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ルチア十六歳、魔法学園編
番の発表準備
しおりを挟む「ちょっ……止めっ!? 自分で出来るからぁ……!」
私は侍女マリーさんを筆頭に、三人の侍女さん達から大きなお風呂で体を磨かれている。
自分で出来るからって何度も言ってるのに、誰も聞いてくれず。
私は三人の侍女さん達の思うがままに体を磨かれている。
「綺麗に磨いた後は身支度ですね! 今日のドレスは特別美しいですわ。濃い紫色と紺色に、沢山の宝石が散りばめられた豪華なドレス。銀色に薄紫色が混ざったルチア様の美しい髪色と、黒味がかった艶のある紺色のシェラ様の髪色。お2人のお色が入っていますわね!」
「このドレスは陶器の様に真っ白で透き通る様なお肌の、ルチア様に凄くお似合いです!」
「本当に! 女神降臨ですわ!」
「美し過ぎてきっと、皆目が開けられませんわね!」
三人が交互に褒めちぎる。
いや……もう本当やめて。褒めすぎだから。恥ずかし過ぎてもう何も返す言葉が出ない。
今の私は借りて来た猫状態だ。
「はぁぁー美しいっ! 完成です!」
マリーさんがそう言うと、姿見で仕上がった姿を見せてくれる。
腰まである髪は、複雑に編み込まれ上品に纏め上げられている。
頭にはキラキラと輝く宝石が散りばめられた、高そうなティアラ。
シェラ様が私に絶対似合うと選んでくれたドレスは、更に豪華にアレンジされ眩しい。
「私じゃないみたい……」
「何を言いますか! 元々お美しいルチア様だからこそ、こんなにも豪華なドレスや煌びやかな宝石が脇役として、美しさを引き立てているのです!」
「本当に美しい……神々しいですわ」
マリーさんを筆頭に、侍女さん達がうっとりと私を見つめる。だから恥ずかしいからね!
ーーおお!ルチィ可愛いね!
白ちゃん達も用意が終わったみたいで、部屋に戻ってきた。
「白ちゃん黒ちゃんもカッコ良いよ。」
「本当ですわ! 物語の皇子様みたいですわ!」
侍女さん達も白ちゃん黒ちゃんの姿を見て大興奮。
二人が聖獣の姿で参加すると、皆街の人たちが混乱し、何を祝ったら良いのかパニックになるとの事で、今日は獣人の姿で参加だ。
白ちゃんは黒の燕尾服(みたいな服を、豪華にアレンジしているこの世界の高貴な人が着る服らしい)を着ている。
黒ちゃんはお揃いで白バージョン。
とにかく二人ともめちゃくちゃカッコいい。
扉がノックされ眩しい人が入って来た。
『ルチィ? 準備が出来たんだね』
侍女さんの一人がシェラ様を連れ部屋に入って来た。
『可愛いルチィが早く見たくてな? 俺はずっとソワソワしてたよ』
そう言いながら入って来たシェラ様は、とんでもなく美しい。
ただでさえ普段からフェロモン撒き散らし、色気ダダ漏れの美し過ぎる竜王様なのに。
今の姿は神々し過ぎて、この世の人なのか疑いたくなる程。
『ルチィ。いつもの姿も可愛いが今日のルチィは格別美しいね……誰にも見せたくないほどに』
そう言うとシェラ様は私を抱きしめてキスを落とす。
「んっ……」
シェラ様の舌が私の口内に入ってくる。
ちょっ!
シェラ様のスキンシップが、レベルアップしてる。
「シェラザード様。ルチアーノ様が可愛い過ぎて食べてしまいたいお気持ちは分かりますが、お化粧がとれてしまいますのでそのくらいで」
マリーさんがシェラ様を止めてくれた。はぁ良かった。
私は慣れないキスで真っ赤だ。
さらには人前でされた事もありプチパニック状態。
『ふぅむ? 仕方ないのう』
『では民衆を待たせておる! 皆に可愛いルチィを見せに行こうぞ』
シェラ様と私のドレスはペアになっている。
私のドレスはシェラ様の髪色の紺色がメインで紫色がアクセントで入っている。シェラ様はその逆で濃い紫色がメイン。
これもシェラ様たっての希望。
私達はお城から城下町が見渡せる、バルコニーに向かって歩く。
やはり……パレードはする事になってしまったのだけど。その前にバルコニー下にかなりの民衆が集まってしまい。
収束がつかないため、先にバルコニーにて挨拶をする事となった。
「はぁ……緊張する」
『ルチィが緊張する必要はない。全て我に任せておけば良い。横で笑ってくれるだけでいい』
シェラ様。カッコ良すぎです。
『さぁ行くか……』
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