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学校編
47.精神鬱怏の入学準備
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「あ゛ー...」
「大丈夫?ゾンビみたいな声出して」
もうヤダ入学式延期しろ。
人前で喋りたくないよー...
いや別にさっき先生と話したときみたいなすましモードで話せばいい話なんだけどあれ疲れるし。
あーめんどくさい...
別にさあ、断ってはいいと思うよ?
なんか断っちゃいけない...というかほとんど決定事項だから絶対に迷惑かかるじゃん。
けどもし断ったら誰が言うことになってたんだろ?
グレンかな?
試験は確定で満点だろうし、実技も一番乗りで合格してたし。
面接も多分大丈夫だろうし。見てないから知らんけど。
まあまだ時間あるしちゃんと練習して、緊張して喋れなくなるって事態は避けるけどさあ。
入学式は花の月15日。
要は4月15日。
今がエイプリルフールだからまだ猶予はあるっちゃある。
けどこの俺にスピーチを考えろと申すか!?
ぶっちゃけいい感じのやつを考えるのは不可能だよ?
友達が少なかったってわけじゃないけど、人と話すのは苦手ですぜ?
ああ、どこかに入学式代表あいさつの原稿は落ちてないだろうか!
「あるわけ無いでしょ。いやまあ確かにソースケくんって人見知りが激しいってのをなんとなく知ってるから心配ではあるけども」
「うっせえわ」
「まあ一応考えるの手伝ってあげる」
「わー!グレンありがとう!大好き愛してる!」
「...そのたまにやるそれなんなの?ソースケくんってそっちの気がある?」
「全くありません。ちゃんと異性愛者です」
別に同性愛者の人を不定するわけじゃないけど、俺は同性愛者じゃないです。
「なんかもう一人くらい誰かいたらなー。僕はそういうの考えるの得意じゃないし」
「私がいるよ」
うわ!びっくりした!
「ユリカどうしたの?」
「いや誰かいたらいいって聞こえたから出てきただけ」
「あーそう。あっそうだ!ユリカって一応メイドなんだからそれっぽいスピーチ考えられない?」
「そもそも入学式の代表あいさつってテンプレがあるからそれを使えばいいじゃん」
「あー確かにあるね。『暖かな春の訪れとともに、私達は○○高校の入学式を迎えられることができました。本日はこのような立派な入学式を行っていただき大変感謝しています』みたいなやつだよね」
グレンよく覚えてんなー。
「じゃあもうめんどくさいからテンプレ当てようかな」
「いいんじゃない?変に凝ったもの考える必要ないだろうし」
なるなる。
「それじゃあ『暖かな春の光に誘われて桜の蕾も花開いた今日の良き日、私達は学術都市セオギヒルの入学式を迎えることができました。本日はこのような立派な入学式を行ってくださりとても感謝しています』みたいなのってどう?」
「いいんじゃない?」
「あれ?けどこの世界って桜みたいなのはあるけど桜って名前なの?」
「あ!」
まあ確かに名前の多少の違いってありそうだよね。
うっかりうっかり。
こんな時に検索を使うと良いのです。
えっと...この世界の桜の花に当たるやつの名前が...
【サクレイ】
世界に広く自生する樹木。花の月に赤、ピンク、白の花をつける。冬が終わってすぐに花をつけることから始まりの花と言われる。
ほうほう、これね。
色も近いし、名前も近いって面白い偶然だよね。
ちなみにこの木は前世の桜よりきれいだなって思う。
赤から白にグラデーションになってるからもうめちゃくちゃきれいなんだよ。
画像も出してくれる万象通販の検索機能さんに感謝。
「名前わかったからあとはこれを当てはめればいいか」
「とりあえず最初の挨拶はオッケー。次は学校生活の抱負のことについてね」
「抱負か...」
俺の考えを言えばいいんだよね。
「『真新しい制服に袖を通し、今までとは全く違う生活になることに、不安も感じますがそれ以上に期待も感じています。どのような学校生活を送ることができるのか...それを考えると期待で胸が踊ります』こんな感じでどう?」
「いいと思う」
「ソースケくん意外とそういうこと考えられるんだね」
ふふん!
もっと褒め称えてくれていいぞよ?
まあこんなこと口に出したらジト目されそうだから言わないけど。
「じゃああとは先生への挨拶ってところかな?」
「それは簡単だね。『先生、並びに来賓の方々。これから温かい指導をよろしくお願いします。ときには間違った道に進もうとしたり、迷ったりすることがあると思います。その時は優しく力を貸してもらえると嬉しいです』こんなところでどうよ」
「ものすごくいいと思う」
「まあテンプレに当てただけだからね。これを考えてくれた人に感謝」
「とりあえず挨拶はこれで完成だね。じゃああとは反復練習を頑張って」
「はいはい。そう言えば明日から制服の採寸やら物品購入やらなんやかんやをしないといけないけど練習大丈夫かな...」
「まあソースケなら大丈夫だと思うけどね。いつもなんかうまいことやってるし。とりあえずさっき考えたスピーチを書き出しといたから渡しとくね」
はえーな。
まあ練習する時に楽だからいいけどね。
「ソースケくん、さっき物品購入がどうとか言ってたけどお金はどうするの?」
「ああ大丈夫。前に金貨を何枚かもらってそれを全然使ってないから」
金貨一枚で100万円だから足りないわけ無いだろうし。
あーけど両替が大変そう。
「ねえユリカ、どっかこの量を両替してくれるところ無い?」
「金貨を銀貨にしたいの?」
「そうそう」
「えっと...ギルドに行けば両替してくれる...はず」
「歯切れ悪くない?」
「いやー金貨を銀貨にしてくれるかは知らなくてね」
まあ確かに金貨ってなかなか扱わないらしいからね。
いやけど上位冒険者なら金貨を結構持ってそうだしやってくれるかも。
「じゃあちょっと行ってくる」
そう言い残して転移で近くの森に行き、そこから歩いて前に行った街のギルドに向かう。
いや久しぶりに来たなここ。
一年ぶりくらいじゃないかな。
あれ?けどなんか誰にも声かけてもらえないぞ?
おかしいな...前のスタンピート的なやつの時結構活躍したんだけどな。
まあいいか。
冒険者ギルドに向かい、中にはいる。
で受付のところに向かう。
...はずだったんだけど。
「おいちょっと待ちな」
わーすごいデジャブ。
この感じはもしかしてだけど...
「お前成人になったばかりみたいだが冒険者なって大丈夫なのか?」
あれ?
なんか前だったら『ここはガキの来るところじゃないからさっさと帰れ』みたいだったけど。
振り返ってみると...あれ?前絡んできた人じゃない。
どっちかって言ったら成り行きを見守ってた人たちの中の人だ。
「ああ前みたいに初心者が来たらまずは追い返す的なのなくなったんだね」
「え?」
「君たちが言ってた、昔は先輩冒険者が手取り足取り教えてたって仕組みに戻ったんだね。初心者狩りの人がいなくなって何より」
「ちょっと待て...まさか」
「忘れたとは言わせないよ」
そう言って服装を当時着てた猫耳パーカーに変える。
実は空間魔法の応用で早着替えするっていうアホみたいな魔法を開発したのだ!
名付けて異空間装備転換!
...いやだって学校で制服の模型を見たんだけど、制服って着替えるのめんどくさいじゃん?
ほら俺ってパーカーとかみたいな着替えるのが楽なのしか来てなかったし。
人は生活を豊かに、楽にしたいってことで機械を発明した。
なら魔法で楽をしてもいいじゃないってことで作ったこの魔法。
めっちゃ便利。
武器も一瞬でチェンジできるから手札が増えるし、相手を撹乱することができる。
この魔法を一瞬で作り出せる俺、天才か!?
「その服とデタラメな魔法...まさかソースケか!?」
「久しぶりー。前のスタンピードからだいぶ復興したようで何より」
ちゃんと名前覚えててくれたんだ。
...それにしたって名乗らなかったらずっと気づいてなかったっていう反応はどうなの?
「済まない、お前なんか縮んでて最初わからなかったわ」
え?あ、あー!
そうじゃん!今の俺子供状態なんだった!
「いやー実は森で変な魔物と戦って、その魔物は倒せたんだけど呪いか何かで縮んじゃってね。力が若干弱くなってんだよね」
...こんなバレバレの嘘でどうにかなるかな。
「それは...なんというか...」
あっすごい信じてる。
冒険者って荒くれ者のイメージなんだけど、意外と純粋でピュアなんやね
純粋もピュアも同じ意味...ていうか英語にしただけだけど気にしない。
「じゃあちょっと受付のところに行くから」
「おう、じゃあまたな」
...他人と普通に話せた。
やっぱりそれだけスタンピードが印象に残ってる出来事ってことだったのかな。
まあいいか。
「こんにちは。今日はどのようなご要件でしょうか?」
ん!?
ああそうか。
「ヤーナさん久しぶりです。初心者狩りの人がいなくなってよかったですね。ああこれ冒険者のカードです」
「え?ソースケさん!久しぶりです!」
懐かしいねー。
そんなこんなで同窓会的な感じで喋りまくった。
ギルドが暇な時間ってのも悪かった。
ヤバい1時間ぐらい喋ってたわ。
近所のおばちゃん並みに話題が尽きなかったわ。
「じゃあそろそろここに来た目的を話してもいいですか?」
「ああすいません!話しすぎちゃった...」
「さっきも話したとおり学術都市に入学することになったんですけど、物品購入で絶対にお金が足りないのでこれを両替してください」
あれだよ。
買い物する時に1000円くらいで済んだのに、手持ちがなくて10000円出す羽目になったときの申し訳無さと似てる。
「わかりました。それじゃあ金貨を銀貨100枚に交換しますね」
はーい。
うわあ...
ただひたすら邪魔。
メダルゲームできそうな量ですな。
...これを全部銅貨にしたら。
やめとこう。そうしよう。
絶対に邪魔になる。
「確か向こうでは普通のお金が使えなくて、どんなに使っても銀貨10枚ほどだと思います。あとのお金は基本的に都市内部の通貨ギルで済ませていたと思います」
そうだね。
検索機能に書いてあったからそのへんの情報は知ってる。
「ものすごい制度が整ってるじゃないですか?」
「まあ国と言っても差し支え無いくらい制度が整ってますからね。やっぱりこれからの生活をする術を身につけるのが目的と思います」
日本にもこんな感じの学校があったら面白いと思うけどね。
「それじゃあ俺は戻ります。また機会があったら来るので」
「わかりました。それではまた」
「ただいま」
「ちょっと急にいなくなるの心臓に悪いからやめて」
「ごめんごめん。あれ、ユリカは?」
「もう出番はなさそうって言って消えた」
絶対ふてくされてるなあのメイド。
「それでどこ行ってたの?」
「ギルドで両替してもらってきた。ほらこれ」
「ジャラジャラしてて邪魔そう」
「異空間に収納できるから邪魔にならないよ?」
「あーそう。それとなんで違う服になってるの?」
「存在を忘れ去られてたから着替えて納得させた」
「...目の前で?」
「違う違う!魔法で!」
...ちょっとふざけてもいいかな?
エフェクトをマシマシで、へ~んしん!
髑髏戦隊コツジンジャー!
ドーン!
「...なにしてんの?」
「こんなふうに変身してわからせた」
「...」
「ごめんなさい。さっきのはエフェクトマシマシにしただけです。本当はぱっと変身できます」
「でしょうね」
「ほらこんなふうに武器を変えて戦いの時に相手を撹乱することもできるよ」
「新しい手品?」
「確かに手品みたいやね。こうやって手から花を咲かせることもできる」
まあ正確には花っぽくした骨を出しただけだけど。
普通に生成したら空中にできるからこんなふうなことできないからね。
「新しい芸ができた」
「スゴイネー」
グレンの反応が淡白。質。
「まあこんなくだらないことは置いといて」
「ソースケくんが始めたんでしょ...」
「とりあえず明日に制服とかの諸々のものを買いに行こう」
「そうだね」
「金は全部俺が出す」
「一応それ共有財産でしょ?」
「せやね」
「まあいいや。とりあえず明日は何時くらいに行くの?」
「えっと...たしか昼くらいに行かないといけないと思う。それにスピーチの打ち合わせとかもあるから...」
「じゃあすぐに出発したほうがいいんじゃない?」
「オッケー。じゃあ今日はもう休もう。ぶっちゃけすることないし」
「そうだね」
「よしじゃあご飯食べよう!何がいい?それとご飯食べたあとはゲームをしよう!」
「やったー!じゃあ僕は...」
自炊の手段があると便利。
そんなこんなでご飯を食べて、その後は通販で出したゲームをして寝た。
娯楽最高。
タイトルのわちゃわちゃした漢字は、せいしんうつおうと読みます。
意味はググろう!めんどくさい!
「大丈夫?ゾンビみたいな声出して」
もうヤダ入学式延期しろ。
人前で喋りたくないよー...
いや別にさっき先生と話したときみたいなすましモードで話せばいい話なんだけどあれ疲れるし。
あーめんどくさい...
別にさあ、断ってはいいと思うよ?
なんか断っちゃいけない...というかほとんど決定事項だから絶対に迷惑かかるじゃん。
けどもし断ったら誰が言うことになってたんだろ?
グレンかな?
試験は確定で満点だろうし、実技も一番乗りで合格してたし。
面接も多分大丈夫だろうし。見てないから知らんけど。
まあまだ時間あるしちゃんと練習して、緊張して喋れなくなるって事態は避けるけどさあ。
入学式は花の月15日。
要は4月15日。
今がエイプリルフールだからまだ猶予はあるっちゃある。
けどこの俺にスピーチを考えろと申すか!?
ぶっちゃけいい感じのやつを考えるのは不可能だよ?
友達が少なかったってわけじゃないけど、人と話すのは苦手ですぜ?
ああ、どこかに入学式代表あいさつの原稿は落ちてないだろうか!
「あるわけ無いでしょ。いやまあ確かにソースケくんって人見知りが激しいってのをなんとなく知ってるから心配ではあるけども」
「うっせえわ」
「まあ一応考えるの手伝ってあげる」
「わー!グレンありがとう!大好き愛してる!」
「...そのたまにやるそれなんなの?ソースケくんってそっちの気がある?」
「全くありません。ちゃんと異性愛者です」
別に同性愛者の人を不定するわけじゃないけど、俺は同性愛者じゃないです。
「なんかもう一人くらい誰かいたらなー。僕はそういうの考えるの得意じゃないし」
「私がいるよ」
うわ!びっくりした!
「ユリカどうしたの?」
「いや誰かいたらいいって聞こえたから出てきただけ」
「あーそう。あっそうだ!ユリカって一応メイドなんだからそれっぽいスピーチ考えられない?」
「そもそも入学式の代表あいさつってテンプレがあるからそれを使えばいいじゃん」
「あー確かにあるね。『暖かな春の訪れとともに、私達は○○高校の入学式を迎えられることができました。本日はこのような立派な入学式を行っていただき大変感謝しています』みたいなやつだよね」
グレンよく覚えてんなー。
「じゃあもうめんどくさいからテンプレ当てようかな」
「いいんじゃない?変に凝ったもの考える必要ないだろうし」
なるなる。
「それじゃあ『暖かな春の光に誘われて桜の蕾も花開いた今日の良き日、私達は学術都市セオギヒルの入学式を迎えることができました。本日はこのような立派な入学式を行ってくださりとても感謝しています』みたいなのってどう?」
「いいんじゃない?」
「あれ?けどこの世界って桜みたいなのはあるけど桜って名前なの?」
「あ!」
まあ確かに名前の多少の違いってありそうだよね。
うっかりうっかり。
こんな時に検索を使うと良いのです。
えっと...この世界の桜の花に当たるやつの名前が...
【サクレイ】
世界に広く自生する樹木。花の月に赤、ピンク、白の花をつける。冬が終わってすぐに花をつけることから始まりの花と言われる。
ほうほう、これね。
色も近いし、名前も近いって面白い偶然だよね。
ちなみにこの木は前世の桜よりきれいだなって思う。
赤から白にグラデーションになってるからもうめちゃくちゃきれいなんだよ。
画像も出してくれる万象通販の検索機能さんに感謝。
「名前わかったからあとはこれを当てはめればいいか」
「とりあえず最初の挨拶はオッケー。次は学校生活の抱負のことについてね」
「抱負か...」
俺の考えを言えばいいんだよね。
「『真新しい制服に袖を通し、今までとは全く違う生活になることに、不安も感じますがそれ以上に期待も感じています。どのような学校生活を送ることができるのか...それを考えると期待で胸が踊ります』こんな感じでどう?」
「いいと思う」
「ソースケくん意外とそういうこと考えられるんだね」
ふふん!
もっと褒め称えてくれていいぞよ?
まあこんなこと口に出したらジト目されそうだから言わないけど。
「じゃああとは先生への挨拶ってところかな?」
「それは簡単だね。『先生、並びに来賓の方々。これから温かい指導をよろしくお願いします。ときには間違った道に進もうとしたり、迷ったりすることがあると思います。その時は優しく力を貸してもらえると嬉しいです』こんなところでどうよ」
「ものすごくいいと思う」
「まあテンプレに当てただけだからね。これを考えてくれた人に感謝」
「とりあえず挨拶はこれで完成だね。じゃああとは反復練習を頑張って」
「はいはい。そう言えば明日から制服の採寸やら物品購入やらなんやかんやをしないといけないけど練習大丈夫かな...」
「まあソースケなら大丈夫だと思うけどね。いつもなんかうまいことやってるし。とりあえずさっき考えたスピーチを書き出しといたから渡しとくね」
はえーな。
まあ練習する時に楽だからいいけどね。
「ソースケくん、さっき物品購入がどうとか言ってたけどお金はどうするの?」
「ああ大丈夫。前に金貨を何枚かもらってそれを全然使ってないから」
金貨一枚で100万円だから足りないわけ無いだろうし。
あーけど両替が大変そう。
「ねえユリカ、どっかこの量を両替してくれるところ無い?」
「金貨を銀貨にしたいの?」
「そうそう」
「えっと...ギルドに行けば両替してくれる...はず」
「歯切れ悪くない?」
「いやー金貨を銀貨にしてくれるかは知らなくてね」
まあ確かに金貨ってなかなか扱わないらしいからね。
いやけど上位冒険者なら金貨を結構持ってそうだしやってくれるかも。
「じゃあちょっと行ってくる」
そう言い残して転移で近くの森に行き、そこから歩いて前に行った街のギルドに向かう。
いや久しぶりに来たなここ。
一年ぶりくらいじゃないかな。
あれ?けどなんか誰にも声かけてもらえないぞ?
おかしいな...前のスタンピート的なやつの時結構活躍したんだけどな。
まあいいか。
冒険者ギルドに向かい、中にはいる。
で受付のところに向かう。
...はずだったんだけど。
「おいちょっと待ちな」
わーすごいデジャブ。
この感じはもしかしてだけど...
「お前成人になったばかりみたいだが冒険者なって大丈夫なのか?」
あれ?
なんか前だったら『ここはガキの来るところじゃないからさっさと帰れ』みたいだったけど。
振り返ってみると...あれ?前絡んできた人じゃない。
どっちかって言ったら成り行きを見守ってた人たちの中の人だ。
「ああ前みたいに初心者が来たらまずは追い返す的なのなくなったんだね」
「え?」
「君たちが言ってた、昔は先輩冒険者が手取り足取り教えてたって仕組みに戻ったんだね。初心者狩りの人がいなくなって何より」
「ちょっと待て...まさか」
「忘れたとは言わせないよ」
そう言って服装を当時着てた猫耳パーカーに変える。
実は空間魔法の応用で早着替えするっていうアホみたいな魔法を開発したのだ!
名付けて異空間装備転換!
...いやだって学校で制服の模型を見たんだけど、制服って着替えるのめんどくさいじゃん?
ほら俺ってパーカーとかみたいな着替えるのが楽なのしか来てなかったし。
人は生活を豊かに、楽にしたいってことで機械を発明した。
なら魔法で楽をしてもいいじゃないってことで作ったこの魔法。
めっちゃ便利。
武器も一瞬でチェンジできるから手札が増えるし、相手を撹乱することができる。
この魔法を一瞬で作り出せる俺、天才か!?
「その服とデタラメな魔法...まさかソースケか!?」
「久しぶりー。前のスタンピードからだいぶ復興したようで何より」
ちゃんと名前覚えててくれたんだ。
...それにしたって名乗らなかったらずっと気づいてなかったっていう反応はどうなの?
「済まない、お前なんか縮んでて最初わからなかったわ」
え?あ、あー!
そうじゃん!今の俺子供状態なんだった!
「いやー実は森で変な魔物と戦って、その魔物は倒せたんだけど呪いか何かで縮んじゃってね。力が若干弱くなってんだよね」
...こんなバレバレの嘘でどうにかなるかな。
「それは...なんというか...」
あっすごい信じてる。
冒険者って荒くれ者のイメージなんだけど、意外と純粋でピュアなんやね
純粋もピュアも同じ意味...ていうか英語にしただけだけど気にしない。
「じゃあちょっと受付のところに行くから」
「おう、じゃあまたな」
...他人と普通に話せた。
やっぱりそれだけスタンピードが印象に残ってる出来事ってことだったのかな。
まあいいか。
「こんにちは。今日はどのようなご要件でしょうか?」
ん!?
ああそうか。
「ヤーナさん久しぶりです。初心者狩りの人がいなくなってよかったですね。ああこれ冒険者のカードです」
「え?ソースケさん!久しぶりです!」
懐かしいねー。
そんなこんなで同窓会的な感じで喋りまくった。
ギルドが暇な時間ってのも悪かった。
ヤバい1時間ぐらい喋ってたわ。
近所のおばちゃん並みに話題が尽きなかったわ。
「じゃあそろそろここに来た目的を話してもいいですか?」
「ああすいません!話しすぎちゃった...」
「さっきも話したとおり学術都市に入学することになったんですけど、物品購入で絶対にお金が足りないのでこれを両替してください」
あれだよ。
買い物する時に1000円くらいで済んだのに、手持ちがなくて10000円出す羽目になったときの申し訳無さと似てる。
「わかりました。それじゃあ金貨を銀貨100枚に交換しますね」
はーい。
うわあ...
ただひたすら邪魔。
メダルゲームできそうな量ですな。
...これを全部銅貨にしたら。
やめとこう。そうしよう。
絶対に邪魔になる。
「確か向こうでは普通のお金が使えなくて、どんなに使っても銀貨10枚ほどだと思います。あとのお金は基本的に都市内部の通貨ギルで済ませていたと思います」
そうだね。
検索機能に書いてあったからそのへんの情報は知ってる。
「ものすごい制度が整ってるじゃないですか?」
「まあ国と言っても差し支え無いくらい制度が整ってますからね。やっぱりこれからの生活をする術を身につけるのが目的と思います」
日本にもこんな感じの学校があったら面白いと思うけどね。
「それじゃあ俺は戻ります。また機会があったら来るので」
「わかりました。それではまた」
「ただいま」
「ちょっと急にいなくなるの心臓に悪いからやめて」
「ごめんごめん。あれ、ユリカは?」
「もう出番はなさそうって言って消えた」
絶対ふてくされてるなあのメイド。
「それでどこ行ってたの?」
「ギルドで両替してもらってきた。ほらこれ」
「ジャラジャラしてて邪魔そう」
「異空間に収納できるから邪魔にならないよ?」
「あーそう。それとなんで違う服になってるの?」
「存在を忘れ去られてたから着替えて納得させた」
「...目の前で?」
「違う違う!魔法で!」
...ちょっとふざけてもいいかな?
エフェクトをマシマシで、へ~んしん!
髑髏戦隊コツジンジャー!
ドーン!
「...なにしてんの?」
「こんなふうに変身してわからせた」
「...」
「ごめんなさい。さっきのはエフェクトマシマシにしただけです。本当はぱっと変身できます」
「でしょうね」
「ほらこんなふうに武器を変えて戦いの時に相手を撹乱することもできるよ」
「新しい手品?」
「確かに手品みたいやね。こうやって手から花を咲かせることもできる」
まあ正確には花っぽくした骨を出しただけだけど。
普通に生成したら空中にできるからこんなふうなことできないからね。
「新しい芸ができた」
「スゴイネー」
グレンの反応が淡白。質。
「まあこんなくだらないことは置いといて」
「ソースケくんが始めたんでしょ...」
「とりあえず明日に制服とかの諸々のものを買いに行こう」
「そうだね」
「金は全部俺が出す」
「一応それ共有財産でしょ?」
「せやね」
「まあいいや。とりあえず明日は何時くらいに行くの?」
「えっと...たしか昼くらいに行かないといけないと思う。それにスピーチの打ち合わせとかもあるから...」
「じゃあすぐに出発したほうがいいんじゃない?」
「オッケー。じゃあ今日はもう休もう。ぶっちゃけすることないし」
「そうだね」
「よしじゃあご飯食べよう!何がいい?それとご飯食べたあとはゲームをしよう!」
「やったー!じゃあ僕は...」
自炊の手段があると便利。
そんなこんなでご飯を食べて、その後は通販で出したゲームをして寝た。
娯楽最高。
タイトルのわちゃわちゃした漢字は、せいしんうつおうと読みます。
意味はググろう!めんどくさい!
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