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本田さん
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「ちょっとあっちで話しませんか?」
そっと右手を握られて、慌てて手を引く。
男性に免疫が無いせいなのか、洸くんがかっこいいせいなのか。
自分でも顔が真っ赤になるのがわかって目をそらす。
「五月先輩、男慣れしてなさそうでいいっすね。
…美味しそう」
ぺろっと舌舐めずりする洸くんに若干の恐怖を覚えて一歩後ずさる。
…まって。美味しそうってどうゆう意味。
ねえ…。
睨むようにして彼をみていると、部署のドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します。企画部部長の本田です。宮川さんはいらっしゃいますか」
そこに立っていたのは隣の企画部の部長。本田 広司(ほんだ こうじ)さんだった。
…私の、苦手な人。
何かと人をバカにするように見下したり、一切笑顔を見せずに淡々と話を進める感じがどうしても好かない…。
クールでかっこいいって言う人も居ないことはないけど、どちらかと言うと冷淡で俺様ぽくて苦手意識を持ってる人が多いとおもう…。
「いらっしゃいますか?」
誰一人返事をしなかったせいで、ドアの一番近くにいた私たちにもう一度聞き直す。
「えっと今、コピーに出ていて……。あと5分もしないで帰ってくると思います」
目を合わせられず気まずそうにそう返すと、彼はフンっと鼻で笑った。
「君は…赤平 五月さんだったかな。もう入社して結構経つと思うんだが、人と話すときは目を合わせるって教わらなかったのか?」
じろじりと私をみて、彼はそう言う。
…だってあなたが苦手なんだもの。
そんなこと言えるはずもなく、私は小さく会釈して「申し訳ございません」と謝る。
すると目の前に立って居た洸くんが私をかばうように本田さんと私の間に立つ。
「こう兄の方こそ、人のこと鼻で笑ったりじろじろと躾のなってない目で見たりして常識ないんじゃねえの」
…洸くんがそう言った
そっと右手を握られて、慌てて手を引く。
男性に免疫が無いせいなのか、洸くんがかっこいいせいなのか。
自分でも顔が真っ赤になるのがわかって目をそらす。
「五月先輩、男慣れしてなさそうでいいっすね。
…美味しそう」
ぺろっと舌舐めずりする洸くんに若干の恐怖を覚えて一歩後ずさる。
…まって。美味しそうってどうゆう意味。
ねえ…。
睨むようにして彼をみていると、部署のドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します。企画部部長の本田です。宮川さんはいらっしゃいますか」
そこに立っていたのは隣の企画部の部長。本田 広司(ほんだ こうじ)さんだった。
…私の、苦手な人。
何かと人をバカにするように見下したり、一切笑顔を見せずに淡々と話を進める感じがどうしても好かない…。
クールでかっこいいって言う人も居ないことはないけど、どちらかと言うと冷淡で俺様ぽくて苦手意識を持ってる人が多いとおもう…。
「いらっしゃいますか?」
誰一人返事をしなかったせいで、ドアの一番近くにいた私たちにもう一度聞き直す。
「えっと今、コピーに出ていて……。あと5分もしないで帰ってくると思います」
目を合わせられず気まずそうにそう返すと、彼はフンっと鼻で笑った。
「君は…赤平 五月さんだったかな。もう入社して結構経つと思うんだが、人と話すときは目を合わせるって教わらなかったのか?」
じろじりと私をみて、彼はそう言う。
…だってあなたが苦手なんだもの。
そんなこと言えるはずもなく、私は小さく会釈して「申し訳ございません」と謝る。
すると目の前に立って居た洸くんが私をかばうように本田さんと私の間に立つ。
「こう兄の方こそ、人のこと鼻で笑ったりじろじろと躾のなってない目で見たりして常識ないんじゃねえの」
…洸くんがそう言った
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✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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