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第2章 ハダクトと怪しい動きⅡ
第6話 "平和の国"ハダクトへの攻撃
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「以上が、今回の戦いの報告になります」
「うむ。よくやってくれた」
クリスは、今回の戦いをざっくりと説明した。
クリスがボスに報告に行くときは必ずシダもついて行く。ボスからしてみれば、シダは来なくてもいいはずなのに必ず隊長と共に報告に来るところがよく見えるのかもしれない。(そーいうところですよ。オンラッシュくん。笑)
「次の標的を決めた。ハダクトだ。今回は第2部隊全兵で攻めてもらう。旅の疲れもあるだろうが、なるべく早めに攻撃を始めたい。出発日時や作戦はシダ。お前に任せる。今回も頼んだぞ」
「「はっ! 承知しました」」
平和の国【ハダクト】10年ごろ前に起きた、世界の革命の雰囲気に流されず、平和を貫いた国の一つ。この国では戦争はもちろん、紛争すらも1度も起きたことがなかった。しかし、先月国王が何者かに暗殺され、今は3人の王子が後継者争いをしている状況だ。
ボスは平和の国が武力をつける前に落とすと言い出したのだ。
クリスとシダは力強く返事をし、王室を後にした。
報告を終え、部屋に戻るクリスとシダを少し疑いの目で見つめる者がいた。第1部隊の参謀オーゴゥだ。
「あの2人……なんか怪しいんだよなぁ」
スーーーーーー……
オーゴゥが2人を見ていると、渡り廊下をこちら見ながらゆっくりと横切る少女の姿があった。
オーゴゥが一瞬目を離し、もう一度見たときには、もうすでに少女の姿はなかった。
「なんだ? 何かこっちに話しているようにも見えたが……」
オーゴゥは独り言を呟くと、そのまま自室へと戻った。
その頃クリスとシダはまだ自室に向かい、廊下を歩いている途中だったのだが、少し後に部屋につき、シダが話し出した。
「大分前回から間が開いたが、次の作戦についてあいつら2人にも伝えておこうと思う。武器も2つ手に入ったしな! まぁ今回は仕事なしの待機だけど」
「そうだな。そろそろ本格的に仲間を探し出さないとな」
シダの発言に、クリスは同意しながら答えた。
その後2人は、鎮圧作戦の成功祝いを静かに自室で行い、その途中で睡魔に逆らうことなく眠った。
2日後。シダが、ハダクト攻略の作戦会議を始めるために兵士を集めている頃……
「急いで荷物を積み込むのです! 出来ることならば他の国に取られる前に我々でハダクトを奪っておきたい」
兵士に指示をしているその者の名は『ベルガー』。
ハダクトの海を挟んで西側にある大陸(国)【セイモー】の女国王である。
ベルガーもオリバムと同じ考えか、早めにハダクトを攻め落とすつもりらしい。
そんなベルガーの前に大釜を持った少女が現れた。
「……ないで」
「ん? 何者です貴様!」
小さな声で何かを言ったようだったが、兵士ではないその少女を敵だと判断したベルガーは、少女を威嚇した。
次の瞬間、少女は目にも留まらぬ速さで、ベルガーの足首に大釜の峰で一撃食らわせると、そのまま姿を眩ませてしまった。
「ちっ、あれは何者だったんです……あの武器……まさか……」
一撃食らい、さらに逃がしてしまったベルガーは、謎の少女を思い出しながらそう呟いた。
他国が世界統一への準備をする中、シダ達もまた、次の対戦の準備をしていた。
「以上で作戦会議を終了する。出発は3日後の午前6時。ハダクトへの移動は7日間かけて行う。しっかりと準備をしておいてくれ。では解散!」
シダの合図で作戦会議は終了した。
いよいよモノボルゥー王国2度目の世界戦が始まろうとしていた……。
鳥の鳴く声、静かに流れる川の音、畑を耕すクワの音、道を行く馬車の音、貴族たちが読む詩、そして王子たちが後継者争いをしている戦いの音……全てがこの【ハダクト】の音。
今日もハダクトではいつも通り平凡な1日が始まっていた。
この国では、8割が厳しい生活の中働く農民達だ。残りは貴族達。つまり、残りの2割が実質的にこの国を動かしている。
バイオリンの音色が響いている。ここは貴族の家。3階の東側に位置するその部屋で、薄い水色の髪に二つ縛りの少女が美しい音色を奏でている。この家の長女『ローズ』は音楽の天才だった。いつものように練習をしていると、ノックの音がしたので一時中断して応答した。
「お嬢様。紅茶でございます。主人からは頑張りすぎないように伝えてくれとのことでしたので」
「ありがとう。大丈夫よ! バイオリンはたのしいから!」
執事から紅茶をもらい、嬉しそうに話すローズ。
すると、執事の後ろをこの家のものではない少女が通るのが見えた。
(あの子……どこの子かしら?)
ローズが不思議に思ったその瞬間。
「敵襲! 敵襲!!」
大きな声が国中で響きだした。ローズが慌てて外を見ると、後継者争いをしていた王子3人が敵の方へ向かうのが見えた。少し遅れて、我に帰ったように貴族達が王城へと逃げ込む。そんな中、ローズは部屋に残り、王子達3人と敵の動きを見ていた。
(変だわ。何か違和感を覚える……何か、どこかに誘導されているような……)
ローズが敵の攻め方に違和感を感じつつ、この敵襲を守り抜いた王子が次期国王になるだろうと考えたローズは、1人、部屋から王子達を見ていた。
「お嬢様! 早く逃げなければ」
「……この戦いに勝った王子が、今後の国を引っ張っていくの思うの。私はそれを見届けたい。それに、王子達が敗れた時点でこの国はおしまいよ。他に敵の大将と戦えるのもがいないもの。だから私は逃げない。逃げずにこの戦いを見届ける」
「……わかりました。では、私もここでお嬢様と共に王子達の戦いを見届けることにいたします」
ローズの意見に納得したのか、執事もここに残り、王子の戦いを見届けるようだ。
その頃、6大隊+ 1分隊に分かれて、攻め込んだモノボルゥー王国第2部隊は順調に作戦を実行していた。
「怖いくらい順調だな!」
「やっぱ俺たちの部隊の参謀長は天才だぜ!」
「ここまで参謀長の言う通り、A,B隊の北側からの攻めで、ほとんどの人が南の大きな道を使いながら王城に避難し始めた。おかげで他の道がすいて攻めやすくなったぜ!」
兵士たちが進軍しながら話をしている。
12日前、シダから伝えられた6+1部隊編成で、民間人への被害を最小限に抑えながらの面攻めで、スムーズなハダクト攻略が行われていた。
モノボルゥー出発から7日たった日、日が開けると同時に攻め込んだ第2部隊は、54時間という短い時間で、ハダクトの都市【ヴァヴ】を含む6つの州の7割を占領し終えていた。
シダの予想通り民間人は王城へと逃げ込もうとした。しかし貴族達は農民が非難するまで待つはずもなく、自分たちだけでさっさと非難を済ませ、門を閉めてしまったのだった。
この後王城の門の前を立ち尽くすであろう民間人を、王城の南西に位置する高台の鉱山の大穴へと誘導するのが、+1分隊の役割である。
「でも、なんで避難させる必要があるんだ? 邪魔な奴は全員殺すんじゃダメなんかな?」
「〈被害を最小限に抑えた戦争〉が総長のポリシーらしいぜ」
「……優しいんだな」
「それくらい余裕があるってことでもあるけどな」
兵士たちは敵(ハダクト兵)をあらかた片付けると、こんな余裕な会話をしていたが、また敵が来たので気合を入れ直し、戦い始めた。倒れて行く敵からは、オレンジ色の煙が上がっていた。
そうこうして2時間後、全ての大隊が王城前に到達していた。そこには民間の避難誘導を終え、モノボルゥー軍を待ち構える3人の王子の姿があった。
「うむ。よくやってくれた」
クリスは、今回の戦いをざっくりと説明した。
クリスがボスに報告に行くときは必ずシダもついて行く。ボスからしてみれば、シダは来なくてもいいはずなのに必ず隊長と共に報告に来るところがよく見えるのかもしれない。(そーいうところですよ。オンラッシュくん。笑)
「次の標的を決めた。ハダクトだ。今回は第2部隊全兵で攻めてもらう。旅の疲れもあるだろうが、なるべく早めに攻撃を始めたい。出発日時や作戦はシダ。お前に任せる。今回も頼んだぞ」
「「はっ! 承知しました」」
平和の国【ハダクト】10年ごろ前に起きた、世界の革命の雰囲気に流されず、平和を貫いた国の一つ。この国では戦争はもちろん、紛争すらも1度も起きたことがなかった。しかし、先月国王が何者かに暗殺され、今は3人の王子が後継者争いをしている状況だ。
ボスは平和の国が武力をつける前に落とすと言い出したのだ。
クリスとシダは力強く返事をし、王室を後にした。
報告を終え、部屋に戻るクリスとシダを少し疑いの目で見つめる者がいた。第1部隊の参謀オーゴゥだ。
「あの2人……なんか怪しいんだよなぁ」
スーーーーーー……
オーゴゥが2人を見ていると、渡り廊下をこちら見ながらゆっくりと横切る少女の姿があった。
オーゴゥが一瞬目を離し、もう一度見たときには、もうすでに少女の姿はなかった。
「なんだ? 何かこっちに話しているようにも見えたが……」
オーゴゥは独り言を呟くと、そのまま自室へと戻った。
その頃クリスとシダはまだ自室に向かい、廊下を歩いている途中だったのだが、少し後に部屋につき、シダが話し出した。
「大分前回から間が開いたが、次の作戦についてあいつら2人にも伝えておこうと思う。武器も2つ手に入ったしな! まぁ今回は仕事なしの待機だけど」
「そうだな。そろそろ本格的に仲間を探し出さないとな」
シダの発言に、クリスは同意しながら答えた。
その後2人は、鎮圧作戦の成功祝いを静かに自室で行い、その途中で睡魔に逆らうことなく眠った。
2日後。シダが、ハダクト攻略の作戦会議を始めるために兵士を集めている頃……
「急いで荷物を積み込むのです! 出来ることならば他の国に取られる前に我々でハダクトを奪っておきたい」
兵士に指示をしているその者の名は『ベルガー』。
ハダクトの海を挟んで西側にある大陸(国)【セイモー】の女国王である。
ベルガーもオリバムと同じ考えか、早めにハダクトを攻め落とすつもりらしい。
そんなベルガーの前に大釜を持った少女が現れた。
「……ないで」
「ん? 何者です貴様!」
小さな声で何かを言ったようだったが、兵士ではないその少女を敵だと判断したベルガーは、少女を威嚇した。
次の瞬間、少女は目にも留まらぬ速さで、ベルガーの足首に大釜の峰で一撃食らわせると、そのまま姿を眩ませてしまった。
「ちっ、あれは何者だったんです……あの武器……まさか……」
一撃食らい、さらに逃がしてしまったベルガーは、謎の少女を思い出しながらそう呟いた。
他国が世界統一への準備をする中、シダ達もまた、次の対戦の準備をしていた。
「以上で作戦会議を終了する。出発は3日後の午前6時。ハダクトへの移動は7日間かけて行う。しっかりと準備をしておいてくれ。では解散!」
シダの合図で作戦会議は終了した。
いよいよモノボルゥー王国2度目の世界戦が始まろうとしていた……。
鳥の鳴く声、静かに流れる川の音、畑を耕すクワの音、道を行く馬車の音、貴族たちが読む詩、そして王子たちが後継者争いをしている戦いの音……全てがこの【ハダクト】の音。
今日もハダクトではいつも通り平凡な1日が始まっていた。
この国では、8割が厳しい生活の中働く農民達だ。残りは貴族達。つまり、残りの2割が実質的にこの国を動かしている。
バイオリンの音色が響いている。ここは貴族の家。3階の東側に位置するその部屋で、薄い水色の髪に二つ縛りの少女が美しい音色を奏でている。この家の長女『ローズ』は音楽の天才だった。いつものように練習をしていると、ノックの音がしたので一時中断して応答した。
「お嬢様。紅茶でございます。主人からは頑張りすぎないように伝えてくれとのことでしたので」
「ありがとう。大丈夫よ! バイオリンはたのしいから!」
執事から紅茶をもらい、嬉しそうに話すローズ。
すると、執事の後ろをこの家のものではない少女が通るのが見えた。
(あの子……どこの子かしら?)
ローズが不思議に思ったその瞬間。
「敵襲! 敵襲!!」
大きな声が国中で響きだした。ローズが慌てて外を見ると、後継者争いをしていた王子3人が敵の方へ向かうのが見えた。少し遅れて、我に帰ったように貴族達が王城へと逃げ込む。そんな中、ローズは部屋に残り、王子達3人と敵の動きを見ていた。
(変だわ。何か違和感を覚える……何か、どこかに誘導されているような……)
ローズが敵の攻め方に違和感を感じつつ、この敵襲を守り抜いた王子が次期国王になるだろうと考えたローズは、1人、部屋から王子達を見ていた。
「お嬢様! 早く逃げなければ」
「……この戦いに勝った王子が、今後の国を引っ張っていくの思うの。私はそれを見届けたい。それに、王子達が敗れた時点でこの国はおしまいよ。他に敵の大将と戦えるのもがいないもの。だから私は逃げない。逃げずにこの戦いを見届ける」
「……わかりました。では、私もここでお嬢様と共に王子達の戦いを見届けることにいたします」
ローズの意見に納得したのか、執事もここに残り、王子の戦いを見届けるようだ。
その頃、6大隊+ 1分隊に分かれて、攻め込んだモノボルゥー王国第2部隊は順調に作戦を実行していた。
「怖いくらい順調だな!」
「やっぱ俺たちの部隊の参謀長は天才だぜ!」
「ここまで参謀長の言う通り、A,B隊の北側からの攻めで、ほとんどの人が南の大きな道を使いながら王城に避難し始めた。おかげで他の道がすいて攻めやすくなったぜ!」
兵士たちが進軍しながら話をしている。
12日前、シダから伝えられた6+1部隊編成で、民間人への被害を最小限に抑えながらの面攻めで、スムーズなハダクト攻略が行われていた。
モノボルゥー出発から7日たった日、日が開けると同時に攻め込んだ第2部隊は、54時間という短い時間で、ハダクトの都市【ヴァヴ】を含む6つの州の7割を占領し終えていた。
シダの予想通り民間人は王城へと逃げ込もうとした。しかし貴族達は農民が非難するまで待つはずもなく、自分たちだけでさっさと非難を済ませ、門を閉めてしまったのだった。
この後王城の門の前を立ち尽くすであろう民間人を、王城の南西に位置する高台の鉱山の大穴へと誘導するのが、+1分隊の役割である。
「でも、なんで避難させる必要があるんだ? 邪魔な奴は全員殺すんじゃダメなんかな?」
「〈被害を最小限に抑えた戦争〉が総長のポリシーらしいぜ」
「……優しいんだな」
「それくらい余裕があるってことでもあるけどな」
兵士たちは敵(ハダクト兵)をあらかた片付けると、こんな余裕な会話をしていたが、また敵が来たので気合を入れ直し、戦い始めた。倒れて行く敵からは、オレンジ色の煙が上がっていた。
そうこうして2時間後、全ての大隊が王城前に到達していた。そこには民間の避難誘導を終え、モノボルゥー軍を待ち構える3人の王子の姿があった。
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