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本編 燦聖教編

謎のキノコ料理

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こんな面白い村を発見したんだ、宴が始まる前にパールに教えてやらないと、後で知ったら「ワシも行きたかったのじゃ」と不貞腐れそうな気がするので、異空間に戻りパールを呼びに行く事にした。

異空間に戻りパールを探すが、家のどこにもいない。
外に居るのかと見て回ると、オーちゃんのお店でパールはまた何やら頼んでいた。

「パール!ココにいたのか」

「んん?ティーゴどうしたんじゃ?もう街に着いたのか?」

「いやっまだ街には着いてないけど、面白い村を発見したんだ」

「ほう……面白い村じゃと?」

パールの瞳がキラキラと輝きを増す。

俺は森であった出来事をパールに説明すると……。

「キノ小人!ワシもその宴に参加するのじゃ!」

パールは少し興奮気味に話す。
キノ小人族の事はパールも全く知らなかったみたいだ。新しい情報を知りパールは嬉しそうだ。

『主様~?今何て言ったジャイ?』
『もしや宴と言ったコブ?』

ジャイコブ達が【宴】と言う言葉を聞きつけ、踊りながらやって来た。

あちゃー……こりゃまた騒がしいのが……

『宴と言ったら♪我らジャイ』
『宴と言ったら♪我らのダンス』

ジャイジャイ♪ジャイコブ♪ジャイジャイジャイコブ♪

はぁー……ジャイコブ達行く気満々だな。しょうがない連れて行くか。

俺はパールとジャイコブ達を連れ、異空間からキノ小人族の村に戻って来た。

キノ小人族の村を見たパールは大興奮、あちこちをキョロキョロと楽しそうに見て回っている。

「なっ……家とか全ての建物がキノコで出来ておる!中はどうなっとるんじゃ?
くぅぅ中を見てみたいのじゃ!
じゃが、この大きさじゃと入れぬ……ならば」

パールは二十センチ程の小さな猫の姿になった。

わっパール!ズルいよ俺も小さくなりたい。

「むぅ?姿を変えるのは無理じゃが、小さくなる魔法ならティーゴ達にもかけれるかのう……どれっ」

「わっ!」『…おで?…』『おおっ我が……』『我らの体がっ小さくなったジャイ』コブ♪』

『わあっ!皆が小さくなったの!ティアと同じ大きさになったの』

小さくなった俺達が嬉しいのか、ティアがクルクルと回りを飛ぶ。

パールの魔法のおかげで、俺達はティアと同じくらいの背丈になった。
ティアが大きく見える……不思議な感じだ。

俺達が小さくなったのを見て、何を思ったのかトレントまで小さくなった。

『トレーント♪』

俺達の姿が、突然自分達と同じ大きさになり、キノ小人族達は驚いていたが「聖獣様や精霊様なら変幻自在でしょうね」と勝手に納得してくれた。

小さくなった俺にピノが不思議そうな顔して近付いて来た。

『ティーゴって小さくもなれるんだな。凄いやっその姿なら僕ん家に入れるねっ。ねぇ?遊びにおいでよ!』

『ピノの家に行っていいのか?』

『うんっ母ちゃんにも紹介したいしっ!さぁ行こう』

「ワシも行くっ」

ピノに連れられ家に向かう。

近くで見ると……ピノの家は大きな赤いキノコに、扉と窓が付いただけに見えるが……これは家なんだよな?

ピノが扉を開け中に入ると、中もキノコだらけだった。
机も椅子もキノコ、コップも皿もきのこ……どうやって作ってるんだ?

「全部キノコじゃ……」

パールも流石にビックリしたのか、口をポカンとあけている。
その気持ち分かる。

「この度は、ピノを助けて頂きありがとうございます。
ピノの母親のキィオです。こちら良かったら飲んで下さいね」

キィオさんは黄色い色したキノ小人。

キィオさんが机にキノコのコップとキノコの皿にキノコを置いて行く。

「これは、ダージリンキノコティーとスイーツキノコです。召し上がれ」

俺とパールはお互いの目を見合わせ、確認する様に一度頷くとダージリンキノコティーを飲んだ。

ゴクッ

「・・・・」

「美味しいっ」

「美味いのじゃっ」

アッサリとしてコクのあるティーだった。

次は……まんま何も調理してない生のキノコ……生のキノコなんて食べた事ないぞ?

キノコの色も黒く……はっきり言って毒毒しい。
パールを見ると同じ事を考えてるみたいだ。

ゴクリッ……。食べるか。

思い切って口に入れると……!

「うんまっ」

これっチョコケーキだっ!見た目キノコなのに食感はふわふわだ!
何コレ!?

「美味いのじゃ!何でキノコがチョコケーキの味なのじゃ!」

余りの美味しさに、俺とパールはペロリと平らげてしまった。

「ふふっ気に言って貰えて良かったですわ」


キノ小人族のキノコ料理。
宴が終わったら、秘密を絶対に教えて貰おうと誓ったティーゴだった。



⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎


「ささっコチラへお座り下さい」

キノ小人達に案内され俺達は用意された席に座る。
席ったって、大きな葉が敷き詰められただけの場所だけどな。

あっという間に宴の準備は完成し、目の前には楽しそうに踊るキノ小人族。
俺達の前には……キノコ料理が並ぶ。
見た事の無い色をしたカラフルなキノコ。
そう……全て生のキノコが並んで行く。

これもきっと何か仕掛けがあるんだよな?

『さぁ宴の始まりジャイ♪』
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