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ルチア十六歳、魔法学園編
閑話 愛し子シャリオン
しおりを挟む初めてあの美しいお方にお会いしたのは、確か私が8歳の時。
私が妖精の愛し子に選ばれ、その祝祭に来てくれた。
初めて見た時、こんなにも美しい男の人がいるのかと! 私は一目で魅了された。
エルフの見目は美しいと言われている。
そんな見目美しいエルフ達に囲まれながら、一際輝く美しいシェラザード様。
あの日から、私はずっと貴方の虜。
貴方の側に居たくて、竜人国で暮らしたかった。
でも私は、愛し子。エルフ国を離れる事など出来ない。
私の唯一の幸せは、偶にエルフ国に遊びに来てくれる貴方を待つだけ。
それでも良い、貴方に会えるなら。
一目でも見れるなら。
ある日誰かが教えてくれた。
竜人族には番と言う唯一無二の存在が居るのだとか。
エルフ族には番などいないのでよく分からないが、私が唯一無二の番になりたかった。
どうしたら番というものになれるのだろう。なんだって努力するのに!
皆が噂している。
シェラザード様には番が居ないのではないかと……!
番が居ないなら私でも可能性があるよね?
私は何度も何度もアピールをしたけど全く相手にしてもらえない……!
どうして?!
そんな時、貴方に番が現れたとニュースになった!
信じられなくて⁉︎
直ぐに竜人国に行きたかったけど、無理だった。
悔しい……‼︎番なんていらない!
竜人国では毎日番フィーバー。街のあちこちで番の絵姿が売られているらしく、我がエルフ族の国でもちょくちょく目にするようになった。
「なによあのチンチクリンのドブスは!」
あんなのが番とかシェラザード様は可哀想だわ。
何で私じゃないの?!
私は二百歳になった! エルフ族では二百歳になると、十年間好きに旅をして良い時間を貰える。
それはたとえ愛し子であっても!
もちろん私は、竜人国にある魔法学園に入学する事を選んだ!
これならエルフ国の誰も文句は言わないだろうし。何よりシェラザード様の国に住める事が幸せだ。
入学した私にすぐに幸せがきた! 中々会えないシェラザード様が目の前にいたのだ!
更に私のクラスを教えてくれると! 信じられない……‼︎ああ幸せ。
なのに! 何故シェラザード様の一番近くにいれる委員長は、人族の女なの?
絶対におかしい!
愛し子の私より、魔力高い事はあり得ない。
絶対何か不正をしている筈だ。
許さない。暴いてやる。
ああ愛しのシェラザード様。貴方に会えて私は幸せです……‼︎
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