132 / 135
第二章 高校三年生編
第129話 青木颯太は進みたい
しおりを挟む
「いらっしゃいませー」
「おう、颯太くん。今日もお疲れ様」
「ありがとうございます」
今日は土曜日で休日だ。俺はバイトに励んでいた。
たまに仕事帰りに寄ってくれている常連のおっちゃんは、休日にも関わらず飲みに来たらしい。
おっちゃんを席に案内して注文を取ると、厨房に戻る。
「いつもので」
厨房を担当している店長の旦那さんに伝えると、寡黙な旦那さんは静かに頷いた。
「颯太、ビールだけ持っていったら休憩入ってー。今空いてるし、早いうちにお願い」
「了解です」
店長の香苗さんはそう言って休憩室の方に入っていった。
ビールをおっちゃんに持っていくと、俺も休憩室に入る。
香苗さんはまかないを食べながらのんびりとしていた。
「お疲れー」
「お疲れ様です」
俺も夜ご飯としてまかないを頼んであるが、休憩自体が急だったこともあって先ほど頼んだばかりだ。簡単なものを頼んだため、もうしばらくしたらできるだろう。
まかないを待つ間、俺は暇なため何をしようか考えていると香苗さんが声をかけてきた。
「颯太、勉強の方の調子はどうなの?」
「まあまあですね」
受験もあるためシフトに入る頻度は減っている。
それに加えて、あまり勉強ができないことを知っているため、心配してくれているのだろう。
「息抜きは大切だからなー。たまには遊べよー?」
「……それは友達にも言われました。メリハリはつけるように気をつけてます」
「そうかそうかー」
俺が苦笑いしていると、香苗さんは愉快そうに笑っている。
「まあ、どうするんだろって思ってたからなー。勉強するようになってご両親も安心してるだろ?」
「そうですね」
心配はされているだろうが、以前に比べると安心はしていると思っている。
勉強をしていなかった時は割と諦め気味なところはあったが、進学の意思があることを伝えて勉強をしていると、親からの見る目が変わった実感はあった。
ただ、結局のところ俺自身悩む部分はある。
それでも家族だからこそ、気恥ずかしいのだ。
俺はちょうどいいと考えて、思い切って香苗さんに尋ねた。
「香苗さんは、進路とかどうやって決めましたか?」
「私かー。私は学力に合う大学で興味がある分野にしたかな?」
どうも香苗さんもこれと決めて選んだわけでもないらしい。
今まで話を聞いた人の中で花音が唯一、就職先を考えた上で決めている。後藤や香苗さんも、元々就職を考えていたわけではないようだ。
「あ、でも今の仕事には活きてるかなー?」
「そうなんですか?」
「うん。経済学部だったからね。実際に店を経営する上では少し違うけど、ちょっとは活きてるとは思うよ」
「なるほど。……あれ? じゃあこの店継いだのって、希望通りの進路じゃなかったってことですか?」
「んー……、そもそも特に希望とかなかったけどね」
香苗さんは思い出すように頭を悩ませながら話をする。
「私が元々この店の常連だった話ってしたっけ?」
「いえ、聞いたことないですね」
「そうだったかぁ……。大学生の頃によくここにご飯を食べに来てたんだよね。それで……まあ、旦那との馴れ初めの話になるけど、私がこの店に通っているうちに付き合うようになって、この店で働くことを意識した感じ」
「なるほど」
香苗さんの実家はこのあたりだったということは聞いたことがあった。
うちの母親と香苗さんは友達で、母は数駅離れたところが実家……つまり俺の祖父母の家だ。
さらに数駅離れた高校に二人は通っており、そこで仲良くなったと聞いたことがある。
「両親公認の付き合いで私もバイトとして働き始めたんだよ。さっきも言ったけど、たまたま経済学部だったから経営のこととか少し話したりしてて、卒業してからは本格的に店を継ぐ方向になったんだよねー」
「他の仕事に就きたかったとか思ったりしますか?」
「うーん……、それもさっき言ったけどやりたい仕事があったわけじゃないからね。働き始めてからは全くなかったわけじゃないけど、後悔はしてないかな? 他の仕事のことを考えるのは、旦那と喧嘩したときくらいだし」
笑いながら香苗さんはそう言った。
流れもあった進路でも後悔していないならそれは良いことなのだろう。
「話が読めてきた。颯太は就職とか考えて進路に悩んでる感じか」
「そうですね。……今はやりたいこともないので、適当に決めて後悔したくなくて」
「考え方によるけど、後悔なんてしてなんぼだよ。取り返しのつく後悔なら私はしていいと思うんだよね」
「取り返しがつく……ですか?」
「そうそう。進路とかなら就職してからでも遅くないからさ。知り合いの旦那だったかな、その人の結婚前の話だけど一回仕事辞めて消防士になったって人もいたし。もちろん全部やり直せるわけじゃないけど、可能性はあるんだよ」
場合によるにしても、就職してからでも可能性はある。
それはわかっているが、やはり一度仕事を始めてから新しい挑戦というのは難しい部分もあるのだ。
結局俺は頭を悩ませたままだった。
「んー……、そもそも高校生の時点で決めてる人って少なくない?」
「それはそうですけど……」
「芸能人とかになりたい人は小さい頃から決めてるにしても、大体の人なんて大学に行って視野を広げてから考えてるじゃんか?」
視野を広げる。
……確かにそれは香苗さんの言う通りだ。
俺は視野が狭いと言うか、社会の仕組みはよくわかっていない。
俺が知っている仕事なんてほんの一握りで知らないことの方が圧倒的に多い。
「別視点で考えるなら、就職のために大学を選ぶんじゃなくて、視野を広げるために大学に通えば? 仮に今から就職ってなっても決まらないでしょ? それができるようなところを探すって言うか、ある意味では猶予期間だねー」
ただ大卒の資格のために大学に行くことには悩みがあった。
目標がないのなら、就職をすればいいのではないかと。
しかし、社会のことをもっと知るために大学に行くのはありなのかもしれない。
「てかまあ、これから先のことは私も悩んでるんだよ。先代から私たちに引き継ぐのはそんな感じだったけど、次の代はなぁ……。うちには子供いないわけだし」
「そう、ですね……」
重い話になり、俺は言葉を濁す。
子供がいないのはできないからと聞いていたため、どんな顔をすればいいのかわからないのだ。
しかし話を振ったのは香苗さん。軽い調子で笑っている。
「私も四十代中盤だし、今さらだよ。……それとも颯太が継ぐか?」
「えっ!?」
「冗談だよ、冗談。まだ先だけど、信頼できる従業員に任せるか店を畳むかって旦那とは話してるよ」
大人は大人で悩むこともあるのだろう。
香苗さんは笑っているが、簡単に決めたということでもない。今後の話をしている時の目は真剣そのものだった。
ちょうど話の区切りがつくと、旦那さんがノックして休憩室に入ってくる。できたまかないを持ってきてくれたのだ。
「よし、私はそろそろ戻るとするよ。颯太はもうちょい時間あるし、ゆっくり休みなー」
「……はい」
香苗さんは店の方に戻っていく。
俺は一口、二口と、この店の料理を噛み締めていた。
「おう、颯太くん。今日もお疲れ様」
「ありがとうございます」
今日は土曜日で休日だ。俺はバイトに励んでいた。
たまに仕事帰りに寄ってくれている常連のおっちゃんは、休日にも関わらず飲みに来たらしい。
おっちゃんを席に案内して注文を取ると、厨房に戻る。
「いつもので」
厨房を担当している店長の旦那さんに伝えると、寡黙な旦那さんは静かに頷いた。
「颯太、ビールだけ持っていったら休憩入ってー。今空いてるし、早いうちにお願い」
「了解です」
店長の香苗さんはそう言って休憩室の方に入っていった。
ビールをおっちゃんに持っていくと、俺も休憩室に入る。
香苗さんはまかないを食べながらのんびりとしていた。
「お疲れー」
「お疲れ様です」
俺も夜ご飯としてまかないを頼んであるが、休憩自体が急だったこともあって先ほど頼んだばかりだ。簡単なものを頼んだため、もうしばらくしたらできるだろう。
まかないを待つ間、俺は暇なため何をしようか考えていると香苗さんが声をかけてきた。
「颯太、勉強の方の調子はどうなの?」
「まあまあですね」
受験もあるためシフトに入る頻度は減っている。
それに加えて、あまり勉強ができないことを知っているため、心配してくれているのだろう。
「息抜きは大切だからなー。たまには遊べよー?」
「……それは友達にも言われました。メリハリはつけるように気をつけてます」
「そうかそうかー」
俺が苦笑いしていると、香苗さんは愉快そうに笑っている。
「まあ、どうするんだろって思ってたからなー。勉強するようになってご両親も安心してるだろ?」
「そうですね」
心配はされているだろうが、以前に比べると安心はしていると思っている。
勉強をしていなかった時は割と諦め気味なところはあったが、進学の意思があることを伝えて勉強をしていると、親からの見る目が変わった実感はあった。
ただ、結局のところ俺自身悩む部分はある。
それでも家族だからこそ、気恥ずかしいのだ。
俺はちょうどいいと考えて、思い切って香苗さんに尋ねた。
「香苗さんは、進路とかどうやって決めましたか?」
「私かー。私は学力に合う大学で興味がある分野にしたかな?」
どうも香苗さんもこれと決めて選んだわけでもないらしい。
今まで話を聞いた人の中で花音が唯一、就職先を考えた上で決めている。後藤や香苗さんも、元々就職を考えていたわけではないようだ。
「あ、でも今の仕事には活きてるかなー?」
「そうなんですか?」
「うん。経済学部だったからね。実際に店を経営する上では少し違うけど、ちょっとは活きてるとは思うよ」
「なるほど。……あれ? じゃあこの店継いだのって、希望通りの進路じゃなかったってことですか?」
「んー……、そもそも特に希望とかなかったけどね」
香苗さんは思い出すように頭を悩ませながら話をする。
「私が元々この店の常連だった話ってしたっけ?」
「いえ、聞いたことないですね」
「そうだったかぁ……。大学生の頃によくここにご飯を食べに来てたんだよね。それで……まあ、旦那との馴れ初めの話になるけど、私がこの店に通っているうちに付き合うようになって、この店で働くことを意識した感じ」
「なるほど」
香苗さんの実家はこのあたりだったということは聞いたことがあった。
うちの母親と香苗さんは友達で、母は数駅離れたところが実家……つまり俺の祖父母の家だ。
さらに数駅離れた高校に二人は通っており、そこで仲良くなったと聞いたことがある。
「両親公認の付き合いで私もバイトとして働き始めたんだよ。さっきも言ったけど、たまたま経済学部だったから経営のこととか少し話したりしてて、卒業してからは本格的に店を継ぐ方向になったんだよねー」
「他の仕事に就きたかったとか思ったりしますか?」
「うーん……、それもさっき言ったけどやりたい仕事があったわけじゃないからね。働き始めてからは全くなかったわけじゃないけど、後悔はしてないかな? 他の仕事のことを考えるのは、旦那と喧嘩したときくらいだし」
笑いながら香苗さんはそう言った。
流れもあった進路でも後悔していないならそれは良いことなのだろう。
「話が読めてきた。颯太は就職とか考えて進路に悩んでる感じか」
「そうですね。……今はやりたいこともないので、適当に決めて後悔したくなくて」
「考え方によるけど、後悔なんてしてなんぼだよ。取り返しのつく後悔なら私はしていいと思うんだよね」
「取り返しがつく……ですか?」
「そうそう。進路とかなら就職してからでも遅くないからさ。知り合いの旦那だったかな、その人の結婚前の話だけど一回仕事辞めて消防士になったって人もいたし。もちろん全部やり直せるわけじゃないけど、可能性はあるんだよ」
場合によるにしても、就職してからでも可能性はある。
それはわかっているが、やはり一度仕事を始めてから新しい挑戦というのは難しい部分もあるのだ。
結局俺は頭を悩ませたままだった。
「んー……、そもそも高校生の時点で決めてる人って少なくない?」
「それはそうですけど……」
「芸能人とかになりたい人は小さい頃から決めてるにしても、大体の人なんて大学に行って視野を広げてから考えてるじゃんか?」
視野を広げる。
……確かにそれは香苗さんの言う通りだ。
俺は視野が狭いと言うか、社会の仕組みはよくわかっていない。
俺が知っている仕事なんてほんの一握りで知らないことの方が圧倒的に多い。
「別視点で考えるなら、就職のために大学を選ぶんじゃなくて、視野を広げるために大学に通えば? 仮に今から就職ってなっても決まらないでしょ? それができるようなところを探すって言うか、ある意味では猶予期間だねー」
ただ大卒の資格のために大学に行くことには悩みがあった。
目標がないのなら、就職をすればいいのではないかと。
しかし、社会のことをもっと知るために大学に行くのはありなのかもしれない。
「てかまあ、これから先のことは私も悩んでるんだよ。先代から私たちに引き継ぐのはそんな感じだったけど、次の代はなぁ……。うちには子供いないわけだし」
「そう、ですね……」
重い話になり、俺は言葉を濁す。
子供がいないのはできないからと聞いていたため、どんな顔をすればいいのかわからないのだ。
しかし話を振ったのは香苗さん。軽い調子で笑っている。
「私も四十代中盤だし、今さらだよ。……それとも颯太が継ぐか?」
「えっ!?」
「冗談だよ、冗談。まだ先だけど、信頼できる従業員に任せるか店を畳むかって旦那とは話してるよ」
大人は大人で悩むこともあるのだろう。
香苗さんは笑っているが、簡単に決めたということでもない。今後の話をしている時の目は真剣そのものだった。
ちょうど話の区切りがつくと、旦那さんがノックして休憩室に入ってくる。できたまかないを持ってきてくれたのだ。
「よし、私はそろそろ戻るとするよ。颯太はもうちょい時間あるし、ゆっくり休みなー」
「……はい」
香苗さんは店の方に戻っていく。
俺は一口、二口と、この店の料理を噛み締めていた。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されなかった私が幸せになるまで 〜旦那様には大切な幼馴染がいる〜
高瀬船
恋愛
2年前に婚約し、婚姻式を終えた夜。
フィファナはドキドキと逸る鼓動を落ち着かせるため、夫婦の寝室で夫を待っていた。
湯上りで温まった体が夜の冷たい空気に冷えて来た頃やってきた夫、ヨードはベッドにぽつりと所在なさげに座り、待っていたフィファナを嫌悪感の籠った瞳で一瞥し呆れたように「まだ起きていたのか」と吐き捨てた。
夫婦になるつもりはないと冷たく告げて寝室を去っていくヨードの後ろ姿を見ながら、フィファナは悲しげに唇を噛み締めたのだった。
婚約破棄は誰が為の
瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。
宣言した王太子は気付いていなかった。
この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを……
10話程度の予定。1話約千文字です
10/9日HOTランキング5位
10/10HOTランキング1位になりました!
ありがとうございます!!
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
別れた婚約者が「俺のこと、まだ好きなんだろう?」と復縁せまってきて気持ち悪いんですが
リオール
恋愛
婚約破棄して別れたはずなのに、なぜか元婚約者に復縁迫られてるんですけど!?
※ご都合主義展開
※全7話
一般人になりたい成り行き聖女と一枚上手な腹黒王弟殿下の攻防につき
tanuTa
恋愛
よく通っている図書館にいたはずの相楽小春(20)は、気づくと見知らぬ場所に立っていた。
いわゆるよくある『異世界転移もの』とかいうやつだ。聖女やら勇者やらチート的な力を使って世界を救うみたいな。
ただ1つ、よくある召喚ものとは異例な点がそこにはあった。
何故か召喚された聖女は小春を含め3人もいたのだ。
成り行き上取り残された小春は、その場にはいなかった王弟殿下の元へ連れて行かれることになるのだが……。
聖女召喚にはどうも裏があるらしく、小春は巻き込まれる前にさっさと一般人になるべく画策するが、一筋縄では行かなかった。
そして。
「──俺はね、聖女は要らないんだ」
王弟殿下であるリュカは、誰もが魅了されそうな柔和で甘い笑顔を浮かべて、淡々と告げるのだった。
これはめんどくさがりな訳あり聖女(仮)と策士でハイスペック(腹黒気味)な王弟殿下の利害関係から始まる、とある異世界での話。
1章完結。2章不定期更新。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
運命の選択が見えるのですが、どちらを選べば幸せになれますか? ~私の人生はバッドエンド率99.99%らしいです~
日之影ソラ
恋愛
第六王女として生を受けたアイリスには運命の選択肢が見える。選んだ選択肢で未来が大きく変わり、最悪の場合は死へ繋がってしまうのだが……彼女は何度も選択を間違え、死んではやり直してを繰り返していた。
女神様曰く、彼女の先祖が大罪を犯したせいで末代まで呪われてしまっているらしい。その呪いによって彼女の未来は、99.99%がバッドエンドに設定されていた。
婚約破棄、暗殺、病気、仲たがい。
あらゆる不幸が彼女を襲う。
果たしてアイリスは幸福な未来にたどり着けるのか?
選択肢を見る力を駆使して運命を切り開け!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる