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ルチア十六歳、魔法学園編

シェラ様とデート

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 今日は魔法学園の休みの日。
 私はシェラ様と、初めてデートする事に。
 今迄は目立つからと、私が拒否していた。

 でも今は期待に満ちた瞳でシェラ様が私に問いかける。

『ルチィ、やっと2人だけでと言うのが出来るのだな』

ーーはいはい。良かったなシェラ! 今日は約束通り俺達もついて行かないからな!
ーーだが、デートは許したがルチィが嫌がる事をしたら、次回はないと思え?

 白ちゃん黒ちゃんが、父母かの様に心配しながら、シェラ様を諭す。

『分かっておる。俺もルチィに嫌われたくない』

 竜王国の城下町を、私はゆっくり見た事が無かったので、行って見たかったと前に話していたんだけど。
 今日は『俺が城下町をエスコートする!』って凄く張り切っていて、その姿はちょっと可愛い。

 まず始めにシェラ様が連れて来てくれた所は、パレードの時に通った場所だった。
 歩いて同じ道を通ると、新しい発見があって楽しい。

『おっここだな! 今流行りの甘味が美味しいお店らしい』

 私がスイーツ大好きなので、選んでくれたのかな? その気持ちが嬉しい。

 あっ! このお店は、お友達になったミシェルさんが、興奮しながら話してくれたお店だ!
 ミシェルさんの話を聞いて、余りにも美味しそうだったから、行ってみたいと思ってたお店!

「ここ! 行ってみたいと思ってたの!でも凄い人気店だから毎日行列で、並ばないと入れないって聞いてたの」
『ふぅむ? 今日はルチィの為に貸し切りにしたからな、並ぶ事などはないぞ?』

 ふぇ?! 貸し切り? 大人気店を? そんな事出来るの?

『さぁ入ろうぞ』

 中に入ると、店内はピンクと白を基調にした内装で、女の子の好きがいっぱい詰まっている。

「か、可愛い!」
『ふふっ気に入って貰えた様だの』


「竜王様、番様、本日は〔ホワイトムーン〕へご来店頂き有難う御座います。私はオーナーのヒュイと申します。竜王様が御来店の間は、貸し切りにさせて頂きましたので、ゆっくりと当店自慢のスイーツを堪能して下さい」

 オーナーのヒュイさんに案内されたテーブルには、何から食べて良いのか分からないくらいに、沢山のキラキラしたスイーツが並んでいた。

「シェラ様! どうしよ! いっぱいあって何から食べよう」
 フンスフンスと鼻息が漏れるくらいに、私は興奮している。困った全部食べたい。でも食べきれないから激選しなくちゃ

『ははっ……ルチィ? さぁおいで?』

 シェラ様はそう言って、膝をポンッと叩く。
 いつもの様に膝の上にちょこんと座り、シェラ様からスイーツを食べさせてもらう。

「美味しい! はぁー幸せ♡」
 シェラ様は砂糖菓子よりも甘い笑顔で、食べている私を見てくる。なんだか恥ずかしい。
 この状況が居た堪れずに、私は必死に話かける。
「シェラ様は食べないの?」
『では、ルチィのオススメを貰おうかの?』
 シェラ様は口をアーンって開ける。その仕草が可愛いくって胸がキューッて苦しい。はうっ

 私は慣れない手つきで、アーンしている口にケーキを入れる。

『うむ。美味いの。ルチィにアーンして貰えるなら、幾らでも食べれそうだな』

 ふふ幸せだ。

『うむ? ここにも美味しそうなクリームがついてるぞ』
 そう言うと私の口の端をペロリと舐めた。
「ひゃっ!」
『美味いな……もう少し欲しいくらいな』
 続けてシェラ様はキスをしてきた。

 シェラ様の舌が、口の中に入り私の舌を絡め取る。
 頭の先まで痺れる様な感覚に戸惑う。
 スイーツが甘いのか、シェラ様が甘いのか、分からなくなるほどに美味しい。

 頭の中にマリーさんが言っていた言葉がよぎる〔もっとしたくなりますよ〕

 チュッ

 リップ音と共にシェラ様の口が離れる、私はもっとして欲しいと思ってしまった。
 自分が考えた事に赤面する。
 真っ赤な顔を見られたくなくて、シェラ様の胸に顔を埋める。

『うむ? ルチィは可愛いな』

 そう言いながら頭を撫でてくれる。
 胸がドキドキして張り裂けそう。知らない感情が私の中で溢れてる。


『何やら外が騒がしいな?』

 喚き声? 怒鳴り声? が聞こえて来た。声の聞こえる方を見ると、お店の入り口で何やら揉めているみたいだ。
 何だろう?

 良く見てみると、妖精達も沢山集まっている。これは愛し子?

 ガチャリッ! っと扉を開け、無理矢理店内に入ってきた!

「席はガラガラじゃない! 何で入れないのよ、わざわざ獣人国から来たのよ!」
「ですから本日は貸し切りになっているんです! 申し訳ございません」

 オーナーのヒュイさんが頭を下げる。でも無視してズカズカと中に入ってきた。

 あれ? あれは……。

「ファミールさん!」

「えっ? はぁ?! 何? 馴れ馴れしく名前呼ぶっ!?」

 ファミールさんが振り向き私達に気づく。

「……ルチア様」

 こんな場所で会うなんて、何も問題起きませんように。
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