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第百六十一話:オークの襲撃【後編】
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俺とルーとで、1時間ほど費やし集落内のオークを殲滅する事に成功した。
「すぐに手当てをするから、怪我人をこっちに運んでくれ」
戦闘中に兎人族には、俺達が仲間である旨は伝えていた。
試してみたい魔術がある。
攻撃魔術で全範囲が出来るなら・・きっと出来るはずだ。
魔力を貯め、イメージしつつ行使する。
「全範囲治癒」
運ばれた怪我人約40人が、一瞬で治癒されていく。
うっかり治癒Lv5だった為、部位欠損も綺麗さっぱり完治していた。
またしても、俺を酷い脱力感と倦怠感が襲う。
堪えきれずに膝をつく。
流石にこの数の人数に治癒Lv5は、ヤバすぎた・・
すぐにMP回復ポーションを1本飲み干した。
「相変わらず、凄まじい不味さだな。いや、今のは流石にヤバかった。危うくMPが底をつきかけたぞ」
確か、MPが空になると意識を失うんだったな。気を付けないと。
「一体何が起きたんだ・・」
「あれ、私確か右足が切断されていたはずなのに」
兎人族たちが、自らの怪我やキズが治った事で、驚きと歓喜に沸いていた。
「ルーも休憩してていいぞ。俺はユイチームのフォローに行ってくる」
「ごめーん、お願いね」
精霊術師は、一定数の精霊を召喚し、行使した後は、極度の疲労で動けなくなってしまう。
ルーは強かった。
正直、俺が思っていた以上の強さだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方その頃ユイたちは、オークキングを守るオークたちに行く手を阻まれ、中々前に進めずにいた。
やっとの事で、ターゲットを視認できる距離まで辿り着いた。
「周りのオークは私が排除します。ユイは猿山の大将をお願いします」
「さっすがぁー!アリスちゃん分かってるね!うん、任せて!」
ユイが挑発する。
「やーい親玉さん!私が相手だよー!」
そのまま、ユイが目にも止まらぬスピードで一瞬でオークキングとの間を詰めた。
オークキングは、その巨体を思わせない素早い動きをみせ、ユイの動きに反応し、その手の大斧をユイ目掛けて振り下ろす。
「グアァァァ!!」
しかし、ユイはその一振りが振り払われる前に攻撃を繰り出していた。
「遅いよ!そして、これが私の新しいスキルだよ!」
最大で20mの飛距離を一瞬で移動し、強烈な十字切りを放つ。
高速移動と言うには生ぬるいだろう。
もはや、瞬間移動と言うのが正しいかもしれない。
''瞬十撃''
その上、威力も現在ユイが取得している中では、最も強い部類だった。
別れ際にブーストを施してもらっていたのも相乗となり、結果として一撃でオークキングを絶命させる事に成功していた。
一番ビックリしていたのは、恐らく本人だろう。
まさか一撃で終わるとは思ってなかったのか、驚きと同時に「え、これで終わり?」と、物足りなさを沸々と発していた。
それまでは、統率された動きを見せていたオーク供だったが、指揮命令系統でもあったオークキングが倒された事により、統率性を失い、右往左往するだけの烏合の衆と成り果てていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「助太刀に来たぞ!」
烏合の衆と成り果てている相手を倒すのは、至極簡単だった。
俺は全範囲火撃で、次々と沈めて行く。
はたから見れば、恐るべき光景だろう。
俺の高速で飛び回る無数の巨大火の玉に、天から降り注がれるアリスのレーザー光線に、まさに光のような速さで斬跡だけを残して移動するユイ。
というか、ユイまた速くなったよな・・
俺でさえ目で追うのがやっとなんだけど。
「終わりだな」
範囲探索で全て倒した事を確認した俺はユイたちと合流した。
「お疲れ。怪我とかは無かったか?」
2人とハイタッチする。
「擦り傷一つないよ」
「流石だな。アリスは、大丈夫か?」
「はい。問題ありません。少々魔力を消費してしまいましたので、後で魔力回復を要求します」
「分かった。取り敢えず兎人族の集落に移動しようか」
一応、オークキングをストレージに回収しておく。
素材として売れば良い値になりそうだし。
既に集落にいるルーと合流する。
「何故あいつは囲まれてるんだ?」
何故だか、ルーが兎人族に囲まれていた。
険悪なムードという訳ではないので、放置しておいても大丈夫だろうけど、一応気になるから確認するか。
「何があったんだ?」
30人程の兎人族に囲まれている。
「お嬢さんは僕の命の恩人です!僕と結婚して下さい!」
「何言ってるの!お姉様は私だけのものよ!」
「俺は一目惚れしたんだ!他の誰にも渡さねえ!」
おいおい、一体何がどうなってるんだ・・
「うわーん。。ユウさん、助けて下さーい」
「何で求婚されてるんだよ・・」
「知らないですよ!私はただ座って休憩していただけです!」
鑑定で確認すると、兎人族たちに魅了の文字が見える。
「ルー、魅惑を使っただろ」
「ふぇぇ!」
ルーは「使ってないです!」とシラを切る。
それが本当だとすれば、誰が使用したのか。
「保護者として、謝るよ。ルーは、疲れると無意識の内に魅惑を使っちゃう癖があるんだよ」
ルーの親代わりでもある精霊クロウが、現れて謝罪している。
恐らく保護者としての責務なのだろう。
「無意識って、危険だよな・・」
「うむ。以前、四方八方手を尽くして治せないか試みた事があったんだが無理だった。でも一番困ったのは、ルー自身に自覚がないって事だね」
「無意識無自覚で、魅惑はちょっと、ルー自身に対しても危険だよな・・」
クロウと一緒に腕を組み、何か良い解決方法がないか悩む。
「えへへ、無自覚で魔術が発動しちゃうって、やっぱし私って凄いのかな?」
「「凄くない!!」」
取り敢えず、状態が魅了となっている兎人族は解除しておく。
しかし、場合によってはかなり危険な為、今後何かしらの対応策を考えておく必要があるな。
生存確認の為、兎人族が一箇所に集まっていた。
「今回私たちが助かったのは、こちらにおられる窮地を救って頂いた4人の方々です」
兎人族の集落の長であるヒルュミュウさんが、簡単に俺等の紹介をしてくれた。
彼等は兎人族でも獣人族よりの容姿をしている為、まんま姿は兎なのだ。
獣人族は、同種族でも2種類存在し、人族寄りの獣人族は、耳や尻尾だけがその種族の特徴を残している。
対する獣人よりの獣人族は、全身がその種族固有の姿をしている。兎人族なら兎の姿といった感じに。
狼人族ならば、狼の姿だ。
この兎人族たちは後者で、まんま兎の姿をしていた。
特徴である背丈の半分ほどはある長い耳が何とも可愛らしい。
兎が喋っているという光景は何とも滑稽だが、ここではそれが普通なのだ。
是非お礼がしたいという事だったが、やるべき事があった為、丁重にお断りした。
というのも、アリスがここから少し離れた場所で多数のモンスターの反応を察知していたからだ。
幸いにもこちらとは別の方向に向かっているようだが、気になるので一応確認しておく。
この集落のように犠牲は出したくないしね。
以前にもあったが、本来モンスターが徒党を組み集落を襲うのは珍しい。
そういう場合は、指揮する者、リーダー的立場の者が必ず存在する。
今回の場合は、ユニーク個体であるオークキングだ。
オークキングはオークの王でもあり、同種のオークを率いて、兎人族の集落を襲った。
今回は運良く駆けつける事が出来たが、こいつらオーク共に犠牲になった場所があるかもしれない。
ヒルュミュウさんの話しでは、未だかつてオークに襲撃されるなんて事はなかったと言うし、異常な事が起きている事は間違いない。
当然警戒もしていないし、対策もしていない。
仮に何か対策をしていたとしても、相手の人数が20倍近く上の相手に出来る事は少ない。
戦術云々があったとしても、最後にモノを言うのはやはり数だ。
一騎当千のチート野郎は別だけどね。
と言う訳で、兎人族の集落を離れて、アリスの見つけた反応へと急ぎ向かう。
「お兄ちゃん、またオークなの?」
「分からない。だけど、次も数は多いぞ」
「まぁ、同じ相手だったら問題ないけどね」
「まだ戦うと決まったわけじゃないけど、油断はするなよ。そういえば、ルーは回復したのか?」
「うーん、まだだめみたいー」
そう言い、絨毯の上で仰向けで寛いでいる。
俺は絨毯を操りながら、アリスに魔力補給をしておく。
流石に連戦はキツイよな。
へっちゃらそうにしてるのは、ユイくらいか。
「あの山を越えた先に反応があります」
一体今度はどんな奴らなんだろうか。
しかし、山の向こう側には俺が想像もしていない光景が広がっていた。
「すぐに手当てをするから、怪我人をこっちに運んでくれ」
戦闘中に兎人族には、俺達が仲間である旨は伝えていた。
試してみたい魔術がある。
攻撃魔術で全範囲が出来るなら・・きっと出来るはずだ。
魔力を貯め、イメージしつつ行使する。
「全範囲治癒」
運ばれた怪我人約40人が、一瞬で治癒されていく。
うっかり治癒Lv5だった為、部位欠損も綺麗さっぱり完治していた。
またしても、俺を酷い脱力感と倦怠感が襲う。
堪えきれずに膝をつく。
流石にこの数の人数に治癒Lv5は、ヤバすぎた・・
すぐにMP回復ポーションを1本飲み干した。
「相変わらず、凄まじい不味さだな。いや、今のは流石にヤバかった。危うくMPが底をつきかけたぞ」
確か、MPが空になると意識を失うんだったな。気を付けないと。
「一体何が起きたんだ・・」
「あれ、私確か右足が切断されていたはずなのに」
兎人族たちが、自らの怪我やキズが治った事で、驚きと歓喜に沸いていた。
「ルーも休憩してていいぞ。俺はユイチームのフォローに行ってくる」
「ごめーん、お願いね」
精霊術師は、一定数の精霊を召喚し、行使した後は、極度の疲労で動けなくなってしまう。
ルーは強かった。
正直、俺が思っていた以上の強さだった。
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一方その頃ユイたちは、オークキングを守るオークたちに行く手を阻まれ、中々前に進めずにいた。
やっとの事で、ターゲットを視認できる距離まで辿り着いた。
「周りのオークは私が排除します。ユイは猿山の大将をお願いします」
「さっすがぁー!アリスちゃん分かってるね!うん、任せて!」
ユイが挑発する。
「やーい親玉さん!私が相手だよー!」
そのまま、ユイが目にも止まらぬスピードで一瞬でオークキングとの間を詰めた。
オークキングは、その巨体を思わせない素早い動きをみせ、ユイの動きに反応し、その手の大斧をユイ目掛けて振り下ろす。
「グアァァァ!!」
しかし、ユイはその一振りが振り払われる前に攻撃を繰り出していた。
「遅いよ!そして、これが私の新しいスキルだよ!」
最大で20mの飛距離を一瞬で移動し、強烈な十字切りを放つ。
高速移動と言うには生ぬるいだろう。
もはや、瞬間移動と言うのが正しいかもしれない。
''瞬十撃''
その上、威力も現在ユイが取得している中では、最も強い部類だった。
別れ際にブーストを施してもらっていたのも相乗となり、結果として一撃でオークキングを絶命させる事に成功していた。
一番ビックリしていたのは、恐らく本人だろう。
まさか一撃で終わるとは思ってなかったのか、驚きと同時に「え、これで終わり?」と、物足りなさを沸々と発していた。
それまでは、統率された動きを見せていたオーク供だったが、指揮命令系統でもあったオークキングが倒された事により、統率性を失い、右往左往するだけの烏合の衆と成り果てていた。
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「助太刀に来たぞ!」
烏合の衆と成り果てている相手を倒すのは、至極簡単だった。
俺は全範囲火撃で、次々と沈めて行く。
はたから見れば、恐るべき光景だろう。
俺の高速で飛び回る無数の巨大火の玉に、天から降り注がれるアリスのレーザー光線に、まさに光のような速さで斬跡だけを残して移動するユイ。
というか、ユイまた速くなったよな・・
俺でさえ目で追うのがやっとなんだけど。
「終わりだな」
範囲探索で全て倒した事を確認した俺はユイたちと合流した。
「お疲れ。怪我とかは無かったか?」
2人とハイタッチする。
「擦り傷一つないよ」
「流石だな。アリスは、大丈夫か?」
「はい。問題ありません。少々魔力を消費してしまいましたので、後で魔力回復を要求します」
「分かった。取り敢えず兎人族の集落に移動しようか」
一応、オークキングをストレージに回収しておく。
素材として売れば良い値になりそうだし。
既に集落にいるルーと合流する。
「何故あいつは囲まれてるんだ?」
何故だか、ルーが兎人族に囲まれていた。
険悪なムードという訳ではないので、放置しておいても大丈夫だろうけど、一応気になるから確認するか。
「何があったんだ?」
30人程の兎人族に囲まれている。
「お嬢さんは僕の命の恩人です!僕と結婚して下さい!」
「何言ってるの!お姉様は私だけのものよ!」
「俺は一目惚れしたんだ!他の誰にも渡さねえ!」
おいおい、一体何がどうなってるんだ・・
「うわーん。。ユウさん、助けて下さーい」
「何で求婚されてるんだよ・・」
「知らないですよ!私はただ座って休憩していただけです!」
鑑定で確認すると、兎人族たちに魅了の文字が見える。
「ルー、魅惑を使っただろ」
「ふぇぇ!」
ルーは「使ってないです!」とシラを切る。
それが本当だとすれば、誰が使用したのか。
「保護者として、謝るよ。ルーは、疲れると無意識の内に魅惑を使っちゃう癖があるんだよ」
ルーの親代わりでもある精霊クロウが、現れて謝罪している。
恐らく保護者としての責務なのだろう。
「無意識って、危険だよな・・」
「うむ。以前、四方八方手を尽くして治せないか試みた事があったんだが無理だった。でも一番困ったのは、ルー自身に自覚がないって事だね」
「無意識無自覚で、魅惑はちょっと、ルー自身に対しても危険だよな・・」
クロウと一緒に腕を組み、何か良い解決方法がないか悩む。
「えへへ、無自覚で魔術が発動しちゃうって、やっぱし私って凄いのかな?」
「「凄くない!!」」
取り敢えず、状態が魅了となっている兎人族は解除しておく。
しかし、場合によってはかなり危険な為、今後何かしらの対応策を考えておく必要があるな。
生存確認の為、兎人族が一箇所に集まっていた。
「今回私たちが助かったのは、こちらにおられる窮地を救って頂いた4人の方々です」
兎人族の集落の長であるヒルュミュウさんが、簡単に俺等の紹介をしてくれた。
彼等は兎人族でも獣人族よりの容姿をしている為、まんま姿は兎なのだ。
獣人族は、同種族でも2種類存在し、人族寄りの獣人族は、耳や尻尾だけがその種族の特徴を残している。
対する獣人よりの獣人族は、全身がその種族固有の姿をしている。兎人族なら兎の姿といった感じに。
狼人族ならば、狼の姿だ。
この兎人族たちは後者で、まんま兎の姿をしていた。
特徴である背丈の半分ほどはある長い耳が何とも可愛らしい。
兎が喋っているという光景は何とも滑稽だが、ここではそれが普通なのだ。
是非お礼がしたいという事だったが、やるべき事があった為、丁重にお断りした。
というのも、アリスがここから少し離れた場所で多数のモンスターの反応を察知していたからだ。
幸いにもこちらとは別の方向に向かっているようだが、気になるので一応確認しておく。
この集落のように犠牲は出したくないしね。
以前にもあったが、本来モンスターが徒党を組み集落を襲うのは珍しい。
そういう場合は、指揮する者、リーダー的立場の者が必ず存在する。
今回の場合は、ユニーク個体であるオークキングだ。
オークキングはオークの王でもあり、同種のオークを率いて、兎人族の集落を襲った。
今回は運良く駆けつける事が出来たが、こいつらオーク共に犠牲になった場所があるかもしれない。
ヒルュミュウさんの話しでは、未だかつてオークに襲撃されるなんて事はなかったと言うし、異常な事が起きている事は間違いない。
当然警戒もしていないし、対策もしていない。
仮に何か対策をしていたとしても、相手の人数が20倍近く上の相手に出来る事は少ない。
戦術云々があったとしても、最後にモノを言うのはやはり数だ。
一騎当千のチート野郎は別だけどね。
と言う訳で、兎人族の集落を離れて、アリスの見つけた反応へと急ぎ向かう。
「お兄ちゃん、またオークなの?」
「分からない。だけど、次も数は多いぞ」
「まぁ、同じ相手だったら問題ないけどね」
「まだ戦うと決まったわけじゃないけど、油断はするなよ。そういえば、ルーは回復したのか?」
「うーん、まだだめみたいー」
そう言い、絨毯の上で仰向けで寛いでいる。
俺は絨毯を操りながら、アリスに魔力補給をしておく。
流石に連戦はキツイよな。
へっちゃらそうにしてるのは、ユイくらいか。
「あの山を越えた先に反応があります」
一体今度はどんな奴らなんだろうか。
しかし、山の向こう側には俺が想像もしていない光景が広がっていた。
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