40 / 142
第3章 暗躍と毒女たちとの戦い
第7話 覆水盆に返らず
しおりを挟む
腰の長さまであった、ライラの美しい炎のような見事な赤髪。
それは切り揃えると、肩下までの髪の長さになってしまった。
お抱えの理容師を学園にお呼びになり、空いている部屋で髪を切り揃えて貰う。
気丈にも、あれから泣きもせず。
落ち着き冷静な態度していたが、恐らく今は心ココに有らず。
一点を見つめされるがまま、ボー然としている様に見えた。
私はその様子を見てしまい、辛くなりその場を離れた。
長い髪の私が側にいたら、私ならとつい考えてしまうから…。
午後の授業は取りやめになり、ライラ様のご両親が連絡を受けて学園に急ぎ駆けつけて来る予定。
急きょ授業がなくなったのは、何故なのか?
被害者よりも、加害者のサンドラの両親。
ヴェント侯爵夫妻が、学園長や先生方に対して大騒ぎして乗り込んで来たのが原因だった。
子が子なら、親もそういうお方たちなんだろう。
船から降りた際に、侯爵夫人を強盗から助けた時の態度を見れば明らかだ。
不思議なことに学園長の部屋の応接間には、プリムローズがヴェント侯爵夫妻と対面していた。
彼女の隣には、担任と現場にいた家庭科担当教師が座っている。
その両者を挟むように斜め前では、学園長がまるで裁判官の様だった。
「貴女がー、私たちの大事な娘の髪を切りましたの!
娘は混乱して、手がつけられないのよ!
あの髪では、どこも行けないではないの!」
ヴェント侯爵夫人こと、セレーナがプリムローズに会うなり怒鳴りつけたのである。
「まぁ~、失礼な!
会うなりご挨拶もしないで、この私を怒鳴りつけてー!」
こちらも負けず嫌いの性格のプリムローズ、夫人にあからさまに文句を言ってくる。
ぎょっとした学園長が、2人の間を割って宥める前に…。
「ヘイズの淑女は、礼儀知らずですね。
嫌になっちゃうわ!
常識がなくて、オーホホホ」
プリムローズの嫌味と高笑いが、侯爵夫人に向けて放たれた。
残された他の者たちが、オタオタして見守る。
そんな周りを無視しては、つけ入る隙さえ与えず続けて攻める。
「あなた方のご令嬢は、この私に髪を切ると、ハサミで襲いました。
これは脅迫罪もしくは、傷害罪にあたります」
部屋にいる全ての人たちは、その言葉に息を呑んだ。
「それは、すこし言いすぎではないか。
クラレンス嬢、娘が冗談で言ったんだ。
そうに違いない!」
ヴェント侯爵ことエドアルドが立ち上がり、プリムローズを脅すかの様に大声で言う。
「あなた方に対し、発言の許しはしてません。
私はエテルネルの公爵令嬢にして、アルゴラ王家の血筋の者です。
地位的には、貴方よりは上のはずよ」
プリムローズの威厳は、部屋全体に威圧感を与えるのに十分だった。
怒りの表情を隠しつつ、侯爵は立ち上がると夫人も夫に続き立ち上がりプリムローズに謝罪と挨拶して発言を求めた。
「許しましょう。
お座りなさい」
その瞬間に主導権は、プリムローズに完全に渡った。
学園長も先生方も、この少女が次に何を言うのか予測できなく内心はビクつきものだった。
「ヴェント侯爵夫妻はご令嬢に対し、どんな教育しておりますの?
あれは、貴族のご令嬢がする所業ではございませんことよ。
ねぇ、先生も目の前でご覧遊ばしたわよね」
突然話を振られて、気が動転する家庭科担当教師である。
「あ…、あの。
ヴェント侯爵夫妻、発言を致します。
クラレンス嬢の仰る通りでございます。
ご令嬢は、自分の刺繍を馬鹿にされたと思い込みました。
突然、へーディン嬢にハサミで嫌がる彼女の髪を切りましたわ。
異常な行動でした」
聞いていた侯爵夫妻は、顔を強張らせて体が自然に震えだした。
「コホン、クラレンス嬢!
ヴェント嬢を、本当に法的に訴えるのですかなぁ?!」
学園長は両者を落ち着かせて、穏便に持っていくようだった。
「なにを仰っているのです、学園長!
貴方様も、蚊帳の外ではございませんのよ。
長たるものが、このような事案に毅然と判断出来ずにいる!
ヘイズの留学に夢見て海を渡ったのにー。
ああ、いまココで失望しましたわ」
まさかこの場で、自分に向けて飛んできた火の粉に驚愕する。
部屋が重苦しく、沈黙して誰がどう彼女に返事してよいか悩んでいた。
「でっ?!
この事件の解決は、どう始末しますのよ?!
ほとほと、疲れました。
ヴェント侯爵令嬢を退学にしますか?
ヴェント侯爵夫妻は、彼女を平民にするか修道院に入れますか?
早く、この場でお決めて下さいませ!」
「「「………」」」、決断に悩んで無言の人たち。
「お茶も出ないし、喋りすぎて喉が渇きました」
茶を所望する、我が道を行き過ぎる公爵令嬢。
慌ててプリムローズだけ、とり急ぎ紅茶が出された。
「まぁまぁ…、ですわ!
いつも飲む茶葉よりは、数段落ちるますけどー」
気遣いお茶を出せば散々な言葉を言い、周りの空気を無視し彼女の高笑いが響き渡る。
茶を飲んでいる間に、どうやら学園としてのヴェント侯爵令嬢の処罰が決まったようだ。
「退学は、彼女の今後を考えると無理ですな。
自主退学で、如何なものしょう?」
学園長が、ヴェント侯爵夫妻に申し渡す。
「学園長ー、そんな!
学園を出て行けとは、これでは良家に嫁げなくなるわ」
侯爵夫人が目に涙を溜めて、学園長に考え直すようにすがってきた。
「娘は学園を休学して、領地へ静養させます。
どうか、復学の道を残して下さいませんか?!」
父親の侯爵が、学園長に頭を下げて頼み込む。
何故かまたプリムローズを見る、セント・ジョン学園のトップの学園長である。
「はぁ~、ヴェント侯爵!
【覆水盆に返らず】のお言葉を知っておられますか?」
歳の割には古い言葉を知る令嬢に、何やらバカにされた気分になる面々。
「1度したことは、戻せないのですよ!
へーディン侯爵令嬢に、もう謝罪されましたか?
そちらの許しを得るのが先決では?!」
正論すぎて、侯爵夫妻も言葉が出ない様子で項垂れる。
平行線のまま結論は持ち越しとなり、この話し合いは終わりを迎えた。
とんだ留学生が来たもんだと、学園長を含めた先生方は呑気にお茶を飲む彼女を見ていたのである。
それは切り揃えると、肩下までの髪の長さになってしまった。
お抱えの理容師を学園にお呼びになり、空いている部屋で髪を切り揃えて貰う。
気丈にも、あれから泣きもせず。
落ち着き冷静な態度していたが、恐らく今は心ココに有らず。
一点を見つめされるがまま、ボー然としている様に見えた。
私はその様子を見てしまい、辛くなりその場を離れた。
長い髪の私が側にいたら、私ならとつい考えてしまうから…。
午後の授業は取りやめになり、ライラ様のご両親が連絡を受けて学園に急ぎ駆けつけて来る予定。
急きょ授業がなくなったのは、何故なのか?
被害者よりも、加害者のサンドラの両親。
ヴェント侯爵夫妻が、学園長や先生方に対して大騒ぎして乗り込んで来たのが原因だった。
子が子なら、親もそういうお方たちなんだろう。
船から降りた際に、侯爵夫人を強盗から助けた時の態度を見れば明らかだ。
不思議なことに学園長の部屋の応接間には、プリムローズがヴェント侯爵夫妻と対面していた。
彼女の隣には、担任と現場にいた家庭科担当教師が座っている。
その両者を挟むように斜め前では、学園長がまるで裁判官の様だった。
「貴女がー、私たちの大事な娘の髪を切りましたの!
娘は混乱して、手がつけられないのよ!
あの髪では、どこも行けないではないの!」
ヴェント侯爵夫人こと、セレーナがプリムローズに会うなり怒鳴りつけたのである。
「まぁ~、失礼な!
会うなりご挨拶もしないで、この私を怒鳴りつけてー!」
こちらも負けず嫌いの性格のプリムローズ、夫人にあからさまに文句を言ってくる。
ぎょっとした学園長が、2人の間を割って宥める前に…。
「ヘイズの淑女は、礼儀知らずですね。
嫌になっちゃうわ!
常識がなくて、オーホホホ」
プリムローズの嫌味と高笑いが、侯爵夫人に向けて放たれた。
残された他の者たちが、オタオタして見守る。
そんな周りを無視しては、つけ入る隙さえ与えず続けて攻める。
「あなた方のご令嬢は、この私に髪を切ると、ハサミで襲いました。
これは脅迫罪もしくは、傷害罪にあたります」
部屋にいる全ての人たちは、その言葉に息を呑んだ。
「それは、すこし言いすぎではないか。
クラレンス嬢、娘が冗談で言ったんだ。
そうに違いない!」
ヴェント侯爵ことエドアルドが立ち上がり、プリムローズを脅すかの様に大声で言う。
「あなた方に対し、発言の許しはしてません。
私はエテルネルの公爵令嬢にして、アルゴラ王家の血筋の者です。
地位的には、貴方よりは上のはずよ」
プリムローズの威厳は、部屋全体に威圧感を与えるのに十分だった。
怒りの表情を隠しつつ、侯爵は立ち上がると夫人も夫に続き立ち上がりプリムローズに謝罪と挨拶して発言を求めた。
「許しましょう。
お座りなさい」
その瞬間に主導権は、プリムローズに完全に渡った。
学園長も先生方も、この少女が次に何を言うのか予測できなく内心はビクつきものだった。
「ヴェント侯爵夫妻はご令嬢に対し、どんな教育しておりますの?
あれは、貴族のご令嬢がする所業ではございませんことよ。
ねぇ、先生も目の前でご覧遊ばしたわよね」
突然話を振られて、気が動転する家庭科担当教師である。
「あ…、あの。
ヴェント侯爵夫妻、発言を致します。
クラレンス嬢の仰る通りでございます。
ご令嬢は、自分の刺繍を馬鹿にされたと思い込みました。
突然、へーディン嬢にハサミで嫌がる彼女の髪を切りましたわ。
異常な行動でした」
聞いていた侯爵夫妻は、顔を強張らせて体が自然に震えだした。
「コホン、クラレンス嬢!
ヴェント嬢を、本当に法的に訴えるのですかなぁ?!」
学園長は両者を落ち着かせて、穏便に持っていくようだった。
「なにを仰っているのです、学園長!
貴方様も、蚊帳の外ではございませんのよ。
長たるものが、このような事案に毅然と判断出来ずにいる!
ヘイズの留学に夢見て海を渡ったのにー。
ああ、いまココで失望しましたわ」
まさかこの場で、自分に向けて飛んできた火の粉に驚愕する。
部屋が重苦しく、沈黙して誰がどう彼女に返事してよいか悩んでいた。
「でっ?!
この事件の解決は、どう始末しますのよ?!
ほとほと、疲れました。
ヴェント侯爵令嬢を退学にしますか?
ヴェント侯爵夫妻は、彼女を平民にするか修道院に入れますか?
早く、この場でお決めて下さいませ!」
「「「………」」」、決断に悩んで無言の人たち。
「お茶も出ないし、喋りすぎて喉が渇きました」
茶を所望する、我が道を行き過ぎる公爵令嬢。
慌ててプリムローズだけ、とり急ぎ紅茶が出された。
「まぁまぁ…、ですわ!
いつも飲む茶葉よりは、数段落ちるますけどー」
気遣いお茶を出せば散々な言葉を言い、周りの空気を無視し彼女の高笑いが響き渡る。
茶を飲んでいる間に、どうやら学園としてのヴェント侯爵令嬢の処罰が決まったようだ。
「退学は、彼女の今後を考えると無理ですな。
自主退学で、如何なものしょう?」
学園長が、ヴェント侯爵夫妻に申し渡す。
「学園長ー、そんな!
学園を出て行けとは、これでは良家に嫁げなくなるわ」
侯爵夫人が目に涙を溜めて、学園長に考え直すようにすがってきた。
「娘は学園を休学して、領地へ静養させます。
どうか、復学の道を残して下さいませんか?!」
父親の侯爵が、学園長に頭を下げて頼み込む。
何故かまたプリムローズを見る、セント・ジョン学園のトップの学園長である。
「はぁ~、ヴェント侯爵!
【覆水盆に返らず】のお言葉を知っておられますか?」
歳の割には古い言葉を知る令嬢に、何やらバカにされた気分になる面々。
「1度したことは、戻せないのですよ!
へーディン侯爵令嬢に、もう謝罪されましたか?
そちらの許しを得るのが先決では?!」
正論すぎて、侯爵夫妻も言葉が出ない様子で項垂れる。
平行線のまま結論は持ち越しとなり、この話し合いは終わりを迎えた。
とんだ留学生が来たもんだと、学園長を含めた先生方は呑気にお茶を飲む彼女を見ていたのである。
20
お気に入りに追加
115
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか?
曽根原ツタ
恋愛
「クラウス様、あなたのことがお嫌いなんですって」
エルヴィアナと婚約者クラウスの仲はうまくいっていない。
最近、王女が一緒にいるのをよく見かけるようになったと思えば、とあるパーティーで王女から婚約者の本音を告げ口され、別れを決意する。更に、彼女とクラウスは想い合っているとか。
(王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは身を引くとしましょう。クラウス様)
しかし。破局寸前で想定外の事件が起き、エルヴィアナのことが嫌いなはずの彼の態度が豹変して……?
小説家になろう様でも更新中
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。
その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。
そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。
そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる