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第2章 愛と希望とそして秘密
第2話 荒れ地と彼らは
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気になるとどうしても聞きたがる性格、プリムローズ。
帰宅するとメイドのメリーから、家族が揃ってお茶をしていると聞く。
急いでメリーに着替えを手伝ってもらい、大急ぎ居間へ向かった。
「プリムや、お帰り。
なんじゃ、慌てるが何かあったんか?」
祖父が急ぎ足でこちらに来る。
プリムローズを気にしていた。
「お祖父様、突然ですが!
元王族たちと追いやった家族たちは、その後生きてますの?!」
彼女は気が焦っていたのか、思いっきり生存確認をしてしまった。
「い、生きとるぞぉー!
人知れず様子を見るよう頼み報告させてる。
最初は荒れ地の生活に慣れず。
毎日、いがみ合っておったそうじゃ。
やっと慣れてきたようで、畑を耕しておるぞ!
あやつらも、強くなったもんだな。ワハハハ」
祖父は笑いながら、荒れ地の家族たちの近況を話してくれた。
お祖父様だって、父は実の息子だ。
あんな風に話しているが、気にしているに違いない。
そんな素振りを出さなかっただけと知り、後悔を始めるプリムローズ。
「信じられないわ。
手を汚すのが嫌いな、あの方たちがー。
あの母と姉がー!
逞しくなりましたのね」
しみじみと3人の家族に対して、感想を述べるのであった。
「話では臣下になった王と愚息も、領民たちと一緒に耕しているそうよ。
段々と荒れ地からは、まだ少しだけど出来ていると伺ったわ」
祖母も話している姿が、少し潤んで目が光っているように見えた。
「なぁ、プリムローズ!
私と一緒に会いに行こう!
王都といた時とは、違う関係になれるかも知れないよ。
あちらでは、手に入らない物を持参しようではないか」
兄ブライアンは妹に、父たちがいる荒れ地の訪問を提案をもちかける。
妹は、兄の誘う言葉に衝撃を受ける。
私にお兄様は、遠慮をずっとされていたの?
私は何故もっと周りの方々を、気にかけず見ていなかったのだろう。
留学してこの国を離れる前に、あちらの家族ともわかり合いたいと思うのである。
「お祖父様とおばあ様は、どうなさりますか?
4人揃って、アチラに訪問致しましょうよ!」
「いや、2人で行ってみなさい。もし変わっていたら、今度は皆で会いに行こうぞ!」
祖父は、2人の孫たちに笑顔でこう返した。
2人は出発の日時や持参する荷物を考えて、先方にお会いしたいと手紙を送った。
返事は父クリストファーからで、連絡をくれた事への感謝の気持ちが書かれていた。
王都から約2日かかるので、先に荷馬車を行かせた。
私たちは学園に許可を貰い、屋敷から馬に乗って行く。
授業が終わり次第、直接出掛けることにする。
その為に制服ではなく、質素な服を着ていたので学園ではジロジロ見られていた。
それよりも荒れ地の家族たちが気になり、自分がどう見られようが気にならなかった。
お昼に友人たちに、荒れ地にいる家族たちに会いに行くことを話した。
皆さんは複雑な表情して、気を付けて行くように励まして下さいましたわ。
「お兄様、途中で荷馬車とは宿で落ち合うのですね。
かなり飛ばさないと追いつけませんわ」
「そうだね。プリムローズは大丈夫か?
途中、疲れたら遠慮しないで言ってね!さぁ、行こう!!」
2人は愛馬に乗り、都の様に整備されてない道を走っていく。
宿で荷馬車に乗っていた執事長トーマスと落ち合う。
「ブライアン様にプリムローズ様。
ご無事で何よりでございます。
今日はこの宿に泊まります」
部屋は、兄と相部屋であった。
「お兄様、かなり寂れた町ですわね。
同じ臣下なのに、恵まれた領地との差を感じますわ」
彼女は、どんな場合も格差があるのを頭で理解している。
領地でも平民の中ですら、富める者とそうでない者がいた。
「これから行く場所は、ここよりもっと寂しい所だろう」
兄は眉間にシワを寄せて、暗く沈んだ声で私に話す。
その声を聞きプリムローズは、沈黙してしまう。
明日久しぶりに会う家族に、どんな顔で会えばいいか悩む2人であった。
帰宅するとメイドのメリーから、家族が揃ってお茶をしていると聞く。
急いでメリーに着替えを手伝ってもらい、大急ぎ居間へ向かった。
「プリムや、お帰り。
なんじゃ、慌てるが何かあったんか?」
祖父が急ぎ足でこちらに来る。
プリムローズを気にしていた。
「お祖父様、突然ですが!
元王族たちと追いやった家族たちは、その後生きてますの?!」
彼女は気が焦っていたのか、思いっきり生存確認をしてしまった。
「い、生きとるぞぉー!
人知れず様子を見るよう頼み報告させてる。
最初は荒れ地の生活に慣れず。
毎日、いがみ合っておったそうじゃ。
やっと慣れてきたようで、畑を耕しておるぞ!
あやつらも、強くなったもんだな。ワハハハ」
祖父は笑いながら、荒れ地の家族たちの近況を話してくれた。
お祖父様だって、父は実の息子だ。
あんな風に話しているが、気にしているに違いない。
そんな素振りを出さなかっただけと知り、後悔を始めるプリムローズ。
「信じられないわ。
手を汚すのが嫌いな、あの方たちがー。
あの母と姉がー!
逞しくなりましたのね」
しみじみと3人の家族に対して、感想を述べるのであった。
「話では臣下になった王と愚息も、領民たちと一緒に耕しているそうよ。
段々と荒れ地からは、まだ少しだけど出来ていると伺ったわ」
祖母も話している姿が、少し潤んで目が光っているように見えた。
「なぁ、プリムローズ!
私と一緒に会いに行こう!
王都といた時とは、違う関係になれるかも知れないよ。
あちらでは、手に入らない物を持参しようではないか」
兄ブライアンは妹に、父たちがいる荒れ地の訪問を提案をもちかける。
妹は、兄の誘う言葉に衝撃を受ける。
私にお兄様は、遠慮をずっとされていたの?
私は何故もっと周りの方々を、気にかけず見ていなかったのだろう。
留学してこの国を離れる前に、あちらの家族ともわかり合いたいと思うのである。
「お祖父様とおばあ様は、どうなさりますか?
4人揃って、アチラに訪問致しましょうよ!」
「いや、2人で行ってみなさい。もし変わっていたら、今度は皆で会いに行こうぞ!」
祖父は、2人の孫たちに笑顔でこう返した。
2人は出発の日時や持参する荷物を考えて、先方にお会いしたいと手紙を送った。
返事は父クリストファーからで、連絡をくれた事への感謝の気持ちが書かれていた。
王都から約2日かかるので、先に荷馬車を行かせた。
私たちは学園に許可を貰い、屋敷から馬に乗って行く。
授業が終わり次第、直接出掛けることにする。
その為に制服ではなく、質素な服を着ていたので学園ではジロジロ見られていた。
それよりも荒れ地の家族たちが気になり、自分がどう見られようが気にならなかった。
お昼に友人たちに、荒れ地にいる家族たちに会いに行くことを話した。
皆さんは複雑な表情して、気を付けて行くように励まして下さいましたわ。
「お兄様、途中で荷馬車とは宿で落ち合うのですね。
かなり飛ばさないと追いつけませんわ」
「そうだね。プリムローズは大丈夫か?
途中、疲れたら遠慮しないで言ってね!さぁ、行こう!!」
2人は愛馬に乗り、都の様に整備されてない道を走っていく。
宿で荷馬車に乗っていた執事長トーマスと落ち合う。
「ブライアン様にプリムローズ様。
ご無事で何よりでございます。
今日はこの宿に泊まります」
部屋は、兄と相部屋であった。
「お兄様、かなり寂れた町ですわね。
同じ臣下なのに、恵まれた領地との差を感じますわ」
彼女は、どんな場合も格差があるのを頭で理解している。
領地でも平民の中ですら、富める者とそうでない者がいた。
「これから行く場所は、ここよりもっと寂しい所だろう」
兄は眉間にシワを寄せて、暗く沈んだ声で私に話す。
その声を聞きプリムローズは、沈黙してしまう。
明日久しぶりに会う家族に、どんな顔で会えばいいか悩む2人であった。
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