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ヴィルヘルニア帝国
タヌキの召喚獣!?
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「そうです! ここにいる乱道様の召喚獣である琥珀ちゃんが、解呪してくれたのです」
キャロが得意げに琥珀と俺を見る。
当の琥珀様は、涎を垂らしながら気持ち良さそうに寝てるがな。
「はっ!? はぁぁ!? キャロよ!? 何を言ってるんだ?」
「こんなたぬきみたいな獣人が召喚獣!? そんなわけあるか!」
「そうだぞ、召喚獣を見たことあるがもっと神々しくて強そうだった」
琥珀を見た皇子たちがギャーギャーと騒ぎ立てる。
流石にこんなにあからさまに見た目だけで悪口を言われてると、可哀想になってくる。
こんな見た目だけどな? 琥珀はつえーんだぞ!?
「あのさ? もう少し声のトーン下げてじゃべってくれないか? さすがに耳がキンキンしてウゼーわ」
「なっ!?」
俺の言い方が王族に対してまずかったんだろう、一番大きな第二皇子が恐ろしい形相で睨みつけてきた。
「お前っ、王族にむかってその口の聞き方はなんだ!? 不敬罪で捕まえてやろうか!?」
「ヘェ~、できるもんならどうぞ。その前にこの国をとっととオサラバするだけだ」
「なっ……」
俺の胸ぐらを、今にも掴もうとしそうな第二皇子の前に、メガネ皇子が抑制し前にでる。
「ローランドお兄様、少し落ち着いてください。さっきは少し取り乱しましたが、本当にこの者が数百年の間封印されていたこの本棚の封印を解除したのなら、ちゃんと話を聞くべきです」
「そうだぞ、ブルーノの言う通りだ。喧嘩っ早いのはお前の悪い所だぞローランド」
「アレン兄貴……ブルーノ。スマねぇ、ちょっと血が上っちまって」
「と言うことで、詳しく教えてくれないか」
そう言いながら黒豹皇子が俺の隣に座った。
「詳しくったってなぁ……この琥珀が封印を解いただけだ。それがそんな凄い封印とは知らなかったがな」
「なっ……では本当にこのタヌキが封印を!?」
「ああ、そうだぜ。ってか、お前ら調べ物に来てたんじゃねーのか? 封印も解けたんだし、なんだっけ……とある国についての本もあるかもよ?」
俺がそういうと慌てて封印の解けた本棚に走っていく三人。
幻獣族について少し情報がわかった事だし、この隙におさらばさせていだだきますか。
「……キャロ? 今のうちに出ていくぞ」
俺は小さな声でキャロに耳打ちすると、キャロが無言で頭を上下にいさせて頷いた。考えてる事を察してくれたようだ。
寝ている琥珀を抱き上げ、さっと部屋を後にした。
下に降りると、俺に気づいた稲荷が満面の笑みで飛びついてきた。
「稲荷お待たせ、賢く待ってたか?」
「うゆ!」
「そかそか。稲荷は賢いなぁ」
稲荷を抱き上げ頭を撫でてやると、目を細めてへにゃりと笑う。
『乱道様、稲荷様はとても賢く待っておられましたよ』
「我路。面倒見てくれてありがとうな」
『いえいえ』
我路が綺麗な所作で、俺に向かって頭を下げた。何をしても様になるなお前は、これだからイケオジは。
「じゃあ行くか」
資料研究所を出ると外は真っ暗だった。資料研究所に入る前は色んな店屋の明かりで街が煌々としてたのに。
その店屋も閉まってるのか、街灯の灯りがチラホラとついているだけ。もうどこにも行けないな。
今気付いたんだが、泊まる宿屋を決めてなかった。この街のしくみがまだ分からねーが、今から泊まれる所があるんだろーか?
「キャロ、俺たちが泊まれるような、ちょうど良い宿屋はあるか?」
今更だがキャロに聞いてみると。
「ふふふ。それなら任せてください。我ら商業ギルドが管理している物件をご用意しますね」
キャロが得意げに胸をボフンっと叩く。
なんだろう。こんな時のキャロはイマイチ信用できないんだが。
「じゃあ僕の後を付いてきて下さいね!」
「おう……」
自信満々なキャロの後を少し不安になりながら、後を付いて行くと。
俺たちの目の前に豪華な屋敷が目に入ってきた。
……まさか、な?
「着きました! ここです」
嫌な予感は当たるもんで……
「はぁぁぁ!? ここ!?」
「はい! 乱道様にピッタリでしょ?」
キャロに連れてこられたのは宿屋でもなんでもなく、大きなお屋敷だった。
『おお! 広いお家でち。ここならいっぱい遊べるでち』
「ん! いぱい! きゃう」
『キャンキャン』
「ふふふ。琥珀様たちも気に入ってくれたみたいですね」
キャロよ? こんな大きな家に泊まれと? 一泊いくらするんだよ。この物件。
★★★
❤️や応援いつもありがとうございます! 執筆の励みになっています。
実はこの作品。こっそり、ファンタジーカップにエントリーしていたんですが、告知もしていないのに気づいてベットしていただき、ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです。
優しい読者様のおかげで更新頻度が上がりました。
キャロが得意げに琥珀と俺を見る。
当の琥珀様は、涎を垂らしながら気持ち良さそうに寝てるがな。
「はっ!? はぁぁ!? キャロよ!? 何を言ってるんだ?」
「こんなたぬきみたいな獣人が召喚獣!? そんなわけあるか!」
「そうだぞ、召喚獣を見たことあるがもっと神々しくて強そうだった」
琥珀を見た皇子たちがギャーギャーと騒ぎ立てる。
流石にこんなにあからさまに見た目だけで悪口を言われてると、可哀想になってくる。
こんな見た目だけどな? 琥珀はつえーんだぞ!?
「あのさ? もう少し声のトーン下げてじゃべってくれないか? さすがに耳がキンキンしてウゼーわ」
「なっ!?」
俺の言い方が王族に対してまずかったんだろう、一番大きな第二皇子が恐ろしい形相で睨みつけてきた。
「お前っ、王族にむかってその口の聞き方はなんだ!? 不敬罪で捕まえてやろうか!?」
「ヘェ~、できるもんならどうぞ。その前にこの国をとっととオサラバするだけだ」
「なっ……」
俺の胸ぐらを、今にも掴もうとしそうな第二皇子の前に、メガネ皇子が抑制し前にでる。
「ローランドお兄様、少し落ち着いてください。さっきは少し取り乱しましたが、本当にこの者が数百年の間封印されていたこの本棚の封印を解除したのなら、ちゃんと話を聞くべきです」
「そうだぞ、ブルーノの言う通りだ。喧嘩っ早いのはお前の悪い所だぞローランド」
「アレン兄貴……ブルーノ。スマねぇ、ちょっと血が上っちまって」
「と言うことで、詳しく教えてくれないか」
そう言いながら黒豹皇子が俺の隣に座った。
「詳しくったってなぁ……この琥珀が封印を解いただけだ。それがそんな凄い封印とは知らなかったがな」
「なっ……では本当にこのタヌキが封印を!?」
「ああ、そうだぜ。ってか、お前ら調べ物に来てたんじゃねーのか? 封印も解けたんだし、なんだっけ……とある国についての本もあるかもよ?」
俺がそういうと慌てて封印の解けた本棚に走っていく三人。
幻獣族について少し情報がわかった事だし、この隙におさらばさせていだだきますか。
「……キャロ? 今のうちに出ていくぞ」
俺は小さな声でキャロに耳打ちすると、キャロが無言で頭を上下にいさせて頷いた。考えてる事を察してくれたようだ。
寝ている琥珀を抱き上げ、さっと部屋を後にした。
下に降りると、俺に気づいた稲荷が満面の笑みで飛びついてきた。
「稲荷お待たせ、賢く待ってたか?」
「うゆ!」
「そかそか。稲荷は賢いなぁ」
稲荷を抱き上げ頭を撫でてやると、目を細めてへにゃりと笑う。
『乱道様、稲荷様はとても賢く待っておられましたよ』
「我路。面倒見てくれてありがとうな」
『いえいえ』
我路が綺麗な所作で、俺に向かって頭を下げた。何をしても様になるなお前は、これだからイケオジは。
「じゃあ行くか」
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その店屋も閉まってるのか、街灯の灯りがチラホラとついているだけ。もうどこにも行けないな。
今気付いたんだが、泊まる宿屋を決めてなかった。この街のしくみがまだ分からねーが、今から泊まれる所があるんだろーか?
「キャロ、俺たちが泊まれるような、ちょうど良い宿屋はあるか?」
今更だがキャロに聞いてみると。
「ふふふ。それなら任せてください。我ら商業ギルドが管理している物件をご用意しますね」
キャロが得意げに胸をボフンっと叩く。
なんだろう。こんな時のキャロはイマイチ信用できないんだが。
「じゃあ僕の後を付いてきて下さいね!」
「おう……」
自信満々なキャロの後を少し不安になりながら、後を付いて行くと。
俺たちの目の前に豪華な屋敷が目に入ってきた。
……まさか、な?
「着きました! ここです」
嫌な予感は当たるもんで……
「はぁぁぁ!? ここ!?」
「はい! 乱道様にピッタリでしょ?」
キャロに連れてこられたのは宿屋でもなんでもなく、大きなお屋敷だった。
『おお! 広いお家でち。ここならいっぱい遊べるでち』
「ん! いぱい! きゃう」
『キャンキャン』
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キャロよ? こんな大きな家に泊まれと? 一泊いくらするんだよ。この物件。
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