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ルチア十六歳、魔法学園編

作戦決行

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ーー作戦会議の結果、エレヴァン王国は消す!

 白ちゃん、何の会議の結果ですか? 私はなんでそう決まったのか、全く分からないよ?

ーーとりあえず、エレヴァン王国にまだ捕らわれている、妖精達の所に転移しよう。シェラ頼んだよ!

『分かったのだ。転移するから一週間ルチィ抜きは勘弁してくれ』

 ええとシェラ様? このタイミングでオネダリですか?

ーーうーん、分かったよ。

『ふふふ! 任せるのだ』


 すると次の瞬間

 エレヴァン王国に一瞬で転移した。

 目の前には頑丈に閉まったドア。

 周りを見渡すと檻に入った魔獣がいっぱい。
 さらに数名のエレヴァン王国の人達がいた。

「ヒィィーッ!!!」
「きゅっ急に人が現れた!!」

 エレヴァン王国の兵士は突然私たちが目の前に現れたから大パニック。

『五月蝿いの? 騒ぎで人が集まると困るな』

 シェラ様がそう言ったと思うと、エレヴァン王国の人達は全ていなくなった。

「シェラ様!? さっきまで居た人達は何処に行ったの?」

『ふぅむ? 五月蝿いから別の場所に飛ばした』

 別の場所って何処なのか怖くて聞けない。普通の場所である事を祈る。

ーーどうやら、この扉の奥の部屋に妖精達がいるね。でもコレは厄介だな。魔力封じの魔道具が部屋中に施されている。

『ふぅむ。魔法が効かないのか』

「おいおい! っ事はやっと俺の出番がやって来たな!」

ーーおお! 獣王!!

 獣王様が俺に任せろと言わんばかりに、力こぶを見せつける。

「魔法がダメなら力で捻じ伏せろってな!」

 獣王様が扉を思いっきり殴った。

 バキンッ!!

 扉が粉々に砕けて無くなった。
「獣王様! カッコ良いですわ!」

 ミミィさんが獣王様に抱きつく。

 凄い。さすが獣人国の王様!!

『ククッお主の馬鹿力が役にたったの』

「馬鹿は余計だっ!」

 扉が無くなると、妖精さん達が奥の部屋からドッと出て来る。

ーー良かったー
ーーあっ!ルチィー
ーー出れたー怖かったー

 私たちの周りが妖精さんたちでいっぱいになる。

パチンッ

 シェラ様が指を鳴らすと、妖精さん達が全ていなくなった。

「シェラ様!? 妖精さん達は何処に行ったの?」

『竜人国に転移させたよ。安心せい』

「シェラ様! ありがとう」
 あまりにも嬉しくて、思わずシェラ様に抱きつく。
『……ルチィ!』
 あまり自分から抱きついたりしないので、シェラ様が顔を真っ赤にし目を見開いて、驚いている。
 そんな顔されると、急に恥ずかしくなる。

ーーおいおい、まだ終わってないからな! イチャイチャはまだ早いよ?
ーーそうだぜ、この国の奴等のお仕置きが終わってない。

 二人の邪魔をされたのが嫌だったのかシェラ様は眉を少し顰めると、ため息をはいた。

『……そうだの。では王の所に移動するかの、さっさと終わらせてやる』

パチンッ

「ギャッ!! なっ?」
「誰だ!?」

 前触れもなく、私達が目の前に現れたので、エレヴァン王国の王様達が目をまん丸にして驚いている。

『ふぅむ。この国の王はお主か?』

 シェラ様が、王冠を頭にのせた豪華な服を着た人に問いかける。

「はわっ。貴方様は、りゅっ! 竜王様!!」

 国王様らしき男性がシェラ様の事を竜王さまと呼んだ途端、その場にいた人たちが慌てる。

 ザワザワと騒ぎ出したと思うと、皆がシェラ様に向かって土下座した。

「りゅっ……竜王様の様なお方が、こんな小さな人族の国に何の様でしょうか?」

 王様がシェラ様に質問する。


『我がナゼ此処にいるか、お主は理由が知りたいのか?』

「はい!」

 ゴクリッ……!

 皆が緊張してシェラ様の発言を待っているのが分かる。


『ククッ。では教えてやろう? この国を消しに来たのだ』

 シェラ様がそう発言すると、城内は大パニックに!
 皆が慌てふためき我先にと逃げ惑う。
 阿鼻叫喚、まさに地獄絵図。

 もう収拾がつかない。

 これをどうやって収めるの?

ーーじゃあ? アレをやるか白よ!
ーーそうだね!

 二人がそう言うと、目の前の人達の姿は全て魔獣になってしまった。


ーー自分達が魔獣になって、少しは魔獣にされた妖精の気持ちを味わったら良いんだよ!
ーーなー!!

 白ちゃん黒ちゃん、息ぴったりだね。

 魔獣になった人達は、この後シェラ様が何処かに転移させた。

「これで一件落着だな!」
「はい!良かったです!」

 獣王様とミミィさんがハイタッチして喜んでいる。

『では帰るかの』

 私達は再び獣人国に転移した。

 この時、私達は余りにも簡単に終わったので油断していた。

 見逃していたエレヴァン王国の王族がいた事を気付いてなかった。

 魔力封じの魔道具の小部屋に、逃げ隠れていた王族が数名いた事を。
 
 気付かなかったのだ。


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