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十九話 極めし者へ
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狩人の郷には、菊の一の、愚かな行いを教訓とする為に、首領の家には、大量の書物や絵巻物が置かれたているのだが、郷で何か問題が起こると、一つの参考として、この書物を読み解き、穏便にそして速やかに解決している。
桃花が、鬼を連れ石碑に向かった朝、首領は何か悪い予感が頭によぎり、数多くの書物を読み解き、「あの娘さん石へと、変貌するかもしれない」「いい方法は無い物か」彼はそう言うと又これでも無い、あれでも無いと数多くの書物向き合い、一つの結論を導き出す。
「元に戻す方法は、コレのみ」
桃花の父親のアラガシは、熊の様な大男で、顎には立派なヒゲを蓄え、その立ち姿は、貫禄と自信に満ちている様に見えるが、しかし彼の性格は、せっかちそのもので、ドタドタと大きな足音を立て、グルグルと家の中を、歩き周りなから、自慢の顎髭を何度も触り、桃花達の安否を願っていたので有った。
そんなアラガシは、この郷に有る書物の中で、最も古い巻き物をシゲに手渡し「ワシには、戦術や魔力の事は、解らない」「しかしこの巻き物には、ススリさんを元に戻す、手掛かりが書かれている」 シゲは、その巻物を広げ、読み解
いて行くと、自分達が、これから成し遂げ様とする事の、難しさを改めて感じる。
「おそらく、里中島ではウルシが、ススリの魂を、鬼魄に吹き込んでいる」
「そして、魂を吹き込まれた鬼魄は、途轍もなく強い、お前達の想像の範疇を遥かに上回ると思え」
「そんな鬼魄を殺らずに確実に一体、一体封印し、その魂を抜き取る必要が有る」「しかもだ、魂を吹き込んだ、者全てを殺る事が許さない」
「この巻物に書かれている事が、正しければ、これは、困難極まり無い任務だ」
「簡単に言うと、多くの者で、一斉に叩く事が、出来ない」
「つまりお前達は、ここから約二十日間で、極めし者と成る必要が有る」
「鳥居は、糸切りの里に帰り、シラカバの元で働き、介護の雫を極めろ」「そしてもう一つ、白き魔力には、幾つか攻撃の技が有る」「その内の一つで良い、自分の物にしろ」
シラカバは、ススリが、糸切りの里を後にした翌朝より、僅か十歳で、医療班、班長として、数々の任務をこなし、悪しき魔力を吸い取りの術を巧みに使い、多くの者の命を救っていた。
更に鳥居程の、魔力は持たぬ物の、白き魔力の攻撃を使いこなす迄に、成長していて、今の鳥居に、必要な力を持つ打って付けの者だった。
「乾は既に、青き魔力、青龍の剣を、使いこなしているが、武術の甘さが見える限り、極めし者と呼ぶには、程遠い」「俺がミッチリと鍛えてやる」
この言葉を聞いた乾の瞳は、直ぐに鋭く光り、それに加え潤いを増す。
「望む所です」「シゲ様との、圧倒的なその差、必ず埋めて見せます」
「その言葉忘れるな」そう言うと、シゲは、乾の成長を、楽しみにしているのか、笑みを浮かべる。
そして、再び巻物に目を向け、シゲはこの計画の核心を話し始める。
「この計画には、鬼魄を封印し、魂を回収できる者が、必要不可欠」「この仕事に最も適任なのは、鳥鬼のキントキ」
「しかしながら、テボウが、裏切りし者となった今、鳥鬼の寝ぐらに、テボウの仲間が、まだひっそりと、暮らしているやも知れない」「今回は、鳥鬼に頼らず、計画を進める事が、万全の策」
「ふ~んなるほどね、俺はその封印の呪文と、魂を回収の術を身につける必要が有るのか」
「流石飛猿だ、この長き巻物の文字を読み解き、理解したか」
「今のお前は、赤き魔力を自在に操れる、しかし封印や魂の回収の術は、全く無知なる者」「よって明日の朝、ここを立ち、蛇骨の洞窟に桃花と共に行け」「そこには、アカツキとイツキと言う、年老いた双子の術師が居る」「俺の名前を出せば、おそらく、心良く受け入れて貰える筈だ」
「彼等に存分と、鍛えて貰うと良い」「そして、紅の封印の、極めし者に慣れ」
アカツキとイツキは、かつてシゲ達、忍びの者と、数多くの戦さ場で、協力をし合う戦友として、任務を遂行していた。
今こそ歳を取り、あまり動く事を、叶わなくなった物の、アカツキは、封印や魔方陣、そして魂の回復の術も心得え、イツキは、金色の盾を極めし文献神で有った。
「桃花よ、今の話しを聞いて解っていると思うが、飛猿と共に、蛇骨の洞窟に向かえ」「爆なる魔力は完全に自分の者にしているのだが、飛猿と同様に、魔力の本質は、まるで成って無い」「金色の盾の本質見極め」「極めし者として、里中島に立て」
「いいか良く聞け、一人でも極めし者に成れぬなら、この計画はそこで終わりだ」「極めし者に成る事が、最低条件で、ここから全てが始まる」
シゲの、この言葉を切っ掛けで、彼等は、血の滲む様な訓練を受ける事と成る。
そして翌朝シゲ、乾、鳥居は、糸切りの里に向け足を踏み出し、飛猿と桃花は、アカツキとイツキの居る、蛇骨の洞窟を目指し、狩人の郷を後にする。
桃花が、鬼を連れ石碑に向かった朝、首領は何か悪い予感が頭によぎり、数多くの書物を読み解き、「あの娘さん石へと、変貌するかもしれない」「いい方法は無い物か」彼はそう言うと又これでも無い、あれでも無いと数多くの書物向き合い、一つの結論を導き出す。
「元に戻す方法は、コレのみ」
桃花の父親のアラガシは、熊の様な大男で、顎には立派なヒゲを蓄え、その立ち姿は、貫禄と自信に満ちている様に見えるが、しかし彼の性格は、せっかちそのもので、ドタドタと大きな足音を立て、グルグルと家の中を、歩き周りなから、自慢の顎髭を何度も触り、桃花達の安否を願っていたので有った。
そんなアラガシは、この郷に有る書物の中で、最も古い巻き物をシゲに手渡し「ワシには、戦術や魔力の事は、解らない」「しかしこの巻き物には、ススリさんを元に戻す、手掛かりが書かれている」 シゲは、その巻物を広げ、読み解
いて行くと、自分達が、これから成し遂げ様とする事の、難しさを改めて感じる。
「おそらく、里中島ではウルシが、ススリの魂を、鬼魄に吹き込んでいる」
「そして、魂を吹き込まれた鬼魄は、途轍もなく強い、お前達の想像の範疇を遥かに上回ると思え」
「そんな鬼魄を殺らずに確実に一体、一体封印し、その魂を抜き取る必要が有る」「しかもだ、魂を吹き込んだ、者全てを殺る事が許さない」
「この巻物に書かれている事が、正しければ、これは、困難極まり無い任務だ」
「簡単に言うと、多くの者で、一斉に叩く事が、出来ない」
「つまりお前達は、ここから約二十日間で、極めし者と成る必要が有る」
「鳥居は、糸切りの里に帰り、シラカバの元で働き、介護の雫を極めろ」「そしてもう一つ、白き魔力には、幾つか攻撃の技が有る」「その内の一つで良い、自分の物にしろ」
シラカバは、ススリが、糸切りの里を後にした翌朝より、僅か十歳で、医療班、班長として、数々の任務をこなし、悪しき魔力を吸い取りの術を巧みに使い、多くの者の命を救っていた。
更に鳥居程の、魔力は持たぬ物の、白き魔力の攻撃を使いこなす迄に、成長していて、今の鳥居に、必要な力を持つ打って付けの者だった。
「乾は既に、青き魔力、青龍の剣を、使いこなしているが、武術の甘さが見える限り、極めし者と呼ぶには、程遠い」「俺がミッチリと鍛えてやる」
この言葉を聞いた乾の瞳は、直ぐに鋭く光り、それに加え潤いを増す。
「望む所です」「シゲ様との、圧倒的なその差、必ず埋めて見せます」
「その言葉忘れるな」そう言うと、シゲは、乾の成長を、楽しみにしているのか、笑みを浮かべる。
そして、再び巻物に目を向け、シゲはこの計画の核心を話し始める。
「この計画には、鬼魄を封印し、魂を回収できる者が、必要不可欠」「この仕事に最も適任なのは、鳥鬼のキントキ」
「しかしながら、テボウが、裏切りし者となった今、鳥鬼の寝ぐらに、テボウの仲間が、まだひっそりと、暮らしているやも知れない」「今回は、鳥鬼に頼らず、計画を進める事が、万全の策」
「ふ~んなるほどね、俺はその封印の呪文と、魂を回収の術を身につける必要が有るのか」
「流石飛猿だ、この長き巻物の文字を読み解き、理解したか」
「今のお前は、赤き魔力を自在に操れる、しかし封印や魂の回収の術は、全く無知なる者」「よって明日の朝、ここを立ち、蛇骨の洞窟に桃花と共に行け」「そこには、アカツキとイツキと言う、年老いた双子の術師が居る」「俺の名前を出せば、おそらく、心良く受け入れて貰える筈だ」
「彼等に存分と、鍛えて貰うと良い」「そして、紅の封印の、極めし者に慣れ」
アカツキとイツキは、かつてシゲ達、忍びの者と、数多くの戦さ場で、協力をし合う戦友として、任務を遂行していた。
今こそ歳を取り、あまり動く事を、叶わなくなった物の、アカツキは、封印や魔方陣、そして魂の回復の術も心得え、イツキは、金色の盾を極めし文献神で有った。
「桃花よ、今の話しを聞いて解っていると思うが、飛猿と共に、蛇骨の洞窟に向かえ」「爆なる魔力は完全に自分の者にしているのだが、飛猿と同様に、魔力の本質は、まるで成って無い」「金色の盾の本質見極め」「極めし者として、里中島に立て」
「いいか良く聞け、一人でも極めし者に成れぬなら、この計画はそこで終わりだ」「極めし者に成る事が、最低条件で、ここから全てが始まる」
シゲの、この言葉を切っ掛けで、彼等は、血の滲む様な訓練を受ける事と成る。
そして翌朝シゲ、乾、鳥居は、糸切りの里に向け足を踏み出し、飛猿と桃花は、アカツキとイツキの居る、蛇骨の洞窟を目指し、狩人の郷を後にする。
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