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第3話 自由なきお嬢様
お礼はホテル!?
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「ではお父様、『ホテル紅』の予約をお願いしますね?時間は・・・・・・そうね、十八時で構いませんので」
『ホテル!?何ホテルって!へぇ~、助けた上から、ディナーの後はホテルでお泊まりですか・・・・・・そうですか・・・・・・、もう・・・・・・知らないわよ、直哉のバカあああ』
優子の叫び声と共に電話をきられてしまい、直哉は何が起こったのか理解出来なかった。だが、優子が何故ホテルやらディナーの話をしてきたのかすぐに分かる事なったのだ。
「あら、神崎様、電話は終わりましたの?先程、お父様を説得致しまして、お詫びにディナーをご馳走する事にしましたの。この後のご予定とか・・・・・・ございましたか?」
潤んだ瞳で直哉を見つめ、断りづらい状況を作り出した沙織の思惑通り、直哉は断れずにディナーをご馳走になる事にしたのだ。
「特に予定は・・・・・・ないです」
「それは良かったですわ。神崎様とお食事なんて・・・・・・今から楽しみで待ち遠しいですわ」
心の底から喜んでいる様に見え、直哉もその場の雰囲気に流されるかの如く笑顔になっていた。ディナーまでまだ時間があるので、直哉の服を召し替える為クローゼットへと案内されたのだ。
そこは、直哉のアパートと同じぐらいの広さにビッシリ服が仕舞われており、その中から直哉に合いそうな服を沙織が選んでいた。
せっかくのディナーなので、正装で行こうと沙織は考えており、沙織の着るドレスと合わせようとしたのだった。
一方、直哉の電話を怒りで切ってしまった優子は、不貞腐れながら亜子と紗英に慰められていた。
直哉の言い分を聞かずに一方的に電話を切った事を後悔しながら、優子は亜子と紗英に相談をしたのだ。
「うぅ・・・・・・。はぁ・・・・・・」
「優子、切ってしまった事はしょうがないわよ。それで、これからどうするつもりなのかな?」
「電話越しの声・・・・・・可愛かったよぉ・・・・・・。直哉はきっと、性悪女に騙されてるんだよ・・・・・・。うぅ・・・・・・」
「もう、優子は放って置いて、紗英さん二人で行きましょうか。直哉君を返してもらわないとね」
「は、はい・・・・・・。直哉君・・・・・・大丈夫かな。私・・・・・・頑張って直哉君を連れ戻すね」
心ここに在らずの優子を放って置き、亜子と紗英は直哉がディナーに行く為『ホテル紅』へ向かう準備を始める。
買った荷物を一度家に置いてから、ホテルに向かおうとした時、優子の生気が戻り突然大声をあげたのだった。
「あー、もう、こうなったら直接文句言わないと気がすまないわ。『ホテル紅』には私も行くからねっ」
「あら、やっと元に戻ったのね。では、三人で行くとしましょうか」
「あの・・・・・・その前に一つ質問が・・・・・・。確か・・・・・・『ホテル紅』って・・・・・・物凄く高いってテレビで紹介されていたと思います」
一介の高校生に、そんな高級店に行けるだけの財力がある訳がない。優子と紗英が諦めかけた時であった、亜子は財布から光輝く一枚のカードを取り出したのだった。
まるでカード自体が光っている様に思え、優子と紗英は眩しさのあまり目を閉じてしまう程なのだ。
『ホテル!?何ホテルって!へぇ~、助けた上から、ディナーの後はホテルでお泊まりですか・・・・・・そうですか・・・・・・、もう・・・・・・知らないわよ、直哉のバカあああ』
優子の叫び声と共に電話をきられてしまい、直哉は何が起こったのか理解出来なかった。だが、優子が何故ホテルやらディナーの話をしてきたのかすぐに分かる事なったのだ。
「あら、神崎様、電話は終わりましたの?先程、お父様を説得致しまして、お詫びにディナーをご馳走する事にしましたの。この後のご予定とか・・・・・・ございましたか?」
潤んだ瞳で直哉を見つめ、断りづらい状況を作り出した沙織の思惑通り、直哉は断れずにディナーをご馳走になる事にしたのだ。
「特に予定は・・・・・・ないです」
「それは良かったですわ。神崎様とお食事なんて・・・・・・今から楽しみで待ち遠しいですわ」
心の底から喜んでいる様に見え、直哉もその場の雰囲気に流されるかの如く笑顔になっていた。ディナーまでまだ時間があるので、直哉の服を召し替える為クローゼットへと案内されたのだ。
そこは、直哉のアパートと同じぐらいの広さにビッシリ服が仕舞われており、その中から直哉に合いそうな服を沙織が選んでいた。
せっかくのディナーなので、正装で行こうと沙織は考えており、沙織の着るドレスと合わせようとしたのだった。
一方、直哉の電話を怒りで切ってしまった優子は、不貞腐れながら亜子と紗英に慰められていた。
直哉の言い分を聞かずに一方的に電話を切った事を後悔しながら、優子は亜子と紗英に相談をしたのだ。
「うぅ・・・・・・。はぁ・・・・・・」
「優子、切ってしまった事はしょうがないわよ。それで、これからどうするつもりなのかな?」
「電話越しの声・・・・・・可愛かったよぉ・・・・・・。直哉はきっと、性悪女に騙されてるんだよ・・・・・・。うぅ・・・・・・」
「もう、優子は放って置いて、紗英さん二人で行きましょうか。直哉君を返してもらわないとね」
「は、はい・・・・・・。直哉君・・・・・・大丈夫かな。私・・・・・・頑張って直哉君を連れ戻すね」
心ここに在らずの優子を放って置き、亜子と紗英は直哉がディナーに行く為『ホテル紅』へ向かう準備を始める。
買った荷物を一度家に置いてから、ホテルに向かおうとした時、優子の生気が戻り突然大声をあげたのだった。
「あー、もう、こうなったら直接文句言わないと気がすまないわ。『ホテル紅』には私も行くからねっ」
「あら、やっと元に戻ったのね。では、三人で行くとしましょうか」
「あの・・・・・・その前に一つ質問が・・・・・・。確か・・・・・・『ホテル紅』って・・・・・・物凄く高いってテレビで紹介されていたと思います」
一介の高校生に、そんな高級店に行けるだけの財力がある訳がない。優子と紗英が諦めかけた時であった、亜子は財布から光輝く一枚のカードを取り出したのだった。
まるでカード自体が光っている様に思え、優子と紗英は眩しさのあまり目を閉じてしまう程なのだ。
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