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本編 浮島編
ボス?
しおりを挟む『主! なにかおるぞっ』
銀太が急に俺の前に立つ、どうしたんだ? そんな慌てて。
「ほう……いきなりボスとは趣向が面白いのう」
いきなりボス? パールや聖獣たちが同じ方向を見ている。全くなにもない、静かな海にしか見えないが……。
『来るぞっ!』
スバルが叫んだ次の瞬間、静かだった水面が激しく波打ち、大きな渦が現れた。
「なんだあれは……!?」
渦はドンドン広がり、俺たちが立っている場所に今にも到達しそうだ。
『俺の背中に乗れっ』
スバルがグリフォンの姿に変身し、俺たちを背中にのせ空高く舞い上がった。
大きくてスバルの背に乗れない銀太は、前脚で掴んだ。
間一髪で俺たちは渦にのまれそうだったのを、逃れる事に成功した。
これもスバルの素早い機転のおかげ。
「スバルありがとうな、助かったよ。危うく渦にのまれる所だった。さすがだな」
グリフォンとなったスバルの大きな頭を撫でる。
『へへっ、これくらい余裕だよっ』
スバルの背中から海を見ると、見渡せる範囲全て大きな渦と化している。
そして渦の中心が大きく泡立つ。
「やっとおでましのようじゃのう。じらしおって」
『本当よ! これで弱かったら許さないんだから!』
パールと三号が、これから登場するであろう謎の者に、悪態をはいている。
普通ならこの場面って、みんな震えあがってる所だよな?
あまりにもみんなが普通すぎて、俺もビビってなかったが。
なんだろう、今から登場するヤツにちょっと同情してしまう。
バッシャーーーーーーーーッン!
大きな音と水しぶきと一緒に現れたのは……!?
「へっ……あれはなんだ? 長い……龍か?」
二十メートル以上ある、長くて大きな龍? が俺たちを睨んでいる。
「ティーゴよ? こんな時は神眼を使うんじゃ」
パールが少し呆れたように俺に教えてくれる。
あっ! そうだった。そんな目で見てくれるな、ついつい使うの忘れちゃうんだよ!
《神眼》
「なっ!」
【リヴァイアサン】
名前 なし
種族 龍神
ランク SSS
年齢 不明
性別 なし
レベル 850
攻撃力 47580
魔力 69999+
体力 67800
幸運 4500
スキル 全属性魔法
元は水龍。神の御使いとされていた水龍が闇に堕ちた姿。
「リヴァイアサン?」
「そうじゃ。水龍が闇堕ちし、魔と化した姿じゃ」
「元神の御使いって……こいつは何かやらかしたのか?」
「じゃろうのう」
パールと二人でリヴァイアサンについて話していると。
『ガハハハハハッ! 弱き虫けらどもめっ我のぉ? うきひりあらわ!?』
偉そうに俺たちに向かって威圧を放つリヴァイアサン。
途中からなんだか様子がおかしい。その様子は動揺し、慌てているようにさえ見える。
「なぁパール……リヴァイアサンの様子なんか変じゃないか?」
「うむ……」
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