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返事3
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落ち着いて「すいません…」と謝ると、「意地悪した真斗が悪い」と駒井さんが言う。
「ごめんね。あげて下げるよりは下げて上げる方がいいかなって」
そう言いながら笑う葛西さんに、大丈夫ですと頷く。
「結果言ったところで報告書まとめからどうぞ」
封筒の中からホッチキスで止められた紙の束を私に差し出す。
何故か表紙に【沙織ちゃんとお母さん仲直り計画書】という丸文字のフォントで書かれ、誰が描いたのかわからない可愛いイラストが描いてあった。
「…仲直りって…、喧嘩してないけどね」
隣から駒井さんがそう突っ込んで笑う。
表紙をガン見していると、一番下の方に【表紙作成:タケ 】と書いてあって「巻き込み…」と笑う。
「深刻な感じよりいいかなって思ってタケさんに頼んだんだよね」
そう語る葛西さんに、観点がズレてるとつい笑う。
「まず1ページ目には出発前に集めたデータ。それとここから駅へ行き彼女の元までの時間と値段と経路」
地図と電車の時刻表なんかまで乗っていて、修学旅行のパンフみたいと心なし楽しくなる。
報告書で色々わかったこと。
お母さんの友達に感謝しないといけないこと、
その友達の旦那にも感謝しないといけないこと。
ある程度まともな生活してること…
その他諸々。
一応全ページを確認した後、なんとなく嬉しい気持ちのまま閉じる。
駒井さんが「よかったね」と笑うから、頷いて笑い返す。
そのあと普通に食事をして、世間話をしながら時間はすぎた。
組の話とか会社運営の話とか
わからない話はありながらも、私と二人の時とは違う駒井さんがみれて楽しかった。
お母さんのことが心配がなくなって心から普通に笑えた。
「そういえばさ、会社の社長降りるわ」
唐突な駒井さんの言葉に、葛西さんがコーヒーを吹きそうになる。
「まじで…?」
一息ついてから落ち着いて聞く葛西さんに、「本気と書いてマジと読む」とドヤ顔をして駒井さんが言う。
「唐突な。」
明らかに動揺している葛西さんが真顔になる。
「って事で社長探すか真斗オーナー兼するか」
その言葉に「さ、探すか…オーナー…兼…兼任…」とバグったように明らかに平然とできてない葛西さんにくすっと笑う。
…葛西さんてクールでおちゃらけてるなんでも器用にこなすタイプだと思ってた。
新たな一面に完璧じゃないんだなって親近感を持ちながら二人のやりとりを眺めた。
「ごめんね。あげて下げるよりは下げて上げる方がいいかなって」
そう言いながら笑う葛西さんに、大丈夫ですと頷く。
「結果言ったところで報告書まとめからどうぞ」
封筒の中からホッチキスで止められた紙の束を私に差し出す。
何故か表紙に【沙織ちゃんとお母さん仲直り計画書】という丸文字のフォントで書かれ、誰が描いたのかわからない可愛いイラストが描いてあった。
「…仲直りって…、喧嘩してないけどね」
隣から駒井さんがそう突っ込んで笑う。
表紙をガン見していると、一番下の方に【表紙作成:タケ 】と書いてあって「巻き込み…」と笑う。
「深刻な感じよりいいかなって思ってタケさんに頼んだんだよね」
そう語る葛西さんに、観点がズレてるとつい笑う。
「まず1ページ目には出発前に集めたデータ。それとここから駅へ行き彼女の元までの時間と値段と経路」
地図と電車の時刻表なんかまで乗っていて、修学旅行のパンフみたいと心なし楽しくなる。
報告書で色々わかったこと。
お母さんの友達に感謝しないといけないこと、
その友達の旦那にも感謝しないといけないこと。
ある程度まともな生活してること…
その他諸々。
一応全ページを確認した後、なんとなく嬉しい気持ちのまま閉じる。
駒井さんが「よかったね」と笑うから、頷いて笑い返す。
そのあと普通に食事をして、世間話をしながら時間はすぎた。
組の話とか会社運営の話とか
わからない話はありながらも、私と二人の時とは違う駒井さんがみれて楽しかった。
お母さんのことが心配がなくなって心から普通に笑えた。
「そういえばさ、会社の社長降りるわ」
唐突な駒井さんの言葉に、葛西さんがコーヒーを吹きそうになる。
「まじで…?」
一息ついてから落ち着いて聞く葛西さんに、「本気と書いてマジと読む」とドヤ顔をして駒井さんが言う。
「唐突な。」
明らかに動揺している葛西さんが真顔になる。
「って事で社長探すか真斗オーナー兼するか」
その言葉に「さ、探すか…オーナー…兼…兼任…」とバグったように明らかに平然とできてない葛西さんにくすっと笑う。
…葛西さんてクールでおちゃらけてるなんでも器用にこなすタイプだと思ってた。
新たな一面に完璧じゃないんだなって親近感を持ちながら二人のやりとりを眺めた。
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