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第二章
7.資料室
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私は、一人で資料室に荷物を運んでいた。
講義終わりに、教師が私に荷物を運ぶよう命じたのだ。例の如くライル様が一緒に行くと申し出てくれたのだが、それを見た教師は言った。
「ライル様はアンナさんを気にかけすぎですわ。たまには一人でやるべきことはさせないと!」と。
それに大半の女子生徒はうんうんと頷いた。
ライル様は教師を呆れたように見て、その言葉を無視して私に「行こう」と声をかけてくれたが、それを私は断った。
荷物はそんなに重くないから一人で十分運べるし、私もライル様離れをしなきゃいけないと日々感じているからだった。
私に断られたことにショックを受けたらしいライル様が固まっている隙をついて、私は一人荷物を持って出てきたのであった。
でも、いざ一人で廊下を歩いていると、大した量もない荷物なのに「持とうか?」とか「大丈夫?」とかやたら声を掛けられて面倒だった。令嬢はペンくらいしか持てないと勘違いでもしてるんだろうか。断るのも面倒なので、やめてほしい。
資料室まであと少しと言うところで、またしても声を掛けられた。
「アンナ。」
「だから、大丈夫ー」
少し腹を立てながら振り返ると、そこにはジョシュア様がいた。今日も水色の髪をサラサラと靡かせて麗しい。
「あ、ジョシュア様。」
「くくっ。その様子じゃ随分と君の手伝いをしたがる令息が多かったようだな。」
慌てて、私は謝る。
「す、すみません。」
「いや、いいんだ。
……私も他の奴らと同じように追い返すか?」
ジョシュア様は私を見て、フッと笑った。
「そんなこと…!ジョシュア様は他の方とは違いますもの。」
「良かった。じゃあ、行こう。私も丁度資料室に頼まれた物を取りに行くところだったんだ。」
私の荷物をジョシュア様は取り上げる。
「あ、大丈夫なのにー」
「少しは私もアンナの為に何かさせてほしい。
いいだろ?」
「ありがとう、ございます…。」
これがあの女教師に見つかったら、やるべきことをまた人に押し付けてと怒られそうだな…と内心思うが、ジョシュア様の厚意を無下にはできなかった。
二人で資料室に向かいながら、話す。
「そういえば、ソフィアから聞いたが、火属性の魔力が確認できたんだって?」
「はい。そうなんです。自分でも驚いてます。」
「そうか。でも、それは私にとっても朗報だな。学年が違うから諦めていたのに、同じ講義が受けられる。」
ジョシュア様はそう言って優しく笑いかけてくれる。
「魔法学ですよね。宜しくお願いします。」
「あぁ。一年先輩だからな。なんでも頼ってくれ。」
「はい、頼りにしてます。」
そこで資料室に着く。
「ありがとうございました。
あとは一人で大丈夫です。」
机の上に資料を置いてもらう。
「いや、仕舞うところまで手伝う。
二人でやった方が早いだろう?」
「いや、そこまでやっていただくわけにはー」
言いかけたところで、ジョシュア様は腰をかがめて、私の耳元に唇を寄せた。
「私がもっとアンナといたいだけ。…いいよね?」
命令するように囁かれ、私は簡単に陥落した。
「は、はい。」
「素直でよろしい。」
ジョシュア様は満足そうに目を細めた。
二人で椅子に並び合って座り、資料をそれぞれの本に綴じていく。
……やたら資料の並び順がバラバラなのは、女教師からの嫌がらせではないと信じたい。
資料を仕舞いながら、ジョシュア様が話し出した。
「……エリーザ嬢の件、聞いた。」
「そう、ですか。」
だよね。ソフィアが知ってるならジョシュア様も知ってるだろうとは思っていた。
ジョシュア様は作業の手を止め、私の方を向き、頭を下げた。
「私のせいで……本当にすまなかった。」
「だから、ジョシュア様のせいでも、ソフィアのせいでもなくて、私が勝手にー」
「それでも、謝りたかった。
それに……無事で良かった、本当に。
アンナに何かあったら、後悔してもし切れない。」
ジョシュア様の目は真剣で。
まるで何かを怖がっているようなー。
「ジョシュア様?」
「……アンナ、もし君が窮地に陥るようなことがあれば、私を頼ってほしい。必ず、助ける。」
ジョシュア様の声は切なく懇願するようだった。
「あ、ありがとうございます。」
「まだ何も出来てないけどな。」
そう言って、眉を下げて、ジョシュア様は笑う。
「そんなことないです。いつも花束を下さるじゃないですか。すごく嬉しいです。」
「良かった。喜んでもらえていて。」
「今もこうして手伝ってくれて、本当に助かってます。」
「アンナが言ってくれたら、いつでも手伝うよ。」
少しして、私たちは資料を綴じ終えた。あとは、本棚に戻すだけだ。私は立ち上がり、本を一冊一冊仕舞っていく。
ジョシュア様も立ち上がり、取りに来た物を探しているようだった。
最後の一冊は、一番上の棚だ。ぐっと背伸びをするが、届かない。でも、あとちょっと……
と思い、本棚に手を掛けたのが良くなかった。
本棚がぐっと私の方に傾いた。
……まずいっ!!
ギュッと目を瞑り、衝撃が来るのを覚悟するーー
が、聞こえたのは本が二、三冊どさどさっと落ちる音だけだった。
恐る恐る目を開けると、ジョシュア様の長い指の大きな手で本棚が抑えられていて、すぐ後ろにジョシュア様の体温が感じられた。
「大丈夫か?」
思わず声がした頭上を見上げると、ジョシュア様の綺麗な水色の髪が一房顔にかかる。
そして、完璧すぎる顔が眼前にー。
眼鏡の奥の紺碧の瞳は心配そうに真っ直ぐに私を見つめている。鼻は私すぅーっと高く、形の良い薄い唇はどこかセクシーだ。
……これは…ちょっと無理。
私は顔を覆い、ヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。
「アンナ?!どこか打ったか?」
ジョシュア様は私が本棚にぶつかった衝撃でしゃがみ込んだのかと思ったらしく、私の顔を覗き込んで来る。
……ちょっとそんなに顔を近づけないで。
顔の火照りがなかなか取れないから!!
私が黙っていると、ジョシュア様は強く言う。
「アンナ、顔見せて。心配なんだ。」
私は顔を覆ったまま首を横に振る。
「……ただ顔が近くて恥ずかしかっただけなんです。
きっと顔が赤くなってるの……見ないで……。」
ジョシュア様が微かに笑ったような気がした。
「そんなこと言われたらますます見たくなる。
……アンナ、見せて。」
それでも私は手をどかすことが出来ない。フルフルと首を振る。すると、ジョシュア様が近づいて来る気配がした。
次の瞬間、ジョシュア様は私の指先にキスをした。
思わずバッと手を退ける。
すると、ジョシュア様は少し意地悪そうな顔をして笑った。
「本当に真っ赤。かわいい。」
「もう…いやだぁ…。」
再び両手で顔を隠した私の頭をジョシュア様は嬉しそうに撫でて、何かを呟く。
「……その顔をさせたのが自分だと思うと堪んないな。」
よく聞こえなかったが、揶揄うのもいい加減にしてほしい。
その時、ガラガラと資料室の扉が開いた。
「あ…。」
入ってきたのは、ゲームのヒロインであるリィナだった。
講義終わりに、教師が私に荷物を運ぶよう命じたのだ。例の如くライル様が一緒に行くと申し出てくれたのだが、それを見た教師は言った。
「ライル様はアンナさんを気にかけすぎですわ。たまには一人でやるべきことはさせないと!」と。
それに大半の女子生徒はうんうんと頷いた。
ライル様は教師を呆れたように見て、その言葉を無視して私に「行こう」と声をかけてくれたが、それを私は断った。
荷物はそんなに重くないから一人で十分運べるし、私もライル様離れをしなきゃいけないと日々感じているからだった。
私に断られたことにショックを受けたらしいライル様が固まっている隙をついて、私は一人荷物を持って出てきたのであった。
でも、いざ一人で廊下を歩いていると、大した量もない荷物なのに「持とうか?」とか「大丈夫?」とかやたら声を掛けられて面倒だった。令嬢はペンくらいしか持てないと勘違いでもしてるんだろうか。断るのも面倒なので、やめてほしい。
資料室まであと少しと言うところで、またしても声を掛けられた。
「アンナ。」
「だから、大丈夫ー」
少し腹を立てながら振り返ると、そこにはジョシュア様がいた。今日も水色の髪をサラサラと靡かせて麗しい。
「あ、ジョシュア様。」
「くくっ。その様子じゃ随分と君の手伝いをしたがる令息が多かったようだな。」
慌てて、私は謝る。
「す、すみません。」
「いや、いいんだ。
……私も他の奴らと同じように追い返すか?」
ジョシュア様は私を見て、フッと笑った。
「そんなこと…!ジョシュア様は他の方とは違いますもの。」
「良かった。じゃあ、行こう。私も丁度資料室に頼まれた物を取りに行くところだったんだ。」
私の荷物をジョシュア様は取り上げる。
「あ、大丈夫なのにー」
「少しは私もアンナの為に何かさせてほしい。
いいだろ?」
「ありがとう、ございます…。」
これがあの女教師に見つかったら、やるべきことをまた人に押し付けてと怒られそうだな…と内心思うが、ジョシュア様の厚意を無下にはできなかった。
二人で資料室に向かいながら、話す。
「そういえば、ソフィアから聞いたが、火属性の魔力が確認できたんだって?」
「はい。そうなんです。自分でも驚いてます。」
「そうか。でも、それは私にとっても朗報だな。学年が違うから諦めていたのに、同じ講義が受けられる。」
ジョシュア様はそう言って優しく笑いかけてくれる。
「魔法学ですよね。宜しくお願いします。」
「あぁ。一年先輩だからな。なんでも頼ってくれ。」
「はい、頼りにしてます。」
そこで資料室に着く。
「ありがとうございました。
あとは一人で大丈夫です。」
机の上に資料を置いてもらう。
「いや、仕舞うところまで手伝う。
二人でやった方が早いだろう?」
「いや、そこまでやっていただくわけにはー」
言いかけたところで、ジョシュア様は腰をかがめて、私の耳元に唇を寄せた。
「私がもっとアンナといたいだけ。…いいよね?」
命令するように囁かれ、私は簡単に陥落した。
「は、はい。」
「素直でよろしい。」
ジョシュア様は満足そうに目を細めた。
二人で椅子に並び合って座り、資料をそれぞれの本に綴じていく。
……やたら資料の並び順がバラバラなのは、女教師からの嫌がらせではないと信じたい。
資料を仕舞いながら、ジョシュア様が話し出した。
「……エリーザ嬢の件、聞いた。」
「そう、ですか。」
だよね。ソフィアが知ってるならジョシュア様も知ってるだろうとは思っていた。
ジョシュア様は作業の手を止め、私の方を向き、頭を下げた。
「私のせいで……本当にすまなかった。」
「だから、ジョシュア様のせいでも、ソフィアのせいでもなくて、私が勝手にー」
「それでも、謝りたかった。
それに……無事で良かった、本当に。
アンナに何かあったら、後悔してもし切れない。」
ジョシュア様の目は真剣で。
まるで何かを怖がっているようなー。
「ジョシュア様?」
「……アンナ、もし君が窮地に陥るようなことがあれば、私を頼ってほしい。必ず、助ける。」
ジョシュア様の声は切なく懇願するようだった。
「あ、ありがとうございます。」
「まだ何も出来てないけどな。」
そう言って、眉を下げて、ジョシュア様は笑う。
「そんなことないです。いつも花束を下さるじゃないですか。すごく嬉しいです。」
「良かった。喜んでもらえていて。」
「今もこうして手伝ってくれて、本当に助かってます。」
「アンナが言ってくれたら、いつでも手伝うよ。」
少しして、私たちは資料を綴じ終えた。あとは、本棚に戻すだけだ。私は立ち上がり、本を一冊一冊仕舞っていく。
ジョシュア様も立ち上がり、取りに来た物を探しているようだった。
最後の一冊は、一番上の棚だ。ぐっと背伸びをするが、届かない。でも、あとちょっと……
と思い、本棚に手を掛けたのが良くなかった。
本棚がぐっと私の方に傾いた。
……まずいっ!!
ギュッと目を瞑り、衝撃が来るのを覚悟するーー
が、聞こえたのは本が二、三冊どさどさっと落ちる音だけだった。
恐る恐る目を開けると、ジョシュア様の長い指の大きな手で本棚が抑えられていて、すぐ後ろにジョシュア様の体温が感じられた。
「大丈夫か?」
思わず声がした頭上を見上げると、ジョシュア様の綺麗な水色の髪が一房顔にかかる。
そして、完璧すぎる顔が眼前にー。
眼鏡の奥の紺碧の瞳は心配そうに真っ直ぐに私を見つめている。鼻は私すぅーっと高く、形の良い薄い唇はどこかセクシーだ。
……これは…ちょっと無理。
私は顔を覆い、ヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。
「アンナ?!どこか打ったか?」
ジョシュア様は私が本棚にぶつかった衝撃でしゃがみ込んだのかと思ったらしく、私の顔を覗き込んで来る。
……ちょっとそんなに顔を近づけないで。
顔の火照りがなかなか取れないから!!
私が黙っていると、ジョシュア様は強く言う。
「アンナ、顔見せて。心配なんだ。」
私は顔を覆ったまま首を横に振る。
「……ただ顔が近くて恥ずかしかっただけなんです。
きっと顔が赤くなってるの……見ないで……。」
ジョシュア様が微かに笑ったような気がした。
「そんなこと言われたらますます見たくなる。
……アンナ、見せて。」
それでも私は手をどかすことが出来ない。フルフルと首を振る。すると、ジョシュア様が近づいて来る気配がした。
次の瞬間、ジョシュア様は私の指先にキスをした。
思わずバッと手を退ける。
すると、ジョシュア様は少し意地悪そうな顔をして笑った。
「本当に真っ赤。かわいい。」
「もう…いやだぁ…。」
再び両手で顔を隠した私の頭をジョシュア様は嬉しそうに撫でて、何かを呟く。
「……その顔をさせたのが自分だと思うと堪んないな。」
よく聞こえなかったが、揶揄うのもいい加減にしてほしい。
その時、ガラガラと資料室の扉が開いた。
「あ…。」
入ってきたのは、ゲームのヒロインであるリィナだった。
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