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第002話 初エンカウントの定番はスライムじゃないのかYo!!
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ふっと意識が戻ったので、周囲を確認中。
森……だと思うのだけど、周りの木々は倒れへし折れて無惨な有様を晒している根元の部分がそこここに憐れな姿を晒している。
空からは温かな光が溢れ、ここが深い森の中とは思えない程の視界を確保してくれるのだが。
その視界で眺め……眺め……眺めたくないものありける。
ここで質問なのだが。
家族で引っ越しなど、したことはあるだろうか。
その際に、引っ越し屋が大きなトラックで訪問してきたと思う。
それ、二トントラックのワイドロングアルミバンと呼ばれるものなのだが。
それに匹敵するサイズのトカゲが目の前にいる事を想像して欲しい。
色は、濃い赤を主体として、トライバルな感じで黒が所々渦巻いている。
体格に対して小さな腕部の背後、背中からは体よりも長い皮膜付きの蝙蝠のような翼が広がっている。
足からは凶悪な爪が伸び、大地をしっかりと踏みしめて固定しているのがよく分かるよ。
うん、まぎれもないドラゴンだ。
起立の姿勢で意識を戻した俺の前には、恐竜の化石展示展で見たどの骨格標本よりも遥かに大きく、凶悪な姿のドラゴンが鎮座していた。
俺がくてんっと首を傾げると、向こうもくてんと首を傾げる。
きっとスタート地点という事で、あの存在がモザイクな爺が用意した案内人とかだと思……いたい。
ここで、背中に乗せて遊覧とかしてくれるんだ……きっと。
人語とかも介してくれたり……なんかしたり。
そんな淡い期待を込めて、ファーストコンタクトを取ってみる。
「へろー?」
右の掌を差し出しつつ、フレンドリーに聞いてみた。
にこっと微笑んで告げた言葉に返ってきたのは、咆哮だった。
家の扉よりも大きなお口が開いたかと思うと、大音声だいおんじょう。
いや、もうね。
音とかのレベルじゃない。
突風というよりも、衝撃波の塊に打ち付けられて、吹っ飛んだよ。
ごろごろと後ろ回りで転がりに転がって、へし折れた切り株にしこたま尻を強打して、涙目。
二つに割れた尻をさすりつつ、四つん這いでドラゴンさんを眺めると、明らかに座った目でこちらを見ていらっしゃる。
敵意マックス!!
やせいのどらごんがあらわれた、どうする? 状態。
いやぁぁぁ、異世界に降り立った途端ランダムエンカウントでドラゴンですよ?
ぜってぇ、あの卑猥なパラパラ漫画爺は次に会ったらボディに強打をしこたま食らわす。
と言っても、その機会はすぐに訪れそうだがな、HAHAHA。
ドラゴンさんのたわんでいた後脚の筋肉がぎちりっと圧縮された瞬間、圧倒的に嫌な予感が頭をよぎりすかさず水泳の飛び込み張りに横っ飛びを敢行。
その瞬間、大音声を鳴らしながらドラゴンさんが突っ込んできてもうもうと土埃が舞い上がる。
はい、自然破壊の犯人特定。
犯人はお前だ、真実はいつも一つ!!
そんな真実、知りたくなかったよ!!
錯乱しながら着地後の四つん這い状態で、しゃかしゃかと逃げようとするが、再度の咆哮。
ごろごろと無様に転がる俺。
もうね、ピンボールじゃないんだから手加減してくれと阿呆な事を考えつつ、必死に振り向くと。
大きな顎あぎとを開けたドラゴンさんが、ブルドーザー状態で急速接近中。
そこここに転がる丸太をジェンガのコマの如く軽々と弾き飛ばしながら、ガブッチョしようと高速で近づいてきていた。
あ、死んだ。
脳内でだばだば溢れるアドレナリンのお陰で時間が引き延ばされる中、冷静な判断のもと、自分の将来が垣間見えた。
やめて!! 私をぱっくんちょする気でしょう? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!
そんな辞世の言葉を思いつつ、俺はたった一つの事だけを考えた。
逃げたい、逃がして。
その刹那、眼前において顎はギロチンもかくやの勢いで、音を立てて閉じられた。
森……だと思うのだけど、周りの木々は倒れへし折れて無惨な有様を晒している根元の部分がそこここに憐れな姿を晒している。
空からは温かな光が溢れ、ここが深い森の中とは思えない程の視界を確保してくれるのだが。
その視界で眺め……眺め……眺めたくないものありける。
ここで質問なのだが。
家族で引っ越しなど、したことはあるだろうか。
その際に、引っ越し屋が大きなトラックで訪問してきたと思う。
それ、二トントラックのワイドロングアルミバンと呼ばれるものなのだが。
それに匹敵するサイズのトカゲが目の前にいる事を想像して欲しい。
色は、濃い赤を主体として、トライバルな感じで黒が所々渦巻いている。
体格に対して小さな腕部の背後、背中からは体よりも長い皮膜付きの蝙蝠のような翼が広がっている。
足からは凶悪な爪が伸び、大地をしっかりと踏みしめて固定しているのがよく分かるよ。
うん、まぎれもないドラゴンだ。
起立の姿勢で意識を戻した俺の前には、恐竜の化石展示展で見たどの骨格標本よりも遥かに大きく、凶悪な姿のドラゴンが鎮座していた。
俺がくてんっと首を傾げると、向こうもくてんと首を傾げる。
きっとスタート地点という事で、あの存在がモザイクな爺が用意した案内人とかだと思……いたい。
ここで、背中に乗せて遊覧とかしてくれるんだ……きっと。
人語とかも介してくれたり……なんかしたり。
そんな淡い期待を込めて、ファーストコンタクトを取ってみる。
「へろー?」
右の掌を差し出しつつ、フレンドリーに聞いてみた。
にこっと微笑んで告げた言葉に返ってきたのは、咆哮だった。
家の扉よりも大きなお口が開いたかと思うと、大音声だいおんじょう。
いや、もうね。
音とかのレベルじゃない。
突風というよりも、衝撃波の塊に打ち付けられて、吹っ飛んだよ。
ごろごろと後ろ回りで転がりに転がって、へし折れた切り株にしこたま尻を強打して、涙目。
二つに割れた尻をさすりつつ、四つん這いでドラゴンさんを眺めると、明らかに座った目でこちらを見ていらっしゃる。
敵意マックス!!
やせいのどらごんがあらわれた、どうする? 状態。
いやぁぁぁ、異世界に降り立った途端ランダムエンカウントでドラゴンですよ?
ぜってぇ、あの卑猥なパラパラ漫画爺は次に会ったらボディに強打をしこたま食らわす。
と言っても、その機会はすぐに訪れそうだがな、HAHAHA。
ドラゴンさんのたわんでいた後脚の筋肉がぎちりっと圧縮された瞬間、圧倒的に嫌な予感が頭をよぎりすかさず水泳の飛び込み張りに横っ飛びを敢行。
その瞬間、大音声を鳴らしながらドラゴンさんが突っ込んできてもうもうと土埃が舞い上がる。
はい、自然破壊の犯人特定。
犯人はお前だ、真実はいつも一つ!!
そんな真実、知りたくなかったよ!!
錯乱しながら着地後の四つん這い状態で、しゃかしゃかと逃げようとするが、再度の咆哮。
ごろごろと無様に転がる俺。
もうね、ピンボールじゃないんだから手加減してくれと阿呆な事を考えつつ、必死に振り向くと。
大きな顎あぎとを開けたドラゴンさんが、ブルドーザー状態で急速接近中。
そこここに転がる丸太をジェンガのコマの如く軽々と弾き飛ばしながら、ガブッチョしようと高速で近づいてきていた。
あ、死んだ。
脳内でだばだば溢れるアドレナリンのお陰で時間が引き延ばされる中、冷静な判断のもと、自分の将来が垣間見えた。
やめて!! 私をぱっくんちょする気でしょう? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!
そんな辞世の言葉を思いつつ、俺はたった一つの事だけを考えた。
逃げたい、逃がして。
その刹那、眼前において顎はギロチンもかくやの勢いで、音を立てて閉じられた。
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