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第3章 暗躍と毒女たちとの戦い
第26話 柄のない所に柄をすげる
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あれ以来、王宮での物騒な事件は鳴りを潜めていた。
スクード公爵は王弟の子が見つかり厳重に匿われているので、手が出せないと分かったのではと言ってくれた。
もう害する事や抵抗を諦めたようだと、再度私に伝えてくる。
「陛下がエリアス様を、側に置きたいと煩くてな。
どうであろうか。
週末だけでも会わせてやってくれんか?!」
公爵はそう頼んでくるが、私はそれが敵の狙いではないかと慎重になる。
「スクード公爵一家が、王のご機嫌伺いに行くと貴族の間に広めましょう?
そこで何か仕掛けてくるか?!
敵の動向を見極めましょう。
ところで捕まっているヤンネや他の者たちは、首謀者の名を吐きしましたか?」
「はぁ~、まだなんじゃあ。
ヤンネに至っては、何度か自ら死を望む素振りをしおった。
今は、監視を近くに置いとる。
天晴れなほどの忠誠心じゃ」
そこまでの覚悟を、彼はしていたのね。
首謀者は、ヤンネを助けないばかりか静観している。
彼は捨てられたのを理解しても、その方の役に立ちたかったのか。
「死を覚悟している。
なんと悲しいのでしょう。
ヤンネは、首謀者との関係を全然話さないのですか?」
「一言も喋らん!
拷問したらと意見があったが、儂が止めたわい。
あの態度で、やってもムダと思ったからのう」
ため息をついた公爵は、それから週末エリアスを連れて王宮に出向く予定が定まったと教えてくれた。
プリムローズは目の前にいる、3人に阻まれて前に進めなく立ち往生していた。
水仙の毒女こと、テレーシアの友人を含めた巨漢たち。
あくまでも、プリムローズから見たら巨漢で他の令嬢たちより背が多少高いだけであった。
「そこの方々!
前に進めなくて困ります。
少しだけ、退いてくれませんか」
我慢出来ずプリムローズは、嫌々ながら声をかけた。
振り向くと制服を着てるので、3人はプリムローズを平民だと勘違いをする。
「平民の出で、生意気な!
私たちが太っていて、邪魔で前に行けないと言い掛かりを言うの。無礼な!」
「貴女、私たちはただ立っていただけよ。
それをデブは退けと、こんな大勢の中で罵倒したわね。
酷い方、ちょっとだけポッチャリなだけでぇす!」
プリムローズはどう聞いたら、あの会話でここまで話が広がるか唖然としていた。
それに自分たちで認めているのは立派だが、デブと酷いわの繰り返しばかり。
あ~、ウザったらしい!
しかし公爵令嬢の私が、いまこの場で圧されている。
初めての経験して、自分でも驚く。
彼女は、試練を与えられていた。
「そんなことを私は、一言も言っていないわ。
変な被害妄想は、お止めになって下さい。
現実を見て頂戴な。
どうやって通れば、前に進めるのです」
彼女の言い分は、正しい正論である。
近くで座って食事していた方々は、賛同するように頷く人も何人かいた。
そこで威圧感たっぷりと漂わせ、真打ち登場!
最強の毒女が、前に出て口を出してくる。
「貴女、お小さいわね?
1年生なのかしら?!
先輩の私たちに、礼儀がなってなくって?!
キチンと、お返事しなさいな」
テレーシアが、プリムローズの前にトレーを持ちながら立ちはだかる。
周りは小さく可愛らしい令嬢が、巨漢の毒女から毒を振りかけられる様子を黙って見るしかない。
哀れみの視線を、プリムローズに向けていた。
「ここは、高等部が共同で使用する場です。
確かに目上の人を敬うのは大事ですが、今回は通してとお願いしただけですわ。
周りの方々も、これを聞いていてどう思いまして?!」
黙って聞いていたが、ちらほら賛同する声と拍手が鳴り響いていた。
テレーシアの横暴に耐えきれなく、勇気を表した行動だろう。
それを聞く周辺を見回すと、王族の血を受け継いだのか翡翠に似た緑色の瞳を泳がせている。
彼女が、焦って動じているのを確認した。
そんな毒女は、冷静さを取り戻し反撃を試みようとしたがー。
「【柄のない所に柄をすげる】とは、これに当てはまるわよね。
ご存知、柄は器具などにつけた握りの部分、必要のない所にその柄をつけると言う意味よ」
バカにしたようにプリムローズが先に話しだすと、テレーシアは怒った口調で返してくる。
「なにそれ、意味がわからないわ。
関係ない話をして、はぐらかすおつもりなの?!」
「オホホホ、お勉強が苦手なのかしら?
無理な言いがかりや難癖をつける、例え言葉です」
ヤレヤルとばかりに首を左右に振ると、彼女は目を吊り上げ見開く。
次の彼女たちの言動を、誰一人予想出来ずにいたのであった。
その前に姿が見当たらないので心配したライラが、トレーを置き席を取るとプリムローズを探していた。
騒がしくしている場所へ行き着くと、プリムローズと水仙の毒女さまが向き合っているのが目につく。
「プリムローズ様ー!」と、ライラが呼ぶ声は無情にも消されてしまう。
この先に起きる出来事は、困惑と疑問ばかりが残ることになる。
いつもなぜか、巻き込まれる彼女。
果たして、どうなるかはプリムローズの匙加減ひとつで決まるのであった。
スクード公爵は王弟の子が見つかり厳重に匿われているので、手が出せないと分かったのではと言ってくれた。
もう害する事や抵抗を諦めたようだと、再度私に伝えてくる。
「陛下がエリアス様を、側に置きたいと煩くてな。
どうであろうか。
週末だけでも会わせてやってくれんか?!」
公爵はそう頼んでくるが、私はそれが敵の狙いではないかと慎重になる。
「スクード公爵一家が、王のご機嫌伺いに行くと貴族の間に広めましょう?
そこで何か仕掛けてくるか?!
敵の動向を見極めましょう。
ところで捕まっているヤンネや他の者たちは、首謀者の名を吐きしましたか?」
「はぁ~、まだなんじゃあ。
ヤンネに至っては、何度か自ら死を望む素振りをしおった。
今は、監視を近くに置いとる。
天晴れなほどの忠誠心じゃ」
そこまでの覚悟を、彼はしていたのね。
首謀者は、ヤンネを助けないばかりか静観している。
彼は捨てられたのを理解しても、その方の役に立ちたかったのか。
「死を覚悟している。
なんと悲しいのでしょう。
ヤンネは、首謀者との関係を全然話さないのですか?」
「一言も喋らん!
拷問したらと意見があったが、儂が止めたわい。
あの態度で、やってもムダと思ったからのう」
ため息をついた公爵は、それから週末エリアスを連れて王宮に出向く予定が定まったと教えてくれた。
プリムローズは目の前にいる、3人に阻まれて前に進めなく立ち往生していた。
水仙の毒女こと、テレーシアの友人を含めた巨漢たち。
あくまでも、プリムローズから見たら巨漢で他の令嬢たちより背が多少高いだけであった。
「そこの方々!
前に進めなくて困ります。
少しだけ、退いてくれませんか」
我慢出来ずプリムローズは、嫌々ながら声をかけた。
振り向くと制服を着てるので、3人はプリムローズを平民だと勘違いをする。
「平民の出で、生意気な!
私たちが太っていて、邪魔で前に行けないと言い掛かりを言うの。無礼な!」
「貴女、私たちはただ立っていただけよ。
それをデブは退けと、こんな大勢の中で罵倒したわね。
酷い方、ちょっとだけポッチャリなだけでぇす!」
プリムローズはどう聞いたら、あの会話でここまで話が広がるか唖然としていた。
それに自分たちで認めているのは立派だが、デブと酷いわの繰り返しばかり。
あ~、ウザったらしい!
しかし公爵令嬢の私が、いまこの場で圧されている。
初めての経験して、自分でも驚く。
彼女は、試練を与えられていた。
「そんなことを私は、一言も言っていないわ。
変な被害妄想は、お止めになって下さい。
現実を見て頂戴な。
どうやって通れば、前に進めるのです」
彼女の言い分は、正しい正論である。
近くで座って食事していた方々は、賛同するように頷く人も何人かいた。
そこで威圧感たっぷりと漂わせ、真打ち登場!
最強の毒女が、前に出て口を出してくる。
「貴女、お小さいわね?
1年生なのかしら?!
先輩の私たちに、礼儀がなってなくって?!
キチンと、お返事しなさいな」
テレーシアが、プリムローズの前にトレーを持ちながら立ちはだかる。
周りは小さく可愛らしい令嬢が、巨漢の毒女から毒を振りかけられる様子を黙って見るしかない。
哀れみの視線を、プリムローズに向けていた。
「ここは、高等部が共同で使用する場です。
確かに目上の人を敬うのは大事ですが、今回は通してとお願いしただけですわ。
周りの方々も、これを聞いていてどう思いまして?!」
黙って聞いていたが、ちらほら賛同する声と拍手が鳴り響いていた。
テレーシアの横暴に耐えきれなく、勇気を表した行動だろう。
それを聞く周辺を見回すと、王族の血を受け継いだのか翡翠に似た緑色の瞳を泳がせている。
彼女が、焦って動じているのを確認した。
そんな毒女は、冷静さを取り戻し反撃を試みようとしたがー。
「【柄のない所に柄をすげる】とは、これに当てはまるわよね。
ご存知、柄は器具などにつけた握りの部分、必要のない所にその柄をつけると言う意味よ」
バカにしたようにプリムローズが先に話しだすと、テレーシアは怒った口調で返してくる。
「なにそれ、意味がわからないわ。
関係ない話をして、はぐらかすおつもりなの?!」
「オホホホ、お勉強が苦手なのかしら?
無理な言いがかりや難癖をつける、例え言葉です」
ヤレヤルとばかりに首を左右に振ると、彼女は目を吊り上げ見開く。
次の彼女たちの言動を、誰一人予想出来ずにいたのであった。
その前に姿が見当たらないので心配したライラが、トレーを置き席を取るとプリムローズを探していた。
騒がしくしている場所へ行き着くと、プリムローズと水仙の毒女さまが向き合っているのが目につく。
「プリムローズ様ー!」と、ライラが呼ぶ声は無情にも消されてしまう。
この先に起きる出来事は、困惑と疑問ばかりが残ることになる。
いつもなぜか、巻き込まれる彼女。
果たして、どうなるかはプリムローズの匙加減ひとつで決まるのであった。
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