58 / 71
第6話 約束の約束
約束の内容とは
しおりを挟む
「直哉様、約束の少女にお心当たりはございますか?」
「そんな名前に人は流石に知らないよ~」
慎重に開封すると、中には一通の手紙が二つ折りになって入っていたのだ。丁寧に手紙を開くと中にはこう書かれていた。
『直哉君。お久しぶりですね。と言っても直哉君は全然覚えていなくて、初めて会った時はショックだったのよ。でも、楽しそうな直哉君を見ててそれでもいいかなって思っていたの。でもね、でも・・・・・・自分でそうしようと思ったのに、心がね言う事を聞かなくなっちゃって・・・・・・それで決めたの。直哉君、私との約束をちゃんと思い出して私を探し出してね。でないと私・・・・・・きっと壊れてしまうと思うから。だから、必ず思い出してね?約束だからね』
「怪文書・・・・・・ですわね。イタズラとも思えますし」
「う~ん、イタズラなのかなぁ。それにしても約束って・・・・・・。他の人の意見も聞いてみよう。でも、今日はもう遅いから明日かな」
「そうですわね、ではわたくしも今日は寝るとしますわ」
沙織がゆっくり立ち上がり、自分の部屋と戻ると思いきや、直哉のベッドに潜り込み一緒に寝ようとする。
「沙織さん・・・・・・自分のベッドで寝て下さい」
「直哉様は照れ屋なんですね。仕方ありませんわ、今日は自分の部屋で一人寂しく夜を明かすとします」
わざとらしく泣き真似をしながら自分の部屋へと戻る沙織を見送ると、直哉は手紙をもう一度読み直していた。
本当にイタズラなのだろうか。そんな事を考えながらその日は眠ってしまった。
翌日の昼過ぎ、直哉は優子にこの事を話すとその手紙を見たいと、直哉のアパートまで来る事になったのだ。
この話は伝言ゲームの様に内容を少しずつ変えながら、次々と直哉に関係のある少女達へと伝わり、旅行の続きと言わんばかりに集まっていたのだ。
「そういえば南雲様、お仕事はどうされたのですか?本日は確か・・・・・・ドラマの撮影があったと思ったのですが」
「ふんっ、そんな事、直哉に送られたラブレターに比べたら些細なものだわ。適当な言い訳をつけて延期して貰ったのよ」
「やはり無人島計画を実行するしかないわね・・・・・・」
「ま、待って。だって、直哉にラブレターとか仕事に集中出来ないでしょ?だからよ。だから・・・・・・今回だけは見逃して下さい・・・・・・」
葵は沙織に懇願し、何でもするから今日だけはという事で、沙織は渋々見逃す事にしたのだ。
このまま強引に仕事へ行かせても、相手に迷惑を掛けてしまうだろうと結論を出していたのだ。
「ねぇ、凄く気になってたんだど・・・・・・沙織さんって、いつも直哉君の部屋に一番最初に来てるよね。まさか・・・・・・一緒に暮らしてるとかいうオチはないよね」
「それ私も気になってたぁ。直哉どうなの?亜子の言う通り、まさか同棲とか・・・・・・してないわよね?」
いつかこの日が来るとは思っていた。普通に考えればおかしいと気がつくのは、至極真っ当な事である。
ジト目の優子が、今にも直哉に襲い掛かりそうな黒いオーラを出していたのだ。
「別に隠すつもりはなかったんだけど、実は・・・・・・」
「遂に隠しきれなくなりましたわね、直哉様。ええ、その通りですわ。既に婚姻届にもハンコを押してありますの」
「な~お~や~。直哉を殺して私も死ぬうううう」
「優子、頼むから落ち着いてくれよ。もう、沙織さん笑いすぎですって」
お腹を抱えて笑う沙織に気がつくことなく、優子は直哉に飛びかかっていた。そんな中で、葵と紗英は直哉から借りた手紙を真剣に分析していたのだ。
「そんな名前に人は流石に知らないよ~」
慎重に開封すると、中には一通の手紙が二つ折りになって入っていたのだ。丁寧に手紙を開くと中にはこう書かれていた。
『直哉君。お久しぶりですね。と言っても直哉君は全然覚えていなくて、初めて会った時はショックだったのよ。でも、楽しそうな直哉君を見ててそれでもいいかなって思っていたの。でもね、でも・・・・・・自分でそうしようと思ったのに、心がね言う事を聞かなくなっちゃって・・・・・・それで決めたの。直哉君、私との約束をちゃんと思い出して私を探し出してね。でないと私・・・・・・きっと壊れてしまうと思うから。だから、必ず思い出してね?約束だからね』
「怪文書・・・・・・ですわね。イタズラとも思えますし」
「う~ん、イタズラなのかなぁ。それにしても約束って・・・・・・。他の人の意見も聞いてみよう。でも、今日はもう遅いから明日かな」
「そうですわね、ではわたくしも今日は寝るとしますわ」
沙織がゆっくり立ち上がり、自分の部屋と戻ると思いきや、直哉のベッドに潜り込み一緒に寝ようとする。
「沙織さん・・・・・・自分のベッドで寝て下さい」
「直哉様は照れ屋なんですね。仕方ありませんわ、今日は自分の部屋で一人寂しく夜を明かすとします」
わざとらしく泣き真似をしながら自分の部屋へと戻る沙織を見送ると、直哉は手紙をもう一度読み直していた。
本当にイタズラなのだろうか。そんな事を考えながらその日は眠ってしまった。
翌日の昼過ぎ、直哉は優子にこの事を話すとその手紙を見たいと、直哉のアパートまで来る事になったのだ。
この話は伝言ゲームの様に内容を少しずつ変えながら、次々と直哉に関係のある少女達へと伝わり、旅行の続きと言わんばかりに集まっていたのだ。
「そういえば南雲様、お仕事はどうされたのですか?本日は確か・・・・・・ドラマの撮影があったと思ったのですが」
「ふんっ、そんな事、直哉に送られたラブレターに比べたら些細なものだわ。適当な言い訳をつけて延期して貰ったのよ」
「やはり無人島計画を実行するしかないわね・・・・・・」
「ま、待って。だって、直哉にラブレターとか仕事に集中出来ないでしょ?だからよ。だから・・・・・・今回だけは見逃して下さい・・・・・・」
葵は沙織に懇願し、何でもするから今日だけはという事で、沙織は渋々見逃す事にしたのだ。
このまま強引に仕事へ行かせても、相手に迷惑を掛けてしまうだろうと結論を出していたのだ。
「ねぇ、凄く気になってたんだど・・・・・・沙織さんって、いつも直哉君の部屋に一番最初に来てるよね。まさか・・・・・・一緒に暮らしてるとかいうオチはないよね」
「それ私も気になってたぁ。直哉どうなの?亜子の言う通り、まさか同棲とか・・・・・・してないわよね?」
いつかこの日が来るとは思っていた。普通に考えればおかしいと気がつくのは、至極真っ当な事である。
ジト目の優子が、今にも直哉に襲い掛かりそうな黒いオーラを出していたのだ。
「別に隠すつもりはなかったんだけど、実は・・・・・・」
「遂に隠しきれなくなりましたわね、直哉様。ええ、その通りですわ。既に婚姻届にもハンコを押してありますの」
「な~お~や~。直哉を殺して私も死ぬうううう」
「優子、頼むから落ち着いてくれよ。もう、沙織さん笑いすぎですって」
お腹を抱えて笑う沙織に気がつくことなく、優子は直哉に飛びかかっていた。そんな中で、葵と紗英は直哉から借りた手紙を真剣に分析していたのだ。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
浮気中の婚約者が私には塩対応なので塩対応返しすることにした
今川幸乃
恋愛
スターリッジ王国の貴族学園に通うリアナにはクリフというスポーツ万能の婚約者がいた。
リアナはクリフのことが好きで彼のために料理を作ったり勉強を教えたりと様々な親切をするが、クリフは当然の顔をしているだけで、まともに感謝もしない。
しかも彼はエルマという他の女子と仲良くしている。
もやもやが募るもののリアナはその気持ちをどうしていいか分からなかった。
そんな時、クリフが放課後もエルマとこっそり二人で会っていたことが分かる。
それを知ったリアナはこれまでクリフが自分にしていたように塩対応しようと決意した。
少しの間クリフはリアナと楽しく過ごそうとするが、やがて試験や宿題など様々な問題が起こる。
そこでようやくクリフは自分がいかにリアナに助けられていたかを実感するが、その時にはすでに遅かった。
※4/15日分の更新は抜けていた8話目「浮気」の更新にします。話の流れに差し障りが出てしまい申し訳ありません。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
無能な悪役王子に転生した俺、推しの為に暗躍していたら主人公がキレているようです。どうやら主人公も転生者らしい~
そらら
ファンタジー
【ファンタジー小説大賞の投票お待ちしております!】
大人気ゲーム「剣と魔法のファンタジー」の悪役王子に転生した俺。
王族という血統でありながら、何も努力しない怠惰な第一王子。
中盤で主人公に暗殺されるざまぁ対象。
俺はそんな破滅的な運命を変える為に、魔法を極めて強くなる。
そんで推しの為に暗躍してたら、主人公がキレて来たんだが?
「お前なんかにヒロインと王位は渡さないぞ!?」
「俺は別に王位はいらないぞ? 推しの為に暗躍中だ」
「ふざけんな! 原作をぶっ壊しやがって、殺してやる」
「申し訳ないが、もう俺は主人公より強いぞ?」
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル総合週間ランキング50位入り。1300スター、3500フォロワーを達成!
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました
Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。
どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も…
これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない…
そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが…
5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる