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ルチア十六歳、魔法学園編
久々のシャリオン
しおりを挟む「ルッルチア様! 私…とうとう蜜月に入る日が決まりましたの」
頬をピンクに染め、興奮気味にミシェルさんが話す。
「とうとう!?」
ゴクリッっとリンリンさんは生唾を飲み込み、ミシェルさんの話に耳を傾ける。
「はい。! ルチア様の結婚式の後ですわ!」
「……って事は一週間後⁈」
「うわードキドキしますわ」
「本当に」
カタリナさんとエリーさんも頬をピンクに染める。
そんな時背後でパンパン! っと手を叩く音が聞こえた。
「わっ!? 先生だっ」
話に夢中になり過ぎて、先生が教室に入って来た事に気が付かなかった。
「まぁ! 話に夢中で先生に気が付きませんでしたわ」
「続きはまた休み時間にだね!」
私たちは慌てて席に戻る。
「ハイ! 皆聞いてー? 今日は外で魔法の練習だよー」
もう学園では全て(竜王様の番で妖精の愛し子)バレてしまったので、妖精さん達はいつでも私に集まり放題だ。
魔法訓練をする中庭にでると、すぐさま妖精さんが私の所に集まってくる。
ーールチィー遊ぼー
ーーお花あげるー
私に妖精が沢山寄って来るおかげで、魔法練習の時は外が妖精さんでいっぱいになる。
クラスの皆も、妖精さんと話が出来る様になる子も。
今日はミシェルさんが、一人の妖精と話が出来たみたいで喜んでいた。
私はもっぱら、魔力制御の訓練をしてるんだけど、全然制御出来ない
それどころか、魔力が増えてる気がする。特にシェラ様とゴニョ……な事した後は……あわわっ!
思い出して恥ずかしくなってきた!
妄想退散! 煩悩退散!
ふっ、ふぅぅ……。
「ねぇ? ルチアさん。貴方一週間後にシェラ様と結婚式を本当に挙げる気?」
うわっ……シャリオンさん。
ずっと休んでたのに、久々に学園に来たなあっと思ってたら、早速絡んできたはぁぁ。
「ちょっと? 質問してるんだけど?」
シャリオンさんがイラつきながら、返事を急かす。なんでそんな人の相手をしないといけないのか……。
「結婚式あげますよ! それが何か?」
「何か? って、自分がシェラザード様に相応しいと思ってるの?」
なんでそんな事を言われないといけないのか、確かに自信はないけれど……。
「今はまだ、相応しいくないかもしれない。でもシェラ様が私を選んでくれたから! 私はシェラ様のために頑張るつもりよ!」
「何よ! 私は認めてないからね! フンッ」
シャリオンさんは捨て台詞をはいて、向こうにスタスタと歩いて行った。
何がしたかったんだろう。ただ私に嫌味を言いたかっただけなのか。
はぁぁ……
楽しい気分がただ下がりだ。
こんな時は、明日の楽しい事でも考えよう♪
明日はシェラ様とお父様を迎えに行くんだ。
なんと結婚式に出席してくれるの!
あー今から楽しみ!
うん! 楽しい事考えたら気分が上がって来た。ふふ。
★★★
『ルチィ。帰ろうか』
私はミシェルさん達との話が楽しくって夢中になり、帰る準備が遅れてしまった。
しびれを切らしたシェラ様が、教室に迎えに来てしまった。
ヤバイ……コレはいつものパターンだ。
シェラ様は私をお姫様抱っこすると、当たり前の様におでこにキスをした。
「「「はぁぁぁぁ♡」」」
「「「見ちゃいましたわ!」」」
教室内はピンク色の悲鳴がっ!
みんなの熱い視線がいたい。
「シェラ様! 皆の前で恥ずかしいから! お願い下ろして!」
『嫌だ! 我はルチィが足りぬのだ……』
そう言うと今後は口にキスを落とす。
「「「まぁ! んまぁ!♡」」」
「「「美しいわ」」」
「「「ヒュー…♪いいぞー!」」」
「「「結婚式楽しみにしてますねー!」」」
おめでとうっと祝福してくれるのは有難いんだけど……。
私はみんなの声援が恥ずかし過ぎて、シェラ様の胸に顔を隠した。
恥ずかし過ぎてもう無理。
そんな私たちを、シャリオンさんは一人恐ろしい形相で睨んでいた事を、シェラ様の胸に顔を埋めていた私は全く気付かなかった。
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