21 / 32
八宝菜(7)
しおりを挟む
「はい、万理」
覆い被さる腰に両足を上げて絡め、濡れた尻の狭間にデザインミスのペニスを擦れさせ。
ピクリと、表情に鋭さが増すのを、有能だなと思わず片笑いに見た。
「入れたいか」
「はい」
手を掴んで、自分で支えるように導いてやる。
「本当かよ」
濡れて爛れたようなそこに、先端を当てられ。
「本当です」
足を下ろして、受け入れられるようにシーツについた。
「やってみろ。無理なら言うわ」
「はい。すぐに言ってください」
「ぅ、」
尻に押しつけられる丸みは滑らかで、なるほどこんな感触かと思う。
押しつけられているのは判るが、通らせてやれず。
「 、もうちょい、強くいけ、」
「はい」
やり方は、理屈としては知っている。
力が込められるのに合わせて開き、力を抜いて隙間を拡げさせ。
「っ、は、」
メリ、と、無理にこじ開けられる痛みに、思わず息を詰めた。
「万理、」
髪に押しつけられる声は、曇っていて。宥めるように、抱いた髪を撫でてやる。
「そこで、止まん、な……」
「万理、」
「ッぐ、」
こい、と囁いて、先端の太い部分を押し込ませ。
裂くたぐいの痛みが通り抜け、異物感だけが残るのに、大きく息をついた。
「万理、」
「ん、」
身を擦り寄せてくる背を、よしよしと撫でてやり。
「痛いですか」
「痛いデスヨ……」
笑ってしまう。
けれど、動かなくなる身体を、抱き締めて。
「今んとこが一番痛えはずだから、大丈夫だ。……一応、最後までやり方わかってんだろ」
予期していて然るべきだったのかもしれないが、想像していたよりずっと、少なくとも流れを用意しているようだ。
「はい。ですが、無理をさせていませんか」
「……」
正直、えっ今更? という、気持ちだが。
いや、と、考え直す。
顔を上げさせ、思わず眉を上げてしまう。それも、初めて見る顔だった。
額と、頬と。髪を退けるように撫でてやり。
「これは、まあ……合意だろ、要は。……続けろよ。お前がどうしたいのか、教えてくれ」
俺が望んだんだろ、と、言ってやろうとしたのに、言えず。
頭を抱き寄せて、唇を淡く吸ってやる。
「ん、」
啄んで返され、食んでやって、次第に夢中で唇を絡める間に、さらに奥へと押し込まれ、少し眉が下がる。
悪くない、と思うのが、複雑な気持ちにさせる。
「は、……ぅ、」
奥まで突っ込まれて止まり、大きく息をついた。
腹の中にデカい異物を抱える不快さが、捩れて心地良く感じる。
「万理」
「ン……?」
頬に当てられる手が冷たくて、気持ちいい。
その手に、手を重ね。サラリとした触り心地のいい手の甲を、遊ぶように撫でる。
「身体が熱いです。平気ですか?」
見上げる顔は、少し眉間が曇っているようで。
意味を少し考え、頷いた。
「平気だ。興奮してるだけだよ」
わかりました、と緩む眉間に指を伸ばしてこすり。
「お前は? そんな、心配するほど俺が熱いと、排熱ヤバくねーの、」
「――。はい、少し」
ヤバイのか、と気怠く笑いながら、頬を包んで、まなじりを親指で撫でて。
「怖いか?」
「はい、少し」
今度は笑みをつれた、まったく同じ言葉に、少し胸がギュッとなる。
熱くもならない、汗も掻かない背を両腕で抱き寄せ、その髪を抱えて引き寄せ、頬を擦りつけた。
「先に、進んでいいぞ」
「はい、」
抱いた頭が動いて、首筋に唇を寄せられ、そんな些細な刺激が快感だった。
「続きをします」
ズルッと抜けていく感触に、総毛立つ。
じっくりと押し込まれると、身をよじりたくなり。
次第に慣れていくその感覚に、息が切れる。
興奮はするし、快感もあるのだが、身体も感覚もついていっていない。
いつまでも繰り返されるもどかしい性感に、息を切らしながら、イグニスの背を掻き寄せる。
「あ、そ、」
息を切らし、心地良さになまぬるく溺れながら、滲む視界にイグニスを探して、手で頬を押さえた。
「はい」
まだ呼んでいない。けれど応じた声に、そのアルゴリズムを思い浮かべようとする頭が回らない。
「おまえ、射精、しないだろ、」
「はい。しません」
イグニスの動きが止まり、薄い息を気怠く緩め。
伏せそうになる目を上げる。
「俺が、基準だな、これ」
「はい。万理の快感が絶頂にいたることが到達点です」
その文章は正しいかと考えかけてしまう頭を、額をこすって戻し。
「あー……、たぶん、ケツではむり、だな」
「そうなんですね。不快になる前に中止した方がいいですか?」
うーん、と、火照った頭を掻き。
言いたくねえなと迷いながら、けれど、ボトムが嫌になってやめるセックスも最悪だなと、大きく溜息をついた。
初めての相手をイカせる秘技を、まさか自分のために明かす日がくるとは。
「直腸や腹ン中が慣れてなくても、穴はたいてい敏感だから……」
「はい」
アレをやられるのか、と。羞恥心と、過去に復讐されるような痛ましさに、ややげんなりする。
「入口ンところをカリ首でめくる要領で浅いピストンにして、チンコしごいてイカせろ」
短くない沈黙に灰色の瞳を見て、そういえば点滅を見てないなと気づいた。
「イグ、ッ、ァッ」
ズルッと勢いよく中をこすられ、声が出る。
「はい。なんですか、万理」
「クッ、ぅ、ンッ、っ、ッッ」
もがいてしまう足を、膝の裏から吊り上げて抱えられ、逃げられないように突きつけられ。
「は、あ、アッ、ぁ、ひ、」
上手い。上手い、と5回くらい思い、あとは何も考えられない。
「あ、ぁ、ああ、ハ――っ」
生々しい形で敏感な穴を嬲られる鮮烈な快感が、逃げ惑う蛇のような勢いで、腰の裏や尻に這い回り。
「はア、ああ、」
慣れない悦の逃げ場を探す感覚が、しごかれるチンコに出口を見つけて追い掛ける。入口の敏感さがあふれさせる快感が手淫に束ねられれば、全身が歓喜に震えて、顎が勝手に浮く。
「あっ、あ、あ、あもっと、ァ、ああッ」
手のそばに、握られるような強さを感じても、意識はすぐに、快楽に飲まれ。
暴れる身体を押さえつけられ、強烈な気持ちよさに集中できる喜びに酔い痴れる。
「は、ぁ、あっ、ぁぅ、あ、い、ぁイク、あっ、イク、イく――ッ」
身に馴染んだ射精感を彩る、あたらしい見知らぬ快感が、全身を絞り上げ。
「は……」
自分で絞り出そうとするかのよう、深く長い射精に、身体が勝手に跳ねる。
卑猥な快感と、全身の力が一緒に抜け出ても、まだ身体は甘く。
目を閉じたら、何も分からなくなった。
目を開くとイグニスの顔が正面にあり、鈍く瞬く。
HGB023に何時か尋ねようとして、目を閉じているイグニスの顔を見て、やめた。
少し身動いで、曖昧な身体や手足の位置を探す。
「いやお前、これ」
抱き締めるというよりは、腕枕と、身を寄せる程度だが。これほどぴったりくっついていては、熱が逃がせないのではないだろうか。
もぞついて少し身体を離し、おそらく休止状態なのだろう、静かな顔を眺める。
身体を触ってみると冷たいが、やはり、自分がくっついていた場所はあたたかくなっている。
かかっている髪を少し退け、額や頬、まなじりを撫で。
「イグニス」
声はひそめたつもりだったのに、正面の瞼がゆっくりと持ち上がってしまった。
「はい、万理」
「おはよ」
「おはようございます」
もう一度顔を撫でてやると、うっとりと瞬くのが、胸に甘く、けれど不思議でもある。
「気持ちいいか?」
「はい」
向けられる笑みに、胸が疼く。
「……気持ちよかったか?」
灰色の瞳が、数秒の間じっと見つめてきて、ン? と。疑問に思ったことを思い出した。
「はい。とても、素晴らしい時間でした」
人間相手だとなかなか聞かない言い回しに、しばし言葉に詰まり。
「すみません。万理に無理をさせました。シミュレーションが不十分な点がいくつか考えられます。計画は再検討と修正をして提出しますが、それより、お詫び、」
トンと。唇に指の背を当ててやると、止まった。
「おま、よく喋るなあ」
面白がっていると、おしゃべりを止めてやった手を取られ、淡い音を立ててくちづけられた。
予想していない甘い仕草が、どうしようもなく恥ずかしい。
そうだった、と思い出して、イグニスのまなじりの辺りをつまむ。
「お前これ、あの点滅のやつオフにしてんの?」
「はい。眩しそうに見えたので、止めました」
「気が利いてんな……」
ありがとうございます。と、嬉しげにまなじりをゆるめる顔に、そういえばアレもコレも、と、一気に頭が回り始め。
イニシアチブを取ってセックスをするという過程について、どのように処理がなされているのか、ついつい熱心に聞き取りを始めた。
尻をえぐるやけに有機的なピストン運動が、わざとランダムに誤差を生み出す仕組みだと聞いて感心する。
喋り喋らせながら手遊びに身体を触れば、甘ったるい仕草で身を寄せてくる有能さに舌を巻き。
完璧だと、ふいに思いつく。
薄暗がりでは水色の点滅が眩しいと、おそらく自分の表情で判断したのだろう。それ以外にも、ボディランゲージを読み取っていると感じたことは多い。
しかも、完成されていないのだ。多分もう、トライ&エラーの成果を洗い出しはじめているだろう。
ゆで卵ももう、二度と握り潰さないように。
目の前にあるのが、構築され、洗練していく自走するプログラムであるという揺るぎない現実を、見失うことはない。
人工知能とユーザーのセックスという、どうせ採用しない試行を、自分がなぜ許したのかという理由も、理解し終えていた。
覆い被さる腰に両足を上げて絡め、濡れた尻の狭間にデザインミスのペニスを擦れさせ。
ピクリと、表情に鋭さが増すのを、有能だなと思わず片笑いに見た。
「入れたいか」
「はい」
手を掴んで、自分で支えるように導いてやる。
「本当かよ」
濡れて爛れたようなそこに、先端を当てられ。
「本当です」
足を下ろして、受け入れられるようにシーツについた。
「やってみろ。無理なら言うわ」
「はい。すぐに言ってください」
「ぅ、」
尻に押しつけられる丸みは滑らかで、なるほどこんな感触かと思う。
押しつけられているのは判るが、通らせてやれず。
「 、もうちょい、強くいけ、」
「はい」
やり方は、理屈としては知っている。
力が込められるのに合わせて開き、力を抜いて隙間を拡げさせ。
「っ、は、」
メリ、と、無理にこじ開けられる痛みに、思わず息を詰めた。
「万理、」
髪に押しつけられる声は、曇っていて。宥めるように、抱いた髪を撫でてやる。
「そこで、止まん、な……」
「万理、」
「ッぐ、」
こい、と囁いて、先端の太い部分を押し込ませ。
裂くたぐいの痛みが通り抜け、異物感だけが残るのに、大きく息をついた。
「万理、」
「ん、」
身を擦り寄せてくる背を、よしよしと撫でてやり。
「痛いですか」
「痛いデスヨ……」
笑ってしまう。
けれど、動かなくなる身体を、抱き締めて。
「今んとこが一番痛えはずだから、大丈夫だ。……一応、最後までやり方わかってんだろ」
予期していて然るべきだったのかもしれないが、想像していたよりずっと、少なくとも流れを用意しているようだ。
「はい。ですが、無理をさせていませんか」
「……」
正直、えっ今更? という、気持ちだが。
いや、と、考え直す。
顔を上げさせ、思わず眉を上げてしまう。それも、初めて見る顔だった。
額と、頬と。髪を退けるように撫でてやり。
「これは、まあ……合意だろ、要は。……続けろよ。お前がどうしたいのか、教えてくれ」
俺が望んだんだろ、と、言ってやろうとしたのに、言えず。
頭を抱き寄せて、唇を淡く吸ってやる。
「ん、」
啄んで返され、食んでやって、次第に夢中で唇を絡める間に、さらに奥へと押し込まれ、少し眉が下がる。
悪くない、と思うのが、複雑な気持ちにさせる。
「は、……ぅ、」
奥まで突っ込まれて止まり、大きく息をついた。
腹の中にデカい異物を抱える不快さが、捩れて心地良く感じる。
「万理」
「ン……?」
頬に当てられる手が冷たくて、気持ちいい。
その手に、手を重ね。サラリとした触り心地のいい手の甲を、遊ぶように撫でる。
「身体が熱いです。平気ですか?」
見上げる顔は、少し眉間が曇っているようで。
意味を少し考え、頷いた。
「平気だ。興奮してるだけだよ」
わかりました、と緩む眉間に指を伸ばしてこすり。
「お前は? そんな、心配するほど俺が熱いと、排熱ヤバくねーの、」
「――。はい、少し」
ヤバイのか、と気怠く笑いながら、頬を包んで、まなじりを親指で撫でて。
「怖いか?」
「はい、少し」
今度は笑みをつれた、まったく同じ言葉に、少し胸がギュッとなる。
熱くもならない、汗も掻かない背を両腕で抱き寄せ、その髪を抱えて引き寄せ、頬を擦りつけた。
「先に、進んでいいぞ」
「はい、」
抱いた頭が動いて、首筋に唇を寄せられ、そんな些細な刺激が快感だった。
「続きをします」
ズルッと抜けていく感触に、総毛立つ。
じっくりと押し込まれると、身をよじりたくなり。
次第に慣れていくその感覚に、息が切れる。
興奮はするし、快感もあるのだが、身体も感覚もついていっていない。
いつまでも繰り返されるもどかしい性感に、息を切らしながら、イグニスの背を掻き寄せる。
「あ、そ、」
息を切らし、心地良さになまぬるく溺れながら、滲む視界にイグニスを探して、手で頬を押さえた。
「はい」
まだ呼んでいない。けれど応じた声に、そのアルゴリズムを思い浮かべようとする頭が回らない。
「おまえ、射精、しないだろ、」
「はい。しません」
イグニスの動きが止まり、薄い息を気怠く緩め。
伏せそうになる目を上げる。
「俺が、基準だな、これ」
「はい。万理の快感が絶頂にいたることが到達点です」
その文章は正しいかと考えかけてしまう頭を、額をこすって戻し。
「あー……、たぶん、ケツではむり、だな」
「そうなんですね。不快になる前に中止した方がいいですか?」
うーん、と、火照った頭を掻き。
言いたくねえなと迷いながら、けれど、ボトムが嫌になってやめるセックスも最悪だなと、大きく溜息をついた。
初めての相手をイカせる秘技を、まさか自分のために明かす日がくるとは。
「直腸や腹ン中が慣れてなくても、穴はたいてい敏感だから……」
「はい」
アレをやられるのか、と。羞恥心と、過去に復讐されるような痛ましさに、ややげんなりする。
「入口ンところをカリ首でめくる要領で浅いピストンにして、チンコしごいてイカせろ」
短くない沈黙に灰色の瞳を見て、そういえば点滅を見てないなと気づいた。
「イグ、ッ、ァッ」
ズルッと勢いよく中をこすられ、声が出る。
「はい。なんですか、万理」
「クッ、ぅ、ンッ、っ、ッッ」
もがいてしまう足を、膝の裏から吊り上げて抱えられ、逃げられないように突きつけられ。
「は、あ、アッ、ぁ、ひ、」
上手い。上手い、と5回くらい思い、あとは何も考えられない。
「あ、ぁ、ああ、ハ――っ」
生々しい形で敏感な穴を嬲られる鮮烈な快感が、逃げ惑う蛇のような勢いで、腰の裏や尻に這い回り。
「はア、ああ、」
慣れない悦の逃げ場を探す感覚が、しごかれるチンコに出口を見つけて追い掛ける。入口の敏感さがあふれさせる快感が手淫に束ねられれば、全身が歓喜に震えて、顎が勝手に浮く。
「あっ、あ、あ、あもっと、ァ、ああッ」
手のそばに、握られるような強さを感じても、意識はすぐに、快楽に飲まれ。
暴れる身体を押さえつけられ、強烈な気持ちよさに集中できる喜びに酔い痴れる。
「は、ぁ、あっ、ぁぅ、あ、い、ぁイク、あっ、イク、イく――ッ」
身に馴染んだ射精感を彩る、あたらしい見知らぬ快感が、全身を絞り上げ。
「は……」
自分で絞り出そうとするかのよう、深く長い射精に、身体が勝手に跳ねる。
卑猥な快感と、全身の力が一緒に抜け出ても、まだ身体は甘く。
目を閉じたら、何も分からなくなった。
目を開くとイグニスの顔が正面にあり、鈍く瞬く。
HGB023に何時か尋ねようとして、目を閉じているイグニスの顔を見て、やめた。
少し身動いで、曖昧な身体や手足の位置を探す。
「いやお前、これ」
抱き締めるというよりは、腕枕と、身を寄せる程度だが。これほどぴったりくっついていては、熱が逃がせないのではないだろうか。
もぞついて少し身体を離し、おそらく休止状態なのだろう、静かな顔を眺める。
身体を触ってみると冷たいが、やはり、自分がくっついていた場所はあたたかくなっている。
かかっている髪を少し退け、額や頬、まなじりを撫で。
「イグニス」
声はひそめたつもりだったのに、正面の瞼がゆっくりと持ち上がってしまった。
「はい、万理」
「おはよ」
「おはようございます」
もう一度顔を撫でてやると、うっとりと瞬くのが、胸に甘く、けれど不思議でもある。
「気持ちいいか?」
「はい」
向けられる笑みに、胸が疼く。
「……気持ちよかったか?」
灰色の瞳が、数秒の間じっと見つめてきて、ン? と。疑問に思ったことを思い出した。
「はい。とても、素晴らしい時間でした」
人間相手だとなかなか聞かない言い回しに、しばし言葉に詰まり。
「すみません。万理に無理をさせました。シミュレーションが不十分な点がいくつか考えられます。計画は再検討と修正をして提出しますが、それより、お詫び、」
トンと。唇に指の背を当ててやると、止まった。
「おま、よく喋るなあ」
面白がっていると、おしゃべりを止めてやった手を取られ、淡い音を立ててくちづけられた。
予想していない甘い仕草が、どうしようもなく恥ずかしい。
そうだった、と思い出して、イグニスのまなじりの辺りをつまむ。
「お前これ、あの点滅のやつオフにしてんの?」
「はい。眩しそうに見えたので、止めました」
「気が利いてんな……」
ありがとうございます。と、嬉しげにまなじりをゆるめる顔に、そういえばアレもコレも、と、一気に頭が回り始め。
イニシアチブを取ってセックスをするという過程について、どのように処理がなされているのか、ついつい熱心に聞き取りを始めた。
尻をえぐるやけに有機的なピストン運動が、わざとランダムに誤差を生み出す仕組みだと聞いて感心する。
喋り喋らせながら手遊びに身体を触れば、甘ったるい仕草で身を寄せてくる有能さに舌を巻き。
完璧だと、ふいに思いつく。
薄暗がりでは水色の点滅が眩しいと、おそらく自分の表情で判断したのだろう。それ以外にも、ボディランゲージを読み取っていると感じたことは多い。
しかも、完成されていないのだ。多分もう、トライ&エラーの成果を洗い出しはじめているだろう。
ゆで卵ももう、二度と握り潰さないように。
目の前にあるのが、構築され、洗練していく自走するプログラムであるという揺るぎない現実を、見失うことはない。
人工知能とユーザーのセックスという、どうせ採用しない試行を、自分がなぜ許したのかという理由も、理解し終えていた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
逃げられない罠のように捕まえたい
アキナヌカ
BL
僕は岩崎裕介(いわさき ゆうすけ)には親友がいる、ちょっと特殊な遊びもする親友で西村鈴(にしむら りん)という名前だ。僕はまた鈴が頬を赤く腫らせているので、いつものことだなと思って、そんな鈴から誘われて僕は二人だけで楽しい遊びをする。
★★★このお話はBLです 裕介×鈴です ノンケ攻め 襲い受け リバなし 不定期更新です★★★
小説家になろう、pixiv、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、fujossyにも掲載しています。
ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話
さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ)
奏音とは大学の先輩後輩関係
受け:奏音(かなと)
同性と付き合うのは浩介が初めて
いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる