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第081話 虎の尾
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「どうするの?」
馬車の上。
若干心配気なリサさんからの言葉に、どう答えるか思案する次第でして。
いやぁ、もうね。
領主サイドには場所も防衛環境も説明しておりまして。
別に直接ご訪問頂いても、ぶぶ漬けを投げつけるような間柄ではなく。
なんだったら、懐石でもてなしたいくらいのマブダチ感なのですよ。
まぁ、あれです。
上得意様ですので。
でも、村の人としてはそういう関係を一から十まで知っているわけでなく。
唐突に兵がやっほー、こんにちはしたら、困るのでしょうか……。
という訳で、こういう場合は、ストレートに聞いた方が良いのかな……。
「村に用心のため、領主軍を引き込むのって、あまり望ましくないですか?」
と、同乗のリサさん十六歳にお伺いを立ててみたのですが。
「え、どうして? 心強いよ?」
とのお答え。
え。
独立村として、領主の干渉ってあんまり望ましいものじゃないんですって答えを想定していたのですが。
どうもこの辺り、私の認識が誤っているようで。
村にとって領主様というのはご近所の有力者というイメージでして。
あんまり日頃は関係ないけど、有事の際には貯金をはたいてお手伝いを依頼しに行く間柄という感じなんです。
そりゃ、豪族さんの管理している兵力があると言っても、そんな万能なものではなく。
わらわらと魔物さんが湧いてきたとか、自然災害が極まったりしちゃう事もあるでしょうし。
そういうどうしようもない時の最後の手段。
最期の抑止力的なイメージが領主だったようなのです。
ふむふむ。
そういう事なら、領主軍と協同して明確な敵と堕ちた豪族さんとバトるのは理に適っているなと。
そんな感じで考えをまとめ、村への道をてちてちごろごろした次第です。
「これより戦時体制へと移行したく思います」
村長さんを脇に、集まった村の人々に声掛けをしてみます。
リサさんの言葉を咀嚼して、村長さんにご相談してみたところ。
こいつは村の一大事なので、領主様とは是非協力して当たらねばというご意見でした。
こういう時に、助力を得る事によって関係性を強化するという思惑もあるそうで。
そりゃ、いつも頼らない人が突然お願いしにきても気持ち悪いなと、改めて納得しました。
という訳で、その辺りの詳しい内容を理解している私withリサさんで村の方々に伝えて欲しいと言われましたので、業務連絡をお伝えしたのですが……。
なんだか、決起集会みたいになっちゃいまして。
村の方々、老若男女関係なく、皆さまバーサークしてしまいまして。
まぁねぇ。
父祖の大地を捨てる羽目になった元凶が性懲りもなく攻めてくると聞けば、切れるなぁと。
後、領主軍に関してはこちらも特にはアレルギーもないようで。
一緒にぶったいてやると気勢が上がっております。
さてさて。
虎の尾を踏んじゃった豪族の人ですけど……。
生き残れるのかしら?
馬車の上。
若干心配気なリサさんからの言葉に、どう答えるか思案する次第でして。
いやぁ、もうね。
領主サイドには場所も防衛環境も説明しておりまして。
別に直接ご訪問頂いても、ぶぶ漬けを投げつけるような間柄ではなく。
なんだったら、懐石でもてなしたいくらいのマブダチ感なのですよ。
まぁ、あれです。
上得意様ですので。
でも、村の人としてはそういう関係を一から十まで知っているわけでなく。
唐突に兵がやっほー、こんにちはしたら、困るのでしょうか……。
という訳で、こういう場合は、ストレートに聞いた方が良いのかな……。
「村に用心のため、領主軍を引き込むのって、あまり望ましくないですか?」
と、同乗のリサさん十六歳にお伺いを立ててみたのですが。
「え、どうして? 心強いよ?」
とのお答え。
え。
独立村として、領主の干渉ってあんまり望ましいものじゃないんですって答えを想定していたのですが。
どうもこの辺り、私の認識が誤っているようで。
村にとって領主様というのはご近所の有力者というイメージでして。
あんまり日頃は関係ないけど、有事の際には貯金をはたいてお手伝いを依頼しに行く間柄という感じなんです。
そりゃ、豪族さんの管理している兵力があると言っても、そんな万能なものではなく。
わらわらと魔物さんが湧いてきたとか、自然災害が極まったりしちゃう事もあるでしょうし。
そういうどうしようもない時の最後の手段。
最期の抑止力的なイメージが領主だったようなのです。
ふむふむ。
そういう事なら、領主軍と協同して明確な敵と堕ちた豪族さんとバトるのは理に適っているなと。
そんな感じで考えをまとめ、村への道をてちてちごろごろした次第です。
「これより戦時体制へと移行したく思います」
村長さんを脇に、集まった村の人々に声掛けをしてみます。
リサさんの言葉を咀嚼して、村長さんにご相談してみたところ。
こいつは村の一大事なので、領主様とは是非協力して当たらねばというご意見でした。
こういう時に、助力を得る事によって関係性を強化するという思惑もあるそうで。
そりゃ、いつも頼らない人が突然お願いしにきても気持ち悪いなと、改めて納得しました。
という訳で、その辺りの詳しい内容を理解している私withリサさんで村の方々に伝えて欲しいと言われましたので、業務連絡をお伝えしたのですが……。
なんだか、決起集会みたいになっちゃいまして。
村の方々、老若男女関係なく、皆さまバーサークしてしまいまして。
まぁねぇ。
父祖の大地を捨てる羽目になった元凶が性懲りもなく攻めてくると聞けば、切れるなぁと。
後、領主軍に関してはこちらも特にはアレルギーもないようで。
一緒にぶったいてやると気勢が上がっております。
さてさて。
虎の尾を踏んじゃった豪族の人ですけど……。
生き残れるのかしら?
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