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29 ああ、夢にまで見たひと口…
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一度口にしたら虜になる。そんな禁断の果実のような飲み物が、確かに現実に存在する。
『炭酸飲料』と聞いて、何を連想するだろうか?
サイダー、スプライト、ファンタ、ラムネ辺りはけっこう出てくるか。しかし大多数がコーラと口にするのではなかろうか。ひょっとしたら圧勝かもしれない。
日本最古の炭酸飲料はペリーが来日いた際に持ち込んだ炭酸レモネードであり、それから数年後にラムネが持ち込まれ、その後国産サイダーが生まれた、というのが国内の炭酸事情の事始めと記録されている。
一方のコーラは一部輸入されたり戦後に国産コーラが作られたりと、かなり細々とした展開であった。それが講和条約締結以降に、コカ・コーラやペプシ・コーラの製造許諾認可が下りたことにより、ようやく一般的に国産コーラとしてのスタートラインに立ったと言える。
日本でコーラと言えば、当然のごとくコカ・コーラが筆頭に挙げられるだろう。1880年代にアメリカで誕生したコカ・コーラは、戦前からその名前だけは日本でも知られていて一部輸入もされていたが、正式に国内での製造が始まったのは戦後10年以上経ってからだった。それからは日本におけるコーラの第一人者としての地位を築き上げるに至った。
コカ・コーラの後塵を拝しているとは言えもう一方の雄といえば、やはりここはペプシ・コーラか。コカ・コーラから遅れること約10年の年を経て誕生、日本へも沖縄での展開を経て全国展開を果たしている。アメリカ本土ではコカ・コーラを押さえて堂々のコーラ企業トップであるものの、日本では今ひとつというイメージがどうしてもつきまとうか。どうしたペプシマン…と、ボトルキャップに燃えた男としてはさみしい限りではある。
実はコーラ大国アメリカにおいては、第三のコーラがある。その名もローヤルクラウンコーラと、全くの初耳学。日本にも一時上陸していたものの、今は一部を除いて細々と展開されるに至る。初めて聞いたし飲んではみたいが、国内では手に入りづらいらしく、偶然に頼むしかないか…こういう時異能生存体並みの確率で入手できたりしないだろうか?ペールゼン・ファイルに載ってないか?そこまで命がけになるのもなぁ…
個人的にはコーラではないらしいが、ドクターペッパーも押したい。このドクペ、前述のコーラ3種同様に医薬品の成分を用いて開発されたものの、原材料にコーラの実を使用していないから正式に『コーラ』を名乗れない。今は3大コーラでもコーラの実を実際に使用せず、代用のフレーバーで作られているということなので、ここらで席を一つ設けて欲しいものなのだが。広い心で対応していただきたい。
こうして見てみると、やはりコカ・コーラが圧倒的に強い。王者の風格すら漂う正統派の感じが強い。プロレスで言うところの『立って良し寝て良し』という安定感が、ついつい「抱いて!」とおなごに口走らせてしまうような魔性の狂気を孕んでいるように感じる。
対してペプシ・コーラは『反逆のアウトロー』か。正統派ストロングスタイルを踏襲しつつ、コカ・コーラとがっぷり四つの姿勢で真っ向勝負を仕掛けようという気概を感じる。まさに闘魂・アントニオ猪木ばりの覇気ではあるが、一歩間違うとチョークスリーパーを多用しすぎて「やっぱりあれか」感が強くなってしまうこともあるので要注意。
そして『第三の男』としてドクターペッパーを押す。自分がドクペ好きということも否定はできないが、あの強烈なまでの個性は捨てがたい。ぜひコストコに行ってドクペ・ライトを探し、ノーマルとは違うドクペの姿を見てもらいたいものだ。
あとあくまでもイメージだが『大衆受けするコカ・コーラ』『日々爪を研ぎ続けるペプシ・コーラ』『飲んでるやつを見つけると同士感が強いドクペ』と、直感的に感じるものがある。なんとなく失礼極まりない表現をしてしまったものの、ドクペだけはやっぱり路地裏でレジスタンスやパルチザンが息を潜めて飲んでいる感じが強い。正規軍に対する反乱軍のイメージか。ペプシにも似たような感じがあったのだが、近年は住み分けがはっきりしているのか、コカ・コーラに対して狂犬的に噛みつきに行ったりもしない。ペプシマーン…
そういえば昔はジョルトコーラというのもあった。ビートたけし氏が商品CMに出ていたが、かつての『北野ファンクラブ』内でのコメントで『カフェインが倍で体に悪い』と爆弾をぶち込んでいた。ジョルトコーラもアメリカに撤退したコーラの一つであり、もはやお会いすることが困難なやつ。さらばアドリア海の恍惚と豊穣の日々…
今回の表題は往年のジャンプ漫画である井上泰樹氏作『セコンド』より。減量に失敗したボクサーがギリで通過した後にこっそりコーラを飲む寸前に呟いた一言より。自分にとって『コーラ』という存在を強く意識させられたからなのだが、誰もわかんないよなぁ『セコンド』って…
『炭酸飲料』と聞いて、何を連想するだろうか?
サイダー、スプライト、ファンタ、ラムネ辺りはけっこう出てくるか。しかし大多数がコーラと口にするのではなかろうか。ひょっとしたら圧勝かもしれない。
日本最古の炭酸飲料はペリーが来日いた際に持ち込んだ炭酸レモネードであり、それから数年後にラムネが持ち込まれ、その後国産サイダーが生まれた、というのが国内の炭酸事情の事始めと記録されている。
一方のコーラは一部輸入されたり戦後に国産コーラが作られたりと、かなり細々とした展開であった。それが講和条約締結以降に、コカ・コーラやペプシ・コーラの製造許諾認可が下りたことにより、ようやく一般的に国産コーラとしてのスタートラインに立ったと言える。
日本でコーラと言えば、当然のごとくコカ・コーラが筆頭に挙げられるだろう。1880年代にアメリカで誕生したコカ・コーラは、戦前からその名前だけは日本でも知られていて一部輸入もされていたが、正式に国内での製造が始まったのは戦後10年以上経ってからだった。それからは日本におけるコーラの第一人者としての地位を築き上げるに至った。
コカ・コーラの後塵を拝しているとは言えもう一方の雄といえば、やはりここはペプシ・コーラか。コカ・コーラから遅れること約10年の年を経て誕生、日本へも沖縄での展開を経て全国展開を果たしている。アメリカ本土ではコカ・コーラを押さえて堂々のコーラ企業トップであるものの、日本では今ひとつというイメージがどうしてもつきまとうか。どうしたペプシマン…と、ボトルキャップに燃えた男としてはさみしい限りではある。
実はコーラ大国アメリカにおいては、第三のコーラがある。その名もローヤルクラウンコーラと、全くの初耳学。日本にも一時上陸していたものの、今は一部を除いて細々と展開されるに至る。初めて聞いたし飲んではみたいが、国内では手に入りづらいらしく、偶然に頼むしかないか…こういう時異能生存体並みの確率で入手できたりしないだろうか?ペールゼン・ファイルに載ってないか?そこまで命がけになるのもなぁ…
個人的にはコーラではないらしいが、ドクターペッパーも押したい。このドクペ、前述のコーラ3種同様に医薬品の成分を用いて開発されたものの、原材料にコーラの実を使用していないから正式に『コーラ』を名乗れない。今は3大コーラでもコーラの実を実際に使用せず、代用のフレーバーで作られているということなので、ここらで席を一つ設けて欲しいものなのだが。広い心で対応していただきたい。
こうして見てみると、やはりコカ・コーラが圧倒的に強い。王者の風格すら漂う正統派の感じが強い。プロレスで言うところの『立って良し寝て良し』という安定感が、ついつい「抱いて!」とおなごに口走らせてしまうような魔性の狂気を孕んでいるように感じる。
対してペプシ・コーラは『反逆のアウトロー』か。正統派ストロングスタイルを踏襲しつつ、コカ・コーラとがっぷり四つの姿勢で真っ向勝負を仕掛けようという気概を感じる。まさに闘魂・アントニオ猪木ばりの覇気ではあるが、一歩間違うとチョークスリーパーを多用しすぎて「やっぱりあれか」感が強くなってしまうこともあるので要注意。
そして『第三の男』としてドクターペッパーを押す。自分がドクペ好きということも否定はできないが、あの強烈なまでの個性は捨てがたい。ぜひコストコに行ってドクペ・ライトを探し、ノーマルとは違うドクペの姿を見てもらいたいものだ。
あとあくまでもイメージだが『大衆受けするコカ・コーラ』『日々爪を研ぎ続けるペプシ・コーラ』『飲んでるやつを見つけると同士感が強いドクペ』と、直感的に感じるものがある。なんとなく失礼極まりない表現をしてしまったものの、ドクペだけはやっぱり路地裏でレジスタンスやパルチザンが息を潜めて飲んでいる感じが強い。正規軍に対する反乱軍のイメージか。ペプシにも似たような感じがあったのだが、近年は住み分けがはっきりしているのか、コカ・コーラに対して狂犬的に噛みつきに行ったりもしない。ペプシマーン…
そういえば昔はジョルトコーラというのもあった。ビートたけし氏が商品CMに出ていたが、かつての『北野ファンクラブ』内でのコメントで『カフェインが倍で体に悪い』と爆弾をぶち込んでいた。ジョルトコーラもアメリカに撤退したコーラの一つであり、もはやお会いすることが困難なやつ。さらばアドリア海の恍惚と豊穣の日々…
今回の表題は往年のジャンプ漫画である井上泰樹氏作『セコンド』より。減量に失敗したボクサーがギリで通過した後にこっそりコーラを飲む寸前に呟いた一言より。自分にとって『コーラ』という存在を強く意識させられたからなのだが、誰もわかんないよなぁ『セコンド』って…
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