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ルチア十歳、断罪&冒険編

冒険の旅スタート!

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 ピチュチュ

 鳥の声?

 柔らかな日差しが眩しい。
 んん……もう朝?

 昨日はワクワクして中々寝れなかった。

 今日は楽しみにしていた旅のスタート! よしっ!

 起きようとすると、枕に違和感を感じふと横を見る。

 ……ん?

 「ギャッ!!」

 私は慌てて飛び起きた!
 
 だって美しい顔が至近距離に!

 ちょっと待って!? 横で竜王様が寝ている! ってか私腕枕されてた!

 なんでなんで!?

 わたし一人で寝ていたよね? ここは私の部屋じゃなくて、客間なんだけれど。

 話し合いの後、お父様が物置小屋私の部屋を見て倒れそうになり、客間を使う事になった。
 久しぶりのふかふかベッドは気持ち良かったけど、薄っぺらな硬いベッドに慣れていた私は、それも寝付けなかった理由かも知れない。

 まぁそれは置いといてだ、今の問題はこの人。

『……んんっ』

 などと考えていたら、横で気持ち良さそうに寝ているシェラ様が、目を開ける。

『おはようルチィ』

 竜王様が優しく笑い、私の頭を愛おしそうに撫でる。

 はうっ……照れる。

「なっ!? 何で私のベッドで寝てるんですか?」

 私の顔はきっと、恥ずかしくて真っ赤になってる。前が見れなくて、俯きながら必死に質問する。

 今まで生きてきて……と言うか前世も含め、誰かと一緒に寝るとか……腕枕とか。された事ない。

『んん? 何で? 気持ち良さそうに眠る、ルチィの寝顔をずっと見てたら……我も眠くなったので一緒に寝たのだが?』

 なにが? と首を傾げるシェラ様。

 無自覚。

 さらにドヤ顔して言う話じゃないですよ?

 そもそも貴方は、別の客間で寝ていたはずだよね? レディの部屋に忍び込み寝顔を見てたとか……言ってる事は変態だからね? 日本だと捕まるよ? 分かってる? 

 いくら今の私が十歳とはいえダメだよ?

「今後私の許可なしに、ベッドに入らないで下さいね?」

 私はキツく注意をする

 シェラ様は私に怒られ、シュンとしているけど、恥ずかしいからね! 二度とダメです。

 無自覚イケメン竜王様の美しさ破壊力は、チートレベルなのだから。


ーーおはようルチィ!
ーーふぁぁ、おはよー!

 白ちゃん黒ちゃんも起きてきた。

「おはよう! 今日は旅の初日だよ、宜しくね!」

ーーまかせて! 何処の国に行きたいの?

 白ちゃんが頭を撫でてとばかりに、膝の上に顔をおき聞いてくる。

「うーん? 私この世界の事を詳しくないしなぁ……人族の国から1番近いのは確か獣人族の国だよね?」

ーーそうだね!じゃさ? とりあえず獣人族の国を目指して旅してみる?

「うん。いいね! そうしようかな?」

ーーところでルチィは、普通の旅がしたいんだよね? 目立ちたくないよね?

「それはモチロン!」

ーーじゃあ、ルチィの周りの妖精や俺たち聖獣、さらには竜王の姿をどーにかしないと目立ちすぎる。

 目立つと黒ちゃんが言う。なんで?

「そうなの?」

ーーこの人族の国では、妖精や聖獣を見える人がほとんど居ないけど、他の国は皆見えるからね。昨日のエルフ族ガウディさんみたいな事になるよ。

 白ちゃんが理由を詳しく教えてくれた。そうか……見えるのか。

「あんな扱いは嫌だ」

ーーうーん。どーしよっかな?
ーーおい白! 俺たちも人型に変身したら良いじゃないか?
ーー!! そっかなるほど、ナイスアイデアだ黒。

 そう言うと二匹は人間? いや獣人? に変身した。
 えっ! なにこの双子の美少年!!
 白と黒の耳、それにふわふわの尻尾が付いて可愛さ倍増!!

 耳触りたい……

ーーうん。良いんじゃない? この姿なら獣人にみえるね。
ーーだな!

 二匹はお互いを見合い納得している。

 ちょっと待って……それなら、あの一番目立つ人はどうするの?

 チラリと竜王シェラ様を見る。
 うん、一番目立つ。キラキラオーラが半端ない。

 その空気を察したのか

『うむ? 我も姿を変えた方が良いのか? うーん……』

 姿を変えると言ったシェラ様。
 何に変えるんだろうと、少しわくわくしていたら。

 ボンッ!!

 シェラ様の姿がウサギくらいの大きさのチビ竜に変身した。

 かっ……可愛い!!
 これならドキドキしないかも!

ーーさっ王都に行って旅の準備を買いに行くぞぉ!


★★★



 私達は王都に向かい、旅に必要な物をあーだこーだと言いながら購入した。みんなでのお買い物は以外と楽しかった。

 さてと……準備も完了し、とうとうこのゲイリー王国ともお別れだ!

 国を出るため国境に向かって歩いていると……?

「? 」

 あれ? 国境で誰かが手を振ってる?

 あれは……ガウディさんだ!

「こんにちは、愛し子ルチア様。私もエルフ族の国に帰るので、それまで旅のお供をさせて貰えないでしょうか?」

 旅のチート仲間がさらに増えた。



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