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悩む妖精たち

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「ねぇ、ロビン! この鑑定を使ったら、謎の病気も分かるんじゃ……?」
『うん。そうだね分かるかもだね。ところでアビィ? そろそろご飯に行かなくていいの?』
「あっ! そうでしたわ。行ってきます」

 ジュリア様の謎の病気が、わたくしの鑑定で分かるかも知れない!
 なんの病気か分かれば、治癒師の人に治してもらえる可能性が上がる!
 お父様にお願いして、もう一度リンドール邸に連れて行ってもらいましょう。

 ダイニングルームに到着すると、すでに父が到着していた。

「遅れてすみません」
「席につきなさい」

 〝アビィたんの目が赤い……また泣いていたのか? 心配だ〟

「!?」

 あれ? おかしいですわ。心のスキルを使わないようにしているばずなのに……お父様の心の声が聞こえてきます。どうしてでしょう?
 ですが鑑定スキルは発動してないような……

 ————あっ!

 ———————————————————————

 名前 マティアス・イングリットバークマン
 年齢 35歳
 体調 良好 
 魔力 ★★★★★★★
 スキル 剣術♢♢♢♢
    風魔法♢♢♢
 好感度 ♡♡♡♡♡
 
 ———————————————————————

 鑑定って思ったからか、お父様を鑑定してしまいました。
 スキルの使い方を練習しないとですわ。
 お父様も……♡が五個ってことは最大値……はうう、嬉しいです。

 アルビダが父のステータスを身悶えしながら見ている時、父はアルビダに話しかけるタイミングを見計らっていた。
 
「……何か……ンっ」

 意を決して言葉を発しようとしたが、言葉に詰まる。アルビダに聞きたい事ががあるようだが、言いかねているようだ。

〝どうして目が赤いのか聞きたいが、うまく聞けない。変に質問して泣かせてしまうのも怖い〟

 お父様ありがとうございます。心配をかけてすみません。

「あの……わたくしの目が赤いのはジェイデン様の妹のジュリア様の病気のことが心配で泣いていたのです。すみません」
「ああ……ジュリア嬢のことは私も聞いている」

 父は眉間に皺を寄せ、アルビダを見つめる。

 〝泣くほど心配するとは、アビィはなんて心根が優しいんだろう〟
 
「はぅっ」

 お父様のお顔の表情と心の声が一致しなくて頭が混乱しますが、心の声が聴けて良かったです。
 
「あの……それでお願いなのですが、リンドール公爵邸にもう一度連れて行っていただけませんか。ジュリア様のお見舞いをしたいのです」

「リンドール公爵邸にか……ふむ」

 あああっ。また難しいお顔をして、わたくしを睨んでます……ですがお気持ちは違いますよね。もう分かりましたから。

 アルビダは睨まれているにも関わらず、父に向かって笑みを浮かべる。心の声のスキルのおかげで、父が怒ってないし睨んでもいないと理解しているからだ。

〝謎の病気の事は私も気になっている。そうだな近々もう一度リンドール公爵邸に行き正式にお見舞いをするか〟

「本当ですか!!」
「えっ? 何がだ?」
「あっ、ひっ、独り言です」

 しまったわ。心の声に返事してしまいました。

「リンドール公爵邸に近々行こう。連絡を入れておくよ」
「お父様ありがとうございます!」


 ★★★


 部屋に戻りと、「再びリンドール公爵邸に行けることになった」とアルビダは意気揚々とロビンに話す。

『それは良かったね。次に行くときは僕も一緒に連れて行って』
「ロビンもですか、それは心強いですわ」

 アルビダは次にリンドール邸に行く日を、楽しみに待ち侘びながら眠りについた。


 —————————————————————————————————————
【癒し】悪役令嬢アルビダ様を応援するスレ 03.


708:名無しの妖精
配信終わっちゃた……

709:名無しの妖精
ジェイデンの妹か。救う方法なんて分かるのか?

711:名無しの妖精
裏技とかあるんやろか?

712:名無しの妖精
アビィたんの幸せを守りたい

713:名無しの妖精
>>709ジェイデンの妹!? そんなのいたか? どこにも記載されてないぞ?

714:名無しの妖精
病気の妹が死ぬのを阻止する方法とか……見つからないゆ。

715:名無しの妖精
妖精の名が廃る。

717:名無しの妖精
>>713今日の配信見てなかったのかよ? その配信でジェイデンに妹がいるって分かったの。ジェイデン闇落ちのトリガーは妹の死だったんだよ。

718:名無しの妖精
>>717まじか…今日の配信見逃した。

720:名無しの妖精
アルビダ様のために妖精はいるのに、なにも良いアイデアが浮かんでこない。

721:名無しの妖精
運営の回しモンとかいねーの? 妹の病気の事なんでも良いから教えてくれー

———————————————————————————————————

アルビダがスヤスヤとベッドで眠る中、妖精たちはどうにか助けることができないかと、頭を悩ませていた。


★★★
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