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ルチア十六歳、魔法学園編
エレヴァン王国
しおりを挟む【エレヴァン王国】
建国300年位のまだ新しい王国。
魔道具の力で急激な発展を遂げる。国は森に囲まれている。森の中心に大きな湖がありその真ん中に王国がある。この国に行くには森を超え湖の橋の検問受けないと入れない。謎多き王国。
獣王様が私に分かりやすい様に、エレヴァン王国について説明してくれた。
聞けば聞くほどに、こんな中々辿り着けない様な不思議な国と、義母達はどうやって繋がる事が出来たのだろう。
疑問ばかり。
ーールチィ? 大丈夫か? 糞義母達の事思い出してるんじゃ?
ーー無理すんなよ?
白ちゃん黒ちゃんが、心配して声をかけてくれる。
「ちょっとだけね。でも大丈夫だからありがとう」
その優しい気持ちだけで癒される。
「すみません。発言させて下さい。」
シェラ様影の護衛ヴィクさんが現れ、獣王様に許可を求める。
「どうした? ヴィク発言を許す」
「ルチア様の義母達の事は、私とアレクが当時調べました。その時の情報ですが。義母の弟はゲイリー王国に密入国していたエレヴァン王国の者と繋がっていた様です。当時数名、エレヴァン王国の者達は潜んでいたと思います」
「なっ! ゲイリー王国に密入国⁈ 奴等は国を魔道具で操る気だったのか?」
「その時に潜んでいたエレヴァン王国の者達は、ルチア様の義母達処刑後に皆何処かに消えました」
エレヴァン王国の人達は、義母達を使ってゲイリー王国を乗っ取る気だったんじゃ。
だから魅了や洗脳の魔道具といった、精神を壊す魔道具ばかりを使っていたんだわ。
もしあの時にシェラ様に出会ってなければ……私はどーなっていたんだろう
ゾクリッ
嫌な事を想像し、背筋が凍る。
『ルチィ? 我がおるから何も怖くない。大丈夫だ。』
様子を察したシェラ様が、ギュッと横から抱きしめてくれた。
久しぶりに義母達の事を思い出して、色々と不安になってしまった。
「それで、俺はエレヴァン王国を調べる為に調査にむかった。森に入るとやはり妖精達はかなり騒いでいた。森の妖精達は大分連れて行かれたみたいだな」
「では妖精さん達を誘拐出来る魔道具を、開発してるって事ですか?」
「多分そうなるな。さらに森には見た事が無い魔獣がいた! 魔法を使うのだ!」
『ほう? 魔法を使う魔獣とは高位魔獣かの?』
「違う、中位魔獣で使ってくるのだ。見た目も少し異形化していた。もしかしたら捕まえた妖精の力を使って何かしているのかもしれない」
『なるほどな、中位魔獣で魔法が使える奴はいない。これは怪しいの。何か妖精が絡んでるかも知れぬ』
妖精さんの力を魔獣に? そんな事出来るの? 聖獣の白ちゃん達なら分かるかな?
「白ちゃん黒ちゃんは、その魔獣を見たら……妖精の力が使われてるかとか分かるの?」
ーー胸糞悪りぃが、見たら全てわかるよ。妖精がどんな扱いをされているかもな!
黒ちゃんが物凄く辛そうに教えてくれた。
そうだよね。妖精さん達は黒ちゃん達聖獣の使い妖精だもんね。
道具にされてるかも……なんて辛いよね。
「そうか、聖獣様ならあの異形化魔獣の謎も分かるのか……」
獣王様がそうポツリと呟いたかと思ったら。
ガッバァァッ!! っと、白ちゃん黒ちゃんの前に勢いよくジャンピング土下座した!!
「聖獣様! 図々しいお願いなのは重々承知しております。その上でお願いです。我々と一緒にエレヴァンの森調査をして貰えないでしょうか!!」
獣王様の頭は床にビタっとくっ付いている。
「お願い致します! 聖獣様!」
ミミィさんまで横に並んで土下座した! 白ちゃん黒ちゃんどうするの?!
ーーええー? うーーん……僕はルチィが行くなら良いよー?
ーーはぁーーーッ。俺もルチィが行くなら考えても良いかな。
ちょっ!?
丸投げ?
私が決めるの!?
獣王様とミミィさんが、私をキラキラした目で見てくる……。
ーーこんなの、断れる人いる?
「はい……分かりました行きます」
「ルチア様! ありがとうございます!」
可愛いミミィさんが抱きついてきた。
大きな胸が顔を覆い尽くす。
ウプッ!?
また胸で息が出来ない。ミミィさんの背中を必死に叩き、離れてアピールをする。
プファッ!!
「はぁっはぁ……息が出来ないからね!」
「すみませぇん……」
こうして私達は、森の調査に同行する事になってしまった。
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