99 / 99
おまけ
ある女神の独り言
しおりを挟む「なんとか上手く行ったわ♪良かったぁー!!」
私は、水鏡に映る金髪碧眼の青年のいかにも幸せそうな笑みを見て、一息ついた。この青年の魂が来た時のことは、今でもよく覚えている。
女神である私のところに送られてくる魂は二つ。
一つ目は、こちら側の不手際により命を終わらせてしまった魂。 トラックを事故らせるタイミングを間違ったとか、そういうやつだ。
二つ目は、他人の命を救って命を終えた魂だ。
この青年の魂は、ある意味どちらにも当てはまる魂だった。
就任五百年にも満たない新人女神の私がミスをして、川の増水を招き、そのせいで死ぬはずのなかった子供が死にそうになった。その子供を助けたのが、この青年だったのだ。
◆ ◇ ◆
(ここは?)
ただの光る玉となった彼は、私に尋ねる。
その光は清らかで、彼が誠実な魂であることが伝わってくる。
「ここは次の魂の行き先を決めるところ。普通は自動的に決まるものなんだけど、貴方は子供を助けて亡くなったでしょう?そういう行いをした魂は、望んだところに転生できたりするの。」
(そう……なんですね。貴女は?)
こういう時にテンションが上がったりしないのは有難い。「転生よっしゃー!」とか騒ぐ輩は、ろくな望みを言わないから。
「私は女神。貴方のような魂の要望を聞いて、次の行き先を直々に決めるわ。何か望みはある?出来る限り叶えてあげるわよ。」
……元々は私のミスが原因だし。
(えっと…俺の幼馴染の桜庭杏奈の近くに転生したいです。)
「へぇ…。彼女のことが好きなの?」
(……は、はい…。)
可愛い。なんて、初心な魂なのかしら。
彼の記憶を見ると、彼女への想いがありありと伝わってくる。
……なんというか、重い。けど、まだまだ可愛いものね。
「いいわ。彼女が貴方に恋をするようにー」
(あ、いえ…っ!近くに転生させてくれるだけでいいです。)
「そうなの?」
私は彼の提案に戸惑う。好きな人に好きになってもらえることが決まってるなら、それが一番良いと思うのだが…。
(はい…。ちゃんと……努力をした上で好きになってほしいので。)
「そっか。分かったわ。」
(あ……あと、杏奈の記憶を忘れたくないんです。今回の人生の記憶をそのままにすることって出来ますか?)
このお願いは多い。知ってるゲームや小説の世界に言って、ハーレムを作ったり、無双したりする人に多いお願いだ。ただ、私が知る限り成功率は五分五分だ。
こんな風に純粋に誰かを忘れたくないから…とお願いする人は少ない。というか、私の担当だと初めてだ。
「えぇ、出来るわよ。でも、生まれたばかりの頃から前世の記憶を思い出してしまうと、色々と弊害があるの。だから、思い出すのは私の管理する世界だと、十歳以降と決めてるわ。それでもいいかしら?」
(構いません。)
「あとは…そうねぇ、希望の容姿とかある?」
(あ……………。いえ…人並み、であれば。)
最初の沈黙が気になる。女神なんだから考えていることなどすぐに分かってしまうと言うのに。全く謙虚と言うか、欲がないというか…。
彼の記憶を盗み見ると、キーホルダーになっている金髪碧眼のキャラクターが浮かぶ。
「杏奈って子は、このキャラが好きなのね。」
桜庭杏奈の転生先を確認する。なんと、彼女もこの人物が出て来るゲームの世界に転生することが決まっていた。今は転生待ちをしている。随分と運が良い。
「良いわよ。金髪碧眼のイケメンね。」
(えっ、あ、いや…その……。あ、ありがとうございます…。)
そうは言いながらも、内心戸惑っているようだ。
(きっと杏奈の持ってたキーホルダーのキャラみたいな感じで転生させてくれるんだろうけど、あれは何のキャラなんだろう…。大丈夫かな、俺…。勇者とかそういう面倒なのじゃないといいけど。)
王子だよー!と思うものの言わない。こういう誠実な魂こそ人の上に立つべきだからね!面倒だからと、今更辞退されちゃ困る。
「他はある?」
(特にありません。ここまでしていただいて、本当にありがとうございます。……俺はそんなに立派な人間じゃないのに…。)
「いいえ。貴方は自分が思うよりずっと素晴らしい人だわ。貴方のような謙虚な魂、私好きよ。ここから貴方の一途な恋を応援してる。」
(ありがとうございます。)
「じゃあ、頑張ってね。」
(はい。女神様もお元気でー)
最後に魂はひときわ強く光って、手のひらに収まるくらいの小さな玉になる。
「ふふっ。お元気で、だって。私にそんなこと言った魂は初めてだわ。
なんだか気に入っちゃった♪
ゲームの設定とは違うけど、魔力も沢山あげちゃおーっと!」
私は青年の魂に先程の条件と聖属性以外の魔力を全て与えた。
付与を終え、部下の執行天使に魂を回す。
「あとは二人の恋物語を見守るだけ~♪
……えっと…あの魂のお相手はっと。
杏奈…アンナ……この子だわ。」
先程チラッとしか見なかった女の子のデータを見る。
「公爵令嬢で…騎士団長の娘……すごいピッタリじゃない!
これなら大した障害もなく結ばれそうね!
……あ、あれ?でも、もしかして……この子、早死にしちゃう?」
よくよくデータを見てみると、十一歳の誕生日に亡くなることになっている。
「え、まずいじゃん。これじゃ、二人は出会えないわ……あんなに偉そうに頑張ってね、とか言って見送ったのにー!!待って…まだ何か対策が……。」
「あー…聖属性のこの子と出会わせれば何とかなるかな……。
……あとは、本人に任せるしかない。」
女神は最初の魂に力の付与などは出来るが魂を執行天使に送り込んだ後は、殆どできることはないのだ。基本的にはその世界の成行を見守ることしか出来ない。
あまり手を出すと、執行天使に嫌な顔をされる。
もし執行天使が他の女神のところに転属を希望したら困るし…。ただでさえこの前滅亡した世界のせいで二人も転属希望出しちゃったんだもん。
私がこのアンナという魂に出来るのは、転生前に少し出会いを組み込むくらいだった。一つや二つの出会いくらいなら、執行天使も怒らないだろう。私は一筆認め、それを天使らに送った。
「何とかうまく行くと良いんだけど…。」
そう呟き、最近お気に入りのマシュマロというお菓子を口に運んだ。
「ねー、ねー、ナイン!!」
思わず耳を押さえたくなるようなハイトーンボイスが私を襲う。それと同時に頭痛までしてきた気がする。
「ご機嫌麗しゅう、エイトお姉様。
……今日は何用で?」
この方は私の先輩だ。女神間では、上下関係がすぐに分かるよう先輩に対しては「お姉様」と呼ぶことになっている。
頻繁に私のところに遊びに来るこのお姉様は、私を可愛がってくれる…といえば聞こえはいいが、実際には面倒事を私に押し付けてくる困った人なのだ。
私の教育係として、最初の百年はかなり面倒を見てくれたのは事実なので、蔑ろにするわけにもいかないし。
「それがさ、私の世界の魂がナインの持ってる世界に行きたいって言ってて。あのマジフラとか言うゲームのやつ。」
やっぱり…また、だ。
私たち女神は思った通りに世界を作ることが出来る。魂がそう希望するなら、お姉様もマジフラの世界を一つ作ったらいいだけなのに…。
「お姉様も一つ世界を作ったらいいじゃないですか。」
「嫌だよー!一から設定してたら、かなり時間かかるもん!!一個魂を受け入れるくらいいでしょ?」
「……お姉様から受け入れた魂が私の持つ世界を一つ、滅亡させたのをお忘れですか?」
そうなのだ。お姉様から二百年前に預かった魂がこの間一つ世界を滅亡させた。魔王になって無双したいとか言って転生し、その結果、力を求めすぎて、魔法が暴発し、丸々世界を滅亡させたのだ。
そのせいで私や執行天使がどれだけ迷惑を被ったことか…!
「あれは悪かったってー!もう私の方で力を付与したりしないから!デフォルトのままで転生させてくれていいから!ね?お願い!!」
確かに前の魂は、私のところに来た時点でお姉様から大量の付与を受けていた。だから、世界が滅亡することになった。そう考えれば、何も付与を与えなくていいのなら、大した脅威にはならないのかもしれない…。
「……分かりました。
で、その魂はどのキャラクターを希望してるんですか?」
「ヒロイン。」
「まぁ……そうなりますよね。分かりました。
では、明日までにその魂をー」
「もう連れて来てある。
じゃ、あとは宜しくー!!」
お姉様は私に籠を渡すと、さっさと帰ってしまった。
籠を持っていたのは気付いていた。
お菓子でも差し入れてくれたのかと一瞬でも期待してしまった自分を殴りたい。
「はぁ……。」
私は溜息と共に籠の上の布をめくった。
その魂は私の存在を認識するなり言った。
(ねぇ、ここでマジフラの世界に転生できるの?)
なんと不躾で可愛げのない魂なんだ。魂の光も淀んでいる。
……やっぱり厄介なのを押しつけてきたわね。
「あー……。一応?」
(そう。じゃあ、ヒロインのリィナで宜しく。)
まるで出前の注文のようなテンションでお願いするこの魂に腹が立つ。私は少し語気を強めて、注意喚起する。
「あの、事前に言っておくけれど、これから行く世界はゲームと全く同じではないの。貴女は確かにヒロインの女の子と同じ立場として転生はするけど、ゲームのように全てが行くとは限らないわ。その点はー」
(分かってる。)
この魂は、そう答えたものの、内で考えていることなんてお見通しだ。
(何でも良いから早くしてくれないかしら。あんなに可愛いリィナになるんだから、上手くいくに決まってるでしょ?絶対にライルを…何なら他のキャラも纏めてゲットしてみせるわ!)
……お姉様が持ってくる魂は、何でこうも厄介なんだろう。いや…厄介な魂だから持ってくるのか。でも、引き受けてしまったからには仕方ない。お姉様にお世話になっているのは事実だし。
「では、転生ー」
(待って!勿論、記憶を持ったまま転生出来るのよね?)
「え、出来ないけど。」
(嫌よ!そんなの話が違うわ!!)
「話が違うと言われても……。」
(言うこと聞かないなら、さっきみたいに転生前に暴れ続けてやるんだから!!)
そんなことしてたの?!お姉様のところも執行天使内の評判が悪くて困っているらしいし、それは随分お姉様には効いただろうな…。そして、私にも悔しいことにその脅しはよく効いた。
「はぁ……分かった…。
記憶を持ったまま転生させるから、そんなことやめて。」
(分かればいいのよ。)
女神の私に対して何て態度だ…!本当は適当にあしらって、牢屋に住む鼠にでも転生させてやりたいけど…お姉様から預かった魂だし、女神のところまで来てるってことはこっちのミスで命を落とした魂だろうから、下手なことは出来ない。女神規約に引っかかって、権利剥奪されたら大変だもの。
とりあえず記憶を思い出せるのは十歳からだとは黙っておこう。また騒がれたら面倒だ。
「先に説明しておくけど、貴女がこれから行くことになる私の管理する世界では人の心を超えるような強制力などは働かないわ。つまり、ヒロインだからと言って、自動的に皆が貴女を愛するわけではないの。それだけは、よく覚えておいて。」
(分かったってば。自分で落とすからいいわよ。リィナの美貌と私の知識と技があれば、問題ないから気にしないで。)
すごい自信。その割には前世では良い恋愛して来てないようだけど…と彼女の記憶を見て思う。私は呆れかえる。もう自棄だ。この魂と話していたくない。
「そ、そう…。では、よい人生を。」
(はいはーい。ったく、やっと行けるー)
とんでもないやつが入って来てしまった。
私は初心な恋物語を見守るはずだったのに!!
「あー!!またなんでこんなことに!!
やばい、なんか対策を立てなきゃ…。
あの魂の思い通りにさせてたまるもんですか…っ!」
私は転生待ちの魂データを見ていく。
「えっと……マジフラの記憶がある子…。
あ、さっきの良い魂くんの想い人が知ってるんだっけ!!」
データを確認し、記憶を取り戻すタイミングを確認する。
「よし……死に際までは来るから…私の力が及ぼせる。
この時に記憶を取り戻させよう…!」
「女神様ー!そろそろ転生始めますねー!」
「よ、よろしくー!」
執行天使に上擦った声で私は指示を出した。
◆ ◇ ◆
その十一年後。
「よしっ、記憶が入った。
あ、待って待って、聖女が来るの思ったより早い!!
今思い出してるとこなの!あと少し待ってー!!」
……彼女が目覚めてしまった。
私は頭を抱えた。
「あー…これ、全部は思い出せてないな…。
一応記憶は入ったから、何かきっかけがあったら思い出せると思うんだけど…。学園入学までに間に合うかしら…。
不安しかないわ。一年前に記憶を取り戻したあの魂は早速魔力訓練を始めちゃってるし……。」
「ライル、アンナ!頑張って、私、応援してるからー!!」
私一人だけの真っ白な空間には、心からの叫びが響いたのだった。
===================
これで完結となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!初めての全年齢向けということもあり、不安もありましたが、完結まで書き切ることができ、とりあえずはホッとしております。
なかなか纏めることが出来ず、長くなってしまいましたが……。そんな中、最後まで読んでくださった皆様には感謝しかありません(T-T)
では、また次回作でお会いできれば嬉しいです!私の拙い作品を読んでいただき、本当にありがとうございました!!
1
お気に入りに追加
497
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(25件)
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
一気に読ませていただきました。
面白かったです(⋈◍>◡<◍)。✧♡
ライルも好きですが、ウィルガが お気にでした。
ウィルガが 他に愛する人と出会い、幸せになるルートが
見たいなあ(憎らしい兄たちはどうなったのかも(#^ω^))
それから、気になったのは オルヒのその後(;´Д`)
やはりソフィアちゃんでも 治せないのかな?
嬉しい感想、ありがとうございます!長いのに最後まで読んでくださり、本当に嬉しいです(^^)
ウィルガは不器用なので、アンナを暫くは思い続けるのではないかな…と思います。でも、アンナがライルと幸せになっていくのを見守る過程で、徐々に気持ちに折り合いをつけていき、そんな時に無邪気な令嬢と出会い……みたいなのを想像してます(*´∇`*)兄たちはウィルガへの嫉妬心を抑えられず、いつか自滅するはずです(笑)
オルヒの腕はあのままの予定です……。が、オルヒは周囲の人から大事にされて、公爵家で過ごしています。時々アンナとのお茶会で王宮にも行きます。アンナにとって、母のような存在ですからね♪
最後までお読みいただいて、ありがとうございました!
毎日楽しみにしていただけたなんて、本当に嬉しいです♪
ジョシュアも頑張ってましたが…ライルとアンナの物語だと最初から決まってたのでまた、すみません(T-T)
次回作でまたお会いできるのを楽しみにしています!
いつも感想ありがとうございました(^^)
感想ありがとうございます(^^)
やっと最後まで来ました!これからのアンナは、ゲームから解放されて、王太子妃として四苦八苦しながらも、ライルとラブラブな日々を過ごして欲しいと思います。
ウィルガもライル並みに愛情が重く、不器用で一途です!気に入ってもらえて良かった!
最後のパーティシーンも気に入って頂けたようで嬉しいです!
今世は幸せに長生きする予定です。笑
マジフラに続編は作られていないと私の中では考えているので…。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!