びあげるし、賑やかでお祭りみたいだのう
ついて行く子分たちも初めての戦経験なので、親父様の経験話を興味深げに聞いていた。
「しかし、考えましたわね。
昨日行った場所まで、ロープを使ったり木に印をつける。
これなら、迷子にならない」
「こうでもしないと、またビクビクゆっくりと帰り歩かんとならん。
今日こそは、チューダー殿かマーシャルに出会いたいぞ!」
お祖父様のお年を考えたら、短期決戦で終わらせなくては。
それも国が出来るキッカケの争いからの遺恨なんて、長すぎでしょうが!
どんだけ、根暗な人種なんだよ!
彼女がグチグチ想像して歩いていたら、突然祖父グレゴリーが立ち止まった。
「うむっ、前から何かが来る!
敵か味方か!?」
プリムローズが祖父の前に出てきて、前に声をかける。
「ヒンメル~~!!」
「ぴ、ピィーちゃん…」
恥ずかしいのか、男性の声がどもっていた。
「お祖父様~、お仲間さんで味方ですわ。
合言葉は正解してますわ」
「そ、そうか…。
合言葉があったのう。
プリムは、ほんに賢いのう~。アーハハハ!」
敵に場所を突き止められそうな大声で笑う。
気にしない戦の神。
前から現れた御仁は、黒髪クルクルのチューダー将軍であった。
「おーぉ、チューダー将軍!!
ご無事でなりよりじゃあー!」
二日目でチューダー将軍と合流できたとは、お祖父様が朝に仰った通りにいい日になるかもね。
幸先よい出会いに喜ぶ、プリムローズたち。
「ヘイズ王が、後方でスクード公爵と陣を構えておる。
ヴェントも陛下のもとへ送られた。
残すは、マーシャルのみだ」
グレゴリーが彼に伝えると、先に森に入っていたチューダー将軍が戦況を説明する。
「マーシャルはこの奥にいる。
出口は、自分の南の領地に近い。
いつでも逃げ込めるようにして、最悪は領地内の決戦に持ち込む考えであろう」
だとしたら、私たちは不利だわ。
食料や物資は、運ぶのに時間がかかる。
相手は現地調達が可能、有利だわ。
彼は、仲間のヴェントが囚われたのを知っているのか?!
「心理作戦を使いませんか?
ヴェントは、すでに捕まっている。
ヘイズ王はお怒りになり、マーシャルを攻めにココに来ていると宣伝するのです」
「しかし、どうやってじゃあ?声を出しては、相手に居所を教えてるようなもんじゃ!」
彼女は考えてから、携帯用の紙とペンを出して書き始めた。
「一枚これを貼ってみます。
誰かが、読んで投降するかもしれません」
「いい案だと、私も思う。
一人逃げれば、後を追って混乱し規律が乱れる。
戦わなくても、兵が減るかもしれん」
チューダー将軍がそう話すと、紙を持っているだけ書くことにした。
マーシャルを探しながら、木に貼り付けていく。
「これだけ奥に行き、敵兵も10名しか出会わない。
相手は、戦う気がないのではないか?」
たらし込みをしては子分を増加させる、祖父が持論を語る。
「やる気がなくなったのかしら?
スクード公爵が前に話されてましたわ。
マーシャルは、争いを好まない。
引きこもり将軍と言っておりましたよ」
「誰が、引きこもりだと申すのかー!!」
茶色の髪に、茶色のおヒゲ。
体格のよい、人物が大きな声で答えてきた。
あれが、マーシャル!!
「マルクス・マーシャルだ!
なんと無礼な、小倅だ!
ずいぶんと舐めたマネする。
こんなガキを連れ参じるとは、ふざけんな~」
「おやっ、南の元将軍さまか!
【噂をすれば影が射す】じゃ。
これは、儂の孫だ。
初めましてじゃあ。
グレゴリー・ハーブモーネと申す者だ!
まぁ、宜しゅうな」
『お祖父様ったら、敵に向かって明るく挨拶しているのよ。
皆さん、呆れて引いてますわよ』
敵の親玉に会っても動じないグレゴリーに、驚く相手たち。
「しかし、噂していたら本人が現れるとは。
マーシャル、なぜに陛下を裏切ったのか!
言いたいことがあれば、ここで聞くぞ!」
『チューダー将軍も、なに呑気にワケ聞いたりしてんのよ』
戦いもしないで対話を始めた両者に悪態つく、プリムローズ。
「ふ~ん、余裕だな!
周りを敵兵たちに、囲まれているのが分からんとはな!」
いやだぁ、本当に取り囲まれてるじゃないの!
これこそ、四面楚歌ではない。
「お祖父様…。
まずいし、危機ですわ!
どうしましょう?!」
プリムローズが剣を抜く素振りをすると、グレゴリーが手でそれを静止した。
「もうすぐでアレが鳴るから、案ずるな。
プリムローズ!」
「えっ?!
お祖父様は何を仰っていますの?」
首を傾げそうになったら、あの哀愁が漂う曲が鳴り出す。
「誠に残念じゃのう~。
今日は、ここまでで終いとなってしまったようだな」
「そうですな、帰りますか。
おーい、撤収だ~!
暗くなる前に、戻るぞぉ~」
まさに、畑を耕す農民たちの終わりのようだわ。
何という、長閑な緊迫感なしの戦場なの?!
祖父とチューダー将軍の会話で、マーシャルは舌打ちをして怒鳴る。
「貴殿たちは運が良いな。
命拾いをしたようだ。
クソー、口惜しいが仕方ない。
皆、下がれー!!」
物わかりがいい方、私なら無視して戦いますのに。
「プリムローズ、そなたは卑怯ものだのう。
考えを、少しは改めよ。さぁさぁ、暗くなる前に森を出るぞ」
「あらっ、イヤですわ!
声に出てましたの?!
聞かなかった事にして下さませ」
やっぱマヌケとしか思えないと、またトボトボともと来た道を戻り始めるのであった。
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