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第073話 しんきんぐ・くっきんぐ・しっきん
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開発と言いますのも。
ハンドクリームさんが下賜品になっているようなので、その内陳腐化しちゃうなと。
ここいらで太い顧客を長く骨抜きにするものは無いかなと考えた次第なのです。
でも、中々精霊さんの力を借りずに恒常的に生産出来るものというのは少なくて。
蒸留酒とかはかなり熱いんですが、ハッサム君にあまり負担をかけたくないのでもう少し先かなと。
いや、ランビキを精霊さんに作ってもらって細々と生産するのも良いのですが。
現状の果実酒ですら希少価値ですし。
どちらかといえば、麦の生産をこのまま伸ばしてエールからアルコールを抽出するくらいを狙わないと男性陣に吊るされそうです。
ただでさえ、目の前に酒があるのに飲めないという状況なのに。
あぁ、それに関しては。
秋の果実で作ったお酒。
早いものはそろそろぷくぷくとし出しておりまして。
某解禁が話題のワイン的に飲めちゃうものもあるのです。
ただ、どうせ飲んだって生産性が上がる訳じゃないし、仕事を頑張れと女性陣が。
こう、びしばしとお尻を叩く訳で。
次は春祭りかねという感じの話になっている次第です。
ここで、私が果実酒を素材に酒を造るとか言い始めたら、暴動間違いなしですよ。
量は確実に減っちゃいますからね。
ぶるぶるです。
という訳で、もっと簡単で持続性があるものを……。
なんて、秋の収穫物。
ナッツ類とドライフルーツをぽりぽり、くにゅくにゅ食べながら考えていたのですが。
やっぱり考え事をすると糖分は必須だななんて思っていたのですが。
あぁ、この無尽蔵ともいえる、森の恵みを加工すればいいんでね?
なんて思いついた次第で。
粉は収穫分があります。
乳に類いするものも大豆っぽいのがあるので、豆乳で代用可能です。
油も新鮮な植物油がわんさか。
問題は砂糖が無いのですが……。
ここは素朴な干し果実の甘さで食べてもらいますか。
そんな感じで、ててーっと走り回って素材を確保。
お菓子作りは計量が大事なので、按分だけは合わせて加工、加工。
果実に関しては糖度が高いものをチョイス。
ナッツもマカダミアナッツみたいな油分の多いものを選択してみます。
混ぜて、砕き、搾り、混ぜ、砕き、混ぜ……。
頑張って、調理、調理です。
最後に薄く生地を伸ばして整形したら、竈にインです。
いやぁ、ちょっと前にどうしてもピザが食べたくなりまして。
精霊さんと一緒に、ピザ窯を作ってみたのですが。
これが良い感じでして。
精霊炉の仕様をそのまま持ってきてますから、名付けて精霊ピザ竈ですね。
こちらを予熱し、生地をイーン。
わくわくしながら待つ事、数分。
チーンという感じで、蓋を開けるとローストされたナッツとドライフルーツの香ばしくも甘く馨しい香り。
ここまで甘い香りって、この世界に来てから初めてだななんて、振り返った瞬間。
そこには、鈴生りの精霊さん達。
みんなお口から、よだれだらだらなんですが。
えと、匂いを嗅いだら辛抱堪らん?
まぁ、下手したら世界初ですからね。
ちょっと冷まして馴染ませている間に、村でお仕事していたリサさんをお呼びします。
ご相伴とリサさん特性のお茶をお願いしようかなと。
ふんわりと香気高い湯気が上がる、アフタヌーンのお茶。
テーブルには、焼きあがったクッキーが山を成しています。
それぞれ手に持ちまして、実食です。
はむっと噛んだ瞬間、乳化させた豆乳とナッツ油にざっくり入れた粉が功を奏したのか。
さくりと軽快な触感と共に歯が入ります。
濃いナッツの香りが口に広がり、咀嚼を始めるとくちっとしたドライフルーツの感触。
熱を加えた所為か、干した時とはまた違った濃い甘みが舌先に強く感じられます。
そしてころっとしたナッツ類のかりっとした食感。
甘みを強調させるために入れた塩が良いアクセントとなり、素朴ながらも味わい深い、野趣あふれる逸品になっています。
ふと、我に返って前を見ると……。
リサさんに至っては、頬を抑えたまま蹲っています。
何事かと思ったのですが……。
訳はなく。
強い甘味で両頬が痛くなったと。
そうか、砂糖が無い世界というのは、この甘味で強烈なのかと。
素朴とか、そういうレベルじゃないんだね。
そんな事を考えながら、欠片を分け分けした精霊さん達を覗き込むと……。
『あひゃひゃひゃひゃひゃ……』
『しこーのいっぴん』
『きゅーきょくのかんみ』
そんな親子喧嘩しそうな感想はちょっと嫌ですが。
壊れたように転がったまま、笑い続けるものも居て、ちょっと怖いです。
結論といたしましては、明日への活力に他ならないので偶に作ってくんろって感じでした。
個人的には、そこまでかと思うのですが。
リサさんと居並ぶ精霊さん達のキラキラアイズには勝てないので、頑張ります。
ちなみに、残ったものを村人さん達にもお裾分けしたのですが……。
うら若き女性達の手前、言うのはあれなのですが……。
失禁物だったそうで。
日頃果物慣れしているリサさんを基準としましたが、間違っていました。
でも、本当にこれで甘味と言えるのだろうか……。
そこはかとなく心配です。
ハンドクリームさんが下賜品になっているようなので、その内陳腐化しちゃうなと。
ここいらで太い顧客を長く骨抜きにするものは無いかなと考えた次第なのです。
でも、中々精霊さんの力を借りずに恒常的に生産出来るものというのは少なくて。
蒸留酒とかはかなり熱いんですが、ハッサム君にあまり負担をかけたくないのでもう少し先かなと。
いや、ランビキを精霊さんに作ってもらって細々と生産するのも良いのですが。
現状の果実酒ですら希少価値ですし。
どちらかといえば、麦の生産をこのまま伸ばしてエールからアルコールを抽出するくらいを狙わないと男性陣に吊るされそうです。
ただでさえ、目の前に酒があるのに飲めないという状況なのに。
あぁ、それに関しては。
秋の果実で作ったお酒。
早いものはそろそろぷくぷくとし出しておりまして。
某解禁が話題のワイン的に飲めちゃうものもあるのです。
ただ、どうせ飲んだって生産性が上がる訳じゃないし、仕事を頑張れと女性陣が。
こう、びしばしとお尻を叩く訳で。
次は春祭りかねという感じの話になっている次第です。
ここで、私が果実酒を素材に酒を造るとか言い始めたら、暴動間違いなしですよ。
量は確実に減っちゃいますからね。
ぶるぶるです。
という訳で、もっと簡単で持続性があるものを……。
なんて、秋の収穫物。
ナッツ類とドライフルーツをぽりぽり、くにゅくにゅ食べながら考えていたのですが。
やっぱり考え事をすると糖分は必須だななんて思っていたのですが。
あぁ、この無尽蔵ともいえる、森の恵みを加工すればいいんでね?
なんて思いついた次第で。
粉は収穫分があります。
乳に類いするものも大豆っぽいのがあるので、豆乳で代用可能です。
油も新鮮な植物油がわんさか。
問題は砂糖が無いのですが……。
ここは素朴な干し果実の甘さで食べてもらいますか。
そんな感じで、ててーっと走り回って素材を確保。
お菓子作りは計量が大事なので、按分だけは合わせて加工、加工。
果実に関しては糖度が高いものをチョイス。
ナッツもマカダミアナッツみたいな油分の多いものを選択してみます。
混ぜて、砕き、搾り、混ぜ、砕き、混ぜ……。
頑張って、調理、調理です。
最後に薄く生地を伸ばして整形したら、竈にインです。
いやぁ、ちょっと前にどうしてもピザが食べたくなりまして。
精霊さんと一緒に、ピザ窯を作ってみたのですが。
これが良い感じでして。
精霊炉の仕様をそのまま持ってきてますから、名付けて精霊ピザ竈ですね。
こちらを予熱し、生地をイーン。
わくわくしながら待つ事、数分。
チーンという感じで、蓋を開けるとローストされたナッツとドライフルーツの香ばしくも甘く馨しい香り。
ここまで甘い香りって、この世界に来てから初めてだななんて、振り返った瞬間。
そこには、鈴生りの精霊さん達。
みんなお口から、よだれだらだらなんですが。
えと、匂いを嗅いだら辛抱堪らん?
まぁ、下手したら世界初ですからね。
ちょっと冷まして馴染ませている間に、村でお仕事していたリサさんをお呼びします。
ご相伴とリサさん特性のお茶をお願いしようかなと。
ふんわりと香気高い湯気が上がる、アフタヌーンのお茶。
テーブルには、焼きあがったクッキーが山を成しています。
それぞれ手に持ちまして、実食です。
はむっと噛んだ瞬間、乳化させた豆乳とナッツ油にざっくり入れた粉が功を奏したのか。
さくりと軽快な触感と共に歯が入ります。
濃いナッツの香りが口に広がり、咀嚼を始めるとくちっとしたドライフルーツの感触。
熱を加えた所為か、干した時とはまた違った濃い甘みが舌先に強く感じられます。
そしてころっとしたナッツ類のかりっとした食感。
甘みを強調させるために入れた塩が良いアクセントとなり、素朴ながらも味わい深い、野趣あふれる逸品になっています。
ふと、我に返って前を見ると……。
リサさんに至っては、頬を抑えたまま蹲っています。
何事かと思ったのですが……。
訳はなく。
強い甘味で両頬が痛くなったと。
そうか、砂糖が無い世界というのは、この甘味で強烈なのかと。
素朴とか、そういうレベルじゃないんだね。
そんな事を考えながら、欠片を分け分けした精霊さん達を覗き込むと……。
『あひゃひゃひゃひゃひゃ……』
『しこーのいっぴん』
『きゅーきょくのかんみ』
そんな親子喧嘩しそうな感想はちょっと嫌ですが。
壊れたように転がったまま、笑い続けるものも居て、ちょっと怖いです。
結論といたしましては、明日への活力に他ならないので偶に作ってくんろって感じでした。
個人的には、そこまでかと思うのですが。
リサさんと居並ぶ精霊さん達のキラキラアイズには勝てないので、頑張ります。
ちなみに、残ったものを村人さん達にもお裾分けしたのですが……。
うら若き女性達の手前、言うのはあれなのですが……。
失禁物だったそうで。
日頃果物慣れしているリサさんを基準としましたが、間違っていました。
でも、本当にこれで甘味と言えるのだろうか……。
そこはかとなく心配です。
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