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しおりを挟む「紬お兄ちゃん、今日もいい…?」
「いいよ、凛。おいで」
少し大きなうさぎのぬいぐるみを抱きかかえた自分の弟が、部屋の扉を開けて控えめな声で聞いてきた。
腕の中のうさぎと同じようにうるうるとした瞳で見つめられれば、先ほどまで思い悩んでいたことなど頭の中から転げ落ちて、この可愛い可愛い弟が満たされるまで可愛がってあげねばと思ってしまう。
紬が両手を広げると、飛び込むように駆けてきた凛の力に押し負けて2人はベッドの上へと倒れ込んだ。
まるで「好き好き!」と全身で表すかのように紬の身体をぎゅうううっと抱きしめた凛は、慣れた手つきで紬のパジャマの裾を胸元まで捲り上げる。
顔を覗かせた色素の薄いぷっくりとした2つの粒をじっと見つめたあと、小さな口をぱっくりと開けてふわふわと柔い唇でそれを挟んだ。
「ん…っ」
最近は頻繁に行われていたこの行為のせいで、紬のそれはすっかり敏感になってしまっていた。
最初はやわやわと唇で食まれ、徐々にちうちうと優しく吸われるような動きに変わる。
その間、もう片方のそれは誰にも渡さん!と固い意志を示すかのように親指と人差し指に掴まれていた。
きゅっ、と断続的な動きで弄られていると芯を持ち始めてしまい、それが面白いのかおもちゃで遊ぶように時折緩急をつけながら捏ね回してくる。
「んんっ、ぁ、ぅ…っ」
感じちゃだめだ感じちゃだめだ、となんとか喘ぎ声を抑えようとするが怪しい声や吐息がつい漏れてしまう。
「おにいちゃん、僕の頭撫でて…?」
もうすでに引き返せないところまで来てしまったのかもしれないと靄がかった頭の片隅で考えていると、凛がうるうるとした上目遣いで「おねがい」してきた。
「もう、凛は甘えんぼうだなぁ」
「んへへ、紬おにいちゃん、だいすきぃ」
よしよしと凛の丸い頭を撫でると、とても嬉しそうに目を細めて再び胸元に顔を埋めた。
お礼のように今度はちろちろと飴を舐めるように舌で転がされ、さらに優しく甘噛みされたことによって紬の理性はついに限界に達してしまった。
紬には最近悩んでいることがあった。
海外赴任中の両親の代わり、兄としての立場。
それぞれが今までの自分を奮い立たせ、弟である凛を自分が守り育てていかねばと確固たる意志を持って生きてきた。
しかしどこで道を間違えたのか、今や弟は夜な夜な俺の部屋に来てはこの行為を繰り返すようになり、紬は前よりちょっとだけそこが敏感になってしまい、しかも普通の男子高校生よりちょっとだけ大きくなってしまったような気がする。
そのちょっとが少しずつ無視できない程の変化となっていき、それが今この瞬間に明確なものへと変わり果ててしまった。
結論から言おう。
その夜、紬は初めて凛の乳吸いで射精した。
もうなんの言い逃れようもない程に、紬の乳首は弟の凛によって開発されてしまったのだ。
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