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ルチア十六歳、魔法学園編
魔法学園でのフィーバー
しおりを挟む「ルチア様! 朝でございます!」
「う……むにゃ?」
「ルチア様! 失礼致します」
声が聞こえたかと思ったら、私は一瞬で魔法学園の制服に着替えていた。
マリーさん! どんな魔法使ったんですか?
ーールチィ良く寝てたねー。流石に昨日のパレードの後だし、疲れるか。
ーー今日の学園でも、大騒ぎになって無かったら良いんだけどな。
白ちゃん黒ちゃんが、不安そうな目で私を見る。
そうなのよね……学園に行って、また昨日見たいな騒ぎは勘弁してほしい。
もう昨日で私は達成感を得てしまった。これ以上はムリだ。
ーーまぁ悩んでも仕方ない。学園に行って対策考えよう。
「うん。そうだね!」
ーーそれよりな? シェラの奴がさっきから広間でずっと待ってる。早く行ってやらないとまた面倒だぞ。
「そうなの!?」
急いで行かなくちゃ!
私達は慌ててシェラ様が待っている広間に行く。
『おはようルチィ。良く眠れたかの?』
「バッチリ! 寝坊するくらい熟睡しちゃった」
『ふうむ。余計な心配だったな。さぁおいでルチィ』
私はいつもの定位置(シェラ様の膝の上)に座る。
『ルチィは騒がれるのは嫌であろう? 学園に騒がない様にと命じたからな。〔男は近寄る事も話しかける事も許さん〕恐らくそんなに騒がれはしないと〔男共からは絶対〕と思うぞ』
モグモグ。
いつものように食べさせて貰いながら、色々な話をする。
「流石シェラ様! ありがとう」
ーールチィ! もう学園に行かないと!!
「ごめんねっ! 寝坊しちゃったからだよね」
私達は慌てて朝食を食べ、馬車に乗り学園に向かった。
ザワザワザワザワ。
私達が到着すると、学園が一瞬で騒がしくなる。
でも皆私達を遠巻きに見るだけで、誰一人私達に話かけて来ない。
このまま教室に着くまで誰からも話かけられなかった。
ふぅーっ。
もっと大騒ぎになるとか思ったけど、思い過ごしで良かった。
「ルチア様! おはようございます」
教室に入るなり、可愛い女の子三人がいきなり話しかけて来た。
「私、ルチア様がシェラザード様の番だなんて! ビックリしました」
「本当に! もっと早く教えて下されば、嫌な態度を取るクラスメイトを抑制出来ましたのに!」
「私達は番と知る前から、ルチア様のファンなのです!」
急な大絶賛に戸惑うちゃうよ。
「はっはひ! 有難う御座います」
しまった声が裏がえっちゃった!
「私達は、学園に入学する前からルチア様のファンなのです!」
えっ!? 入学する前ってどー言う事?意味が分からない。
「この学園の入学試験は、五人纏めて検査しましたでしょう? その時に私達は三人はルチア様と一緒にテストを受けたのです」
えっ! そうなんだ、知らなかった。
自分の事で精一杯で、私は周りをみる余裕などなかったから。
「その時のルチア様の、圧倒的な魔力! 妖精達からの沢山の祝福を見て、悔しいと思う気持ちより感動が勝って。その日から私達はルチア様のファンなのです」
「せっかく同じクラスになったのに、緊張して話しかけられずモタモタしてましたら。ルチア様はシェラザード様の番様との発表!」
「このままだと、どんどんと雲の上の存在になり、話す事など皆無だと。それで私達は一大決心し、今日勇気を奮い立たせ、話しかけさせて頂きました」
何? 何なの? 私なんかに、目をウルウルさせながら一生懸命私の良い所を話してくれる美少女達三人。
嬉しくて泣きそうです。
「ルチア様! 私達で宜しければお友達になって下さい」
モチロン私は即答で応える。
「はい! 喜んで!」
水色の髪に、垂れ目が可愛いミシェルさん。
黒髪で少しツリ目なカタリナさん。
ピンク色の髪に、タレ目が庇護欲をそそる可愛いさの、リリアンさん。
可愛いお友達が三人も出来た。
番パレードなんてしたら、友達は一生出来ないかもと諦めていたのに。
何がどう転ぶか未来は分からない。
神様! 私に可愛いお友達を三人も与えて下さり有難うございます。
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