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第4章 光と闇が混ざる時
第7話 親しき仲にも礼儀あり
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玄関に向かう道に人気はないが、どうも中庭から大勢の人の騒ぎ声や笑い声が響いていた。
とっても嫌な予感がする。
夕方まで時間はあるが、まさか公爵の屋敷でー。
あの強面のあいつらが、まさか酒盛りしているのではないだろうか。
お祖父様は、たまに公爵らしくない振る舞いをして下さる。
「ただいま、帰りました。
祖父母は、ヴァロへ無事に到着しましたのね」
執事長兼メイド長のイーダに挨拶すると、彼女はニャーッといつもの笑いと嫌みの言葉を伝えてくれた。
「イヤイヤ、お嬢様のご家族だけありますな。
イーダは、あの方々がたいそう気に入りましたぞ!」
このイーダさんに気に入られれば、この屋敷ではまず問題なく過ごせるであろう。
私がイーダさんと笑い合っていたら、懐かしい声が聞こえてきた。
「おおー、プリムよー~!
儂は会いたかったぞ!
元気そうでなによりだ」
「あぁ~、プリム!
お祖母様に、お前の可愛い顔を見せておくれ!
ずいぶん、成長して背丈が伸びたんではない!?」
声のする方へ振り向くと、自然に足がそちらの方へ向いていた。
「お祖父様ー!お祖母様ー~!!」
近くにいた人たちを置いといて、プリムローズは一気に二人に向って駆け出してしまった。
3人は人目を気にせず抱きしめ合うと、独りぽつんと立っている青年がいた。
「ギル師匠。
あの独り静かに、お嬢様たちを見ているお方は誰ですか?
もしや、兄上様のブライアン様ですか?」
エリアスが、ブライアンのことをマジマジ見つめながら話す。
「えっ~?まぁ、ああそうだな!」
「ふぅ~ん、あまりお顔が似てませんね?!
すごく綺麗で格好良い方でー。
王子様かのようです」
ギルはエリアスの鋭い指摘に、挙動不審な態度。
「ほぉ~、一人だけ他人のように見えるのう。
そんな家族もおります」
くそーっ、この婆さんは気づいたな。
彼は、どうも演技の下手な男のようであった。
エリアスは、純真無垢なので騙せたがー。
1人抜け者のような彼は、プリムローズの元へ歩きだす。
「プ、プリ、プリムローズ!!
久しぶりに会えて、兄は嬉しいぞー!」
抱きつこうとしたが、彼女はそんな兄を拒絶して軽く突き飛ばす。
祖母ヴィクトリアが持っていた扇で、ブライアン改めルシアン殿下の肩を軽く叩いた。
「【親しき仲にも礼儀あり】です。
ブライアンお兄様!」
「そうです!
なんと、図々しいことか。
ブライアン、貴方には1000年早いです」
側に来ていたエリアスは、なぜ兄に対して素っ気ないのか不思議に感じる。
「おやおや、親しき仲でしょう?
変ですな、兄妹ですよね。
エテルネルは、厳しい礼儀の国なのですか?」
イーダはますます意地悪く笑って、プリムローズ達を茶化していた。
「イーダさんとやら、ブライアンはお年頃ですしな。
淑女に対する扱い方を、いまは勉強中なんじゃあ。
ワーハハハ!」
そう言い豪快に笑いながら、祖父グレゴリーはブライアンの足を踏みつけていた。
痛さで半泣きになる、本当はエテルネルの王子ルシアンは黙ってひたすら耐え忍んでいる。
『防御が厚いんだ!
兄なら妹に挨拶で抱きしめたり、頬に軽くチューぐらいはいいではないか』
心で愚痴る王子は、立派にも表情には出さなかった。
「お祖父様、子分を団体で連れて来ましたの?
スクード公爵様にご迷惑ではなくって?!」
流石に、何十人も世話になるのはどうだと気にしている。
「ははは、大事ない!
儂らは、違う屋敷に滞在するからのう」
「エッ、何処に行かれますか?
もしかしたら、王宮でご厄介になりますの?」
祖父は笑ってばかりで、返事が出来ないようであった。
それだけ、久しぶりに孫娘と会うのが嬉しいようだ。
「プリム、旦那様はコチラでは侯爵の位を頂いてますのよ。
何せ、先王の命の恩人ですからね。
妾も行きの海の上で知らされました」
そう話す祖母は、夫に軽く睨みつけて孫に説明する。
「こ、侯爵ですって!
お祖父様、本当でございますか?
この国にも、お屋敷を持ちですの?」
もう彼女は祖父に関しては、予知夢や予想は考えても無駄なような気がしてしまった。
「無論じゃあ、領地は無いがな。
違法の船を取り締まる海賊もどきは、儂の部下がしておる。
儂が海賊の頭だな」
『何時から、そんな事を祖父はしていたのか。
パーレン伯爵が皇太子を失脚してから、お祖父様はそのお勤めをされてたの?』
時たまヘイズに訪れていたわけ?
頭の中で思いを巡らし、プリムローズは考えすぎて知恵熱を出しそうになる。
「おいおいと話すがな!
王都に、儂の屋敷があるので安心せい。
子分たちの寝床は、任せるがよい!」
「プリムローズ、旦那様は私たちに隠し事を平気でしてました。
妾もないとは言えぬが、今回だけは許しましょう。
貴方、もしこの国に女の影がありましたら分かりますわね!!」
お願いここで夫婦喧嘩だけはしないでくれと思う、孫娘であった。
とっても嫌な予感がする。
夕方まで時間はあるが、まさか公爵の屋敷でー。
あの強面のあいつらが、まさか酒盛りしているのではないだろうか。
お祖父様は、たまに公爵らしくない振る舞いをして下さる。
「ただいま、帰りました。
祖父母は、ヴァロへ無事に到着しましたのね」
執事長兼メイド長のイーダに挨拶すると、彼女はニャーッといつもの笑いと嫌みの言葉を伝えてくれた。
「イヤイヤ、お嬢様のご家族だけありますな。
イーダは、あの方々がたいそう気に入りましたぞ!」
このイーダさんに気に入られれば、この屋敷ではまず問題なく過ごせるであろう。
私がイーダさんと笑い合っていたら、懐かしい声が聞こえてきた。
「おおー、プリムよー~!
儂は会いたかったぞ!
元気そうでなによりだ」
「あぁ~、プリム!
お祖母様に、お前の可愛い顔を見せておくれ!
ずいぶん、成長して背丈が伸びたんではない!?」
声のする方へ振り向くと、自然に足がそちらの方へ向いていた。
「お祖父様ー!お祖母様ー~!!」
近くにいた人たちを置いといて、プリムローズは一気に二人に向って駆け出してしまった。
3人は人目を気にせず抱きしめ合うと、独りぽつんと立っている青年がいた。
「ギル師匠。
あの独り静かに、お嬢様たちを見ているお方は誰ですか?
もしや、兄上様のブライアン様ですか?」
エリアスが、ブライアンのことをマジマジ見つめながら話す。
「えっ~?まぁ、ああそうだな!」
「ふぅ~ん、あまりお顔が似てませんね?!
すごく綺麗で格好良い方でー。
王子様かのようです」
ギルはエリアスの鋭い指摘に、挙動不審な態度。
「ほぉ~、一人だけ他人のように見えるのう。
そんな家族もおります」
くそーっ、この婆さんは気づいたな。
彼は、どうも演技の下手な男のようであった。
エリアスは、純真無垢なので騙せたがー。
1人抜け者のような彼は、プリムローズの元へ歩きだす。
「プ、プリ、プリムローズ!!
久しぶりに会えて、兄は嬉しいぞー!」
抱きつこうとしたが、彼女はそんな兄を拒絶して軽く突き飛ばす。
祖母ヴィクトリアが持っていた扇で、ブライアン改めルシアン殿下の肩を軽く叩いた。
「【親しき仲にも礼儀あり】です。
ブライアンお兄様!」
「そうです!
なんと、図々しいことか。
ブライアン、貴方には1000年早いです」
側に来ていたエリアスは、なぜ兄に対して素っ気ないのか不思議に感じる。
「おやおや、親しき仲でしょう?
変ですな、兄妹ですよね。
エテルネルは、厳しい礼儀の国なのですか?」
イーダはますます意地悪く笑って、プリムローズ達を茶化していた。
「イーダさんとやら、ブライアンはお年頃ですしな。
淑女に対する扱い方を、いまは勉強中なんじゃあ。
ワーハハハ!」
そう言い豪快に笑いながら、祖父グレゴリーはブライアンの足を踏みつけていた。
痛さで半泣きになる、本当はエテルネルの王子ルシアンは黙ってひたすら耐え忍んでいる。
『防御が厚いんだ!
兄なら妹に挨拶で抱きしめたり、頬に軽くチューぐらいはいいではないか』
心で愚痴る王子は、立派にも表情には出さなかった。
「お祖父様、子分を団体で連れて来ましたの?
スクード公爵様にご迷惑ではなくって?!」
流石に、何十人も世話になるのはどうだと気にしている。
「ははは、大事ない!
儂らは、違う屋敷に滞在するからのう」
「エッ、何処に行かれますか?
もしかしたら、王宮でご厄介になりますの?」
祖父は笑ってばかりで、返事が出来ないようであった。
それだけ、久しぶりに孫娘と会うのが嬉しいようだ。
「プリム、旦那様はコチラでは侯爵の位を頂いてますのよ。
何せ、先王の命の恩人ですからね。
妾も行きの海の上で知らされました」
そう話す祖母は、夫に軽く睨みつけて孫に説明する。
「こ、侯爵ですって!
お祖父様、本当でございますか?
この国にも、お屋敷を持ちですの?」
もう彼女は祖父に関しては、予知夢や予想は考えても無駄なような気がしてしまった。
「無論じゃあ、領地は無いがな。
違法の船を取り締まる海賊もどきは、儂の部下がしておる。
儂が海賊の頭だな」
『何時から、そんな事を祖父はしていたのか。
パーレン伯爵が皇太子を失脚してから、お祖父様はそのお勤めをされてたの?』
時たまヘイズに訪れていたわけ?
頭の中で思いを巡らし、プリムローズは考えすぎて知恵熱を出しそうになる。
「おいおいと話すがな!
王都に、儂の屋敷があるので安心せい。
子分たちの寝床は、任せるがよい!」
「プリムローズ、旦那様は私たちに隠し事を平気でしてました。
妾もないとは言えぬが、今回だけは許しましょう。
貴方、もしこの国に女の影がありましたら分かりますわね!!」
お願いここで夫婦喧嘩だけはしないでくれと思う、孫娘であった。
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