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第2章 ハダクトと怪しい動きⅡ
第7話 3人の王子はパフォーマー?
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「俺たちはハダクトの王の後継者候補の王子、マーン、P.プル、リジオンだ」
「俺たちはこの戦いを利用し、後継者を決めることにした」
「すまないが、お前達はそのための犠牲となってもらう」
3人の王子が、漫画やアニメでよくある、まるで「この時のためにセリフ考えて話す順番決めてました」とでも言わんばかりの息の合いようで、クリス達を挑発してきた。
「俺たちを倒したやつが王になるってわけねぇ~……」
シダは少し楽しそうにそう言うと、3人の王子の息の合ったセリフを聞き「真似したい!」とでも思ったのか、手をクリスの方へ向け、次どうぞというふうに合図を出した。
クリスは呆れた顔でシダを一度見て、もう一度正面の王子の方を見直した。
「安心しろ。この国はこの戦いの後は我々モノボルゥー王国のものとなる。故に王など必要ない。全員ここで始末してやろう」
クリスは王子達の挑発に冷静に答えた。一気に周りが静まり、王子3人と、クリス、シダ、アソートが武器を構えた。
「下がってろ!! こいつらなかなかやりそうだ。オメェらじゃ死ぬだけだ」
アソートが武器を構えている部下にそう言うと、部下兵士達は素直に武器をしまい、3人の幹部の邪魔にならないところへ移動した。
(右のやつは銃がメインかな。俺じゃ弾を避けれたとしても周りに被害が出るな……。真ん中のやつは刀か。俺でも相手ができそうだ。左のやつは硬そうな武装に薙刀か……厄介だな)
「アソート! お前は右のやつを頼む。弾全部受け止めて貫け!! クリスは左のごっついやつ頼むわ。ありゃ俺には無理だ。真ん中のやつは任せな。なんとかしてみせる」
「「了解!!」」
シダは敵の防具や武器を見て、クリスとアソートに戦う相手を指示をし、自分も戦う相手に集中した。
クリスとアソートは返事をすると、まずはアソートが突っ込んだ。ランス使いのアソートは、大きな盾を体の前に構えて、銃弾などもろともせず一気に敵の間合いまで入り込み、ランスで一撃!!
と思ったが、王子((右)プル)も接近された時のために腕に手甲をつけており、腕をクロスするようにして攻撃を防ぎ、アソートの一撃を弾いた。
「ちっ。やるじゃねぇか」
「危ない危ない。危うく一撃食らうところでした」
アソートが攻撃に失敗し舌打ちをすると、プルは言葉ではそう言っているが、予想通りというふうな余裕な顔をしていた。
「さーて。俺たちもそろそろ行こうか! なぁクリス、あんま早く倒しすぎるn……あっ」
シダが喋り始めた頃にすでに動き出していたクリスは、話終わる頃にはもう王子((右)リジオン)の溝うちに、エグい一撃をすでに入れ終えていた。あれは流石にいったろう。
「あーすまん。もー終わった」
「あーそすか。お疲れ様です」
クリスに棒読みで謝られたシダは、呆れた目で見ながら答えた。そして、倒れる王子の後ろを1つの影が通るのを見たシダはニヤリと意味深な笑みを浮かべた。
この会話を聞いていれば、全く緊張感を持っていないように感じるかもしれないが、2人からはハダクトの3王子とは比べ物にならないくらいのエクロムが滲み出ていた。
【エクロム】想い・意志の表れ。直接目で見えるわけではない、例えるならオーラだ。
この世界ではこのエクロムの強さが勝敗を左右する。もちろん、相手との間に圧倒的な力量差がある場合は、エクロムがどれだけ強くても勝敗をひっくり返すほどにはならない。
しかしある程度の差であれば、エクロムの強い者が勝つ。ゲームで言うところの、隠れステータスのようなものだ。
ある程度ってどれくらいだよ! と思った方のために、実例を1つ紹介しよう。
これは、過去に起きた事件で最もエクロムが影響した戦い。
2年前、10歳の少女が、少女の住む地域の統治者(男)を殺したという事件が世界中で話題となった。殺された男は、元兵士で3年前に一兵士から地域をまとめる統治者へと昇格。兵士時代は編成を組む際、小隊の指揮を任されるくらいの実力者だったという。
対する少女は、貧乏な家に生まれた一般人。周囲の人間からは、もともと少し変わった子だったとは言われてはいるが、その少女は男との戦いまで、戦闘経験など一度も無かったという。
一部始終を目撃した人の話によると、お金(税金)の事で言い合いになり、少女が男に殴りかかって行った。が、初めは男が少女をいじめ倒していただけだった。しかし、男がその少女の家族や友達? の事を侮辱した途端、少女の目の色が変わり、台所から持ち出したであろうナイフを使い、目にも留まらぬ速さで男を八つ裂きし、殺した。
3年経ったとはいえ、小隊を一つ任されていた兵士が一瞬でだ。その時少女が放ったエクロムは、数十メートル離れた場所にいた住民の体を震えされるほど強烈だったそうだ。
ちなみに、その少女はその後家にはいられなくなり、今も世界のどこかをさまよっているという。
エクロムとは、そんなチートともいうべきエネルギーをもたらしうる可能性を持っているのだ。
リジオンを倒したクリスは、敵を背にシダの方へ歩き出した。
もう少しでシダのところを戻るというタイミングで、クリスの後ろに今まさに襲いかかろうとしているごつい鎧男がシダの視界に入った。
「危ねぇ!」
シダがそう叫ぶのと同時に、クリスも後ろの殺気に気付き紙一重でリジオンの薙刀を交わした。
「いい一撃だ。だが俺はそんなにやわじゃなゴフッ!!」
のんきに喋り出したリジオンに容赦なく鉄拳を入れたのはもちろんクリス。リジオンはあっけなく倒れた。
「ぬがー!! 最後まで言わせろー! まぁいい。今から……おっと……今からお前をぶっ潰してやる。覚悟しろ!」
今度はすぐに立ち上がったリジオン。また喋り出す。しかし今度は学習したようで、途中で距離をとってから最後まで言い切った。
戦争とは思えない、緊張感のない戦いに違和感を覚えた人も多いだろう。
プルやリジオンがなぜこのような戦い方をするのかというと、国民に自分が強いという事、余裕だ! というところを見せつけるためだった。
しかし、リジオンが決めゼリフを言い切った頃には、すでに国民は別の場所に避難していた。
アソートが突撃を始め、王子3人が国民から一旦意識を外した頃。
6大隊+1小隊編成の小隊が、国民を戦いに巻き込まれない、そこそこ安全な鉱山のトンネルへと攻め込みながら誘導を開始した。
シダからの指示では、「歯向かうものは斬っていい。が、なるべく多くの人を避難させられるように工夫せよ」とのことだった。
兵士達は2人ほど切り殺してはいたが順調にトンネルへと誘導していた。
そして、くだらない会話で王子達の注意を引いていたシダがついに攻撃を開始する。
「俺たちはこの戦いを利用し、後継者を決めることにした」
「すまないが、お前達はそのための犠牲となってもらう」
3人の王子が、漫画やアニメでよくある、まるで「この時のためにセリフ考えて話す順番決めてました」とでも言わんばかりの息の合いようで、クリス達を挑発してきた。
「俺たちを倒したやつが王になるってわけねぇ~……」
シダは少し楽しそうにそう言うと、3人の王子の息の合ったセリフを聞き「真似したい!」とでも思ったのか、手をクリスの方へ向け、次どうぞというふうに合図を出した。
クリスは呆れた顔でシダを一度見て、もう一度正面の王子の方を見直した。
「安心しろ。この国はこの戦いの後は我々モノボルゥー王国のものとなる。故に王など必要ない。全員ここで始末してやろう」
クリスは王子達の挑発に冷静に答えた。一気に周りが静まり、王子3人と、クリス、シダ、アソートが武器を構えた。
「下がってろ!! こいつらなかなかやりそうだ。オメェらじゃ死ぬだけだ」
アソートが武器を構えている部下にそう言うと、部下兵士達は素直に武器をしまい、3人の幹部の邪魔にならないところへ移動した。
(右のやつは銃がメインかな。俺じゃ弾を避けれたとしても周りに被害が出るな……。真ん中のやつは刀か。俺でも相手ができそうだ。左のやつは硬そうな武装に薙刀か……厄介だな)
「アソート! お前は右のやつを頼む。弾全部受け止めて貫け!! クリスは左のごっついやつ頼むわ。ありゃ俺には無理だ。真ん中のやつは任せな。なんとかしてみせる」
「「了解!!」」
シダは敵の防具や武器を見て、クリスとアソートに戦う相手を指示をし、自分も戦う相手に集中した。
クリスとアソートは返事をすると、まずはアソートが突っ込んだ。ランス使いのアソートは、大きな盾を体の前に構えて、銃弾などもろともせず一気に敵の間合いまで入り込み、ランスで一撃!!
と思ったが、王子((右)プル)も接近された時のために腕に手甲をつけており、腕をクロスするようにして攻撃を防ぎ、アソートの一撃を弾いた。
「ちっ。やるじゃねぇか」
「危ない危ない。危うく一撃食らうところでした」
アソートが攻撃に失敗し舌打ちをすると、プルは言葉ではそう言っているが、予想通りというふうな余裕な顔をしていた。
「さーて。俺たちもそろそろ行こうか! なぁクリス、あんま早く倒しすぎるn……あっ」
シダが喋り始めた頃にすでに動き出していたクリスは、話終わる頃にはもう王子((右)リジオン)の溝うちに、エグい一撃をすでに入れ終えていた。あれは流石にいったろう。
「あーすまん。もー終わった」
「あーそすか。お疲れ様です」
クリスに棒読みで謝られたシダは、呆れた目で見ながら答えた。そして、倒れる王子の後ろを1つの影が通るのを見たシダはニヤリと意味深な笑みを浮かべた。
この会話を聞いていれば、全く緊張感を持っていないように感じるかもしれないが、2人からはハダクトの3王子とは比べ物にならないくらいのエクロムが滲み出ていた。
【エクロム】想い・意志の表れ。直接目で見えるわけではない、例えるならオーラだ。
この世界ではこのエクロムの強さが勝敗を左右する。もちろん、相手との間に圧倒的な力量差がある場合は、エクロムがどれだけ強くても勝敗をひっくり返すほどにはならない。
しかしある程度の差であれば、エクロムの強い者が勝つ。ゲームで言うところの、隠れステータスのようなものだ。
ある程度ってどれくらいだよ! と思った方のために、実例を1つ紹介しよう。
これは、過去に起きた事件で最もエクロムが影響した戦い。
2年前、10歳の少女が、少女の住む地域の統治者(男)を殺したという事件が世界中で話題となった。殺された男は、元兵士で3年前に一兵士から地域をまとめる統治者へと昇格。兵士時代は編成を組む際、小隊の指揮を任されるくらいの実力者だったという。
対する少女は、貧乏な家に生まれた一般人。周囲の人間からは、もともと少し変わった子だったとは言われてはいるが、その少女は男との戦いまで、戦闘経験など一度も無かったという。
一部始終を目撃した人の話によると、お金(税金)の事で言い合いになり、少女が男に殴りかかって行った。が、初めは男が少女をいじめ倒していただけだった。しかし、男がその少女の家族や友達? の事を侮辱した途端、少女の目の色が変わり、台所から持ち出したであろうナイフを使い、目にも留まらぬ速さで男を八つ裂きし、殺した。
3年経ったとはいえ、小隊を一つ任されていた兵士が一瞬でだ。その時少女が放ったエクロムは、数十メートル離れた場所にいた住民の体を震えされるほど強烈だったそうだ。
ちなみに、その少女はその後家にはいられなくなり、今も世界のどこかをさまよっているという。
エクロムとは、そんなチートともいうべきエネルギーをもたらしうる可能性を持っているのだ。
リジオンを倒したクリスは、敵を背にシダの方へ歩き出した。
もう少しでシダのところを戻るというタイミングで、クリスの後ろに今まさに襲いかかろうとしているごつい鎧男がシダの視界に入った。
「危ねぇ!」
シダがそう叫ぶのと同時に、クリスも後ろの殺気に気付き紙一重でリジオンの薙刀を交わした。
「いい一撃だ。だが俺はそんなにやわじゃなゴフッ!!」
のんきに喋り出したリジオンに容赦なく鉄拳を入れたのはもちろんクリス。リジオンはあっけなく倒れた。
「ぬがー!! 最後まで言わせろー! まぁいい。今から……おっと……今からお前をぶっ潰してやる。覚悟しろ!」
今度はすぐに立ち上がったリジオン。また喋り出す。しかし今度は学習したようで、途中で距離をとってから最後まで言い切った。
戦争とは思えない、緊張感のない戦いに違和感を覚えた人も多いだろう。
プルやリジオンがなぜこのような戦い方をするのかというと、国民に自分が強いという事、余裕だ! というところを見せつけるためだった。
しかし、リジオンが決めゼリフを言い切った頃には、すでに国民は別の場所に避難していた。
アソートが突撃を始め、王子3人が国民から一旦意識を外した頃。
6大隊+1小隊編成の小隊が、国民を戦いに巻き込まれない、そこそこ安全な鉱山のトンネルへと攻め込みながら誘導を開始した。
シダからの指示では、「歯向かうものは斬っていい。が、なるべく多くの人を避難させられるように工夫せよ」とのことだった。
兵士達は2人ほど切り殺してはいたが順調にトンネルへと誘導していた。
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