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第2.5話 【インターミッション】商都トマリカノートと自警団の成り立ち
しおりを挟む【インターミッション】
商都トマリカノートと自警団の成り立ち
王国への巨額の納税とひきかえに、特別に自治と自由交易商取引を許された港町トマリカノートは急速に発展を遂げた。
あまりの急拡大に外壁や建物の整備も追いつかないくらいであったこの街は、現在では三大橋がかかる大河ヨゲンジスを挟み旧市街と新市街に分かれ、整然と47の街区に整理され、街には大小様々な水路が張り巡らされている。
街の急速な発展は急激な街の人口の増加をもたらし、あらゆる種族が集うようになると日々のトラブルや犯罪も絶えなくなっていった。
喧嘩、スリ、強盗、空き巣、窃盗、殺傷、食い逃げ、ひったくり、馬車泥棒…ありとあらゆる犯罪が増加して、治安の維持・犯罪の取締が大命題となったが自治都市である以上は王国兵団には頼れず、それは街を治める商会代表会議に委ねられた。
従来は商人が個別に雇う護衛や傭兵団がいたもののゴロツキやチンピラと大差なく、組織だって犯罪の取締や街の警備を行えるものではなかった。
そこで、商会代表会議は有志を街の内外から募集して自警団を組織した。団員の人員構成は人族に限らず、ありとあらゆる異種族からも選ばれた。運営費用は商会や商人、商店や個人からの寄付でまかなわれた。
自警団の活動は多岐にわたっていた。街のパトロールのみならず、団員は逮捕権限を有し、犯罪の捜査や取締、交通整理、要人の警護や有事の避難誘導など、果ては監獄の運営までもおこなう大組織となった。
自警団の支部は街区毎に置かれていた。
そして、その自警団で最年少の支部長は今日も忙しかった。
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