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MNRJオカやん特別編② 「アルファ初公開!「お母ちゃん(霊)といっしょ」シリーズ「つちのこ遭遇」&「激流筏での手術編」!」」
「お母ちゃん(霊)といっしょ」シリーズ「つちのこ遭遇」&「激流筏での手術編」!」③」
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「MNRJ(ミッドナイトラジオジョッキー)オカやん2024特別編」
特別夜MNRJオカやん特別編② 「お母ちゃん(霊)といっしょ」シリーズ「つちのこ遭遇」&「激流筏での手術編」!」③」
『ツチノコ捜索に出撃!』
翌日の朝、午前5時半、直のスマホのアラームが鳴った。
「おーい、おはようー。かずみー!さとみー!みんな起きろー。さっさと用意して、出かけるぞー!」
「もう、朝・・・?昨日は、夜更かししてしもたなー。とりあえず、今から、顔作ってくるから、10分ちょうだいなー。(!!!)あっ、お母ちゃん、あかん!」」
お母ちゃんは、寝ぼけて、となりの部屋に繋がる壁を通り抜けようとしていた。
さとみは、洗面所の鏡を見ながら、歯を磨き、顔を洗い、手際よく顔を作っていく。
(やっぱり、昨日の温泉効果出てんなー。今日はすべすべやわ。この4日、連休するために、直前、当直入れまくってたからなぁ・・・。まだ、22やのに、寝不足はお肌の大敵って実感してまうわ・・・。悲しい・・・。)
「お待たせ!おっ!お父ちゃんも、お母ちゃんももう準備で来てんねんな?すぐ着替えるから、あと5分待ってて。」
ポロっと、さとみのポーチが、腕から落ちた。4本のコスメボトルと20ccの計量ポンプが床に散らばった。直が拾いあげ大きな声を出した。
「!!!なあ、さとみ?この注射器みたいなものなんだ?お前まさか、変な薬とかやってるんじゃないだろうなぁ!?」
さとみは慌てることなく、ポンプを引き取ると、慌てている直に説明した。
「何言うてんの、お父ちゃん!20ccもシャブ打ったら、お相撲さんかて死んでまうで!これなあ、化粧水とか、目分量で手に取ってやると、ついつい多めに出してしもて、すぐ無くなってまうねんやんか。結構高いもんやから、100均の計量ポンプで計るようにしてんねん。ほら、針みたいに尖ってへんやろ。」
「そ、そういうものか・・・。さとみ、警察官の前では、間違っても落とすなよ!」
直が真面目な顔をして言った。
「何それ(笑)!そりゃ、ありえへんわ(笑)!あとちょっと待ってな。乙女の準備があるから。」
お母ちゃんが、直の横でお腹を抱えて大笑いしている。
レンタカーを直の運転で、「不動七重の滝」へと、幅の狭い林道をどんどん奥へと進んでいった。林道路肩のビューポイントから、落差100メートルの滝が見えた。かなりの水量を常に維持するこの滝は壮大でかつ厳粛だった。
さとみは「まだ見ぬツチノコ」に夢をはせた。なぜ、「不動七重の滝」に決まったのかというと、さとみが調べた、ツチノコ探しの日本最大のイベント、「1億円の賞金」がかかる「ツチノコ探検隊」のホームページと岐阜県東白川村にある日本唯一のツチノコ資料館であろう「つちのこ館」の館長のインタビュー記事から、
「ツチノコは水沿い、それも川沿いの湿気の多い藪に住んでるそうやから、平成の森野鳥園よりは、遭遇のチャンスが多いと思うねん!」
と欲に目がくらんだ、さとみの意見が発端だった。直がさとみを気遣っていった
「160メートルの落差の滝だから、中間展望まででも、片道1キロ以上あるから大変だぞ。大丈夫か?」
「1キロに160メートル足したって、大したことないじゃない!大丈夫大丈夫(大笑)!」
とわけのわからない理由を直に返し、聞く耳を持たない。隣では、お母ちゃんは、ウイスキーのポケットビンを一本空けて良く寝ていた。
「さとみ、なあ、その計算、絶対明日後悔するぞ・・・。」
「お父ちゃん、心配しすぎやで!ノープロ!ノープロ!明日、私がツチノコ捕まえたらな、お父ちゃんも一緒に捕まえたことにすっから!そしたら、お父ちゃんネイチャーガイド省でけたら、初代大臣やで!きっとな(笑)!」
林道を6キロほど走り、奥の駐車場に、車を停め、遊歩道入り口に少し歩いて戻った。そこから、5分ほどかけて、約260段の階段を一気に降り、河原へ。雨に濡れて滑りやすい岩の上を歩きつつ、さとみはツチノコの気配を探った。ツチノコが好きだという、ネズミとカエルの海洋堂のキーホルダーを目立つように腰につけている。
キャンプ場の管理者に言って、無理やり借りてきた白い捕虫網を持って歩いていく。その遊歩道は、「遊」と言う字がついているが、山を歩きなれていないさとみにはまさに地獄の「酷」道1号線だった。
吊り橋を渡り、途中、岩場にかかったロープにつかまり、「ヒーコラ」しながら登っていく。借りた虫取り網がいい杖になっている。直は、仕事柄、途中で見かけた、「傾いた道案内板」や切れた「進入禁止のチェーン」を見つける度に、ウエストバックから、ビクトリノックスの十徳ナイフや、ミニラジオペンチ、マルチレンチを駆使して修理していく。お母ちゃんが、
「直さんのウエストバックって、大きくないのに、何でも出てくるなぁ?何が入ってんの?」
さとみは、その会話に参加する元気がなく、「ひたすら前へ」とフラフラと彷徨している。直が
「入ってるのは「十徳ナイフ」、これは、ガイドになった最初の給料で買った、スイス製の名品で、もうかれこれ25年以上使ってるよ。ナイフ、キリ、やすり、ドライバー、ハサミと何でもござれだよ。それから、小さいラジオペンチ。これは、ワイヤーを締めたり、切ったり、修理中の対象物を挟んで固定したりね。そして万能レンチ。これも使用用途は多いよ。それで、結構便利なのが、この中型のホッチキス。タッカーとしても使えるんで、割れた木の看板なんかを修理したり、切れたコーステープや進入禁止の注意喚起のテープの補修なんかでよく使うね。それから、小物では、インシュロック。言わるるワンウェイの結束バンドだね。これも簡単に固定できるので結構重宝するよ。そして、ステンレスワイヤーに瞬間接着剤に防水テープとビニールテープ。20メートルのロープとカラビナ。こんなとこかな?」
「あれ、カバンの中に見えた、薬の分包みたいなのは何なん?」
「あぁ、これは塩。知床での昼の弁当についてくるものなんだけど、僕も45超えてから、血圧引っかかちゃって・・・、ご飯やおかずにかけずに残してんの。最近のハイカーや登山者も高齢の人や素人さんが増えててね、トラブルがあって助けに行くと、水みたいにミネラル分が入ってないものしか持ってない人多いんだ。脱水症状出てる人なんかは、真水飲んでも吸収しないから、いつも持ち歩いてるんだ。これで助かった人も少なくないんだよ。」
と丁寧に説明した。
特別夜MNRJオカやん特別編② 「お母ちゃん(霊)といっしょ」シリーズ「つちのこ遭遇」&「激流筏での手術編」!」③」
『ツチノコ捜索に出撃!』
翌日の朝、午前5時半、直のスマホのアラームが鳴った。
「おーい、おはようー。かずみー!さとみー!みんな起きろー。さっさと用意して、出かけるぞー!」
「もう、朝・・・?昨日は、夜更かししてしもたなー。とりあえず、今から、顔作ってくるから、10分ちょうだいなー。(!!!)あっ、お母ちゃん、あかん!」」
お母ちゃんは、寝ぼけて、となりの部屋に繋がる壁を通り抜けようとしていた。
さとみは、洗面所の鏡を見ながら、歯を磨き、顔を洗い、手際よく顔を作っていく。
(やっぱり、昨日の温泉効果出てんなー。今日はすべすべやわ。この4日、連休するために、直前、当直入れまくってたからなぁ・・・。まだ、22やのに、寝不足はお肌の大敵って実感してまうわ・・・。悲しい・・・。)
「お待たせ!おっ!お父ちゃんも、お母ちゃんももう準備で来てんねんな?すぐ着替えるから、あと5分待ってて。」
ポロっと、さとみのポーチが、腕から落ちた。4本のコスメボトルと20ccの計量ポンプが床に散らばった。直が拾いあげ大きな声を出した。
「!!!なあ、さとみ?この注射器みたいなものなんだ?お前まさか、変な薬とかやってるんじゃないだろうなぁ!?」
さとみは慌てることなく、ポンプを引き取ると、慌てている直に説明した。
「何言うてんの、お父ちゃん!20ccもシャブ打ったら、お相撲さんかて死んでまうで!これなあ、化粧水とか、目分量で手に取ってやると、ついつい多めに出してしもて、すぐ無くなってまうねんやんか。結構高いもんやから、100均の計量ポンプで計るようにしてんねん。ほら、針みたいに尖ってへんやろ。」
「そ、そういうものか・・・。さとみ、警察官の前では、間違っても落とすなよ!」
直が真面目な顔をして言った。
「何それ(笑)!そりゃ、ありえへんわ(笑)!あとちょっと待ってな。乙女の準備があるから。」
お母ちゃんが、直の横でお腹を抱えて大笑いしている。
レンタカーを直の運転で、「不動七重の滝」へと、幅の狭い林道をどんどん奥へと進んでいった。林道路肩のビューポイントから、落差100メートルの滝が見えた。かなりの水量を常に維持するこの滝は壮大でかつ厳粛だった。
さとみは「まだ見ぬツチノコ」に夢をはせた。なぜ、「不動七重の滝」に決まったのかというと、さとみが調べた、ツチノコ探しの日本最大のイベント、「1億円の賞金」がかかる「ツチノコ探検隊」のホームページと岐阜県東白川村にある日本唯一のツチノコ資料館であろう「つちのこ館」の館長のインタビュー記事から、
「ツチノコは水沿い、それも川沿いの湿気の多い藪に住んでるそうやから、平成の森野鳥園よりは、遭遇のチャンスが多いと思うねん!」
と欲に目がくらんだ、さとみの意見が発端だった。直がさとみを気遣っていった
「160メートルの落差の滝だから、中間展望まででも、片道1キロ以上あるから大変だぞ。大丈夫か?」
「1キロに160メートル足したって、大したことないじゃない!大丈夫大丈夫(大笑)!」
とわけのわからない理由を直に返し、聞く耳を持たない。隣では、お母ちゃんは、ウイスキーのポケットビンを一本空けて良く寝ていた。
「さとみ、なあ、その計算、絶対明日後悔するぞ・・・。」
「お父ちゃん、心配しすぎやで!ノープロ!ノープロ!明日、私がツチノコ捕まえたらな、お父ちゃんも一緒に捕まえたことにすっから!そしたら、お父ちゃんネイチャーガイド省でけたら、初代大臣やで!きっとな(笑)!」
林道を6キロほど走り、奥の駐車場に、車を停め、遊歩道入り口に少し歩いて戻った。そこから、5分ほどかけて、約260段の階段を一気に降り、河原へ。雨に濡れて滑りやすい岩の上を歩きつつ、さとみはツチノコの気配を探った。ツチノコが好きだという、ネズミとカエルの海洋堂のキーホルダーを目立つように腰につけている。
キャンプ場の管理者に言って、無理やり借りてきた白い捕虫網を持って歩いていく。その遊歩道は、「遊」と言う字がついているが、山を歩きなれていないさとみにはまさに地獄の「酷」道1号線だった。
吊り橋を渡り、途中、岩場にかかったロープにつかまり、「ヒーコラ」しながら登っていく。借りた虫取り網がいい杖になっている。直は、仕事柄、途中で見かけた、「傾いた道案内板」や切れた「進入禁止のチェーン」を見つける度に、ウエストバックから、ビクトリノックスの十徳ナイフや、ミニラジオペンチ、マルチレンチを駆使して修理していく。お母ちゃんが、
「直さんのウエストバックって、大きくないのに、何でも出てくるなぁ?何が入ってんの?」
さとみは、その会話に参加する元気がなく、「ひたすら前へ」とフラフラと彷徨している。直が
「入ってるのは「十徳ナイフ」、これは、ガイドになった最初の給料で買った、スイス製の名品で、もうかれこれ25年以上使ってるよ。ナイフ、キリ、やすり、ドライバー、ハサミと何でもござれだよ。それから、小さいラジオペンチ。これは、ワイヤーを締めたり、切ったり、修理中の対象物を挟んで固定したりね。そして万能レンチ。これも使用用途は多いよ。それで、結構便利なのが、この中型のホッチキス。タッカーとしても使えるんで、割れた木の看板なんかを修理したり、切れたコーステープや進入禁止の注意喚起のテープの補修なんかでよく使うね。それから、小物では、インシュロック。言わるるワンウェイの結束バンドだね。これも簡単に固定できるので結構重宝するよ。そして、ステンレスワイヤーに瞬間接着剤に防水テープとビニールテープ。20メートルのロープとカラビナ。こんなとこかな?」
「あれ、カバンの中に見えた、薬の分包みたいなのは何なん?」
「あぁ、これは塩。知床での昼の弁当についてくるものなんだけど、僕も45超えてから、血圧引っかかちゃって・・・、ご飯やおかずにかけずに残してんの。最近のハイカーや登山者も高齢の人や素人さんが増えててね、トラブルがあって助けに行くと、水みたいにミネラル分が入ってないものしか持ってない人多いんだ。脱水症状出てる人なんかは、真水飲んでも吸収しないから、いつも持ち歩いてるんだ。これで助かった人も少なくないんだよ。」
と丁寧に説明した。
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