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母からの手紙3
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どうしてもあの子への態度が忘れられないまま、駒井さんがお風呂へ行った。
次こそと手紙を手に取り一度大きく深呼吸をする。
「よし…」
決意して紙を出すと内折の手紙からうっすらと文字が透けた。
手紙には見慣れた母の字で20行ぐらいの内容が書かれていた。
【沙織へ
元気ですか?今の生活は大丈夫ですか?
置いて行ってごめんなさい。
あなたを売るようなことになってしまい本当にごめんなさい。
葛西さんからお話は聞きました。
もし許してくれるならお母さんももう一度会いたいです。
すぐに許して貰えなくても、いつかもう一度一緒に暮らせる日を願っています。
お母さんは今 友人の家にお世話になり、バイトをして暮らしています。沙織を置いていったくせに…、お母さんは今元気に頑張って暮らしています。
駒井さんという方は危ない方では無いんだよね?
葛西さんには一通り聞いたつもりですが、心配です。
駒井さんと幸せに暮らしていると聞きましたが、沙織の直接の言葉で聞きたいです。
お母さんの今の携帯の番号と住所を書いておきます。
お返事くれると嬉しいです。
お母さんより】
全文読み終えた時、なんとも言えない気持ちになりながら目に涙が溜まった。
…やっぱりお母さんは私に申し訳なくて会いにくいんだろうか。
文章からそう感じ取れて逆に申し訳なくなった。
お母さんだって逃げるしかなかったんだよね。
わかってる。しょうがないって思ってる。
…とはいえ。
私がお母さんの立場でも罪悪感は大きいはずだから…。
早く返事を書きたい。
とは思っても用紙も封筒もなかった。
…美津さんなら持ってるかな
駒井さんは持ってなさそうだし、お爺さんが持っているのなら真っ白の和紙と茶封筒になりそう…
私は手紙を封筒にしまいベット脇の棚の上において、美津さんの部屋へ向かった
次こそと手紙を手に取り一度大きく深呼吸をする。
「よし…」
決意して紙を出すと内折の手紙からうっすらと文字が透けた。
手紙には見慣れた母の字で20行ぐらいの内容が書かれていた。
【沙織へ
元気ですか?今の生活は大丈夫ですか?
置いて行ってごめんなさい。
あなたを売るようなことになってしまい本当にごめんなさい。
葛西さんからお話は聞きました。
もし許してくれるならお母さんももう一度会いたいです。
すぐに許して貰えなくても、いつかもう一度一緒に暮らせる日を願っています。
お母さんは今 友人の家にお世話になり、バイトをして暮らしています。沙織を置いていったくせに…、お母さんは今元気に頑張って暮らしています。
駒井さんという方は危ない方では無いんだよね?
葛西さんには一通り聞いたつもりですが、心配です。
駒井さんと幸せに暮らしていると聞きましたが、沙織の直接の言葉で聞きたいです。
お母さんの今の携帯の番号と住所を書いておきます。
お返事くれると嬉しいです。
お母さんより】
全文読み終えた時、なんとも言えない気持ちになりながら目に涙が溜まった。
…やっぱりお母さんは私に申し訳なくて会いにくいんだろうか。
文章からそう感じ取れて逆に申し訳なくなった。
お母さんだって逃げるしかなかったんだよね。
わかってる。しょうがないって思ってる。
…とはいえ。
私がお母さんの立場でも罪悪感は大きいはずだから…。
早く返事を書きたい。
とは思っても用紙も封筒もなかった。
…美津さんなら持ってるかな
駒井さんは持ってなさそうだし、お爺さんが持っているのなら真っ白の和紙と茶封筒になりそう…
私は手紙を封筒にしまいベット脇の棚の上において、美津さんの部屋へ向かった
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