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第034話 領都到着
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朝食にステーキを出したら素敵と言われたので、今日はステーキ記念日。
そんな事はさておき、昨日の事件を考えたら変な遭遇は嫌というのが共通認識でして。
「さっさと領都まで行きましょう!!」
「あんなん、適わんわ」
との事なので、周囲をくまなく確認し、短距離ワープ開始。
しゅしゅしゅぴーんっと移動を繰り返し、三十分弱ほどで領都近くまで到達。
そろそろ人目を気にしないといけなくなりそうなので、馬車で大回りしつつ街道に出ました。
「ほんま、反則やわ……」
エルディアさんの言うのに合わせてアイシャさんも頷いていますが、享受している二人に文句を言われる筋合いはないということで、エステ抜きの罰を与えようかと思ったのですが。
「そんな殺生な!!」
という訳で、今回も立ち消えとなりました。
ぐぬぬ。
荷車をぽくぽく走らせていると、実り豊かな畑が見えてきます。
おぉぉと眺めていると、遥か彼方にけぶりながら城壁がそびえているのが微かに伺えます。
という訳で、ここでおさらい。
領都、領都と言っていますが。
こちら、レーアルディア辺境伯の領地になります。
現在の国王の弟に当たる人で、現在の王位継承権第一位のお人です。
ちなみに、国の名前はバルトゥーンなので、レーアルディア・ほにゃらら・バルトゥーンだそうです。
国王の名前は分かりやすくバルトゥーンを継承するそうです。
ここから長くややこしいのですが、短く簡潔に。
バルトゥーン国の貴族制度ですが、基本的にフラットです。
名義は公侯伯子男とありますが、在地貴族という扱いにおいては対等になる形。
尊称が違うのは国に兵員を納める人数、税をどれだけ納めるか。
金と力がバロメーターです。
で、国法上はフラットなのですが各貴族にも上下関係がありまして、これが寄親寄子制度というもので。
会社の役職とは違って、ヤクザの親子関係みたいなものです。
看板を貸して面倒を見る代わりに、上りを徴収する。
国としても、税収と兵員を維持出来れば問題無いので、黙認しているそうです。
ちなみに、現在はバルトゥーン国バルトゥーン朝で分かりやすいのですが、他の家が継承する事もあります。
親戚さんとかの場合ですね。
その場合は、バルトゥーンを継承し、バルトゥーン国ほにゃらら朝になります。
今の継承権だと、そのままバルトゥーン朝が続くと考えられています。
閑話休題。
流石に領都に近づくと、道もきちんとしてまして。
固められた道を走るのはかなり楽です。
辺境の村と村をつなぐ道なんて、藪を切り開いただけの獣道とかざらでしたから。
しゅぴぴーんっと飛んでいたので、本当の苦労は知りませんけど。
そんな事を考えていると、徐々に馬車や人が合流して詰まって来たなと感じた辺りで城壁がはっきりと見えてきました。
高さは十メートルほどでしょうか。
結構な大きさの石を積み上げて作られており、かなりの迫力。
これを見るだけでも、領都まで来た価値があるなと。
朝の早い時間に到着したにも関わらず、入町の列は長く、結局昼下がり辺りまで待って門前までつきました。
ここでもエジライさんの薬師パワーは偉大で、俺とアイシャさんは何の問題も無く通過。
エルディアさんは野鍛冶なので、ちょっと審問に時間がかかりましたが身元を我々が担保するという形でクリア。
信用というのは大事だなと心のメモ帳に改めて刻みつつ、結構な厚さがある城壁を抜けて、領都に入りました。
で、都会に来て最初にする事。
まずは宿泊場所の確保。
外なら馬さんも食事に困らないのですが、流石に町中だと難しいので、きちんとした宿泊施設に預けます。
しかし、流石領都。
エルディアさんに聞いて覚悟していたのですが、宿泊費がべらぼうで。
村で売ったポーションの売り上げでも、三人部屋で数日分にしかならず。
でも、これ以上下げたら団体大部屋しか無いそうで。
諦めて支払いを済ませて、部屋に入った次第です。
いや、流石に垢抜けてしまった女子二人を連れていると場末の宿泊設備という訳にもいかず。
最初にエルディアさんに聞いたお父さん馴染みの宿に向かったら、木賃宿の団体大部屋だったので。
お父さんっ!! って心の中でツッコミ入れてしまった。
娘を大事にしてと思いながら、狭い三人部屋から『一坪の世界』へ移動。
「お金がありません」
緊急会議を開く事にしました。
金策源はあるのですが、大っぴらに出来ない手段が多く。
「ポーションですかね?」
「鍛冶は無理やで。ショバ代払わなあかんし、ツテがないと相手にされへん」
ここで、ちょっと個人的に気になっていたことを相談してみることに。
「足回り? サンダルやのうて?」
「気になります?」
実は創造神に落とされた時に履いていたのがサンダルなので、そのまま履いていたのですが。
こいつが革製ということで、蒸れる、蒸れる。
しかも、汗をかくと滑るので、そろそろ嫌になってきた次第。
しかもね。
こう、異臭がね。
男性陣が集まっている場所に行くと、むあっと臭うので。
女の子はどうやって対応しているのか、本気で知りたい程でして。
なので、領都に向かう時に寄った村で野菜を買う時に保存とかに使ってと大量に藁も買いまして。
そちらで草鞋でも作ろうかなと。
触った感じ、地球の麦わら帽子の麦わらと違って感触が稲わらに似ていたので、ぴんと。
出来れば現金収入の一助にでもなればと思ったのですが、あんまり芳しくない反応。
ついでに、足袋も考えているのですが、駄目?
そんな事はさておき、昨日の事件を考えたら変な遭遇は嫌というのが共通認識でして。
「さっさと領都まで行きましょう!!」
「あんなん、適わんわ」
との事なので、周囲をくまなく確認し、短距離ワープ開始。
しゅしゅしゅぴーんっと移動を繰り返し、三十分弱ほどで領都近くまで到達。
そろそろ人目を気にしないといけなくなりそうなので、馬車で大回りしつつ街道に出ました。
「ほんま、反則やわ……」
エルディアさんの言うのに合わせてアイシャさんも頷いていますが、享受している二人に文句を言われる筋合いはないということで、エステ抜きの罰を与えようかと思ったのですが。
「そんな殺生な!!」
という訳で、今回も立ち消えとなりました。
ぐぬぬ。
荷車をぽくぽく走らせていると、実り豊かな畑が見えてきます。
おぉぉと眺めていると、遥か彼方にけぶりながら城壁がそびえているのが微かに伺えます。
という訳で、ここでおさらい。
領都、領都と言っていますが。
こちら、レーアルディア辺境伯の領地になります。
現在の国王の弟に当たる人で、現在の王位継承権第一位のお人です。
ちなみに、国の名前はバルトゥーンなので、レーアルディア・ほにゃらら・バルトゥーンだそうです。
国王の名前は分かりやすくバルトゥーンを継承するそうです。
ここから長くややこしいのですが、短く簡潔に。
バルトゥーン国の貴族制度ですが、基本的にフラットです。
名義は公侯伯子男とありますが、在地貴族という扱いにおいては対等になる形。
尊称が違うのは国に兵員を納める人数、税をどれだけ納めるか。
金と力がバロメーターです。
で、国法上はフラットなのですが各貴族にも上下関係がありまして、これが寄親寄子制度というもので。
会社の役職とは違って、ヤクザの親子関係みたいなものです。
看板を貸して面倒を見る代わりに、上りを徴収する。
国としても、税収と兵員を維持出来れば問題無いので、黙認しているそうです。
ちなみに、現在はバルトゥーン国バルトゥーン朝で分かりやすいのですが、他の家が継承する事もあります。
親戚さんとかの場合ですね。
その場合は、バルトゥーンを継承し、バルトゥーン国ほにゃらら朝になります。
今の継承権だと、そのままバルトゥーン朝が続くと考えられています。
閑話休題。
流石に領都に近づくと、道もきちんとしてまして。
固められた道を走るのはかなり楽です。
辺境の村と村をつなぐ道なんて、藪を切り開いただけの獣道とかざらでしたから。
しゅぴぴーんっと飛んでいたので、本当の苦労は知りませんけど。
そんな事を考えていると、徐々に馬車や人が合流して詰まって来たなと感じた辺りで城壁がはっきりと見えてきました。
高さは十メートルほどでしょうか。
結構な大きさの石を積み上げて作られており、かなりの迫力。
これを見るだけでも、領都まで来た価値があるなと。
朝の早い時間に到着したにも関わらず、入町の列は長く、結局昼下がり辺りまで待って門前までつきました。
ここでもエジライさんの薬師パワーは偉大で、俺とアイシャさんは何の問題も無く通過。
エルディアさんは野鍛冶なので、ちょっと審問に時間がかかりましたが身元を我々が担保するという形でクリア。
信用というのは大事だなと心のメモ帳に改めて刻みつつ、結構な厚さがある城壁を抜けて、領都に入りました。
で、都会に来て最初にする事。
まずは宿泊場所の確保。
外なら馬さんも食事に困らないのですが、流石に町中だと難しいので、きちんとした宿泊施設に預けます。
しかし、流石領都。
エルディアさんに聞いて覚悟していたのですが、宿泊費がべらぼうで。
村で売ったポーションの売り上げでも、三人部屋で数日分にしかならず。
でも、これ以上下げたら団体大部屋しか無いそうで。
諦めて支払いを済ませて、部屋に入った次第です。
いや、流石に垢抜けてしまった女子二人を連れていると場末の宿泊設備という訳にもいかず。
最初にエルディアさんに聞いたお父さん馴染みの宿に向かったら、木賃宿の団体大部屋だったので。
お父さんっ!! って心の中でツッコミ入れてしまった。
娘を大事にしてと思いながら、狭い三人部屋から『一坪の世界』へ移動。
「お金がありません」
緊急会議を開く事にしました。
金策源はあるのですが、大っぴらに出来ない手段が多く。
「ポーションですかね?」
「鍛冶は無理やで。ショバ代払わなあかんし、ツテがないと相手にされへん」
ここで、ちょっと個人的に気になっていたことを相談してみることに。
「足回り? サンダルやのうて?」
「気になります?」
実は創造神に落とされた時に履いていたのがサンダルなので、そのまま履いていたのですが。
こいつが革製ということで、蒸れる、蒸れる。
しかも、汗をかくと滑るので、そろそろ嫌になってきた次第。
しかもね。
こう、異臭がね。
男性陣が集まっている場所に行くと、むあっと臭うので。
女の子はどうやって対応しているのか、本気で知りたい程でして。
なので、領都に向かう時に寄った村で野菜を買う時に保存とかに使ってと大量に藁も買いまして。
そちらで草鞋でも作ろうかなと。
触った感じ、地球の麦わら帽子の麦わらと違って感触が稲わらに似ていたので、ぴんと。
出来れば現金収入の一助にでもなればと思ったのですが、あんまり芳しくない反応。
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