55 / 99
第二章
28.魔宝
しおりを挟む
「それにしても、リィナが殿下と頻繁に会っているという噂は耳にしていたんだけれど、本当だったのね。
学園内で見る限り、殿下はリィナのことを相当嫌っているはずだけど…リィナが寵愛を受けてるなんてことあるかしら?」
そう言って、ソフィアは首を傾げる。
「分からないけど…二人の仲を隠すために学園ではリィナに興味のないふりをしているのかも。」
「……うーん、でも、殿下は間違いなくアンナを想っているわよね。喧嘩の内容だってただの嫉妬でしょ。
きっと殿下はリィナに従わなければいけない事情があるんだと思うの。それも公に出来ないようなことが。」
「それって何?」
想像もつかないので尋ねてみると、ソフィアは怒ったように頬を少し膨らませた。
「私にもわからないわよ。」
「そっか…。」
なんでもソフィアに頼ってはいけない…私も自分で考えなくちゃ。本当にライル様がリィナに脅されているなら、助けてあげたい。私の助けなんてライル様は必要としてないかもしれないけど。
きっとリィナはゲームの中の知識を使って何かをしているんだ。でも、ライル様ルートでそんな脅しのネタになるような事実はなかったはずだけど…。
「でも、本当にライル様がリィナ側に付いてるとしたら厄介だわ…。」
ソフィアが難しい顔をして呟く。
「厄介??」
「えぇ。今、ルフト様とお兄様が調査している件に、リィナが絡んでいるみたいなの。リィナを近々呼び出して、話を聞くみたいなんだけど…王家が彼女を守るとしたらこの件は有耶無耶にされてしまうかも知らない。」
「調査している件って…?」
私がそう尋ねると、ソフィアは神妙な顔つきで言った。
「魔宝よ。」
魔宝とは魔力で作動する数少ない道具のことだ。
昔の大魔法士が作った通常魔法では出来ないようなことを実現させる幻の宝飾品。ゲームの中でも魔宝は使われていた。
私が知っているのは、ライル様ルートで出てきた魔宝・夢魅の耳飾りだけだ。夢魅の耳飾りはそれを身につけて、異性に触れながら「好き」と唱えると、その異性は盲目的な恋の奴隷となるという代物だった。しかし、これは魔力持ちには効かない。
そのため、私はリィナが魔力持ちの攻略対象者たちにこれを使う可能性はないと思って、その存在自体すっかり忘れていた。そもそも、この魔宝をゲーム内で使っていたのはソフィアで、これを使って学園内の男性陣を誘惑し、リィナを虐めさせていたのだ。
そこまで考えて…私はようやく気付いた。
……リィナはこれを使ってたんだ…!
どんなにリィナが好きだとしても、公爵家令嬢であるソフィアや私を虐めるのは、貴族令息として正気の沙汰とは思えない。あんなことが出来たのは、彼らは洗脳されているに等しい状況だったからなのだろう。
私は自分の馬鹿さ加減に頭を抱えた。
少し考えたら分かることだったのに…!
急にハッとして、頭を抱え、唸り出した私をソフィアが心配する。
「アンナ?!だ、大丈夫?」
「うん。ソフィア、今、ジョシュア様とルフト先生が調査してるのって…夢魅の耳飾り、かな?」
そう言ってチラッとソフィアの様子を伺うと、ソフィアは目を丸くしていた。
「……驚いたわ。まさかアンナが知ってるなんて……。」
「あー……うん、たまたま本で見た気がして……。」
そう誤魔化すと、ソフィアは一瞬訝しげな顔をした。
「そう…。相当古い本にしか書かれてないと思うけど…
まぁいいわ。
魔宝は全部で五つ。ルデンス公爵家の人間はそのうちの一つを保管していることもあって、魔宝に少し詳しいの。
今回調査の対象になっているのが、夢魅の耳飾り。これは神殿の奥深くに保管してあったものなんだけど、どうやら何者かが忍び込んで盗み出したらしいの。保管場所は関係者しか知らないはずで、魔法士や公爵家の人間ならともかく勿論ただの男爵令嬢のリィナが知るはずもないんだけど……。」
きっとリィナはゲームの知識を駆使して手に入れたんだろう。そうなると、他の魔宝も気になってくる。どのような魔宝があるか私には皆目見当もつかないが、五つが全てリィナの手に渡れば、かなり状況は厳しいことは簡単に予想できた。
「……他の魔宝は大丈夫、かな?
リィナは他の在処も知ってるかも…。」
「まさか。でも、今回の耳飾りの件も予想外だったから、確認する必要はあるでしょうね。もう確認してるかもしれないけど…お兄様に聞いてみるわ。」
神妙な顔をして、ソフィアが頷く。
「うん…そうした方がいいと思う。
ついでに…私たちへの虐めが落ち着いたのってー」
「そう、ルフト様とお兄様のおかげよ。
元々二人は盗まれた耳飾りの件を調査してたらしいんだけど、私たちのことを聞いて、耳飾りの力なんじゃないかって思ったんですって。
魔法解除は身に付けてる本人なら簡単に出来るんだけど、それ以外となると魔力を流し込んだ薬を飲ませる必要があるの。ルフト様は耳飾りが盗まれた日からずっと万が一の状況に備えて、解除薬を作り続けていたらしいの。
私たちから話を聞いたルフト様は、次の日からリィナの周りにいる人達に解除薬を飲ませたの。それで落ち着いたってわけ。」
私はこの前階段であった二人の令息を思い浮かべた。私を見つめる悪意に満ちた目を思い出して、気分が悪くなる。
「でも、リィナの周りにはまだ取り巻きの令息がいるよね?」
「えぇ。どうやら繰り返し魔法を掛けられると、解除に時間がかかるらしいの。保有している魔力量に応じて一日に掛けられる人数も変わるらしいんだけど、おそらく今もリィナは耳飾りを持っているから…。」
「なんで耳飾りを取り上げないの?」
「耳飾りは身に付けていると透明化して、目には見えないし、確かにそこにあっても他人には触れられないの。だから、取り上げることが出来ないのよ。取り外せるのは身につけてる本人が外したいと思って触れた時だけ。」
確かにそうだった。
ゲームの中でもソフィアは耳飾りを付けていなかったもの。
「……それは難しそうだわ。」
「本当よね……。」
暫く私たちの間には沈黙が流れる。
「そうだ、アンナ。
卒業記念パーティーのドレスはもう決めた?」
卒業記念パーティー、と聞いて、ドキンと心臓が跳ねる。
「え、えぇ。
今回は先輩方が主役だから、シンプルな物にするつもりよ。」
「そうよね。私も。
リィナさんも参加することになるけど…
ドレスはあるのかしら?」
ソフィアが心配している通り、ゲームの通りであるならば、リィナに着るドレスはなかった。
ゲーム内では、ドレスがなくパーティーへの参加を断念しようとするリィナの元にその時点で最も好感度の高いキャラクターから匿名でドレスが届くのだ。
ジョシュア様からは青の、ルフト様からは紫の、ウィルガからは赤の、そしてライル様からは黄色のドレスが。
「……無いと思うけど…
どなたかがプレゼントするかもしれないわね…。」
私がぽそっと言葉を溢すと、ソフィアはそれを驚いた顔で見つめる。
「ドレスをプレゼントするって……。」
この世界においてドレスをプレゼントするということは、愛する者へ行う行為だ。よって、普通は婚約者や配偶者に対してのみ行われる。そして、それは瞳の色であれば、殊更深い愛情を示す。
私も何度かライル様からドレスを贈ってもらっているが、今回はー…。
ふと、ライル様の髪のようにキラキラと輝く黄色のドレスを着て微笑むゲームの中のリィナの姿が思い出される。
私はキュッと唇を噛んだ。
学園内で見る限り、殿下はリィナのことを相当嫌っているはずだけど…リィナが寵愛を受けてるなんてことあるかしら?」
そう言って、ソフィアは首を傾げる。
「分からないけど…二人の仲を隠すために学園ではリィナに興味のないふりをしているのかも。」
「……うーん、でも、殿下は間違いなくアンナを想っているわよね。喧嘩の内容だってただの嫉妬でしょ。
きっと殿下はリィナに従わなければいけない事情があるんだと思うの。それも公に出来ないようなことが。」
「それって何?」
想像もつかないので尋ねてみると、ソフィアは怒ったように頬を少し膨らませた。
「私にもわからないわよ。」
「そっか…。」
なんでもソフィアに頼ってはいけない…私も自分で考えなくちゃ。本当にライル様がリィナに脅されているなら、助けてあげたい。私の助けなんてライル様は必要としてないかもしれないけど。
きっとリィナはゲームの中の知識を使って何かをしているんだ。でも、ライル様ルートでそんな脅しのネタになるような事実はなかったはずだけど…。
「でも、本当にライル様がリィナ側に付いてるとしたら厄介だわ…。」
ソフィアが難しい顔をして呟く。
「厄介??」
「えぇ。今、ルフト様とお兄様が調査している件に、リィナが絡んでいるみたいなの。リィナを近々呼び出して、話を聞くみたいなんだけど…王家が彼女を守るとしたらこの件は有耶無耶にされてしまうかも知らない。」
「調査している件って…?」
私がそう尋ねると、ソフィアは神妙な顔つきで言った。
「魔宝よ。」
魔宝とは魔力で作動する数少ない道具のことだ。
昔の大魔法士が作った通常魔法では出来ないようなことを実現させる幻の宝飾品。ゲームの中でも魔宝は使われていた。
私が知っているのは、ライル様ルートで出てきた魔宝・夢魅の耳飾りだけだ。夢魅の耳飾りはそれを身につけて、異性に触れながら「好き」と唱えると、その異性は盲目的な恋の奴隷となるという代物だった。しかし、これは魔力持ちには効かない。
そのため、私はリィナが魔力持ちの攻略対象者たちにこれを使う可能性はないと思って、その存在自体すっかり忘れていた。そもそも、この魔宝をゲーム内で使っていたのはソフィアで、これを使って学園内の男性陣を誘惑し、リィナを虐めさせていたのだ。
そこまで考えて…私はようやく気付いた。
……リィナはこれを使ってたんだ…!
どんなにリィナが好きだとしても、公爵家令嬢であるソフィアや私を虐めるのは、貴族令息として正気の沙汰とは思えない。あんなことが出来たのは、彼らは洗脳されているに等しい状況だったからなのだろう。
私は自分の馬鹿さ加減に頭を抱えた。
少し考えたら分かることだったのに…!
急にハッとして、頭を抱え、唸り出した私をソフィアが心配する。
「アンナ?!だ、大丈夫?」
「うん。ソフィア、今、ジョシュア様とルフト先生が調査してるのって…夢魅の耳飾り、かな?」
そう言ってチラッとソフィアの様子を伺うと、ソフィアは目を丸くしていた。
「……驚いたわ。まさかアンナが知ってるなんて……。」
「あー……うん、たまたま本で見た気がして……。」
そう誤魔化すと、ソフィアは一瞬訝しげな顔をした。
「そう…。相当古い本にしか書かれてないと思うけど…
まぁいいわ。
魔宝は全部で五つ。ルデンス公爵家の人間はそのうちの一つを保管していることもあって、魔宝に少し詳しいの。
今回調査の対象になっているのが、夢魅の耳飾り。これは神殿の奥深くに保管してあったものなんだけど、どうやら何者かが忍び込んで盗み出したらしいの。保管場所は関係者しか知らないはずで、魔法士や公爵家の人間ならともかく勿論ただの男爵令嬢のリィナが知るはずもないんだけど……。」
きっとリィナはゲームの知識を駆使して手に入れたんだろう。そうなると、他の魔宝も気になってくる。どのような魔宝があるか私には皆目見当もつかないが、五つが全てリィナの手に渡れば、かなり状況は厳しいことは簡単に予想できた。
「……他の魔宝は大丈夫、かな?
リィナは他の在処も知ってるかも…。」
「まさか。でも、今回の耳飾りの件も予想外だったから、確認する必要はあるでしょうね。もう確認してるかもしれないけど…お兄様に聞いてみるわ。」
神妙な顔をして、ソフィアが頷く。
「うん…そうした方がいいと思う。
ついでに…私たちへの虐めが落ち着いたのってー」
「そう、ルフト様とお兄様のおかげよ。
元々二人は盗まれた耳飾りの件を調査してたらしいんだけど、私たちのことを聞いて、耳飾りの力なんじゃないかって思ったんですって。
魔法解除は身に付けてる本人なら簡単に出来るんだけど、それ以外となると魔力を流し込んだ薬を飲ませる必要があるの。ルフト様は耳飾りが盗まれた日からずっと万が一の状況に備えて、解除薬を作り続けていたらしいの。
私たちから話を聞いたルフト様は、次の日からリィナの周りにいる人達に解除薬を飲ませたの。それで落ち着いたってわけ。」
私はこの前階段であった二人の令息を思い浮かべた。私を見つめる悪意に満ちた目を思い出して、気分が悪くなる。
「でも、リィナの周りにはまだ取り巻きの令息がいるよね?」
「えぇ。どうやら繰り返し魔法を掛けられると、解除に時間がかかるらしいの。保有している魔力量に応じて一日に掛けられる人数も変わるらしいんだけど、おそらく今もリィナは耳飾りを持っているから…。」
「なんで耳飾りを取り上げないの?」
「耳飾りは身に付けていると透明化して、目には見えないし、確かにそこにあっても他人には触れられないの。だから、取り上げることが出来ないのよ。取り外せるのは身につけてる本人が外したいと思って触れた時だけ。」
確かにそうだった。
ゲームの中でもソフィアは耳飾りを付けていなかったもの。
「……それは難しそうだわ。」
「本当よね……。」
暫く私たちの間には沈黙が流れる。
「そうだ、アンナ。
卒業記念パーティーのドレスはもう決めた?」
卒業記念パーティー、と聞いて、ドキンと心臓が跳ねる。
「え、えぇ。
今回は先輩方が主役だから、シンプルな物にするつもりよ。」
「そうよね。私も。
リィナさんも参加することになるけど…
ドレスはあるのかしら?」
ソフィアが心配している通り、ゲームの通りであるならば、リィナに着るドレスはなかった。
ゲーム内では、ドレスがなくパーティーへの参加を断念しようとするリィナの元にその時点で最も好感度の高いキャラクターから匿名でドレスが届くのだ。
ジョシュア様からは青の、ルフト様からは紫の、ウィルガからは赤の、そしてライル様からは黄色のドレスが。
「……無いと思うけど…
どなたかがプレゼントするかもしれないわね…。」
私がぽそっと言葉を溢すと、ソフィアはそれを驚いた顔で見つめる。
「ドレスをプレゼントするって……。」
この世界においてドレスをプレゼントするということは、愛する者へ行う行為だ。よって、普通は婚約者や配偶者に対してのみ行われる。そして、それは瞳の色であれば、殊更深い愛情を示す。
私も何度かライル様からドレスを贈ってもらっているが、今回はー…。
ふと、ライル様の髪のようにキラキラと輝く黄色のドレスを着て微笑むゲームの中のリィナの姿が思い出される。
私はキュッと唇を噛んだ。
1
お気に入りに追加
497
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
王妃の手習い
桃井すもも
恋愛
オフィーリアは王太子の婚約者候補である。しかしそれは、国内貴族の勢力バランスを鑑みて、解消が前提の予定調和のものであった。
真の婚約者は既に内定している。
近い将来、オフィーリアは候補から外される。
❇妄想の産物につき史実と100%異なります。
❇知らない事は書けないをモットーに完結まで頑張ります。
❇妄想スイマーと共に遠泳下さる方にお楽しみ頂けますと泳ぎ甲斐があります。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
悪女役らしく離婚を迫ろうとしたのに、夫の反応がおかしい
廻り
恋愛
王太子妃シャルロット20歳は、前世の記憶が蘇る。
ここは小説の世界で、シャルロットは王太子とヒロインの恋路を邪魔する『悪女役』。
『断罪される運命』から逃れたいが、夫は離婚に応じる気がない。
ならばと、シャルロットは別居を始める。
『夫が離婚に応じたくなる計画』を思いついたシャルロットは、それを実行することに。
夫がヒロインと出会うまで、タイムリミットは一年。
それまでに離婚に応じさせたいシャルロットと、なぜか様子がおかしい夫の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる