毛玉ねこ

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全猫肯定主義生命体

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ここで、全猫肯定主義生命体を略して「ゼネ」と呼ぶことにしよう。
ゼネは、毛玉ねことロン毛ねこに向かってこう言った。
「私たちの目的は、全ての猫を肯定し、素晴らしい猫ライフを送って頂くことです。ビネと呼ばれる差別主義のもの達に御二方が攻撃を受けているのを見て、助けに参りました。」

毛玉ねことロン毛ねこは顔を見合わせた。お互いがお互いの表情を見て、同じことを考えていることが分かった。

「信用できないし、本気だとしても必要ない。」

どちらもそう思っているのである。
毛玉ねこはロン毛ねこに着いてこいと目で合図すると、ゼネにおしりを向けてもふもふと歩き始めた。
ロン毛ねこもそれに続いた。
しかし、ゼネはまるで命を賭けた案件を掴み取りに来ているかのように、必死に追いかけて来た。
見かけによらず、とてつもなく足は速いようだ。

「御二方はとても愛らしく、素晴らしい猫です!私共に任せれば、猫からも人間からも大人気の素晴らしい猫ライフを送れますよ!」
ゼネは並走して訴えかけてくる。
自然の中で他の猫たちとのんびり過ごしていた元の暮らしに戻りたいだけの毛玉ねこは、尚更鬱陶しいと感じた。
だが一方ロン毛ねこは、先程と違い少しだけ興味がありそうだ。
しかし、今信用できるのは同じような境遇の毛玉ねこだけであるため、ロン毛ねこも毛玉ねこと一緒に頑なに拒否を続けた。

しかし、このゼネとやらはとてつもない体力の持ち主だった。
毛玉ねことロン毛ねこはとうとう振り払うことが出来ず、話を聞くことにした。
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