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第2話「エピソード・ゼロ 夏子と陽菜が「正義感」最強のサキュバスとワルキューレになった訳」

2-5「エピローグ コスチュームと特性」

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「エピローグ コスチュームと特性」
 「では、次に制服を選んでもらいます。10級職の坂川さんはあまり選択肢はありません。まあ、10級職にはあまり服地代はかけられませんから。男性なら「拷問執行人ガイル」でブーメランパンツ一枚のところです。
 仲田さんは、ほぼ色は選べませんがデザインはいろいろと選べますのでしっかりと好みで選んでくださいね。制服のカタログはこちらになります。」
と天女火車が各々のテーブルに置いた。
 陽菜の前には50ページほどのカラーパンフレットの冊子がおかれたが、夏子の前には裏表カラーのチラシが3枚だけだった。

 「ぎょへー!天女火車さん、この中から選ばなあかんのですか?こんなん、ほとんど裸ですやん!
 胸のてっぺんとお毛けしか隠してないやないですか!お尻なんかほぼ丸出しのTバックやし、三枚の小さな布とあとは紐ですやん!背中の羽とか尻尾つけるんやったらもうちょっとお尻やパンツとブラの部分の布地を増やしてもらわれへんのですか?こんなん、ただの露出狂の痴女ですよ!
 冬なんか、絶対風邪ひくし、俗世に行ったら、エロい男やカメラ小僧に囲まれて仕事なんかできませんよ!」
と猛烈に反対した。天女火車は、冷たく
「魔界のものは風邪はひきません。大丈夫です。それに、俗世では死期が1週間以内の人間にしか私たち魔界のものの姿は見えませんから、エロ男やカメキチに囲まれることもありません、その6つの中から選んでください。」
と言われ、しぶしぶ一番布地が広い物を選んだが、それでもほぼ半裸に近い衣装だった。

 陽菜の「ワルキューレ」のカタログは、ほぼ黒一色ではあるが、俗世で言う「ゴスロリ」系でフリルやレースがふんだんに使われ、シックでありながら、かわいいものもたくさん見受けられた。
「天女火車さん、たくさんありすぎてこの場で選びきれないんで、一晩考えさせてもらってもいいですか?」
と陽菜が聞くとあっさりとオッケーが出た。陽菜は楽しそうに、カタログを閉じた。

 「あー、陽菜ちゃんはええよな!全然普通やん!陽菜ちゃん色白いし、絶対可愛いよなー。私のユニフォーム見てよこれ!SMの女王様のボンテージの方が100倍ましやんなぁ?」
夏子が恨めしそうに言った。
「でも、サキュバスっていろんな夢を見させるんやろ?なっちゃんの好きな同人誌に出てきたプレイとか夢でも出来たらええやん。
 死ぬ直前まで、なっちゃんの見せる「H」なプレイで気持ちよくさせてあげられたら、喜んで死ぬ人も出て来るんとちゃう?
 それはそれで、処女でも想像してきたプレイが夢の中でできるんやから素敵なことやと思うわ。
 頑張ってね!」
と屈託のない笑顔で陽菜は夏子を励ました。
「せやな、生きてるときに経験できへんかったことができるかもしれへんもんな!
めっちゃイケメンの男の人やったら、私自身がしてあげて昇天させたるっていうのもありやわな。
 ありがとう、陽菜ちゃん。生前満たされることのなかった性欲をここで満たすよう頑張るわ!」
とにわかに元気になった。

 グリムリーパーがタブレットを持って、壇上に上がった。
「じゃあ、最後に魔界のものとして特化した能力をひとつ授ける。まあ、お前たちはふたりでひとつだから、チート級にレベルを上げる特性もひとつだ。ふたりで決めなさい。」
というと、夏子が開口一番に陽菜に言った。
「陽菜ちゃん、さっきの話、私、サキュバスとして頑張っていきたいから、対象者を「これ以上はない」っていうくらい気持ちよくさせてあげたいから「性技」のスペシャリストになりたい!「スーパーテクニシャン」っていうんかな?
 どんな男も私にかかれば、すぐ「ぴゅっぴゅ」しちゃうような、妖艶なサキュバスになりたいねん!ええかな?」
「うん、なっちゃんがそれがええんやったら、私はノープロやで。」
と陽菜は気持ちよく了承した。

 「はいはいはーい!グリムリーパー課長決まりました。サキュバスの任務遂行のために「性技」スキルをチート級にあげてくださーい!今は「処女」ですが、今日を持ってサキュバス夏子はスーパーテクニシャンのセックスクイーンに変身します!お願いしまーす!」
と夏子が大きな声で言うと、グリムリーパーがタブレットを夏子の前に置いた。
「じゃあ、「特性設定」のボタンをタップしたら、このマイクに向かってあげたい特性スキルを言うんだ。そうしたら、「あなたの上げたい特性スキルは○○ですね?」と最終確認のワードがでる。それを確認したら「YES」ボタンをタッチすれば終了だ。
 特性スキル設定はやり直しは聞かないから気をつけろよ。」
と夏子に念を押した。

 もう夏子の頭の中は「エロ同人誌」の世界に飛び込んでいた。イケメンと裸でイチャイチャし、夏子のテクニックにイケメンが悶え、昇天するところを想像しまくった。
夏子は、「特性設定」のボタンをタップすると、マイクに向かって
「性技スキル」
と大きな声で言った。
 すぐに「最終確認」のウインドウが開かれた。
「よっしゃ、これで私は国士無双の「セックスクイーンのサキュバス夏子や!この不毛やった19年を今から一気に取り返すで!」
と叫び右手の人差し指でタップに入った。



 「あかん!なっちゃんストップや!」
陽菜が叫んで夏子の腕を止めようとしたが、一瞬の差で夏子の人差し指が、タブレットの画面の「YES」のボタンに触れた。
 画面は「通信中」のロゴが出て中央でくるくると砂時計が回転している。
「陽菜ちゃん、どないしたん?やっぱり、「テクニシャンのセックスクイーン」嫌やったん?」
と陽菜に尋ねた。陽菜は、夏子の両肩を「ガシっ」とつかみ、真剣な顔で夏子に言った。
「なっちゃん、最後の画面きちんと確認して押したの?」
「あたりまえやん!きちんと「性技スキル」って言うたんやからほかに間違えへんやろ?何をそんなに慌ててんの?」
と夏子が返した時、タブレットが「ピロリーン」となり、新たなメッセージが表示された。
「あなたの特性の「正義スキル」は魔界最強の設定となりました。特性を生かし、業務にお役立てください。」

第2話 おしまい




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