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ルチア十六歳、魔法学園編

ドキドキの女子トーク

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「あっあの……蜜月を?」

 嘘でしょう? あれを話すの? みんなの前で?!

「そうなのです! 詳しく!」

 ミシェルさんが喰い気味にグイグイくる。迫力が凄いんですが。

「エリー様に借りたロマンス小説にも、蜜月の事は書いてはあるのですが、詳しい内容が分からなくって……」

 ロマンス小説? なにその気になる名前の小説は……流行っているの?

「蜜月とは、殿方と一ヵ月ずっと同じ部屋で過ごすのでしょう?」
「そうそう! 一ヵ月も何をするのかなと思って?」

 ミシェルさんとエリーさんの目がぎらついて怖いです。

 獣人族のリンリンさんとカタリナさんは、二人の勢いについていけない感じかな。一歩引いて様子を伺っている。

「私達、獣人族にも番はあるけど蜜月は無いわね。どんな事をするのかはちょっと興味ありますわ」
「ですわね」

 黙って聞いていた二人までグイッとにじり寄ってきた。

 四人が一斉に私に注目してる。 
 これは恥ずかしいけど!

 ええと……言わないとダメ?

 そんな期待した目で見ないで、恥ずかしくて死にそうだけど……きっと女子会とはこう言うものなんだわ。前世ではこんな女子トークした事なかったから。

 よしっ!

 先輩として!

 うん!

 言える範囲内で頑張る。私はまず蜜月の部屋について語る。

「まっまぁぁ! 蜜月を過ごすお部屋って……お風呂とベッドだけですの!? なっなんて官能的な……」

 エリーさんが鼻息あらく興奮している。

「ハワワワッ……そんなっ何て淫らな……っ!」

 ミシェルさんは真っ赤な顔を押さえて悶えいる。

「それで、その部屋に入るとずっと番様と一緒なんですよね?」

「……うん。そう…」

 蜜月の時の事……思い出して恥ずかしくなってきた。顔がどんどん赤くなっているのが分かる。

「お風呂はどうするのです? 丸見えですわ!」

 お風呂の区切りもないのにどーするんだとミシェルさんが聞いてきた。確かに気になるよね。
 私だってどうするのかと思ってたよ。

「……………いっ一緒に」

「「「一緒に?」」」

「……入ってた」

「「「ヒャァ~~……!」」」
「何て何て! あわわっ」

 皆、顔を真っ赤にして悶えてる。
 これは熟練者のマリーさんを連れて来たら良かった…。そしたらもっと上手く話してくれたはず。

「そっそのう……体は? 体を洗う時は……どうしてましたの?」

「…………シェラ様が……そのう…」

「「「シェラ様が!?」」」

 ゴクリッ‼︎ッとみんなが生唾を飲む音が響く。

「………洗ってくれて」

 ううっ……恥ずかしさのあまりみんなの顔が見れない。

「んまっ‼︎ んまぁ!!‼︎‼︎」

 全員が顔を真っ赤にして倒れた。

「大変ですわ! 私、蜜月がそんなにも……ドキドキする事なんて! 心の準備が!」

 ミシェルさんが動揺しパニックになっている。
 ここは先輩として何かアドバイスを……

「大丈夫ですよ! ええと、そう! 番様と繋がってもっと欲しくなりますよ! 番は蕩ける程に甘美なんですよ!」

 私はマリーさんの名言を丸パクリし使わせてもらう。

「「蕩ける程に甘美……」」

 動揺していたミシェルさん達は、最後には頬をピンクに蒸気させウットリとしていた。

 こうして、私が恥ずかしいだけの女子会は幕を閉じた。
 恥ずかしいかったけど夜明けまで色々なお話をして楽しかった。
 次は絶対にマリーさんを連れて行こう。そう心に誓った。


 部屋から出て広間に下りると、シェラ様が待っていた。

 お屋敷の侍女さん達は、シェラ様にどう対応したら良いのかアワアワしている。

 心配症のお父さんが困らせてすみません……。

『ルチィ! 楽しかったかの?』

 シェラ様は私を抱きしめ、当たり前の様に抱っこする。

 その様子をミシェルさん達が、ウットリした顔で見ている。
 蜜月のお話をしたせいか、何だろう……すごく恥ずかしいです。

「ルチア様! また遊びにいらして下さいね。次は私の報告もさせて下さいませ!」

「楽しかったです! 報告待ってますね」

『報告? 何じゃ?』

 シェラ様が少し不思議そうに私をみる。
「女の子の秘密です~」

『ふぬぅっ気になるの!』


★★★



「あの? シェラ様? 何でこのお部屋に?」

 私はミシェルさん邸で抱っこされ、そのままシェラ様の転移魔法でお城に帰ってきた。

『今日はルチィ不足だからの? 今からルチィを充電しようと思うての?』

「やっ……あの? シェラ様?」

 シェラ様がワザとリップ音をたて耳にキスをした。
「ひゃあんっ……」
『ルチィはココが弱いのう』

 シェラ様が少し口角を上げニヤリと笑う。

『今からたっぷり可愛いがってあげる』
 カプッっとシェラ様が耳たぶを甘噛みした。
「ひぁっ……!」

「あのっシェラ様? 夜ご飯とか食べてから」

『甘いルチィを食べるから良い……』

 シェラ様の舌が私の口内に入り込み舌を絡めてくる。甘くて蕩けそうだ
「んっふぁ」

 シェラ様は朝まで私を離してくれなかった。

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