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第1章  隣国の王族 

第8話 お食事中はお静かに

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 五月蝿うるさい馬鹿娘たちの声を無視し、プリムローズは人選を考え中!

リザ様は同じ男爵、フローラ様とマリー様は子爵で1つ上の位か。
ちょっとだけ、身分が頼りない気がするわね。

あの方なら、気が強そうだし身分的にも丁度よく申し分ない!

「誰か、そうね?!
エレナ・バークレイ伯爵令嬢に、あれを何とかしてって私が言っていると伝えて頂戴ちょうだいな!!」

エレナはあの黒バラの妹であり、プリムローズには兄をしつけて貰ったおんがあった。

やっと落ち着き、食事のデザートを食べ始めた時。
ガシャーンと、派手な音が食堂に鳴り響く。

見たらエレナがしりもちをついて、痛そうに顔をゆがめているではないか。

プリムローズは目を見開き、その場を見てたというよりにらんでいた。

「ちょ、ちょっと!
あれは、どうした訳よ?
エレナ様に、いったい何をしたの!」

「あの男爵令嬢と他の令嬢が、いきなり突き飛ばしました。
エレナ様を!」

フローラが、彼女に見たままを実況報告する。

う~っ、デザートがまだ少し残っているのに!
おのれバカ娘どもと、一気に怒り目を吊り上げていた。

今度は、キャーッと悲鳴がー。
見ると、エレナ様にお茶をかけたバカ娘に注意する王子と委員長の姿。

「だってこの方、怖いんですもの。
私に名乗れって~!!」

甘ったるい話し声が、彼女の耳にウザったく残るのである。

「あの令嬢は何なんですの!
皆さま、いざ参りますよ!
エレナ様のかたきを打ちます!!」

一同いちどう素早く、席を立ち上がる。
プリムローズを筆頭に、3人の女子生徒たち。
その勇ましい姿を恐れて、周辺はビクビクしている状態。

彼女たちが、倒れて座るエレナの元へ急ぎやって来た。

「まぁ、どうされましたの?!
エレナ様、ドレスがお茶でれておりますわ!」

彼女を必死に助け起こして、フキフキする2人。

「この者がしたのですね!
後は、この私にまかせなさい。
変な頼み事をして、本当にごめんなさいね」

プリムローズは悲惨なエレナの姿を見ると、すぐさま謝罪の言葉を伝えた。

「あんた、誰よ!
何で子供がいるのよ?
ココは中等部なの、ガキが帰りなさいよ!!」

バカ娘は、この学園の中で1番恐ろしい方に啖呵たんかを切ってしまった。

「ちょっと、貴女!
この方を存じ上げないとは学園に、いつからから通っているのかしら?!」

マリーが、バカにしながら質した。

「今日よ!
父が新王から爵位を頂いたの。
私は貴族よー!!」

胸を張って、デカイ声で自慢する。

「そうですか、では!
名を私に名乗りなさい!」

冷たく命令する容姿は、誰もが認める美少女プリムローズ。 

「どうして、先に名乗れば!
そっちの子も、同じ事を言ってきたわ」

貴族になったばかりで、礼儀をどうやら知らないようだ。

「だって、貴女は男爵令嬢でしょう?
当たり前よ!
貴族の基本のご挨拶も、ご存知ないの?!」

マリーが、恥知らずなバカ娘に教えている。  

「上の爵位と話すときは、下の者が名乗ってから許しを得て話すのよ。
基本中の基本ですわよ!」

マリーは鼻で笑って、扇をパタつかせていた。

リザがエレナを連れて、着替えに行くようであった。
プリムローズは、エレナと目線で挨拶する。

「バーバラ・リック男爵よ!
文句ある?あんた誰よ!?」

プリムローズに、あろうことか指を指す態度。

周りはこの瞬間、完全に終わったと思った。
たぶん、簡単に消されるだろうと考える。
学園の中ならまだいいが、この世になるかもしれない。

「私は、プリムローズ・ド・クラレンス公爵令嬢よ。
この学園の女子生徒で、1番身分が高いですわ。
9歳で飛び級で中等部3年よ。
リック男爵令嬢、貴女はエレナ・バークレイ伯爵令嬢にお茶をかけてドレスを汚したわね。
謝罪し、ドレスを弁償して下さい」

「あの人が私に、食って掛かったからでしょう?
私は、何も悪くないわ。
王子様と挨拶して、お話をしたいだけよ!」 

彼女は殿下を冷たく見ながら、その横で疲れ果てた委員長を気の毒に感じて話し出す。

「殿下もクラス委員長の男子生徒も、迷惑そうな顔をしているわ。
食事の途中で、それは失礼ではなくって?!」

「そんな事ないわ。
王子様、そうですよね」と、バカ娘はチラッと王子を見てびを売るように微笑む。

「すまないが……、食事中はやめてくれ!」

ルシアン王子は不機嫌に、バカ娘にハッキリとお断りを言ってきた。

「そんな~!」と、叫ぶ女子生徒たちとバカ娘。

「リック男爵令嬢、バークレイ伯爵令嬢に謝罪してね。
もしも、無視したらクラレンス家も抗議しますわよ!」

くるっと振り返り友を引き連れ、自分の席に戻っていく。

去って行く後ろ姿を見ていた、当事者の情けない男性2人。

特にルシアン王子は、プリムローズに何か言いたげにしていた。








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