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本編 浮島編
これどうするよ?
しおりを挟む「ハクー! ロウー! ストップだ! 攻撃を一旦ストップしてくれ」
キラにちゃんと説明し、ハク達の所まで連れて来てもらった。魔導兵器の中に入っている。ハク達に気付いて貰えるように、両手を大きく降って必死にアピールすると、ハクが俺に気づいてくれた。
『んん? 主様どうしたジャイ? そんなに慌てて』
「慌ててるんだよ! 今すぐその攻撃を止めてくれ!」
『んん? なんでコブ? やっつけるコブよ?』
「違うんだ! それが誤解なんだよ! 頼むから一旦ストップだ」
『むう? 分かったジャイ。主様を困らせたくないジャイ』
ハクがピィーッと口笛を鳴らすと、攻撃が一斉に止んだ。
良かった…………のか?
安堵した後に、レミアールの惨状を空から見廻すと、建物のあちこちが損壊し煙や炎が燃え盛っている。
これはどう見てもやばいだろ!
どうする? どうする?
慌てちゃだめだ。落ち着いて冷静にだ、大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
とりあえず火の手を消さないとだな、早く消さないと街が焼け焦げてしまう。ええと……こんな時は水魔法をどんな風に使えばいいんだ?
まとめて一度で消すには……そうだ! 水魔法を天に打ち上げて雨みたいに降らしたら良いんだ。
「ようし……やるぞ」
《ウォーターボール》
俺は空いっぱいに、大きな水の塊を打ち上げた。その塊が張り裂けると、レミアールに雨のような水が落ちていく。燃え盛っている炎はどんどん消えて行く。
良かった……とりあえず炎は解決だな。後は怪我してる人とかいないか……なんだが。
ジャイ♪ジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪
俺がどうしようかと一人ウンウンと悩んでいたら、呑気にジャイコブ達が踊りだした。
くそう……お前達の仕業で俺はこんなに悩んでいるのに、楽しそうだな。
「どうしたんじゃ? ティーゴよ。一人で百面相しおって……ぷぷ」
船からふわりと空を飛んで来たパールが、キラの上に乗って来た。
「パール! 百面相って、まぁいいよ。それよりだ、こんな大惨事にしちゃってどうするんだよ?」
「ワシもこれは計算外じゃったのう。まさかジャイコブ達がここまでするとは……それにキラのトドメ。ふぅむ……」
「きっとさ? 怪我人や亡くなった人も多数いると思うんだ」
「むう……」
パールが顎に手をやり軽く触る、まるでそこに髭がはえているように見えてくる。
「分かった。これにはワシも責任がある。全て任せるのじゃ、じゃがティーゴよ? 少し協力を頼むぞ」
「俺に出来る事なら何でもするよ!」
「ふふ……心強いのう。では」
パールは両手を掲げると魔法を唱えた。
《ハイメタモルフォーゼ》
「ふふ……コンちゃんに教えて貰ってのう。完璧に使えるようになったんじゃ……おおっこの魔力の感じ。かつてのワシそのものじゃ」
「ああっ……だっ大賢者カスパール様……」
俺の目の前に、威厳に満ちた姿の大賢者カスパール様が立っていた。
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