上 下
304 / 314
本編 浮島編

ボス?

しおりを挟む

『主! なにかおるぞっ』

 銀太が急に俺の前に立つ、どうしたんだ? そんな慌てて。

「ほう……いきなりボスとは趣向が面白いのう」

 いきなりボス? パールや聖獣たちが同じ方向を見ている。全くなにもない、静かな海にしか見えないが……。

『来るぞっ!』

 スバルが叫んだ次の瞬間、静かだった水面が激しく波打ち、大きな渦が現れた。

「なんだあれは……!?」

 渦はドンドン広がり、俺たちが立っている場所に今にも到達しそうだ。

『俺の背中に乗れっ』

 スバルがグリフォンの姿に変身し、俺たちを背中にのせ空高く舞い上がった。
 大きくてスバルの背に乗れない銀太は、前脚で掴んだ。

 間一髪で俺たちは渦にのまれそうだったのを、逃れる事に成功した。

 これもスバルの素早い機転のおかげ。

「スバルありがとうな、助かったよ。危うく渦にのまれる所だった。さすがだな」

 グリフォンとなったスバルの大きな頭を撫でる。

『へへっ、これくらい余裕だよっ』

 スバルの背中から海を見ると、見渡せる範囲全て大きな渦と化している。

 そして渦の中心が大きく泡立つ。

「やっとおでましのようじゃのう。じらしおって」
『本当よ! これで弱かったら許さないんだから!』

 パールと三号が、これから登場するであろう謎の者に、悪態をはいている。
 普通ならこの場面って、みんな震えあがってる所だよな?

 あまりにもみんなが普通すぎて、俺もビビってなかったが。

 なんだろう、今から登場するヤツにちょっと同情してしまう。

バッシャーーーーーーーーッン!

 大きな音と水しぶきと一緒に現れたのは……!?

「へっ……あれはなんだ? 長い……龍か?」

 二十メートル以上ある、長くて大きな龍? が俺たちを睨んでいる。

「ティーゴよ? こんな時は神眼を使うんじゃ」

 パールが少し呆れたように俺に教えてくれる。
 あっ! そうだった。そんな目で見てくれるな、ついつい使うの忘れちゃうんだよ!

《神眼》

「なっ!」

【リヴァイアサン】


名前  なし
種族  龍神
ランク    SSS
年齢  不明
性別  なし
レベル 850
攻撃力 47580    
魔力  69999+
体力  67800
幸運  4500

スキル 全属性魔法 

元は水龍。神の御使いとされていた水龍が闇に堕ちた姿。


「リヴァイアサン?」

「そうじゃ。水龍が闇堕ちし、魔と化した姿じゃ」

「元神の御使いって……こいつは何かやらかしたのか?」

「じゃろうのう」

 パールと二人でリヴァイアサンについて話していると。

『ガハハハハハッ! 弱き虫けらどもめっ我のぉ? うきひりあらわ!?』

 偉そうに俺たちに向かって威圧を放つリヴァイアサン。

 途中からなんだか様子がおかしい。その様子は動揺し、慌てているようにさえ見える。

「なぁパール……リヴァイアサンアイツの様子なんか変じゃないか?」

「うむ……」



 
しおりを挟む
感想 1,508

あなたにおすすめの小説

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

大賢者カスパールとグリフォンのスバル

大福金
ファンタジー
この世界で誰も届く事がない領域まで達した大賢者カスパール。 彼が得れる魔法は全て修得した。 そんなカスパールを皆が神様の様に崇め奉る ウンザリしたカスパールは一人山奥でひっそりと好きに暮らす事に。 そんなカスパールがひょんな事からグリフォンの赤子を育てる事に… コミュ障でボッチの大賢者カスパールが赤子を育てながら愛情を知っていく出会い〜別れまでのストーリー。 このお話は【お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちとモフモフ無双する】のサイドストーリーになります。 本編を読んでいなくても内容は分かります。宜しければ本編もよろしくお願いします。 上記のお話は「お人好し底辺テイマー…………」の書籍二巻に収録されましたので、スバルとカスパールの出会いのお話は非公開となりました。 勇者達との魔王討伐編のみ公開となります。

異世界もふもふ召喚士〜俺はポンコツらしいので白虎と幼狐、イケおじ達と共にスローライフがしたいです〜

大福金
ファンタジー
タトゥーアーティストの仕事をしている乱道(らんどう)二十五歳はある日、仕事終わりに突如異世界に召喚されてしまう。 乱道が召喚されし国【エスメラルダ帝国】は聖印に支配された国だった。 「はぁ? 俺が救世主? この模様が聖印だって? イヤイヤイヤイヤ!? これ全てタトゥーですけど!?」 「「「「「えーーーーっ!?」」」」」 タトゥー(偽物)だと分かると、手のひらを返した様に乱道を「役立たず」「ポンコツ」と馬鹿にする帝国の者達。 乱道と一緒に召喚された男は、三体もの召喚獣を召喚した。 皆がその男に夢中で、乱道のことなど偽物だとほったらかし、終いには帝国で最下級とされる下民の紋を入れられる。 最悪の状況の中、乱道を救ったのは右ふくらはぎに描かれた白虎の琥珀。 その容姿はまるで可愛いぬいぐるみ。 『らんどーちゃま、ワレに任せるでち』 二足歩行でテチテチ肉球を鳴らせて歩き、キュルンと瞳を輝かせあざとく乱道を見つめる琥珀。 その姿を見た乱道は…… 「オレの琥珀はこんな姿じゃねえ!」 っと絶叫するのだった。 そんな乱道が可愛いもふもふの琥珀や可愛い幼狐と共に伝説の大召喚師と言われるまでのお話。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?

伽羅
ファンタジー
 転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。  このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。  自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。 そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。 このまま下町でスローライフを送れるのか?

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫
ファンタジー
 両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。 冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。 最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。 それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった… そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。 小説家になろう様でも投稿しています。

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。 全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。 ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。 これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!

幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23  女性向けホットランキング1位 2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位  ありがとうございます。 「うわ~ 私を捨てないでー!」 声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・ でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので 「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」 くらいにしか聞こえていないのね? と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~ 誰か拾って~ 私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。 将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。 塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。 私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・  ↑ここ冒頭 けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・ そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。 「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。 だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。 この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。 果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか? さあ! 物語が始まります。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。