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第038話 お風呂大改造
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ほけー。
放心状態の俺達。
さっさと『一坪の世界』に戻って、なんとかハーブティーを淹れた段階で力尽きまして。
椅子に座ってぼけーっとしております。
「世界が……違う……」
「なんやねん……あれ……なんやねん」
ブツブツと呟いている二人はさておき。
草鞋をすすめたのはぶっちゃけ自分で草鞋を作るのが面倒くさかったからなのですが、テヘペロ。
そう考えると短期的な利益を出す方策を打ち出さないと、ちょっと申し訳ないなと。
「エステ……とか流行りますかね?」
聞いた事が無い単語に、怪訝な表情を浮かべる二人。
温浴にマッサージ。
それにプラスして、スライムさんに汚れを食べてもらい、ポーションで癒される至福の空間と時間。
夢いっぱいに伝えたところ、ほわほわーっと夢心地の表情に。
「あれですね!! 膝枕状態のあれを体験出来るお店ですか!! そんなの通います!!」
アイシャさん陥落。
「綺麗になる言うのにお金をかけるっちゅうんは贅沢やなぁって思うんよ? 思うんやけど……。あかん、財布の紐がゆるゆるや……」
エルディアさんも抵抗してたが、敢え無く陥落。
「ポーションの類いと温浴設備はうちで用意して、お湯の部分と施術者を任せちゃえば出来そうな気がするんですが……」
聞いてみると、あら思ったよりも簡単そうというのが感想。
スライムに関して忌避感が無いかと聞いたけど、それも問題ないそうで。
犬猫と同じ感覚なので、イメージとしてはドクターフィッシュに食われて薬を塗ったら、つるつる素肌でびっくりって感じなのでしょうか。
実際は顧客をどうするのかという部分とか問題は結構あるけど、その辺りは口コミで十分かなと。
黒鹿屋さんの顧客を考えれば、マダムへの特別サービスとかって初めに餌付けしちゃえば太い顧客になりそうな気がするのです。
「黒いですね……」
「ほんっまに、そういうとこ頭回るん凄いわ……」
ちょっと呆れられながらも、同意を得られたので。
バススライムさんやエステスライムに聞いてみたら、やる気満々で。
神への奉仕とか、マジ尊いって感じのお返事頂きました。
やばい、健気。
恩に報いるためバススライムさん達にスライムバスの称号を与えたいけど、怒られそうなのでやめておく。
どこからとは言わない。
取り敢えず、念のために増えておく旨まで頂いたので、これは頑張らないとダメかなと。
色々と二人と計画に向けて、実装の相談。
「再生薬の良いやつなら楽ですね!! 量産もし放題です!!」
もうやけくそって感じの笑顔でアイシャさんが茎を薄く切ったのを量産しては、ばんばんと小瓶を満たしている。
いや、小瓶も買わないと駄目だし……。
現金が無いのは相変わらずなのよ!? と思いながら、生暖かく見守る事に。
「水回りを考えたら石で作った方が良いと思うので。せっかくならデザイン性を打ち出していくのとかどうかなと。色合いとか清潔感がある方が良いかなって」
珪砂っぽい白い土をイメージしながらブロックを出していき、エルディアさんに『灼熱』で熱を加えてもらうと……。
「え、どんだけの温度にすんねん……。こんなん鉱物でもドロドロやで?」
もっと、もっと、エルディアさんのいいとこ見ってみたいと煽って、結構な温度に。
真っ白く輝いたブロックを冷やしていくと、表面がガラス状になってつるつると。
うっすらとした透明感に柔らかな白色の芯がお洒落なタイル調になった。
「これ、もうちょっと薄くして、貼っていった方が良いですかね……」
一回火が付くと職人魂が燃えるのか、俺とエルディアさんは延々と試作を重ね。
厚さ二センチほどで十五センチ四方のタイルが単体でよし、並べてよしの逸品になったので量産開始。
「規格が揃っとるから、結果がぶれへんの、ほんま凄いわ……」
ちょっと呆れつつも尊敬の眼差しで、エルディアさんが告げてくる。
几帳面日本人なので、そこは基本だ。
という訳で、山と積んだタイルの一部を使って早速うちの湯舟を加工してみる。
「うわ……。綺麗です。それにすべすべで気持ちいいですね」
「あのざらっとしたので滑らへんかったんもあるんやけど、このつるつる感は抗えんな……」
女性陣が、タイル地の湯舟に大感動。
時間も時間なので、お湯を注いで入って試してもらったのだけど。
「最高です。もう、戻れません!!」
アイシャさんは肌触りの違いに頬ずりするほどで。
「滑る思たけど、目地の部分に引っかかってそれなりに踏ん張れるし……。問題無いよ? え? 戻すとかそんなん殺生やで!!」
エルディアさんもツンデレムーヴをかましていたけど、戻すと聞くと化けの皮が剥がれてた。
実際に使ってみても、昔の銭湯のタイル風呂を彷彿とさせて中々に良き。
見た目も綺麗だし、その内色々な色でモザイク画とか作れたら良いなと考えながら、本日は就寝と相成った。
放心状態の俺達。
さっさと『一坪の世界』に戻って、なんとかハーブティーを淹れた段階で力尽きまして。
椅子に座ってぼけーっとしております。
「世界が……違う……」
「なんやねん……あれ……なんやねん」
ブツブツと呟いている二人はさておき。
草鞋をすすめたのはぶっちゃけ自分で草鞋を作るのが面倒くさかったからなのですが、テヘペロ。
そう考えると短期的な利益を出す方策を打ち出さないと、ちょっと申し訳ないなと。
「エステ……とか流行りますかね?」
聞いた事が無い単語に、怪訝な表情を浮かべる二人。
温浴にマッサージ。
それにプラスして、スライムさんに汚れを食べてもらい、ポーションで癒される至福の空間と時間。
夢いっぱいに伝えたところ、ほわほわーっと夢心地の表情に。
「あれですね!! 膝枕状態のあれを体験出来るお店ですか!! そんなの通います!!」
アイシャさん陥落。
「綺麗になる言うのにお金をかけるっちゅうんは贅沢やなぁって思うんよ? 思うんやけど……。あかん、財布の紐がゆるゆるや……」
エルディアさんも抵抗してたが、敢え無く陥落。
「ポーションの類いと温浴設備はうちで用意して、お湯の部分と施術者を任せちゃえば出来そうな気がするんですが……」
聞いてみると、あら思ったよりも簡単そうというのが感想。
スライムに関して忌避感が無いかと聞いたけど、それも問題ないそうで。
犬猫と同じ感覚なので、イメージとしてはドクターフィッシュに食われて薬を塗ったら、つるつる素肌でびっくりって感じなのでしょうか。
実際は顧客をどうするのかという部分とか問題は結構あるけど、その辺りは口コミで十分かなと。
黒鹿屋さんの顧客を考えれば、マダムへの特別サービスとかって初めに餌付けしちゃえば太い顧客になりそうな気がするのです。
「黒いですね……」
「ほんっまに、そういうとこ頭回るん凄いわ……」
ちょっと呆れられながらも、同意を得られたので。
バススライムさんやエステスライムに聞いてみたら、やる気満々で。
神への奉仕とか、マジ尊いって感じのお返事頂きました。
やばい、健気。
恩に報いるためバススライムさん達にスライムバスの称号を与えたいけど、怒られそうなのでやめておく。
どこからとは言わない。
取り敢えず、念のために増えておく旨まで頂いたので、これは頑張らないとダメかなと。
色々と二人と計画に向けて、実装の相談。
「再生薬の良いやつなら楽ですね!! 量産もし放題です!!」
もうやけくそって感じの笑顔でアイシャさんが茎を薄く切ったのを量産しては、ばんばんと小瓶を満たしている。
いや、小瓶も買わないと駄目だし……。
現金が無いのは相変わらずなのよ!? と思いながら、生暖かく見守る事に。
「水回りを考えたら石で作った方が良いと思うので。せっかくならデザイン性を打ち出していくのとかどうかなと。色合いとか清潔感がある方が良いかなって」
珪砂っぽい白い土をイメージしながらブロックを出していき、エルディアさんに『灼熱』で熱を加えてもらうと……。
「え、どんだけの温度にすんねん……。こんなん鉱物でもドロドロやで?」
もっと、もっと、エルディアさんのいいとこ見ってみたいと煽って、結構な温度に。
真っ白く輝いたブロックを冷やしていくと、表面がガラス状になってつるつると。
うっすらとした透明感に柔らかな白色の芯がお洒落なタイル調になった。
「これ、もうちょっと薄くして、貼っていった方が良いですかね……」
一回火が付くと職人魂が燃えるのか、俺とエルディアさんは延々と試作を重ね。
厚さ二センチほどで十五センチ四方のタイルが単体でよし、並べてよしの逸品になったので量産開始。
「規格が揃っとるから、結果がぶれへんの、ほんま凄いわ……」
ちょっと呆れつつも尊敬の眼差しで、エルディアさんが告げてくる。
几帳面日本人なので、そこは基本だ。
という訳で、山と積んだタイルの一部を使って早速うちの湯舟を加工してみる。
「うわ……。綺麗です。それにすべすべで気持ちいいですね」
「あのざらっとしたので滑らへんかったんもあるんやけど、このつるつる感は抗えんな……」
女性陣が、タイル地の湯舟に大感動。
時間も時間なので、お湯を注いで入って試してもらったのだけど。
「最高です。もう、戻れません!!」
アイシャさんは肌触りの違いに頬ずりするほどで。
「滑る思たけど、目地の部分に引っかかってそれなりに踏ん張れるし……。問題無いよ? え? 戻すとかそんなん殺生やで!!」
エルディアさんもツンデレムーヴをかましていたけど、戻すと聞くと化けの皮が剥がれてた。
実際に使ってみても、昔の銭湯のタイル風呂を彷彿とさせて中々に良き。
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