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五話  モミジの恋路と、陰の首領 

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モミジは、ダイズを逃し、無事を願っていると、ササゲが背後に立ち問答無用で、日本刀を振り下ろし、モミジの後ろ髪を切り落とし、ササゲは、声を荒げ
「お前のダイズへの想いは知っていたが、これまでとはな」下に落ちた髪をおもむろに手に持ち、「次は無いと思え」
 そう言い放つと、大きく翼を広げ飛び去る。

 実はモミジは、ダイズ上手く逃した物の、土煙りの呪文後時で、いつまでも天才と呼ばれるササゲを、騙す事など出来ない事は、覚悟していた。
 ただ一途に、想いを馳せるダイズの為死すら覚悟の上で、ササゲを裏切り、ダイズを出来るだけ遠くに逃したい、その一身で長く騙し続ける細工を施し、ダイズの無事を願っていたのだった。
 そこには、髪と引き換えに、命を救われたモミジは、涙が頬を伝い、こぼれ落ちていた。

 モミジは、糸切りの里で生まれ当然の様に、クノいちとしての修行を積み重ねると、めきめき上達し十歳の頃には才気を開花し、#戦さ場の最前線で活躍していた。
 この戦さ場で良く、ダイズが率いる鳥鬼達と、忍びの者が協力し、敵対する城を攻め落とす為の、任務を遂行していたが、この時期のモミジと、ダイズの活躍は、目覚ましく、特にダイズは、何でも果敢に挑戦し、その一つ一つの任務を俊敏かつ確実にこなし、尚且なおかつ、負傷した者に危機が迫る際は、危険を顧みず自ら盾になり、かばっていた。
 ダイズのその行為は、仲間と認識した忍びの者に対しても、同様に振舞っていたので有る。
 その姿を見て、魔力や武術の強さとは別に、心の強さに、モミジは心を傾け、徐々に恋心を奪われ
 その一途の想いに、種族の垣根を越え、ダイズも又モミジの心を、受け止めていたが、各々の想いをつぐ
 
 こののちダイズは鳥鬼の首領となり、モミジは、陰の者の一員として山賊や海賊と言った悪しき者達を成敗し、全ての者が、過ごし易い世の中を築くと言う志しで、働いていたが、しかし首領のウルシが、思いも寄らぬ事を口にする。

 「鬼 撲滅」「奴らは、文献神に相応しく無い」
 そうコレがモミジが、後ろ髪を失う、きっかけと、なるのだが、この時はまだ知る由もなく、ウルシの命令に従い鬼撲滅に向け、新たな人材を集い、行動に移す事と成るが、モミジは、この時違和感を感じていた。
 それは、ウルシ自身が、鬼だったからで有り、普通同じ種族での争いは有るが、しかしながら撲滅と成ると、別問題で、ウルシには何か、大きな企みが有るのかも知れないと思えた。
 しかも「赤子のススリは、必ずや仕留めろ」この言葉聞いたモミジは、ススリと言う鬼の子は、おそらく、特別な能力を持ち合わせている、しかもウルシには手を出せない程の、何かを持ってこの世に生まれて来たに違いない、そう直感していた。

 そうあの日、偶然ダイズと出会って無ければ、モミジはおそらく自らの足で、糸切りの里を、目指していたのかも知れない
 そののちモミジは、ササゲを裏切ったあの夜以降、陰の者との関わりをある一定の距離を置き、ダイズと行動を共にし、更に陰の者としての活動を、終わりにしたいと、ウルシに談判していたが、数年ぶりに、ウルシより直接命令が下る。
 「モミジよ、これが最後の命令だ」
 「禁断の魔方陣を完成させて欲しい」
 「どの様な手段を使っても構わない、必ずや完成させよ」

 これがきっかけで、里中島での死闘が、繰り広げられたので有るが、モミジはこの先の短き人生を、ダイズと共に歩む道を選んでいて、ウルシより命令を受けた日より、ダイズとある計画をくわだていた。
 この時には、陰の者によって、鬼の撲滅は終了し、ある大名の提案により新たに鳥鬼や、忍びの者の撲滅の話しが、密かに進められていた。
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