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ルチア十六歳、魔法学園編

竜心が!?

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ーーんっ? ルチィ?
ーーおっ! コレは!?

 えっ? 何!
 急に白ちゃん黒ちゃんが私の胸をジッと見つめる。

「なっ何⁈ 何かついてる?」

ーールチィ? 気付かないの? 胸の真ん中に虹色に光る石が……。

 え? 虹色の石?
 私は虹色の石と聞くと、大切な場所で見せて貰った、シェラ様の竜心を思いだす。

ーールチィ! 鏡で自分を見てみろ!

 黒ちゃんに言われ鏡を見ると。

「えっ!?」

 私の鎖骨下に、5センチ程の虹色に光る石が現れていた。

「えっ? コレは何?」

『ふふっ……この石はの? 我の竜心だ!』
「竜心!?」

 シェラ様の顔がドヤァと言わんばかりニマニマとニヤついている。

『この石は蜜月を終える事で現れる。これは我とルチィが完全なる番の契りが終えた証なのだ』

 あかしって……それは私たちは蜜月を……あんな事をしましたよと、見た人にバレるわけで……。

 なっ………何か恥ずかしい。
 シェラ様そんな事を恥ずかしげもなく言わないで。


ーーこれが竜心か。
ーー中々綺麗だな。



★★★



 今日は気合を入れないと!
 久々に学園に登校だ。
 なんだかんだで、学園を二か月も休んでしまった……。

 せっかくお友達になってくれたミシェルさん達心配してないかな?


「失礼致します! ルチア様の準備にまいりました」

 マリーさんが来た!
 もうそんな時間なの? 準備急がないと。

 マリーさんが一瞬で仕上げてくれ私は学園仕様に。

『ルチィ? 我も一緒に行きたいのう』
「今日は一人で行くっ! 約束したでしょ?」
『うぬう…』

 久々だし、ミシェルさん達とお話とかしたいし! シェラ様と一緒だと誰とも話出来ないからね……(シェラ様がずっとべったりだから)


ーールチィ! 馬車に乗るよ!
「はーい。シェラ様行って来まーす」

 学園に着くと、ちょっとザワザワしたけど前と同じ感じでホッとした。

 流石に教室に入ると、二か月ぶりに登校して来た私を遠巻きに皆が見てる……。
 あんまり注目して欲しくないなぁ。

「ルチア様! お久しぶりです」
「ミシェルさん!」

 ミシェルさん達が話しかけてくれて、少しホッとする。

「急に長期のお休みをするって聞いて、何かあったのかと…心配してましたのよ。元気そうで安心しました。」
「カタリナさん……心配かけてゴメンね」

「何があったのですか? 二か月もお休みするなんて……」

「あっいやそのう……?」
 獣人国の話も出来ないし、蜜月なんて……とてもじゃないけど、恥ずかしくて言える訳ない。
 何て説明するか考えといたら良かった。

「ちょっとリンリン様? 無闇に何でも聞いたらダメですわ。ルチア様は竜王様の番様ですのよ? 話せない内容も沢山ありますわ」

「あっそうだね……ゴメン」

 困っている私を見かねたミシェルさんが、質問攻めのカタリナさんとリンリンさんに注意してくれる。

「うっ、ううん。大丈夫!」

 ミシェルさんのおかげで助かった~! 言い訳なにも思いつかなかったから。


「あら? ルチア様。今日は素敵なネックレスをされてますのね! いつもアクセサリーなんて付けてないのに、心境の変化ですか?」

 えっ? ネックレス? 何もアクセサリーとか付けて来てないよ?

 不思議に思って胸元を見ると、制服のシャツの間から竜心が虹色に輝いている。

 スッゴク目立ってる。

「まぁ! 虹色に輝いて……シャツの上からでも分かりますわね。綺麗……」
「宜しければ服の上に出して、見せてもらえませんか?」

 三人の目が竜心に注目している。
 ネックレスじゃないから出せないし……何て説明したら。

「あら! まぁぁ! ルチア様……コレは竜心では?」

 竜人族の女の子が、突然話かけて来た。

「えっ! エリー様これが……あの」

 それを聞いたミシェルさんが生唾をゴクリッと飲み込む、

「そうですわ! この前貸したロマンス小説に書いてあった……」
「はぁぁ……♡」

 エリーさんとミシェルさんが頬をピンクに染め、熱い眼差しで私を見つめてきた。

 はぁ……これは言うしかないよね。

「はい……竜心です」

「まっまぁぁ! まぁまぁ! これが竜心…」
ホウ……

ミシェルさんとエリーさんは竜心の意味が分かるのか、顔をピンク色してキャッキャしている。

 竜人族じゃないカタリナさんとリンリンさんは、なにが何だか分かってない感じだ。

 そんな中、私はもう恥ずかしいのと、どう対応したら良いのか正解が分からなくて困ってしまう。

「ロマンス小説で読んだとうりですのね! 竜人族の番のお話! 素敵でしたわ」
「本当に! はぁぁっ。この目で実際に竜心が見れるなんて!」

 ロマンス小説!? 二人の会話に入れない。

「ルチア様! 竜心についてはもっとじっくり! お話が聞きたいですわ! 私のお屋敷にお泊まりに来て話ませんこと!」

 いつになくミシェルさんが、鼻息荒くグイグイと迫る。

「まっ……まあ! その時は私もぜひ、ご一緒したいですわ!」
(もちろんロマンス小説持参ですわね!)ぐふふっ

「何? 楽しそー! それなら私も泊まりますわ!」
「もちろん私も行きますわ!」

 こうして……嫌な予感しかしないお泊まり会が決定した。
 大丈夫よね? 楽しい女子会よね?


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